2010年12月24日

大雨は止んだものの・・・[グラウンドスクール09]

6日間降り続いた雨が、ようやく止みました。この大雨災害で、南カリフォルニアでは死者1名、床上浸水や土砂崩れなどによる被害が多数発生しました。被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。私自身の周りには全く被害はありませんでした。空港以外に関しては。
この先は水没した空港西側
一昨日Elianから、今後のスケジュールの相談とグラウンドスクールをしようという電話があり、昨晩に空港まで出かけてきました。電話で「空港は完全に浸水している」と聞いてはいましたが、実際に見るとなかなかのものがありました。

空港入口では、関係者以外立ち入り禁止の掲示が出ており、警備の人も出ています。Elianから、「自分に会いに来たと伝えて。それでもダメだったら自分を呼んで」と言われていましたが、何事もなく入ることが出来ました。敷地内の芝生いたるところに飛行機が置かれています。夕暮れの中、人出もやたら多く、なんだか飛行機の展示会でもあったかのようです。

Elianに会ったとたん、「見に行こう」と車に手招きされました。彼の車に乗り込んで誘導路を行くと「Are You Ready?」。何のことかと思いましたが、格納庫の曲がり角を曲がった途端、目の前に大きな沼が広がっていました。空港の西半分が完全に水没しています。さっきの芝生の上のたくさんの飛行機は、水没地区から避難してきた機体たちなのでした。

「5年前にも同じようなことがあったらしい」。Elianは3年前から、このスクールで働いているので、実際に目撃はしていないそうですが、前にも同じようなことがあったそうです。川沿いなので、大雨で被害を受けやすいのでしょう。「いちばん深いところは、人の背丈ほど水がある」。Elianの友人のハンガーが空港西側にあるそうで、昨晩、友人と一緒にハンガーの機体を避難させたそうです。今朝が一番水が多かったとの事ですが、まだまだ水没地区は大きく、しかも雨が続いているため、水が勢いよく流れ込んでいます。これはいつになったら空港が復活するのか、大変な状態です。

幸い、わがフライトスクールは空港東側にあり、機体の水没等の被害は一切ありませんでした。被害は、スクールの建物に若干雨漏りがあった程度のようです。それでも、この6日間、飛行機も稼働せず、教官も開店休業。その上、教官やスタッフは交代で警備。なかなか大変なことだと思います。その割にはElianをはじめ、皆が妙に明るいのは前向きなのか、非日常な出来事でハイになっているのか。

一通り水没具合を見た後、スクールに戻って、今後のスケジュールを相談しました。空港の再開までの日数を見越して、今後しばらくはトレーニングの予定を入れず、6日後から再開予定としました。それでも年末年始に練習を詰めることとし、さらに1週間程度の余裕を見て、1月中旬にチェックライド(実技試験)を入れることになりました。

その後、グラウンドスクールを久しぶりに行いました。チェックライドに向けて、これまでの復習が中心でしたが、仕事と雨の関係で、10日間ぶりでスクールに来たこともあり、知識問題でおぼつかなくなっている部分がだいぶありました。航空機に必要な点検項目(AVIATES)とは?、飛行に必要な計器は(昼間ATOMATOEFLAMES、夜間はFLAPSを追加)などの項目で出てこないものがありました。しっかりと見直さなくてはいけません。細かな知識としては、飛行の際の携行書類の一つにPhotoIDがありますが、これは公的機関が発行したものである必要があることは分かっていましたが、有効期限があるものでないといけないこと、とは知りませんでした。一度習っていても、まだまだ奥が深いものです。その他、空域についてなど、Elianの質問に答える形で復習を行ないました。

さらに、これまでやっていなかったこととして、航空医学についても習いました。酸欠と過呼吸は症状が似ていて他人の場合は区別がつけにくいこと、その場合は酸欠として対処する方が安全(過呼吸では気絶はしても死なない)とのことなど、テキストに書いてある以上の具体的な話を聞けるので、Elianのグラウンドスクールはためになると思います。また、こうした具体的な話がある方が、覚えやすい気がします。

最後に、ようやくにiPhoneを入手したので、Elianお勧めの航空系アプリをいくつか教えてもらい、グラウンドスクールは終了となりました。また、5日間ほどはトレーニングがありませんが、必要な知識を確認しておきたいと思います。

同乗教習:0.0時間(累計24.4時間)
:計器0.0時間(累計0.6時間)
:夜間0.0時間(0.6時間)
単独飛行:0.0時間(累計3.4時間)
総飛行時間:27.8時間
着陸回数:0回(累計106回)
:夜間0回(累計5回)
地上教習:1.7時間(累計18.3時間)

2010年12月22日

大雨は続く・・・

ロス一帯は、先週の金曜日から雨が降り続いています。今日で5日連続。明日もまだ降りそうな感じです。ただの雨ではなく、雲が低くたりこめ、周辺の空港は軒並みIFR、LIFR状態。とてもプライベートパイロットの練習が出来る天気ではありません。もう、3回のフライトがキャンセルになりました。


先週は出張でフロリダの青空を見てきましたが、それが最後になってしまいました。
もう10日ほどセスナに乗っていません。フロリダの行き帰りにサウスウエストの737-700には乗りました。セスナに乗りなれると、小さいと思っていた737の巨大で安定していること。それでも、乱気流でスリップするのを感じられるようになっているのは、トレーニングの成果でしょうか。

早く青空とセスナ150が見たい今日この頃です。

2010年12月13日

4回目のソロ[フライトトレーニング22]

