2011年1月31日

チェックライド前半戦[チェックライド1]

今朝はチェックライドです。前日のうちに、想定される交信を全て書き出し、それをElianにメールで送って確認をしてもらい、自分でも読み合わせて頭に入れました。知識問題は、Oral Exam Guideと日本語で説明のある諸サイトを参考にしましたが、何となく眺めただけでした。それよりも、明日訪問する各空港のチャートやデータをSkyvector.comで印刷し、さらに要求されているKCNO(Chino)-KHND(Las Vegas Henderson)のナブログを作りました。これは、風のファクターを入れて修正しなければいけないので、最終的には今日の早朝にプリントアウトしました。我ながら、Excelで自動計算するシステムは便利です。その根拠となったWind Aloftのデータも最新版をプリントアウトしておきます。
Chino空港に到着
スクールに着いたら、まずはElianと最後の書類チェックです。また、ナブログ上の各地点、Alternate、実際にエアワークをするRialto空港など、各地のMETARもプリントアウトしておきます。Chinoから試験開始になるので、点検をしてから、Chinoに移動します。今日の試験は、GabrielというLorneの学生も一緒です。彼らはC172に乗って、Elianと私はいつものC150に乗って、続けて離陸します。先行するC172の後を追って、ChinoのRight Baseから26Lに降りていきます。少しショックはありますが、まあOKなレベルの着陸でした。

P Taxiwayで滑走路を出て、グラウンドにコンタクトします。どこに行くのか聞いていなかったのでElianに聞くと、Thresholdと言います。それって、滑走路端のことではと思うのですが、良く聞くとThreshold Aviationという名前の会社のランプでした。こういう打ち合わせ、最初にしておいてくれないかなあと思いますが、逆に聞いていなかった自分の準備不足でもあります。

会社の格納庫前に到着して、エンジンを切ります。かなり大きな会社のようで、ビジネスジェットが格納庫に5,6機止まっています。この格納庫は連棟になっていて、3棟全てがこの会社のものとの事でした。1つの棟には双発機が、さらに別の棟にはビジネスジェットと、驚くことにジェット戦闘機が7機も止まっていました。この戦闘機が、先日Elianが乗った30分$1500のものだそうです。これは、かなりの規模です。
チェコ製L39ジェット練習機(レンタル料30分$1500)
各格納庫の間は事務棟になってます。ビジネスジェットのオペレーション会社だけあって、メインロビーは豪華な作りになっており、パイロットラウンジも皮張りのカウチチェアーや高級オフィス仕様のディスパッチルームになっています。さらに、奥には社長の趣味の部屋があり、中にはミッドセンチュリーの車が3台ほど展示されていました。壁には、同じ時代の看板が飾られており、古き良き時代のアメリカの少年の夢を形にしたような装飾です。裏手の事務所に案内されると、一番奥に副社長(奥さん)室、CEO室、会議室が並んでいます。これらは天井に波型の途端を山型に貼り付け、わざと格納庫の中の装飾にしています。イメージとしては、第二次世界大戦中の太平洋の島にある米軍基地のオフィスといった感じでしょうか。ワイルドでありながら、洗練された作りになっています。
凝った作りの社長室
驚いたことに、この会社のCEOが、今日のエクザミナーなのでした。CEOは空軍出身だそうで、その後ここまでの大会社を作り上げたそうです。本当に空と飛行機が好きなようで、CEOでありながら試験監督として、セスナ機でチェックライドもしているとのこと。これらの説明は、すべてElianによるもので、当の本人はまだ到着していません。4人でCEOの到着を待ちます。Elian以外は初めてなので、あまりの豪華さに少し度肝を抜かれています。何だか試験の前に、驚くことがあるのは良くない気がします(笑)。Lorneにこういう会社はアメリカだと、いくつもあるのか、と尋ねると、こんな大きな会社はあまりないだろうとのこと。

やがて到着したCEO(Markさん)と挨拶して、まずは会議室で談笑が始まります。「Collation、これを今日のテーマにしよう。失敗から学ぶ、知らなかったことから学ぶ、それが大事だ」。談笑しながらも、この試験官は鋭いことを言ってきます。「自分は決してトリッキーなことを聞いたりはしない。知らないことがあっても良い。何よりも大事なのは、知らなかったことを知ること。物事の理由を知ること。」「この2人のインストラクター達だって、知らない事はある。まして、今日試験を受ける2人は経験が少ないから、知らない事が多いだろう。それをどうやって知っていくかが大事だ。」
オーラル試験を受けた会議室
しかし、このMarkさん、雑談と試験の間を行ったり来たりするので、気が抜けません。「この間Riversideの空域からChinoの空域に入る時、忙し過ぎて周波数変更許可もくれないし、Chinoに引き継いでもくれないしで困ったよ。全くあの管制官にも困ったもんだ。さて、君たちだったらそういう場合にどうする?」といった具合です。この質問は、私は「とりあえずどちらの空域からも出てChinoに再度入域許可を求めます」、Gabrielは「Riversideの空域で360度旋回をします」。Markの答えは、「どちらも良いが自分だったら、Riversideの空域内でChinoにコンタクトを取る。Riversideはもう去るのだから、管制官も興味がないだろう。それよりも自分の次の行き先に注意を向けるべきだ」。これは、決して14CFR(米国航空法)にも書いていないことですが、こういう判断が求められるということなのでしょう。

他にも、君らの乗る飛行機の燃料系統を絵に描いてくれ、電力系統で、アビオニクス、ライト、モーター、ヒーターを電力を食う順番に並び変えろ、またどうやって調べたら良いと思うか、だの変わった質問が多く出ました。電力系統に関しては、モーター(セルモーター)、ライト、ヒーター、アビオニクスの順、消費(電流)はそれぞれの機械のサーキットブレーカーやヒューズの容量で推測できる、といった教科書からもElianからも習うことのなかった答えでした。
私が書いた燃料系統図・・・
もちろん離陸重量や搭載燃料、空域といったオーソドックスな質問もありましたが、ためになったのは、Class B、Cは250ノットで、Class Cの下部、Class Dの200ノットという速度制限の理由(答えは、大型機は200ノット以下にはあまりしたくない、速度を遅くするのは管制官に判断の時間的猶予を与えるため)、またV2、VRef(進入速度)、Best Glideは同じ速度であること。なぜならば、その速度が相対的に最も揚力を得られるから(Best Lift over Drag)等の理由をつけての説明でした。

これらを、インストラクターも合わせて雑談形式で行いました。誰かが答えると、「他の皆も彼の意見に同意か」、3人「I agree」という感じで進んでいきます。後で、スクールに戻って他のスタッフらにも聞いたところ、やはりずいぶんとイレギュラーなオーラル試験だったようです。
ビジネスジェットの並ぶ格納庫
こんなオーラルをひとしきりやった後で、われわれ受験者2名の書類を確認となりました。私は特に問題なく終了。Gabrielの分は、Lorneが作った書類を置いて来てしまったとのことで、この会社のPCからプリントアウトし直しました。こういう時もネットベースで処理が出来るのは便利です。

ところが、いざ実技試験という準備がととなったところで、みんなで最新の天候を取ると、かなり悪化して雨まで降り出しています。皆で外に出てみますが、当たり前ですが、気象通報と同じです。MVFR状態ということで、順番にトラフィックパターンでノーマル、ショートフィールド、ソフトフィールドの離着陸をChino空港で行いつつ天候の回復具合を見て、その後を判断しようということになりました。

「最初に飛ぶのはどっちだ」とMarkが聞くと、Gabrielがすかさず、「僕が」。ということで私は2番手となりました。「戻ってきたらすぐに飛ぶから。すぐ行けるようにシートベルトもして待っておくように(笑)」。そう言って、MarkとGabrielが出発していきました。私は雨の中、飛行前点検を行ない、言われたとおりにシートベルトをして座り、手順を頭の中でおさらいしました。また、すぐに出発できるよう、自前のエアバンドでATISを流し続け、最新のものを記録しておきます。雨と視界はさらに落ちていきます。先発機は思ったより長いこと飛んでいるようです。30分ほどした頃、ようやく帰ってきました。
整備中のビジネスジェット(チャレンジャー)
こちらの機のドアを開けて、Markを「Welcome Sir」と迎え入れます。早速チェックリストにしたがってエンジンをかけ、出発します。Markに、どのタイミングでGroundにコンタクトすべきか聞くと、Ramp(会社敷地)の出口とのこと。それに従います。Rwy26Lまでのタキシング許可をもらい、プリントアウトしておいたChinoの空港チャートで確認して出発します。この確認は非常に良いとほめられました。滑走路手前で誘導路中心線を外れて止まり、ランナップを実施。ホールドショートラインまで進んで、タワーにコンタクト。そのまま離陸許可が出たので、滑走理に入ってまずはノーマルテイクオフ。
雨の中での離陸は初めてでしたが、特に問題は無し。気温が低いせいか、2人乗っていても、上昇能力はなかなかあります。パターンをまわって、ダウンウインドでCleared for Optionの許可が。復唱した後で、Markにショートフィールドか尋ねると、「最初はノーマル。いつもノーマルから始めるのが良い」とのこと。多少低めのアプローチとなり、ショートファイナルでRPMを高めにしましたが、問題なく着地。スムースとまでは行きませんが、まあOKでしょう。

そのまま滑走路上で一度停止して、ショートフィールドテイクオフとの指示。これは問題なくこなします。次はショートフィールドでの着陸。あまり得意ではないのですが、今日は意外と落ち着いており、何よりも雨のせいかサーマルが無いため、気持ちの良いくらい操縦の反応が分かります。最後少し着地が伸びてしまいましたが、これもOKな範囲。そのままソフトフィールドとのことで、フラップ10度でウィリー、離陸、ノーズダウン、速度上昇、ノーズアップ、上昇と問題なくこなせました。

最後は、ソフトフィールドランディングです。これも苦手(つまり着陸全般が苦手)ですが、狙っていきます。最後の最後でMarkが「スロットル」とコール。Elianとの時はやっていなかったのですが、着陸直前に若干パワーを入れて、ソフトに降りるべきようです。また着地後もしばらくパワーを残して、ウィリーをしたまま、じわじわと減速。「ソフトフィールドは滑走路の制約はないのだから、好きなだけ距離を使ってゆっくりと降りるべき」とのこと。

滑走路を出た後は、タクシー中に「寿司は好きか」から始まる世間話をしばし。今日のテーマにしたがおうと思い、最後にソフトフィールドでのパワーの入れ方について、タイミングとパワーの量を質問してみました。着陸直前に200rpmほど入れると良いとのこと。

こうした話をしているうちに、駐機場へ。「なかなか良かった」とのコメントをもらいました。会社の会議室に戻ると、Elianが買い出しに行っていたハンバーガーがありました。Markと私以外は食べ終わっていたので、2人だけ食べながら、また世間話。食べ終わった頃にMarkが、「先ほどのコメントを」。基本的には、2人とも良かったが、Gabrielはチェックリストをしっかり使うこと、ホールドショートラインは余裕を持って手前で停止すること。私に対しては、
  1. 離陸許可が出た時も、周囲のトラフィックに十分に注意を払うこと。管制官を信頼しすぎないこと。
  2. Soft Fieldは滑走路をどれだけ使っても良いので、出来る限りソフトに
また、2人とも、着陸直前のエンジンアイドル後は、ラダーでセンターを維持するように。二人ともラダーの使いが弱い。とのことでした。

天候は、さらに悪くIFR状態になってしまいました。チェックライドを続けることは出来ません。天候の回復次第で、明日に続きをしようということになりました。その後、またひとしきり雑談となりましたが、終わる気配がありません。理由をLorneに聞くと、IFR状態なので現時点ではCoronaに飛べないとのこと。C172はIFRの装備がありますが、それでも厳しい状況とのこと。Coronaが計器進入の条件を下回っているそうです。1時間ほど待ったところであきらめ、スクールに迎えの車を依頼。さらに30分ほど待って迎えが到着。ElianはまだMarkらと話をするのでChinoに残るとのことで、彼を除く3人で、Coronaに帰還となりました。
悪化する天候
なかなかの波乱含みでしたが、今日の感じであれば、後半戦も行けるのではという気がします。オーラル、離着陸が終わったので、残りはストールなどエアワークということになります。

2011年1月30日

余分なクロスカントリー[フライトトレーニング31]