昨日の夜テレビを見ていたら、Chino空港で訓練中の小型機が墜落したとのニュースが。訓練生がやけどを負い、教官は無事との事でした。昨日から12月とは思えない陽気で、内陸で暖められた空気が海へと流れる、いわゆるSanta Anaウインドが吹いています。この天候は今日も引き続くとのこと。すなわち、今日も晴天ながら風が強い日になりそうな感じです。
離陸直後、訓練空域へ
風が強かったり、未だ不慣れなRight Traffic Patternとなる滑走路使用だと嫌だなあ、危ないと思ったら、すぐにやめる決断をしようと思って出かけました。さいわいなことに、早朝のせいもあり、風はCalm(無風)。空港に着くと、いないはずのElianが。他の訓練生の予約を入れたとのことでした。せっかくなので風について聞いてみると、しばらくは大丈夫ではとのこと。Elianと訓練生が隣の機体で出発準備をしている横で、一人で淡々と準備して出発しました。楽しそうに話している隣が、少しうらやましい気もしました(笑)。
正面の湖上空3500feetに上昇中
離陸前、Elianにどうするつもりと聞かれ、ひたすらトラフィックパターンの予定と言ったところ、「行って帰ってくるだけでも、訓練空域に行くべき」とのこと。一人でも、空港から離れる自信をつけた方が良いということかと思い、指示にしたがいました。一人で出かけるのは不安でしたが、いざ向かい出せば、今までと特に変わったことはなく、3,500feetまで上昇して、Lake Mathewsへ。最初は、本当に行って帰ってくるだけのつもりでしたが、せっかく行ったのだからと一通り練習してみることに。Maneuverの練習自体、久しぶりです。まずはClearing Turnをしてから、Steep Turn。30度バンクしたところでトリムを2回のElian伝授の方法でやってみました。たまにバンクが戻りそうになった以外は、左右とも特に問題は無し。次に、2,300(800AGL)まで降下してS字、360度。S字は湖東側の農道の上で、360度は西側の小屋を目印に。今日は携行GPSを持ちこんで記録を取ってみましたが、後で確認しても、自分で思っていたよりもきれいなS字と円で、これも問題なし。
訓練空域上空に到着
再び3,500に上がって湖上空でのスローフライト。ラダーの利きを自由に試すことが出来、これも問題なし。また、一人の方が安全確認のために外を見ようと思う気持ちが強まるためか、遠くの山を見てまっすぐ飛ぶことが出来ました。Stallはまだ一人でやるのは怖いと思ったのでやらず。それでもStall以外のすべての練習をすることが出来ました。
Corona空港(写真正面)のトラフィックパターンにて
20分ほどLake Mathewsで練習をした後、空港へ。ソロでトラフィックパターンから離れたことがなかったので、合流するのも初めてでしたが、他のトラフィックの位置をラジオ交信で把握しながら、なんとかエントリー。前に1機と離陸したての1機に挟まれた状態でした。前方機が見えていたので、そのままパターンをまわって着陸。滑走路のセンターの見え方を正しく把握してきたせいか、前ほどひどい着陸ではなくなってきた気がします。まだまだフレアがきれいとは言えないのですが。
ランウェイエンドにて他機の着陸待ち
今日は週末なので、Touch&Goは禁止のはず。ということで、毎回タクシーバックして離陸し直しました。合計5回の着陸をしました。離陸は、1回ソフトフィールド、1回ショートフィールドを練習してみました。ソフトフィールドは、もう少し練習が必要です。着陸は、すべてノーマルの練習をしました。2回ほどはきれいにフレアが決まったと思います。しかし、最後の着陸が今日一番のハードな着陸に。最後着陸の前、Elianの乗っているセスナがトレーニングから戻り自分の前に着陸していたので、一番ダメな着陸を見られてしまっていました。後で聞いたら、「最後は風が回り込んで追い風になっていたから、仕方ない。自分たちも全然脚が付かなくて、滑走路上をずっと進んでしまった」とのことでした。どおりで、Elian機は滑走路末端まで行っていた訳です。ということで、こちらはそこまで伸びなかったので、タクシーウェイに出たところで、こちらが先行する形となって駐機場へ。
こんな機体も見かけました。その1
2機駐機場に並んで到着しました。トーバーを使ってスポットに入れましたが、この操作がまだまだ下手でElianが出て来て手伝ってくれました。どうしてもずれたり、斜めになったりしてしまいがちです。
帰ってからElianと、今後のフライトについて再度打ち合わせ。来週末には、夜間のクロスカントリーの予定です。
こんな機体も見かけました。その2
今日のフライトは早朝だったおかげで、風は弱く助かりました。それでも上空ではガタガタとバンピーなところもありました。一人だったので心おきなく驚きましたが(笑)。フライト終了後、空港のテラスに登り、他機の着陸の勉強をしばらくしましたが、使用滑走路が逆になり、ASOS(自動天候測定放送)のラジオの風の数値も6knots、10knotsと高くなっていきました。Elianから、いずれ横風が強い日に着陸の練習をと言われていますが、ソロでは出来るだけ風は弱くあってほしいものです。私の最終着陸時は、追い風4ノットだったようです。

同乗教習:0.0時間(累計24.4時間)
:計器0.0時間(累計0.6時間)
:夜間0.0時間(0.6時間)
単独飛行:1.1時間(累計3.4時間)
総飛行時間:27.8時間
着陸回数:5回(累計106回)
:夜間0回(累計5回)
地上教習:0.0時間(累計16.6時間)

2010年12月11日

ATCをロールプレイング[グラウンドスクール08]

今日は、天気が良ければ飛び、悪ければ飛ばないということになっていました。それほど悪い天気ではありませんでしたが、視界は6nmほど。Elianからは、今日は時間を短縮してのグラウンドスクールにしようとのテキストメッセージが。

ATCのロールプレイングはこちらからお願いしていたので、その通りの内容になりました。やはりというか、残念というか、地上にいて、Elianとロールプレイング(Elianが管制官、私がパイロット)をすると、まあ出来ます。それに上がると、緊張するのと頭が働かなくなるのとで、呂律が回らなくなったり、言い足りなかったりしてしまうようです。それでも、想定するやり取りをしておくことで、ずいぶんと準備が出来たと思います。

Elianからは、交信を整理するためのメモ用紙の作成方法についてアドバイスをもらいました。Altimeter、Heading、Altitudeの枠を作っておくこと、ATISの記入欄を作っておくこと、などですが、確かに、役に立ちそうです。ATISについてはNavlogに作っていましたが、このATC用の用紙に作っておくことで、よりスムーズに必要な情報を探せるようになるとのこと。若干22歳(昨日知って驚きました)ながら、的確なことを教えてくれます。

22歳という目でElianを見てみると納得のいく点もあります。どうも朝が苦手らしいこと。ときどき誤字(スペルミス)をすること。それでも、それ以上に漂う安定感はものすごいものがあります。30歳前後と思った自分に無理はありません(笑)。

今日は、 1時間なので簡単に終わり、次回は4回目のSoloでしっかりと着陸を練習する事になりました。トラフィックパターンの課題は、
・着陸を安定させる(フレアをきっちりとする)
・離陸をもう少しゆっくりと(少し急ぎすぎとの指摘がありました)
・トラフィックパターンのダウンウインドの距離を安定させる(自分で思います)
これらを何とかしなくてはいけません。

同乗教習:0.0時間(累計24.4時間)
:計器0.0時間(累計0.6時間)
:夜間0.0時間(0.6時間)
単独飛行:0.0時間(累計2.3時間)
総飛行時間:26.7時間
着陸回数:0回(累計101回)
:夜間0回(累計5回)
地上教習:1.0時間(累計16.6時間)

ロングクロスカントリー[フライトトレーニング21]

先日、初めてのロングクロスカントリーに出かけました。これは、ビッグトライアングルと呼ばれるもので、出発空港を含めて3ヵ所をまわり、全体で150nm以上、さらに1区間は50nm以上を飛行することと規定されています。このビッグトライアングルは、Soloフライトの要件としてあり、最後の実技試験までに飛んでおかねばなりません(プライベートパイロット取得のための飛行条件参照)。

この日のNavlog(飛行計画)は、Excelで作成したもので、当日の風向風速予報の数値を入れればできるようになっていました。朝出発前に入力、印刷をし持っていくことができて、便利でした。これを元に、Elianがフライトプラン(FSSに提出するもの)の作成方法と、これを基にしたウェザーブリーフィングの方法について、実演してくれました。ウェザーブリーフィングは天候や航路情報を教えてくれるもので、専門用語に慣れていないとなかなかついていくのが大変そうです。ちょうど予定航路上に火災による飛行制限が出されており、その空域では制限以下に降りないよう、打ち合わせをしました。