チェックライド間近になって、改めて日本のパイロットライセンスへの書き換えにつ いて調べていたところ、単独クロスカントリーのビッグトライアングルが日本では270km必要との記述を発見しました。270kmはマイルに直すと167マイル程になりますが、前のビッグクロスカントリー飛んだコースの距離は151マイルしかありません。書き換えの条件には、距離が足りなかったことになります。また、ライセンス書き換えについてのページを見てみると、単独飛行の定義は、ライセンス取得前までのソロフライト(取得後は単独ではなくPIC=機長となってしまう)という記述も見かけました。これは単独飛行扱いとなるライセンス取得前に、もう一度飛び直しておいた方が良いでしょう。ということで、Elianに依頼して、クロスカントリーをもう一度飛ぶことにしました。

・・・もう気が付かれた方がいるかもしれませんが、上の話は間違いです。270kmが167マイ ルなのは、Static Mile(sm:陸マイル)の話で、航空機で使われるNautical Mile(nm:海里)では、146マイルになります。つまり、この飛び直しは必要が無かったことになります・・・。また単独飛行、機長飛行の扱いですが、国交省の航空局に電話して尋ねたところ、ライセンス取得後の機長時間であっても、単独飛行扱いをするとのことでした。

そんな事も知らなかったので、余分なクロスカントリーをしてしまいました。良い経験になったので、結果から言えば良かったのですが。
ロサンゼルスダウンタウン
区間は、KAJO(Corona)-KCMA(Camarillo)-KSBD(San Bernardino)-KAJOというトライアングル。Elianと事前に計画し、プランを見てもらってEndorsementをもらいました。Camarilloは前回の夜間フライトで1回飛んだだけの場所、San Bernardinoに至っては全く初めての訪問になります(これまで3回行ったRedlandsのすぐ隣ですが)。

最初のレグは、前回のナイトクロスカントリーと同じルートです。ところが、昼間ということで、トラフィックの数が全く違い、Chino Towerから移管されたSOCAL APPはものすごく忙しい状況です。早口でまくし立てており、Flight Followingを頼んでも返答は全くありません。その場合、高度を2700feet以下に抑えてOntarioのClassCに入らないようにしなければいけなかったのですが、ナイトフライトの手順が頭に残っており、ついそのまま上昇してしまいました。これは空域侵犯ということで、重大なミスです。再度Flight Followingを依頼し受け入れられましたが、その後トラフィックの処理に一息ついた管制官からラジオで注意を受けました。管制官いわく、「自分もStudent Pilotだが空域へ入る時はもっと注意深くしないといけない。今回のはすごく良くなかった」。すなおに「分かりました。すみませんでした」と謝ったところ、「行き先のCamerilloは良い空港で景色もきれいだから楽しんでおいて」とのフォローの言葉をもらいました。
5500feet上空からサンタモニカ方向を望む
移管後は、これでもかとStudent Pilotを強調し、Followingを受けつつ進みました。Burbank周辺では出発機との関係で空港上空に近付いて飛ぶ事を要求されたり、反対にLAダウンタウン方向にふられたりと、いろいろ指示を受けつつも、何とかCamarillo空港までたどり着きました。Camarilloでは「1500フィートで滑走路上空を通過してからトラフィックパターンに入ることを予定するように」と指示を受けました。出発・到着機ともに込み入っているようです。ところが、近付いたところで、前のPiperに続いて。No.2と言われました。これは進入許可ということと理解し、滑走路に向けて降りていきます。Piper機が着陸寸前なので、出来るだけ速度を落として距離を保つようにします。やがて、Piper機が滑走路から出て、こちらもFinalな状況になりましたが、着陸許可が出ていません。Towerに確認すると着陸許可が出て、安心して着陸出来ました。

滑走路を出るとGroundにコンタクトし、タクシーバックの許可を得ます。一度曲がり角を通り過ぎて、再度Groundにタクシーを要求しつつ、ランナップ地点までたどり着きました。同時に10機近く入れるランナップエリアがあります。ここでナブログの差し替え、計器の確認をしていたところ、左翼の燃料計が0に近いことに機がつきました。右翼はまだたっぷりとあります。燃料計の不具合だと思いましたが、万が一にも給油口のキャップが閉まっていなかったり、燃料漏れなどがあれば、大変です。再度Groundにコンタクトを取り、Transient Parkingまでのタクシー許可、さらにこの空港に詳しくないので、Transient Parkingの場所が分からないと伝えところ、タクシー許可と誘導路の白い線をたどっていけばTransient Parkingとのこと。分かりやすい仕組みで良かったです。

パサデナのローズボール上空
これまでのクロスカントリーはいつもタクシーバック、即出発だったので、Transient Parkingに入ったこともありません。どこに泊めて良いのかも分からず、邪魔にならなそうな隅に止めてエンジンを切りました。早速、給油トラックが2台近付いてきました。どうも2社が入っていて、競争のようです(笑)。1台のトラックの作業員に事情を説明し、梯子を借りて燃料タンクを確認しました。やはり燃料はしっかり入っていました。燃料はあるので、給油の必要はありません。梯子を借りた礼を言い、今回は燃料は必要ないと伝えました。相手は「No Problem」と言って、どこから飛んできたのか、昼はもう食べたのか、ここの空港のレストランはうまい、と教えてくれました。私もStudent Pilotでクロスカントリーの練習で飛んできた。今日はもう出発した方が良いけれど、ライセンスが取れたら、また飛び来たいと答えました。「次は機長として会えることを」、そう言って握手してから、彼はトラックに乗って去っていきました。
エンジェルスマウンテン
さて、気持ちを落ち着けて出発です。エンジンを始動し、Groundに滑走路までの許可を取り、再度ランナップまでタクシーします。不思議なことに、そのころには燃料計が正しく表示するようになっており、その他のチェックも問題なく、Groundに出発準備完了を告げ、Towerに移管され出発を待ちます。ランナップで先に並んでいた同じくC-150の次に離陸。先行機はずっと同じ方向を飛んでおり、交信の良い見本を示してくれました。
KCMA-KSBDは山の南縁に沿って飛びます
移管されたMugus Approachでも先行機の後について行きます。Flight Followingも今回は素直に受理されます。行き先をSan Bernardinoと伝えると、「That's Good」とのこと。先行機が途中で変針し、ちょうどその航跡を横切る形になりましたが、確実に乱気流を感じました。こんな小型機でも後方乱気流が起きるということを実感しました。帰路もBerbunk近辺でヘディングを振られます。前方を降下しながら旋回するB737が横切りました。ATCからは「Caution for wake turbulance」と言われます。C-150ですら揺れるので737だとすごいことになりそうです。相手は降下しながら旋回していたので、出来るだけ航跡の上を通過するよう、針路を調節して通過しました。おかげで乱気流は全く感じませんでした。
オンタリオ空港
その後は問題なく飛行し、降下もしてSan Bernaridino空港が見えるところまで来ました。ATISを取った上で、Rialto空港上空でTowerにコンタクトを取ります。空港1マイル北で連絡するようにとの返答をもらい、降下を続けていきます。3,4マイル程になったところで連絡が入り、現在地を聞かれました。空港のすぐ北まで来ていたのですが…。場所を伝えて、空港の真上を通ってDownwind進入の許可をもらいます。Downwindで報告すると、着陸許可が出ました。

この空港、国際空港で、滑走路も3000mあるにもかかわらず、全くヒマそうです。私の到着時にも、ほかにどの飛行機も飛んでいませんでした。着陸して、タクシーバックを要求します。同じ管制官がタワーのままで許可を出してくれます。空港にはTristarと747がハンガーに入っているのが見えます。改修工事の会社があるのでしょうか。
KSBD-KAJO間の景色

滑走路手前で準備をし、Coronaに向けて飛行する旨を伝えます。すぐに離陸許可が出て、出発しました。San Bernardinoのお隣のRedlandsから、このルートは何度も飛んでおり、地形も分かっています。途中Riverside空港にTransitionの許可を取り、そのまま通過します。Coronaでは同じタイミングで北からの到着機がありますが、こちらはStudent Pilotであることを伝え(別に必要なかった気もしますが)、先に行ってもらいます。交信だけでなかなか姿が視認できなかったのですが、先行機がベースに入ったところでようやく視認しました。Downwindをしっかりと取っているようです。

先行機がいる場合、先行機のFinalとこちらのDownwindがアビームになるまでDownwindを延長する事になっています。自力での初めてのExtend Downwindを行ない、Base、Finalとまわって行きます。普段と距離が違うので、降下を調整しながら、フラップを順次出していきました。ASOSで風がほぼ向い風ながら10ノット以上出ているのも掴んでいました。これだけの風で1人で降りるのも初めてです。中心から多少ずれてしまいましたが、クラブ、デクラブとやって着陸が出来ました。
リバーサイド空港
以上、注意されたり、トラブルが発生したりといろいろありましたが、自力でLAの中心地脇を横断する事が出来、それ以外にもたくさんのことが学べたクロスカントリーでした。空の楽しさだけでなく、厳しさも多少分かった気がします。
到着後の機内
同乗教習:0.0時間(累計32.1時間)
:計器0.0時間(累計3.1時間)
:夜間0.0時間(3.6時間)
単独飛行:2.1時間(累計12.2時間)
総飛行時間:44.2時間
着陸回数:3回(累計135回)
:夜間0回(累計10回)
地上教習:0.0時間(累計22.4時間)

総まとめ[フライトトレーニング30]

ようやく、チェックライドと同じ空域で練習をする事が出来ます。まずは、CoronaからChinoへ飛び、そこから本当の試験と同じ手順をこなします。ChinoではGroundにタクシーバックの依頼をした上で、Ontario空港のClassCのTransition許可を依頼します。
「Chino Ground, Cessna11630」
「Cessna 11630, go ahead」
「Cessna 11630, request transition Ontario airspace, Landing at Hesperia」
「Cessna 630, roger, clear of ClassC airspace until radio communication established wirh Ontario Tower, squawk code will be given by Chino Tower」
「clear of ClassC until 2way radio with Ontario, expect squawk code from Tower, 630」
(たぶん)このような通信を行ないます。

出発後Ontarioに移管され、進入許可をもらって変針して、Ontario空港の真上に向けて飛んでいきます。通過高度は2500feetとのこと。さらにOntario TowerにHesperiaまでのFlight Followingを依頼します。

Ontario空港のmidfieldを通過した辺りで高度制限の終了が告げられ、上昇を開始します。さらにSOCAL APPに移管され、フリーウェイ10、15のインターセクション上空に達したところでElianから「Flight Followingをキャンセルしろ」との指示。指示に従したがって、SOCALにキャンセルを申し出ます。SOCALからしたら、頼んだと思った途端にキャンセルする変わった奴と映るのか、別に当たり前すぎて何とも思わないのか。

それからは、いよいよエアワークをしなければいけません。まずはHood Work。しばらくやった後で、メインイベントとも言えるストール3連続。最初にPower On Stall。フルスロットルにして機首を上げていきます。とにかくやさしくとのことで、機体の水平と方位を維持しながら、じりじりと操縦桿を引き続けます。失速したら、機種を5度上向きを維持しながら高度低下を最低限に維持するようにします。

次はTurning Stall。左に20度の旋回をしながらエンジンをアイドルにして、さらに操縦桿を引いて失速させます。失速したらすぐに翼を水平に戻し、フルスロットルで回復します。全ての失速では、上昇に戻れたら「Positive Climb」とコールします。

3つ目は、Power Off Stall。まず、1500RPM程度に落とし、フラップを30度まで展開します。その上で、スロットルをアイドルにし、操縦桿を引いて失速させます。この失速だけは少しですがバフェット(翼の失速による振動)が感じられます。バフェットが起きたら、回復作業に移ります。まず、フルスロットルと同時にフラップを10度上げ、機種を少し上向きにして降下しないようにします。速度がついて高度が上がり始めたら「Positive」とコールし、フラップを10度上げ、引き続き高度が上昇していることを確認、コールしながらフラップを全て上げます。

次の種目はSteep Turn。試験ではなぜか左旋回しか指示されないそうで、その通りに練習しました。Steep Turn時は速度低下に気をつけ、スロットルを少し足すことに注意します。