この日のルートは、Corona(KAJO)-Ramona(KRNM)-Redlands(KREI)-Corona(KAJO)というものでした。最初のレグであるCorona(KAJO)-Ramona(KRNM)は、途中まではFrench Valleyに行った時と同じコースをたどります。しかし途中から先は初めてのコースとなります。これまでのミニクロスカントリーでも思いましたが、初めての場所での飛行はかなり気を使います。特にこの日は、Haze(もや)がひどく、初めて5500feetに上昇したこともあって、細心の注意を払い現在地点を把握することに努めました。こうした時も、時々Elianは「現在地は地図上でどのあたり」や「今エンジンが止まったらどうする?」と質問してきます。とにかくフリーウェイを視界から外さないようにして飛行しました。

ところで、目標物を設定する際、飛行機の真下は死角であることに注意する必要があります。当たり前のことですが、小さな池などは上空からは分かりやすいですが、近付くにつれ見えなくなります。これは少し厄介です。また、機体左側より右側のほうが見づらいです(左席に座っているので)。一番良いのは、フリーウェイから少しずれたところにライン取りをし、沿って飛ぶことのようです。また、計画上の区間距離は位置を把握するのに重要ですが、毎回腕時計を見るのもなかなか大変でした。Elianがiphoneでストップウォッチを出してくれましたが、こうしたものがあると便利だと思いました。

Ramonaは牧場の中のかわいらしい空港でした。ここでもあまり納得をいかない着陸となりました。そのままタクシーバックして、滑走路端で次のフライトのNavlogに切り替え、すぐに出発しました。今度は6500feetまで上昇して、Redlandsまで行きます。今回は途中までは先程のルート(厳密には違いますが)を通り、それから先は、フレンチバレー、レイク・ペリスと経由します。全てのルートをGoogle Earthで確認していたので、フレンチバレー上空からレイク・ペリスが見えることは確認してありました。次のポイントが見えていると、安心してフライトが出来ます。

この辺りで少し余裕が出て、Elianとお互いに聞きたかった事を質問し合いました。Elianからは、何しにここにきているのか、仕事は、子供はいるのか、など。こちらからは、アメリカ生まれか、将来はエアラインのパイロットになりたいのか、などを聞きました。驚いたのは、Elianはまだアメリカに来て10年と9日しか経っていないこと、完全なカリフォルニアンだと思っていました。さらに驚いたのは、来た時は12歳だったということです。彼、30前後だと思っていたのに。年の割には落ち着きはらっています。18でフライトスクールに1年間通い、それから3年間フライトインストラクターをしてきたそうです。総飛行時間は1600時間。航空会社に応募していて、もしかしたら来月にも決まるかもしれないとのことで、さらに驚きました。しかも「3年教えて来て、教えるのにはもう飽きた」そうです。教えるのではなく、飛行機を飛ばしたいとの事でした。

そんな話をしていると、すぐにレッドランド着陸のための降下地点へ。先のレグもそうでしたが、長めのフライトはフライトフォローイングを頼むとのことで、降下をリクエスト。「Request VFR Descent」と告げると、途中までの降下指示がきました。これは他機が下の高度にいるというということだそうです。フライトフォローイングでは、高度に関しては具体的な指示を出してくれます。ヘディングなどは自分で判断して飛びます。やがて空港が見えると、こちらから「Airport Insight」と告げると、そこでフォローイング終了と周波数変更の許可が指示されます。

レッドランド空港では、ミッドポイントでクロスウインドに入り、そのままトラフィックパターンへ。荒涼とした山が空港の東に迫り、狭い印象を受けましたが、何とか着陸までたどり着きました。滑走路もずいぶんと下り勾配でした。何だか山岳地帯の空港のような印象です。もう一つ印象的だったのは、空港周辺を飛行していた2,3機が全て日本人パイロットだったこと。レッドランドは日本人の訓練生が多いのでしょうか。

最後のレグも、到着後そのまま出発。出発前、滑走路端には、離陸後1マイルでSan Bernardino空港の空域である旨の看板が掲示されています。その通りに、出発後すぐに
「San Bernardino Tower, Cessna11630 departed Redlands, transition to west」と連絡。フリーウェイ10号の南を飛ぶように指示され、その通りにします。ここからは住んでいる場所の近くなので、土地勘もあり安心です。距離も短く、飛行予定は15分ほど。高度は2500feetとこれまでの2レグに比べてぐっと低くなります。 ここでElianがVORをセットし、Paradise VORに向けて飛ぶようにとのこと。そのままVOR上空を飛び越え、Corona空港上空まで。さらにミッドポイントでクロスウインドに入り、着陸。実質10分少々で到着しました。


こうして、総フライト2時間6分のクロスカントリーは、想像よりあっさりと終わりました。それぞれの空港でエンジンを止めて休憩でもするのかと思っていましたが、ドアすら開けずに飛び立ちました。

課題は、ATCでした。SOCAL Approachにフライトフォローイングを頼むことを知らなかったこともありますが、ずいぶん慌ててしまいました。こちらのコールサインを早口で言ってしまい、コントローラーが聞き取れなかったり、言うべき項目を全部伝えていなかったりなど、抜けが目立ちました。一人でのクロスカントリーの前には、こうした点を修正する必要があるとElianに指摘され、こちらからもロールプレイング方式で、ATCのグラウンドスクールをして欲しいと依頼しました。


まだまだ、完成度を高めなければいけない項目は多いようです。

同乗教習:2.1時間(累計24.4時間)
:計器0.0時間(累計0.6時間)
:夜間0.0時間(0.6時間)
単独飛行:0.0時間(累計2.3時間)
総飛行時間:26.7時間
着陸回数:3回(累計101回)
:夜間0回(累計5回)
地上教習:0.3時間(累計15.6時間)

2010年12月8日

初のナイトフライト[フライトトレーニング20]

今日は夜も完全に暮れてから、フライトスクールへ。仕事帰りの帰宅ラッシュが続いており(自分もその一人な訳ですが)、時間までに空港に着くか冷や冷やしましたが、時間ちょうどに空港へ。

前回Elianに言われたように、懐中電灯の他にヘッドライトも購入して持って行きました。このヘッドライト、夜間飛行用なほど便利で、2つの白色LEDと1つの赤色LEDがついていて、白と赤と切り替えて使用する事が出来ます。

価格も、TARGET(アメリカの島忠のようなところ)で$9ほど。Elianに自慢したら、「いい買い物だ。ここのスクールで売っているのなんて$40近くするし」との事でした。
飛行前点検に向かいましたが、ここで2つの発見が。一つは、夜間は飛行前点検も難しいということ。 懐中電灯で照らしながら、機体や可動部分を確認していきますが、部分部分でしか確認出来ないので、勝手が違います。もう一つは、夜間にオイルの補充はさらに難しいこと。口に懐中電灯を加えて、右手にオイルのボトル、左手でペーパータオルでこぼれないように押さえながら、狭いエンジンの点検口の中のオイル補充口に注ぎました。

さらに分かったのが、オイルの単位。クォート(quart)が単位であることは知っていましたが、ボトル1本が1quartなのをはじめて知りました。ボトルの裏にメモリが10目盛ほどあるのですが、この1目盛が1qurtかと思っていました。入れてはオイルゲージで確認しても少しも量が増えないと、暗い中で格闘しましたが、Elianに出発前に聞いたら、足りない時は最低でも0.5quartで補充するとの事。つまり、ボトル半分は入れて良いという事でした。

そんなこんなで出発にやや時間がかかりつつも、ようやくエンジン始動へ。ここで、機内の灯りが切れていることが判明。明るい白色灯は付くのですが、赤色系の灯りが付かないとのこと。計器は灯りが仕込まれているのかと思っていましたが、大部分はこの室内の赤色灯で照らして見るとのこと。なんと、頭に付けたヘッドライトの赤色灯を頼りに飛ぶことになりました。

夜間飛行では、自分のものも他人のものも強い白色光は良くないということで、ストロボは離陸直前まで点けず。それにしても空港というのは、地上では暗いものです。離陸するときもLanding Lightは点けていますが、それでも何だか滑走路灯の間の暗やみを走っている感じです。ところが離陸すると一気に世界が変わり、周りの街の明かりがまばゆいばかりに目に飛び込んできます。これは美しい。

「クリスマスの飾り付けのが分かる?」とElianに言われて、一つ一つの家の明かりを見てみると、確かに様々な色がにぎやかに点滅しています。「いつも美しいけど、この季節はさらに美しい」とのこと。

今日は、夜間飛行に慣れるのがテーマなので、いつもの訓練空域へ。分かったのは、市街地は明かりでとても分かりやすいですが、それ以外はとても見えにくいこと。湖の場所などは全く分かりません。つまりは、夜間にクロスカントリーをする場合、チェックポイントは昼とは別に考える必要があるということです。ちなみに、フリーウェイは昼も夜も分かりやすく、チェックポイントの優等生なのが分かりました(笑)。

その後、Riverside空港へ。以前に私がRiversideは地元のなので分かりやすい、と言ったのをElianは覚えてくれていて、良くRiversideへ予定を変更して向かってくれます。Riversideは町なかの空港ですが、そうした場合は街の中の暗い所を探すのが定石とのこと。そこにビーコンが点滅していればそれが空港とのことですが、確かに、暗い一角の中に緑と白の点滅がありました。

出発前に、前回のSoloの時の着陸の酷さを告げ改善のアドバイスを求めたので、ずいぶん細かく指示してくれました。その結果分かったのは、
  • 自分が滑走路の中心と思っていたのは、中心ではなかった!
ということ。どうも、自動車と同じで、少しオフセットした見え方が中央と思っていたのですが、そうではなく、まさに自分が中央に来なければいけなかったのでした。そのため、滑走路に近付くにつれてずれを修正しようとして機体が右に傾き、それを修正しようとしてさらにずれるという、何ともひどい状態だったようです。そんな訳で、この夜間着陸を通して、中央を狙えるようには修正できました。ただし、フレアに関しては、まだまだのようです。

夜間は確かに高さの認識が難しく、どうしても自分の高さを低く認識しがちのようです。自分の想像していたもう一段階下に、本当の地面がある感じで、 フレアの量、タイミングが難しいです。逆に街過ぎるとフレアがまったく十分でないこともありました。

Elianからカメラを忘れないようにと言われていたので、お手本を見せてもらう時に写真を撮ろうとしましたが、どうしても露光が伸びてどれもブレブレに。ElianがiPhoneを貸してくれ、それで写真を撮りました。後で送信してくれるとの事でしたが、いつになるでしょうか(笑)。彼が「Electronic Cameraだから(iPhone)はきれいに撮れるんだ」というので、内心デジカメはみんなそうだよと思いながら、ふとビデオモードで撮ってみたらと思い付きました。これは正解で、きれいに撮影出来ました(アップロードに失敗しています。成功次第、ここにアップ予定です)。

4回の着陸をしてから、Riversideを後にしてCoronaへ帰還。
「Riverside Tower, cessna630 request south departure」
「Cessna630, south departure approved.fly on course.......」
on courseの意味が分からずにElianに尋ねると、自分のコースでとのこと。

帰りは低い山を越えましたが、「こういう時は後ろの景色が見えていれば、その山にはぶつからない」。なるほど、確かに。

そのまま45、Downwind、Baseと周り、最後の夜間着陸となりました。またしてもフレアが早い&高過ぎ、残念な着陸となってしまいました。まあ、夜間飛行の難しさ、昼との違いを知るにはとても良いフライトになったと思います。


今後の予定ですが、
  • ロングクロスカントリー
  • ランディングの集中練習
  • ソロロングクロスカントリー
ということになりました。「そんなすぐソロロングクロスカントリー!?」と驚いたら、「そんなに時間をかけても仕方ないから」との返事でした。確かにそうかもしれませんが、なかなかハイペースな展開に驚きの連続です。着陸をはじめとした腕前が、このペースに早く追いつけば良いのですが。

同乗教習:0.7時間(累計22.3時間)
:計器0.0時間(累計0.6時間)
:夜間0.6時間(0.6時間)
単独飛行:1.3時間(累計2.3時間)
総飛行時間:24.6時間
着陸回数:5回(累計98回)
:夜間5回(累計5回)
地上教習:0.3時間(累計15.3時間)

2010年12月6日

3回目のソロは一人で・・・[フライトトレーニング19]

前回のグラウンドスクールで、今朝3回目のソロフライトをすることが決まっていました。週末なので、昼はトラフィックパターンが混み合うという事で、早朝のトレーニングです。

3回目は、なんとElianは「自分は家にいるから。なんかあったら空から電話して。」とのことでした。電話したところでどうにもならないでしょうに(笑)。まあ、それは、Elianがどこにいても同じなのですが。

空港につくと、早朝なのでスクールには誰もいません。事前の打ち合わせ通りの場所でフライト用のファイルと鍵を受け取り、本当に一人でBefore Flight Inspectionを実施。横に駐機していた飛行機はインストラクターとスチューデントで訓練で飛び立つようで、目の前の誘導路上で準備のため止まっています。こちらは出られないので、飛行機のシートに横座り(ドアは閉めず足は外へ)したまま、ぼんやりと待ちます。どうやらエンジン始動だけでなく、離陸前点検まで行っているようで、なかなか行ってくれません。ようやくいなくなったので、一人で機体を押して誘導路まで出し、チェックリストにしたがって点検、エンジン始動へ。一人でも、ちゃんと声を出して確認していきました。エンジン始動後、プレッシャーがグリーンの上限ぎりぎりなのに気がつきました。少し不安でしたが、ランナップエリアまでで推移を確認することとして、タクシーして移動。