その次は、エンジンをアイドルにされるので、エンジン停止のシミュレーションでRialto空港に緊急着陸します。空港が見えているのでBest Glide(70mph)にする必要はなく、空港に向けて、降りていきます。その途中に、Engine Fuel Valve、Mixture、Throttle、Carburetor Heat、Magneto、Masterと確認します。エンジンは再始動しない(設定)ので、Rialto TrafficにSimulated Engine Failure Landingをする旨通報します。

Elianからは「No Powerだから高すぎても低すぎてもダメ」と言われますが、この高さの見極めがなかなか難しいものです。ベース、ファイナルとうまく行ったと思ったのですが、最後にフラップを30度にしたところで、思ったよりも速度が落ちてしまい、「頭を下げろ」との指示が。滑走路手前の過走帯に降りてしまうのではと思いましたが、グラウンドエフェクトで伸びて滑走路に着陸。これは、なかなか難しいです。Elianから「速度には注意しないと最悪失速するから」との注意が。確かにその通りでした。

タクシーバックしてSoft Field Take Off。そのままトラフィックパターンをまわって、Soft Field Landing。再度タクシーバックし、 今度はShort Field Take Off、Landingで1回まわります。その後はそのままタッチアンドゴーで離陸し、上昇したところでTurn on the Point(360度旋回)を実施。実際は2回転だそうですが、今回は1回で終わりにしました。この辺りのエアワークは、たぶん大丈夫でしょう。

試験は、まだ残っています。最後は、再びOntarioにコンタクトをしてChinoへのTransitionの許可をもらいます。今回はそのままCoronaに戻りますが。Chinoの上空で、Elianが教えてくれました。「空港の中央を横切るWash(小川)があるから、それにしたがって南下していくと、そのままChinoのRwy26LのRight Baseになる」。Base、Finalとまわって着陸までして、試験が終わりだそうです。

試験の流れの感想としては、短い間隔でChino、Ontarioと交信相手が変わるので、この辺りを落ち着いてこなすことが重要そうです。Rialtoの北側のCajon Pass訓練空域は5700feetの山がすぐ北に迫り、なかなかの迫力の場所でした。

正直、もう何回か練習して慣れたいのですが、試験の日程が迫っています。Elianも今日の午後から1泊2日でのラスベガス送迎の仕事が入っているそうで、時間が取れるか分かりません。イメージトレーニングだけはしっかりしておきたいと思います。

同乗教習:1.4時間(累計32.0時間)
:計器0.0時間(累計3.1時間)
:夜間0.0時間(3.6時間)
単独飛行:0.0時間(累計10.1時間)
総飛行時間:42.1時間
着陸回数:5回(累計132回)
:夜間0回(累計10回)
地上教習:0.0時間(累計22.4時間) 

1日2回スクールへ[グラウンドスクール12][フライトトレーニング29]

今日は、早朝と夜にフライトの予定です。仕事の前と後という、極めて忙しい状況ですが、チェックライドが間近ということで、やるしかありません。


[グラウンドスクール12]
朝にスクールに出かけますが、Gustが強く出ていて、また上空ではTurbulanceが一帯にあるため、飛ばないということになりました。代わりに、いよいよチェックライドに向けての書類作りを行ないます。必要な書類は、
・Medical Certificate
・Photo ID
・Written Test合格証
・ログブック
です。特にログブックは訓練時間に漏れが無いかを入念に確認します。この時点で、訓練時間は合計40時間を超えていませんが、今夜のクロスカントリーや最後の練習で超える予定です。同様にHood Work(フードをかぶっての計器飛行練習)ももう少しで3時間というところです。これからの練習で大丈夫ということになりました。

次は、ネットで登録作業を行ないます。アメリカがすごいのは、Written Testの結果からこうした試験の登録まですべてつながっており、Web上で作業が出来ることです。必要に事項を打ち込んでいくと、個人情報や試験結果(間違った問題番号まで)記載された受験書類が出来上がりました。これをプリントアウトして、当日Examinerに渡す書類一式をまとめます。

その上で、今晩のクロスカントリーについての打ち合わせをします。ナブログを確認し、さらに目的地であるCamerillo空港までの空域を確認します。LAの北西、Venturaの近くに位置するCamerillo空港に向かうには、LAXのClassB空域の北側をかすめるように飛びます。さらにChino、Ontario、Brakett、El Monte、BurbankやVan NuyなどClass C、Dなどの空港空域の中や上を通過するため、細かく確認をします。

手順としては、
  1. 離陸後にChino Towerを呼び、Transition(空域通過)の許可をもらう
  2. 引き続きChino TowerにFlight Followingを要請する
  3. Squwarkをもらい、Followingの確立を確認する
  4. Followingにしたがいつつ、ナブログ通りに飛んでいく
簡単なようで、込み入った空域でこの手順を無難にこなさないと、空域に勝手に入ってしまうことになりかねないので危険です。しかも相手は、世界で有数のClass B空域であるLAXの周辺。かなり忙しい状況が予想されます。

もう一点、クロスカントリーに関して、重大なことを発見してしまいました。それをElianに相談すると、明日解決しようとのことに。詳細は次回の投稿で書く予定です。

ここまでで1時間ほどのグラウンドスクールを終えて、夜までしばし時間が空きます。


[フライトトレーニング29]
夜の6時にスクールに戻って、ナイトフライトです。さすがに長い1日なので、「疲れた」とElianに言うと、「自分も働いているけど、全然疲れてない」と言われました。うーん、と思っていると、スクールの給油担当のおじさんが、「俺は疲れてるぞ。ちゃんと仕事してれば、疲れるよな。疲れないってことは、仕事をしてないってことだ」と助け船を出してくれます。それにしても、Elianは前回から声がおかしくなっていて体調も万全ではなさそうなのですが、にもかかわらず元気そうです。

さて、気持ちを切り替えて準備をします。自分で言い出したLA方向へのクロスカントリーですが、なかなか気を使うフライトになりそうです。夜なので、その為の準備もします。かばんにはマグライトを入れ、頭にはヘッドライトを装備します。飛行中はその上にさらにヘッドセットをつけます。
ユニバーサルスタジオ上空

離陸後、Chito Towerにコンタクト。夜なので交通量が少なく、スムーズにFlight Followingの話も通じます。順調に上昇し4500フィートへ。今日のプランは、ほぼフリーウェイ71、210、101の上空をたどるルートです。ロサンゼルスの光の海の北側の縁の上を、進んでいきます。上空にはたくさんの飛行機が飛んでいるのが分かります。昼より他の飛行機が視認しやすい分、むやみやたらと飛んでいるようで、恐怖すら覚えます。この辺りはFlight Followingが無いと、とても飛ぶ気にはなれません。

光のじゅうたんのような夜景は確かにきれいですが、Flight Followingに耳を、ナビゲーションと他機の様子に目を集中させているせいか、なかなか素直に感動する気持ちになれません。のんびりした方向に飛んだ方が楽しめたのかもしれません。
自分で撮った写真

Burbank、Van Nuyの空域に入ると、Traffic情報が多くなりました。Elianの話を聞きつつ、いつ来るか分からない呼び出しを待つのは、なかなかきをつかいます。別にElianに黙っていて欲しいという訳ではないのですが(笑)。Elianと一緒だと、どこか気を抜いてしまっているところがあるのか、時々聞き逃して、Elianから注意を受けました。機内で話をしていても、耳をそばだてていなければいけません。

Camerillo空港は、今回が初めての訪問です。夜に初めての空港に飛ぶというのは、なかなか大変なものです。まず、周辺の地形を肉眼で見ていないので、周囲の障害物(山など)に十分に注意をする必要があります。さらに、空港の運用が分かっていません。A/F Dの情報や空港チャートを読み込んでおく必要があります。着陸に向けて降下を始める時間になりましたが、Elianからは「手前に山があるから、降り過ぎないように」との注意が。空港手前の暗がりが山なのは分かるのですが、高度は分かりにくいようです。SOCALL APPからMUGUS APPに移管され、Airport Insightを告げるとFlight Followingの終了が告げられました。滑走路方向へのアプローチなので、特に夜間の今回は、遠くからでも滑走路灯が遠くからでもとても良く見えます。
ユニバーサルスタジオ上空
ATISを聞いた後にコンタクトしたCamerillo Towerからは、ストレートインの指示が。ストレートインも初めての経験です。Elianのアドバイスを受けながら降下します。遠くからでもVASIを参照にするということだそうです。着陸する前に、予めGroundの周波数をラジオに設定しておきます。このように、次の動きを予期して準備をしておくことが、安定した操縦につながります。夜の気流が穏やかなので、着陸はスムーズに決まりました。

着陸後は、Elian流のクロスカントリー。休むことなく、そのままタクシーバックして帰途につきます。Elianのこうした無駄の無さはいろいろ徹底している気がいます。おかげでトレーニング時間もとても短く済んでいます。本当に大事なことは教えるけど、後は経験で学んで、ということなのでしょう。

帰りは、Elian主導で、長い時間Hood Workを行ないました。気流も穏やかなので、殆ど問題ありません。VORに合わせても飛びましたが、こちらも問題なし。外が見えないので、代わりにElianが写真を撮ってくれました。「ユニバーサルスタジオが下にあるんだけど」と言われても、見えません。そういうところは好きなの、と聞くと、「一度も行ったことはない」とのこと。まあ、そんな所よりもすばらしい光景を毎日見ているでしょうから。

管制官から、「Corona空港は夜間閉鎖中だが」という連絡が入りました。顔を見合わせるわれわれ(私はフードをかぶっているので、本当に見合わせてはいませんが)。昨12月の大雨以来の夜間閉鎖が今日から解けたはずなのですが。「もう一度確認してくれ」とElianが依頼しますが、答えは同じ。「とりあえず、近付いてもう一度確認する」とElianが答えましたが、しばらくして、「今日から空いていた。情報が更新されていなかった」との訂正が管制官からありました。安心して降下し、着陸となりました。

そのまま、Coronaで着陸の練習とし、さらに3回降り、夜間の着陸経験を10回とし、規定を満たしました。夜間はどうも高めのアプローチになってしまいます。ダウンウインドをきっちり取って、調整をしたいのですが、Elianからすると非効率のようで降下率をきちんと管理するように、との事でした。

全て終わると9時を過ぎ、全部で3時間ほどの飛行時間になりました。
飛行時間もようやく40時間を過ぎ、また一つチェックライドの準備が整ってきました。まだまだ練習したいことはあるのですが。

同乗教習:3.0時間(累計30.6時間)
:計器1.0時間(累計3.1時間)
:夜間3.0時間(3.6時間)
単独飛行:0.0時間(累計10.1時間)

総飛行時間:40.7時間

着陸回数:5回(累計127回)

:夜間5回(累計10回)

地上教習:1.0時間(累計22.4時間) 

2011年1月27日

ラジオ修理でChinoまで[フライトトレーニング28]

今日は、チェックライド対策練習の2回目です。今日こそは実際の試験空域で同じ科目の練習と行きたいのですが、ラジオの調子次第でもあります。前回のフライトの後、Elianは大至急の修理を申し込んでいましたが、スケジュールが詰まっているようで調整が難航していました。

空港に着くと、Elianと地上スタッフのCarlosから説明を受けました。ラジオがまだ直っていないので、Chino空港に飛んで、Chinoのメンテナンス工場でチェックを受ける。直ればそのままフライトトレーニングへ、ダメならば戻ってくる。直らなかった場合、飛行機については料金を取らない。
メンテナンス工場にて
承諾するだけなので、その旨伝えます。飛行前点検後、すぐに前回と同じ手順で出発。今日は無線は問題がなく作動しています。CoronaからChinoはトラフィックパターンを含めて5分ほど。今日もかなり揺れています。

着陸すると、Elianがタキシングしてどんどんと駐機場奥に入っていきます。Chinoのランプに入りこんだのは初めてでしたが、大型のクラシック機がいくつも駐機しています。DC-3、B-27。何だかタイムスリップしたようでもあります。一番奥にメンテナンス会社のハンガーがありました。中からはゆったりとしたカントリーが流れ、何機かの双発機が分解整備されています。手前でエンジンを切り、Elianと機体を押してハンガー前まで持って行くと、大柄なメカニックがやおら仰向けでシートに寝ころび、計器盤下に頭を突っ込んで点検を始めました。