ランナップエリアでは、エンジンを1700回転まで上げて各種計器を確認するの点検項目があるのですが、ここではRPM(回転数)のメーターにふらつきが。プレッシャーといい、いつもと比較して、どうもエンジンに安定感がないような気がします。これは、暖気が足りないのではと思い、しばらくそのままで様子を見ました。やがて、プレッシャー、RPMのふらつき共に落ち着いてきたような気がするので、離陸へ。まだエンジンに不安が残るので、滑走中に計器がおかしく動けばすぐに離陸中止する心づもりでいざ出発。

出発してしまうと特に問題なく、そのまま離陸、トラフィックパターンへ。天気は曇りですが、雲は1万フィート以上と高く、雲から太陽がうっすらとのぞいています。そのまま着陸まで回りましたが、風がないにもかかわらず、いつもの左にずれる癖が大きく出てしまいました。その上、大きくバウンドし、滑走路の左ぎりぎりのきわどいところまで行ってしまいました。今までで最悪の着陸です。よほど、今日はこれでやめようかと思いましたが、ここでやめたら苦手意識だけが残ってしまうと思い、もう一度。恐怖心はないのですが、止めるのも勇気という事が頭をよぎります。

今日は週末なので、タッチ&ゴーは禁止のはず。AFDにそう書いてありました。タクシーバックして再度滑走路へ。次の着陸は1回目ほどではないですが、やはり右に。しかも着陸滑走中、タイヤから変な振動が。パンクでもしたかと思い、今度こそ今日はここでやめようと思いました。タクシーバックする頃には振動は無くなり、てランナップエリアで両側のタイヤをドアを開けて確認しましたが、問題なし。どうもブレーキがきっかけとなって、変な共鳴をする癖があるようです(以前もそのようなことがありました)。

気を取り直して、再度離陸へ。今日は全部で11回着陸しましたが、毎回降りるたびに、ここで終わりにしようかどうしようかと考えていました。着陸自体は、満足できたのは2回くらい。フレアしきれないうちに降りたり、引き上げが大き過ぎてバルーン気味になったりと散々でした。これは、もう一度Elianにきっちり教わりなおさないといけない気がします。

また、飛んでいるうちにトラフィックが少しずつ増えた時もありました。前に出発するC172もトラフィックパターンだったりしたので、自分なりの判断でアップウインドを長め、またダウンウインドも調節して、前の機との間隔不足が原因でのゴーアラウンドがないように気を配ってみました。こうした時の高度処理については、今日の練習で少し自信を持つことが出来ました。離陸に関しても、安定してきたので、Short Fieldを1回、Soft Fieldを3回やってみました。Short Fieldは問題ないですが、Soft Fieldは離陸後の機首を押さえての加速を、もう少し練習する必要がありそうです。

着陸に関しても、順調であれば、Short Field、Soft Field、Power Offなどやってみようかと思っていましたが、とてもそのような余裕はありませんでした。まずは基本の着陸の型をしっかり押さえないといけません。

1時間半弱ほど飛んで、3回目のソロは終わりました。今日の、特に着陸での不完全燃焼感は、練習を積んできっちりと落とし前を自分でつける必要があります。一人で飛ぶ開放感だけでなく、課題の大きさも実感したフライトでした。飛んだあと、Elianから、「How was today's flight?」とテキストメッセージが携帯に届きました。ちゃんと気にかけてくれていた(心配だった?)のに感謝して、返信しておきました。

同乗教習:0.0時間(累計21.6時間):内フード0.0時間(累計0.6時間)
単独飛行:1.3時間(累計2.3時間)
総飛行時間:23.9時間
着陸回数:11回(累計93回)
地上教習:0.0時間(累計15.0時間)

2010年12月5日

クロスカントリーと夜間フライトについて[グラウンドスクール07]

今日は朝から穏やかな天気でしたが、Elianから「今日はグラウンドスクールにしよう。あと時間を遅くするのは可能か」というテキストメッセージが届き、ゆっくりと昼からのグラウンドスクールになりました。

クロスカントリー
前回の宿題で、KAJO(Riverside)-KRNM(Ramona)-KREI(Redland)-KAJOというトライアングルをまわるうライトプランを作成するように言われていたので、このことについてだろうと察しはつきました。フライトプラン(Navlog)については、Excelに各チェックポイント名、それぞれの間の真方位と距離、さらに上空の風を入力すると、自動で計算をしてくれるワークシートを作成してみました。一応E6Bという計算盤の使い方も習いましたが、毎回異なる風向風速のたびに全て計算し直すのが面倒なため、何とか楽を出来ないかと思った訳です(笑)。欲が出て、燃料消費量から、TOCやTODの計算まですべて自動で出せるようにしたり、さらに将来別の機種に乗る時も機体の性能データを交換するだけで対応できるようにと、いろいろ機能を増やしたため、結果として楽をするはずが、いささか時間をかけてしまいました。
これをElianに見せたところ、かなり驚いてもらいました。これをプリントアウトして持って行けば、手書きで紙のNavlogに入力する必要はないそうです。なので、下の余白に、メモや周波数、ウェザーインフォを記入する欄も設けました。
グラウンドスクールの内容ですが、クロスカントリーのナビゲーションについては、地図とExcelで作ったNavlogを確認してスムーズに話が終わりました。アドバイスとしては、Navlog上のチェックポイントは、もっと間隔が開いていても良いとの事でした。Navlogのポイントはデータ・レファレンスなので、それ以外に地図上でビジュアル・レファレンスを作っておけば、チェックポイントが20マイル以上離れていても問題ないそうです。ただ「それでも、チェックポイントを多めに用意しておいた方が安心なんだけど」と言ったところ、「Excelで作れるなら大した手間にもならないだろうし、別に多めでも構わない」との事でした。今回もフリーウェイを多用し、チェックポイントもインターセクションを使ったりしています。
ナビゲーションに関しては、ATCの各種サービスについても説明を受け、また質問しました。APPやCTRのレーダーアドバイザリー、FSSはどのように機能するか、特にレーダーアドバイザリーはどこまで頼めるのか、前から疑問に思っていたことだったので、かなりしつこく聞いてみました。基本的には、レーダーアドバイザリーは周囲のトラフィックの状況確認程度(それもコントローラーに余裕がある時だけ)で、ヘディング・高度等については、自分で用意し、自分で考えること、ただし迷った時は躊躇なく助けを求めること、ということです。

クロスカントリーは、試験までに50マイル以上の区間を含む総延長150マイル、かつ3地点への着陸するコース(ビッグトライアングル)をインストラクターと、そしてSoloで飛ぶ必要があります。まず一緒に飛んでから、様子を見てSoloで行くことになるとの事でした。