そんな状態で点検をしながら、Elianがメカニックに状況を説明します。まずは配線には問題が無かったようで、「その状況だとアンテナが怪しい」とのことでした。機内の内装を外しながら配線をアンテナまで確認します。何だかとても原始的な点検法です。やがて、チェックが屋根上のアンテナまで到達し、配線とアンテナとのBNC端子を清掃して点検が終了しました。ただ、ここまでで小一時間かかっています。

Elianから、「Welcome to Aviation」と苦笑いしながら言われました。こうしたトラブルの発生と、その解決のために時間がかかるのは、まま良くあることだそうです。時間があったので、Elianがチェックライドでのオーラルの練習質問をしてきました。ClassAからGまで進入に必要な条件(機材、視程、雲との距離など)をどんどん答えるようにとのこと。25度近い屋外で、立ちながら考えつつ話すのは、なかなか大変です。他にも飛行に必要な書類、インスペクションなど、これまで何回か繰り返した質問をおさらいします。

メカニックからは、とりあえず地上では正常に作動するので、あとは実際に運用して大丈夫か確認してくれ、とのこと。残り時間もあまりないので、またもや試験空域に行くのはあきらめ、Lake Mathews空域で練習します。Chinoを飛び立ち、そのままCorona上空を通過。そのあたりでHoodをつけて、言われるままに高度、方位を変化し、維持します。今日も気流が悪いのですが、上昇中、速度変化に合わせてピッチを変化させていたら、「ピッチを5度に一定させるように」との注意が。速度変化は気にしないで良いのか尋ねたところ、すぐに速度は付いてくるから気にせず、まずはピッチで上昇率を一定させるようにとのこと。

しばらくHoodをつけたまま、異常姿勢からの回復練習。目をつぶっている間にElianが機体の姿勢を変化させ、目を開けた時点で水平飛行に戻すというものです。注意点としては、姿勢回復よりも先に速度に注意を払うこと。下降姿勢で速度が増加していたら、まずはスロットルを引いて速度上昇を抑え、次に水平、そしてピッチを戻すという順序だそうです。逆に上昇姿勢で速度が減少傾向だったら、スロットルを押しこんで速度を確保します。

揺れる中でのHoodはなかなか気疲れしますが、それもようやく終わり、次は失速の練習です。前回と同じ3種類の失速の練習。コメントとしては、Power On Stallはスロットルの押し込み、ヨークを引くのをゆっくりとやさしくすること。そして、その間機体の水平にも気を配ること。その通りにしたい気はするのですが、揺れる中、なかなか安定させるのは難しい気がします。また、失速後はピッチを下げ過ぎずに+5度程度に維持し、高度の損失を抑えるとのことでした。

次の左旋回しながらのストールは、前回から始めた新規練習科目ですが、試験に出るそうです。さらに、Power Off Stallをやってから、非常事態(エンジン停止)の練習をします。練習の際は、500feet降下するごとに、若干エンジンをふかして、本当に止まっていないか確認した方が良いとのこと。これも試験の時にやった方が良いそうです。今回は着陸予定地点のダウンウインドに入ったところで「Go Around」の声が。

もう一度上昇してから、再度エンジンをアイドルにして、Corona空港までNo Powerでたどり着きます。パワーが入らない=やり直しが聞かないということで、つい高めにアプローチしてしまいましたが、正しい角度で入るように注意を受けます。高めなのは、しっかりと自信を持ってアプローチ出来ていないからとのことです。フラップを下げてそのドラッグ(抵抗)で高さを調整しつつ、頭を下げてとにかく滑走路に向かいます。高めという時点でGo Aroundという言葉が頭をよぎったのですが、こういう練習では、とにかく滑走路までたどり着いてみるという姿勢が重要なのでしょう。

その後は、Short Fieldの離陸、着陸、Soft Fieldの離陸、着陸をそれぞれ練習して終了となりました。ラジオ修理で時間を取られたのが、少々残念です。今回は、Corona-Chino間の飛行時間分である0.3時間を引いて請求され、また、教官費用はお詫びとして請求されませんでした。Elianに費用が支払われないということではないと思うのですが。

同乗教習:1.3時間(累計27.6時間)
:計器0.5時間(累計1.4時間)
:夜間0.0時間(0.6時間)
単独飛行:0.0時間(累計10.1時間)
総飛行時間:37.7時間
着陸回数:4回(累計122回)
:夜間0回(累計5回)
地上教習:0.4時間(累計21.4時間) 

2011年1月26日

Gustyな中でラジオの故障[フライトトレーニング27]

今日は、昼過ぎからトレーニング。 昨日吹き荒れていた風がまだ強く吹いています。軽い乱気流がBumpyで、強くなるとGustyとなるそうです。今日はかなりなGustyです。

そんな中、いよいよ最終のCheck Rideに向けての練習が始まりました。今日は、Check Rideでやる内容を実際の場所で行うとのこと。出発前の打ち合わせで、Corona空港を離陸直後にChinoタワーにコンタクト。Chinoに一度着陸した後はタクシーバック中に、Ontario GroundにChino Class CのMidfield Transition to Hesperiaの許可を申請。離陸直後にOntarioタワーに移管した後、許可をもらって空域通過。そのままFlight FollowingでHesperia空港へのフォローを依頼します。その後、Freeway 10/15 intersectionでフォローイングをキャンセルしてエアワーク、Simulated Engine FailureでRialto空港へのPower off Landingという一連の手順を確認しました。その後、離陸と着陸を繰り返して試験を続け、最後にChinoで試験終了という、実際の試験の流れを再現する予定です。

離陸までは、いつもと同じで順調でした。ASOSやCTAFでラジオに若干ノイズがのりましたが、特に気になるほどではありませんでした。ところが離陸後、いざChinoタワーに交信しようとすると、交信している自分の声がとても小さく聞こえます。そして、Chinoタワーからの返事も同じように小さく聞こえました。「聞き取れない」とElianに伝えますが、Intercomも同じように小さい音声でした。それでもElianが理解してくれ、Radioを受け持ってくれました。

何とか、26Lのダウンウインド、ベースと回りましたが、タワーからの声はどんどん小さくなり、Elianが、予定を変更してLake Mathewsの訓練空域に行ってから戻ろうとのこと。ラジオがこのような状態では、Class Cに入るにはリスクが高すぎるということなのでしょう。