ナイトフライト
さらに、ナイトフライトについても話がありました。レクチャーでの、ナイトフライトで気を付ける点を以下にまとめます。
  • 視野の確保には酸素が必要 
    • 5000feet以上では酸素携行を推奨
  • 強い白光を見ない
    • ストロボはタクシー中にはオフにする、他機のものも見ない
  • フューズの交換、サーキットブレーカーの復帰は1回だけ
    • 繰り返して発生する場合は回路に問題あり、最悪火災も
  • 空港ライトは常時点灯、無線で点灯、電話依頼の3種類
    • 無線点灯方式は、クリック回数で明るさを変更できる
    • 無線方式は15分程度で切れる。着陸直前に再度点灯手順を行なう
  • 光による錯覚
    • 強い光-近くに感じる⇔弱い光-遠くに感じる
      • 1つの光ではなく、全体の光を見て距離を判断する
    • 雨-高く感じる
    • 霧-ピッチアップしているように感じる
    • 靄-遠くに感じる
    • 水面-低く飛びがち
      • 水面の先の滑走路では、VASI、PAPIを参考に
    • 雪-black-hall effetct
夜間飛行は、免許取得のために3時間の飛行時間、10回の離着陸、50マイル以上のクロスカントリーが必要だそうで、Elianと相談して来週の夜に1回目の予定をしました。2回で条件を満たすようにするそうです。 また、夜間飛行用に懐中電灯、出来れば赤色のカバーが付けられるもの、さらに頭に付けられるもの(ヘッドライト)だとさらに便利との事でした。Walmart等で安く売っているもので良いそうです。

このような感じで、クロスカントリーと夜間飛行を終えたら、後はチェックライド(試験)のための練習をすることになるそうです。まだまだ実感が無いまま、何だかトレーニングの折り返し地点を超えてしまったようで、うれしいような不安なような気持ちです。ただ、これからの天候が不順になりそうなので、トレーニングのスケジュールに不確定要素が多いこと、そして何よりもまだまだ試験を通過できる知識・技術レベルに到達していないことを実感しているので、これから先もしっかりと頑張って楽しみたいと思っています。

同乗教習:0.0時間(累計21.6時間):内フード0.0時間(累計0.6時間)
単独飛行:0.0時間(累計1.0時間)
総飛行時間:21.4時間
着陸回数:0回(累計82回)
地上教習:1.5時間(累計15.0時間)

追伸:
今回作成したExcelのフライトプラン作成シートは、自分でもう少し使って機能の確認・修正を行なってから、公開しようかと思っています。お墨付きがもらえたら、フライトスクールのページでもダウンロードできるようにしてくれたら嬉しいのですが。

2010年12月4日

東へ30分ほど[フライトトレーニング18]

今日は、早朝に東へと飛んできました。前回に使わなかったフライトプランを用意し、El Monte空港まで行きました。幸いにも、前回と今回とも上空2500mは無風の予報だったので、フライトプランの作成も非常に簡単+前回のものをそのまま使い回すことが出来ました。

離陸後すぐに、Chinoタワーにコンタクト。
「Chino Tower, Cessna11630 departed Corona, transition to El Monte」
「Cessna630, ident」
「Cessna630, cleared for transition」
「cleared for transition, Cessna630」
こんなやり取りですが、これがなかなか緊張します。このような予想の範囲に収まるコミュニケーションなら良いのですが、イレギュラーな事を言われたり、反応がなかったりすると、なかなか緊張するものです。

クロスカントリーでは、空の上から目標物を見てナビゲーションも行なわなければいけません。前回にFrench Valleyに飛んだ時の印象から、湖や池など水場と、フリーウェイは上空から分かりやすかったので、目標として良いと感じていました。特にフリーウェイは太い上に線状なので、とても明確です。逆に、空港自体は景色にまぎれてとても目立ちません。なので計画した飛行ルートは、高速道路のインターセクションを結んで飛ぶようにしました。

それでも、上空で航空地図(チャート)と見比べてみても、現在地点を探すのは、なかなか大変です。時々Elianが「ここはどこ」と聞いてきますので、地図上で示さなければいけません。場所を探し、地図と照合し、その上で、飛行機をちゃんと水平飛行させなければならないので、忙しい限りです。さらに、無線の周波数(あらかじめ調べてメモしてあります)を次々に合わせて、ATISで情報を取り、Towerにコンタクトを取るなど、目が回るような忙しさです。クロスカントリーというのは、余裕があるもので、水平飛行中にはElianとどんな世間話をしようかと考えていたのですが、その余裕はありませんでした。

El Monte空港はCoronaから20マイルほど東にある空港で、高級そうな整然とした町並みの中にありました。空港の滑走路や誘導路も舗装されたばかりのようで、とてもきれいな状態でした。その工事作業がまだ続いているようで、作業中で閉鎖されている誘導路があったり、駐機場近くでは、道路のようにコーンポストで迂回路が作られていたりしました。ここでの着陸は、Elianから「高い高い高い」と言われ、その挙句、「フレアがない」と言われました。工事中ということもあり、予定のショートフィールドの練習は無しにして、すぐに帰投。

行きと同じく思うのは、空には道がないという事です。なので、自分で決めた道をしっかりと確認しながら飛ぶしかありません。これはなかなか大変、かつ次の目標が見えないとき(計画で立てたとおりのヘディングで飛びますが)は不安なものです。さらに、空港の管制圏であるAirspaceも境界線に線があるわけでもなく、どこからがChino空港の空域かを理解するのも困難です。帰路はElianが、「Coronaは空港閉鎖になった(そういう想定です)。代わりにChinoへ行き、ショートフィールドの練習を行なう」とのことで、Chinoタワーにコンタクトを取りました。が、空港自体が大混雑のよう(タワーの周波数で混乱状態が聞こえました)で、我々には返答がありませんでした。この状態で向かっても練習はできないだろうということで、閉鎖されたはず?のCoronaへ向かうことに。

Chinoの空域に入らないように少し回り込み、また少しでも上昇するとLos AngelesのBエアスペース(巡航高度2500フィート、エアスペースは2700フィート以上)に入ってしまうので、高度の管理も徹底しながらCoronaへ戻ります。ようやく見慣れた景色が見えてくるとほっとしました。自動車で、運転は出来るけれどナビは助手席にしてもらわないとダメ、という人がいますが、飛行機の場合は(免許を取るにも)、それでは許されないようです。

Coronaでの着陸でも、再び「フレアが足りない」といわれました。どうもフレアが出来ていない(出来なくなった)ようです。Coronaではショートフィールドでの離着陸の練習を行ないました。
Short Field T/O
  • タクシー中にフラップ10度
  • 出来るだけ後ろから滑走できるように滑走路に回りこんで停止
  • ブレーキをしっかりかけてエンジン全開
  • エンジン計器を確認して、すぐにブレーキリリース
  • 55mphまでは操縦桿を引かず、55mphで離陸
  • 60-65mphで上昇
  • 100フィート上昇したら、通常の上昇速度へ
  • 上昇率、速度を確認してFlap Up

Soft Field LDG
  • ファイナルでFlap30までは通常通り
  • 着陸前にFull Flap、60-65mph程度で進入
  • 出来るだけ滑走路手前に着陸
  • 着陸後はブレーキ、操縦桿を少し引く、フラップアップ(制動距離を短くするため)
  • Taxi out
ランディングですが、どうもフレアが足りないようです。自分では気にならなかったので、変に覚えてしまったか、最初からできていなかったかのどちらかなのでしょう。 それよりもまずかったのは、フレアに注意に気を取られすぎて、ショートフィールドランディングである事を忘れ、着陸後普通に滑走してしまったことです。Elianもこれには、「着陸した後も操縦を続けること」と注意されてしまいました。ショートフィールド、ソフトフィールドの各離着陸という、新たに身に付けるべき技術を4つも与えられ、かなりいっぱいいっぱいな状態です。前も書きましたが、このフライトレッスンというのは、体操の技のように、一つ一つの型をおぼえ、身に付けて、それを連続技として繰り出せるようにする。一つ一つの技も、何となくそれっぽいではダメで、きっちりと決める必要がある。そんな感じの練習だと思います。

前回のセカンドソロでの爽快感と一転して、今日は重い課題を受け取った気がします。まあ、楽しくてやっているわけですが(笑)。

同乗教習:1.2時間(累計21.6時間):内フード0.0時間(累計0.6時間)
単独飛行:0.0時間(累計1.0時間)
総飛行時間:22.6時間
着陸回数:5回(累計82回)
地上教習:0.3時間(累計13.5時間)

2010年12月3日

急な話でセカンドソロへ[グラウンドスクール06][フライトトレーニング17]

ファーストソロを終えてからも、Elian依存体質であることに鉄槌が下されたわけでもないでしょうが、今回は予想外のソロになりました。

もともと、今回はEl Monte空港にミニクロスカントリーで出かける予定でした。往復のナブログ作りが宿題に出されており、「何かあったら、コールミー、メールミー、テキストミー」といつも言っているElianに、本当にメールでルートどりについて、前日の夜に質問をして完成させていました。

ところが昨晩、以前から封入液が時々漏れていたC150のコンパスを交換したらしいのですが、そのDeviationをまだ取りなおしていないことが判明。メカニックのおじいさん(マイクさん)が30分ばかり飛んできて確認するとのことで、急に飛べない事に。Elianは「じゃあ、グラウンド」をやるかという事で、いささか落胆しつつ、またしてもグラウンドスクールが始まりました。

今日のグラウンドは、FAR・AIMをところどころ読み上げて説明を加えるという形で始まり、FAR91は殆どの部分を扱いました。これらはWritten Testで自習したところでもありましたが、やはり試験対策として勉強するのと、中身を深く理解するためのレクチャーを受けるのでは、ずいぶんと内容に差がありました。なにせ筆記試験対策としては、3択に耐えられる程度にしか覚えていなかったので。また、 勘違いして覚えていた事(例えば、ADIZは防空識別圏というよりも出入国管理が目的)もあり、やっただけの意味はある感じでした。また、チャートを広げて、ここの空港はクラスは、タワーは、周波数は、トラフィックパターンは、ここの地点で下から順に空域を説明して言って、などナビゲーションに必要そうな質問が出され、これもとてもためになりました。

しかし、それ以上に今日のレクチャーで良かったのは、Elianがエアマンとしての心づもりを力説してくれた事です。 PICは決して誰からも強制されない、圧力をかけられてはいけない、というものでした。Elianの友人が先週、自分でも強行スケジュールと言っていた海外への長距離飛行に出かけ、もう数日、行方不明になっているという事でした。「状況的に助からないと思う」と言いながら、「彼は周りの圧力に負けて無理してしまったんだ」と呟きました。「絶対に無理してはいけない、いつでも選択肢を残しておく。選択肢をえらぶ時には、必ず安全な方、被害の少ない方を選ぶんだ」とのこと。「出来るだけ、自分が死なないような方を選ぶ。それでもどうしようもなくなっても、周りの被害を最小限にする方を選ぶ。周りの人間も死んでしまう時でも、出来るだけ少ない人数になるようにする。」「これはジョークでもなんでもないから」、まじめな顔でElianが教えてくれました。

さて、そんな話しをしていたところに整備のマイクが戻ってきて、コンパスの作業が完了した旨を伝えてくれました。Elianは時計を見て、「じゃあ残りの時間でソロを飛んできて」とのこと。いきなりそんな、と思いましたが、さらに、「僕はスクールにいるから、一人で準備して飛んで戻ってきて」とのこと。この前のRiversideの幅のある滑走路でも着地がずれるのに、狭いCoronaで一人で大丈夫なんでしょうか。そんな不安がよぎりながら、あまり怖がるのも格好が悪いので、「OK行ってくる」という事で、いざ出発。

いざエンジンを始動して動き出すと、不安もありますが、自分のペースで手順を行なえる事に、なんとなくのびのびとした自由な気持ちも感じていることに気がつきました。幸いな事に、トラフィックも降りてくる機以外はなし。その機もそのままフルストップしたので、トラフィックパターンを完全に独り占めできました。風はvariable@3knots、やがて270@4knotsとなりましたが、問題なし。コトコト程度で落ち着いたものでした。前回に引き続いてダウンウインドの幅が大丈夫なのか若干の疑念を持ちつつも、ナンバーアビームでキャブレターヒートオン、1800RPMへスロットルを引き、フラップ10度にして、80mphで肩越しにランウェイが見えるまで直進。そのままベースでフラップ20、ファイナルでフラップ30といつもどおりの手順で降りました。着地もなかなか良い感じで決まった気がします。最初は、フルストップでタクシーバック、2回目はタッチアンドゴー、3回目は、到着機がいたので交叉しないようフルストップ(聞き間違いで上空通過機でした)、そしてもう一度という事で合計4回の着陸をしました。

まだまだ一人で飛ぶのには不安な気持ちもあります(飛び立った後、無事に地上に戻ってこれるか心配です)が、それでも、今日は前回感じなかった、すがすがしさや爽快感を経験しました。Elianに邪魔?されることなく、着陸直前でラダーとヨークを逆に効かすのを試したり、右席にミネラルウォーターのボトルを置いてダウンウインドで飲んでみたり、今までのフライトで一番「楽しい」と思えたかもしれません。もちろん着陸にはまだまだ課題ありで、未だ左に寄ってしまう癖があること、引き起こしがやや高め、早めになってしまうことなど、直さなければいけない事ばかりだと思います。それでも、到着後にElianがやってきて、ニヤニヤしながら「どうだった」と尋ね、「自分としては、がんばったと思う」と答えたところ、「最初と最後の着陸を見てたけど、かなり良かったよ。最後のフレアが少し足りなかったけど」と言われて、かなり嬉しかったものです。Elianは「飛んだら外に出て、見守ってるよ」と言っていました。期待して上空から見ていたところでは、どこにも姿が見えなかったのですが、どこかで見てくれていたのでしょう。

それでも、終わったあとはあっさりしたもので、「今日は君がPICだからログブックにCFIのサインは要らないでしょ。 じゃあ次回に。」と、車に乗ってさっさと帰ってしまいました。こうやってひとり立ちしていくのだと思います(笑)。


同乗教習:0.0時間(累計20.4時間):内フード0.0時間(累計0.6時間)
単独飛行:0.6時間(累計1.0時間)
総飛行時間:21.4時間

地上教習:1.5時間(累計13.2時間)
着陸回数:4回(累計77回)

2010年12月1日

小さなクロスカントリー[フライトトレーニング16]

今日は、Coronaは東の風(110@11G17)。いつものように東の風は荒れていました(俗に言うSanta Anaウインドです)。
C150のタイヤ
今日は、初のナビゲーションフライトという事で、宿題に出されていたナブログをElianに提出。内容自体は問題ないとの事でした(結局使われませんでしたが)。行きのナビゲーションログは一昨日のグラウンドスクールで作成したものなので、風向風速からの計算が全く異なるのですが、「違いも参考になる」とのことで、そのまま使うことに。面倒だからなのか、本気なのかが分かりにくいのがElianです。
プランとしては、Corona(KAJO)→Lake Mathews→Small Lake(名前の無い小さな湖)→Canyon Lake→French Valley(F70)となっていて、飛行予定時間は23分です。

Elianと言えば、授業の間に少しずつ彼のバックグラウンドの話も聞いていて、シリア系とのこと。間食が好きな彼ですが、前回は月餅のような触感で、筒状に丸めたお菓子をジプロックに入れて持ってきており、おすそ分けにあずかりました。中華のお菓子にも似てなかなかおいしかったですが、Elianによれば「クリスマスのシーズンにママがいつも作って作ってくれるんだ」とのこと。お菓子の名前を聞いたら英語でもアラビックでも分からないとの事でした(笑)。シリアにクリスマスはあるのかと聞いたところ、60%がイスラム教だが、40%はキリスト教との事。知りませんでした(自分で調べたところキリスト教は10%となっていましたが、それでも思ったより多い印象でした)。

さて、フライトですが、「~ Departing Rwy7, Departing Right45」ということで、離陸後のアップウインドで右に変針しての出発です。こういうフレーズと出発方法は、初めて知りました。 また、Entering Downwindの45や今回の45など、斜めという意味それほど厳密に45度という訳では無いようです。

離陸後すぐにナブログで計算された針路を取りましたが、上空の風は北向きで南方向に流される印象でした。ということで修正。それでも、また計算よりも上昇率が高くなり、TOCまでの時間がずれました。しかしこれは、Elianがナブログの計算方法を教えてくれた時に、(Coronaの標高=535feetからではなく)海抜0mから巡航高度の3500feetまで上昇する計算をしたためなのに、私は気がついています(笑)。まあ、この程度は誤差の範囲なのでしょう。それでも、区間の所要時間は殆ど正確であったことは当然とはいえ、驚きでした。また、これらの計算をするためにはストップウォッチが必要なことも分かりました。腕時計の秒針では面倒です。

Lake Mathewsまでは何回も通ったルート。そこからナブログの通りに変針して、次の目標地点のSmall Lakeに向かいます。これもすぐに見えました。さらに次のCanyon Lakeへ。水回りの目標地点は分かりやすいようです。一方、最後のFrench Valleyは初めてで分かりにくかったです。「そうした場合は、他のReferenceとの位置関係で探す」とのこと。フリーウェイとダムの間に、ありました。

French Valley手前で降下のタイミングの計算方法と、French Valleyへのアプローチ方法について打ち合わせ。AWOSの風向(360度)を考えるとRwy36なので、空港上空をTPA+500feet以上で通過後、Tear Dropを描いてRight Downwind 45へ。その後、Traffic Patternをまわって着陸となりました。苦手のRight Traffic Patternに初めての空港と悪条件が重なって(言い訳ですが)、旋回のタイミングから最後の着地まで、グタグタな感じに。

降りた後は、滑走路から出てTaxing中にElianからSoft Field T/Oについて説明を受け、まずは手本を見ることに。こういう時、Elianが魔術師のように、また技が決まっていく体操選手のように輝いて見えます。「You got it?」といつも言われますが、頭では分かっても、とても出来るとは思えません。そのままトラフィックパターン上でShort Field  LDGの説明を受け、同じく手本を見せてもらいました。手順をT/O、LDGそれぞれまとめておきます(あくまで私の中での整理です)。

Soft Field T/O
  • タクシー中にフラップ10度
  • そのまま止まらずに滑走路へ、徐々に加速
  • バックプレッシャー(Yorkを引ききる)を最大に(Yorkを引ききる)
  • 前輪が浮いたら、Yorkを調節して、軽いウィリー状態を維持
  • やがて45mph程度で機体が浮いたら、Yorkを押して地上すれすれで飛ぶ
  • 65mphまで加速したら、上昇へ
  • 上昇率、速度を確認してFlap Up

Soft Field LDG
  • ファイナルでFlap30までは通常通り
  • 着陸前にFull Flap、Carbulator Offにし、60-65mph程度で進入
  • 出来るだけソフトに着陸
  • 着陸後はウィリー状態を維持(パワーを少し入れる)
  • 滑走路から出る直前で前輪を静かに付け、Taxi out
次は自分でやりましたが、私がやるとめちゃめちゃでした。離陸はまだしも、着陸はショックの大きい着陸になりました。この練習を2度ほど繰り返し、着陸後、滑走路上でShort Field T/Oについて説明を受け、手本を見せてもらいながら、そのまま帰路へ。用意したナブログは使わず、地図を広げて「MarchのClass Cに入る」とのこと。無線交信の手順を確認した後、私が無線担当に。ところが、March空軍基地は出発機が立て込んでいて(どんどん貨物機が上がっているのが見えました)、そのまま西に飛行しろとのこと。この辺の慌ただしいやり取りにはついて行けずに、ElianにATCをお任せに。

そのまま、CoronaのRwy7のトラフィックパターンに入りましたが、最後の着陸でクロスウインドに対応できずにまたもElianに。ラダーとエルロンを逆に切る事で対応するというのは、聞いてはいましたが、咄嗟には出来ませんでした。

終わった後には、Elianから注意として「You are flying airplane.」との事。まだまだ頼る癖が抜けないのをどうにかしたいと思います。次回はEl Monte空港に向かうので、そのナビログを作る宿題をもらいました。

トレーニング後にスクール隣のBobby'sに初めて入ってみたところ、何と日本語が。Redland空港にあるAアカデミーの校長と生徒さんがヘリコプターで、訓練で来られていたそうです。お二人とも、とても精悍な、いかにも空の男という感じでした。「なかなか操縦は難しいですね」と弱音をはいたところ、校長先生から慰めていただきました。100時間飛ぶと次のステージに入った気がするそうです。

同乗教習:1.6時間(累計20.4時間):内フード0.2時間(累計0.6時間)
単独飛行:0.0時間(累計0.4時間)
総飛行時間:20.8時間

地上教習:0.1時間(累計11.7時間)
着陸回数:6回(累計73回)