Chinoではタッチアンドゴーでそのまま空域を離れ、訓練空域へ移動。そこでHoodをかぶり、しばらくの間、計器飛行の練習をしました。ところが、風がずいぶん強く、場所によってはRPMを絞っても上昇を続け、また別の場所では高度を失うという状態で、なかなか一定の高度、速度、方位で安定させる野が難しい状況でした。計器飛行では、指示針路±10度、指示高度±1000フィートの正確さが要求されますが、時々その範囲を突き抜けてしまいました。

次に、ストールの練習。はじめにPower On Stall、Turning Stall、最後にPower Off Stallと3つを続けて行います。これが試験時の流れだそうで、2つ目のTurning Stallははじめて練習しました。20度で旋回しながら操縦桿を引いて失速されるもので、スピンの恐怖からか、なかなか難しく感じました。それ以外のストールも、久しぶりでなかなか感覚がつかめず、特にPower Off Stallはストールの瞬間が分かりにくい感じでした。ストールはストールに入るまでの直進維持も気を使いますが、ストール後のリカバリー時も以下に高度を落とさないかに気をつける必要があります。速度を得るために機種を下げたいのですが、ストール後に高度を失うのは、とにかく最低限にしないといけないとのこと。納得ですが、実際は2000feet以上の対地高度がある場所では、つい機種を下げてしまいます。かなりの時間繰り返して、何とか少し慣れました。

次のSteep Turnは、バンクを途中で戻してしまう傾向があることを注意されましたが、それ以外は問題なし。Over the Point(目標地点上空での360度旋回)は、風が強いためか、修正に多少手こずりました。このあたりは自信を持っていたので、この強風に翻弄されたことが少し悔しい感じでした。最後に、Emergency Landingの練習をしましたが、着陸地点までタイミング良く高度を落としていくのは、なかなか難しそうです。かといって、遠すぎる着陸地点を設定してもたどり着けない恐れもありますし。

一通りは練習しましたが、ラジオの調子が悪く、結局はそれくらいで切り上げてCoronaに戻りました。フライト時間はとても短く0.7時間だけでした。ElianにはCheck Rideに向けて緊張しているのかと聞かれましたが、自分ではそのような意識はないのですが、どうもこれまでの調子が出ないような気がしています。久しぶりに隣にインストラクター(Elian)を乗せているからか、それよりも最近忙しいこともあり、その寝不足から来る疲れではないかと思います。IMSAFE(体の調子を考える際の重要な要素6つ)は、やはり当たっている気がします。

明日は、ラジオが直っていれば、今日やる予定だった現地練習、だめだったら機材を交換するという話になりました。

同乗教習:0.7時間(累計26.3時間)
:計器0.3時間(累計0.9時間)
:夜間0.0時間(0.6時間)
単独飛行:0.0時間(累計10.1時間)
総飛行時間:36.4時間
着陸回数:4回(累計122回)
:夜間0回(累計5回)
地上教習:0.4時間(累計21.4時間) 

2011年1月25日

冬のサンタ・アナウインド[グラウンドスクール11]

今日は、午前と夜に飛行のフライトでした。が、前日の夜から強風警報(Wind Warning)が出るほどで、予報ではこの風は今日の夕方まで続くとのこと。最初から、午前のフライトは中止だろうと予期していました。一応、空港に向かいますが、その前にElianに「風が強いような気がするのですが」とテキストメッセージを送っておきました。

向かう途中に、「朝はグランドスクールだね」との返信が。やはりそうですか。

着くとすぐにElianが隣のダイナーに行こうと提案。昨年12月の大雨以来、ずっと閉まっていたダイナーがようやく復活したようです。店名にもなっているBobbyさんも巨体を揺らしてにこやかに接客していました。Elianはパンケーキと甘そうなアイスティーを、私は朝を食べてきてしまったのでコーヒーだけにしておきます。

食べ物が来るまでの間、これまで何回かやったOral試験の模擬のような質問です。「気体に備え付けておかなければならない書類は」「パイロットが飛ぶときに所持する書類は」「正常に作動しないと飛べない計器は」「飛行機が飛ぶために必要なチェックは」などなどですが、いい加減覚えてきました。まあ、あと1週間なので、ぜんぜんわからない状態だとまずいわけですが。それでも、Density Altitude、Cariburated Altitudeの意味、求め方は曖昧なことが分かりました。やはり、繰り返しでも少しずつは進歩があるようです。

Elianが食べ終わってスクールに戻ってからは、Lorneも参加してのCheck Rideの手順説明となりました。Elianはすでに同じExaminerに20人ほど送っているとのことですが、新しいInstructorのLorneは今回初めて学生を送るとのことで、Examinerの癖などを聞きにきていたのでした。やる内容は、以下の通りでした。
  • Chino空港を離陸、ラスベガスにあるHenderson空港を目指す
  • Ontario空港のタワーにClassC進入許可を得る
  • Ontario空港のClassCを超えたらすぐに、フライトプランを変更する
  • Hood Work
  • Slow Flight
  • Stalls
    • Power on
    • Turining
    • Power off
  • Steep Turn
  • Engine Failure Simulation - No Power Landing to Rwy24 Rialto airport
  • Short Field Land / Take off
  • Soft Field Land / Take off
  • Turn Around the Point
  • Flying back to Chino (transition midfield of Ontario)
時間にして、1.5~2時間ほどということで、なかなかしっかりとした試験のようです。中でもStall3種、Power Offでの着陸まではなかなか珍しいとLorneも目を丸くしていました。

また、今後のトレーニングスケジュールを再調整。練習時間を確保しなければと思い、試験までの日程で出来る限り予約を入れておきましたが、その時間を再度Elianと確認しました。ここで、今日のはずだったナイトフライトが取りやめになり、木曜日に延期予定ということに。Coronaは未だ夜間飛行が禁止のため、Chino発着になるのですが、Chinoに訓練機をステイさせると翌日のスケジュールに影響が出てしまうために、嫌がっているようです。まあ、朝に弱いElianですし、車を取りに行くという問題も発生しますし、理解しようかと思います。数日内にCoronaの夜間照明が復活しそうなので、それに期待しているようでもあります。

最後に、着陸と失速の練習をかなりやらないとまずそうと伝えましたが、自分に任せろ、自分が送った学生で、試験に落ちた者はいない、との頼もしい答えが。以前、1人だけ落ちた生徒がいるといっていたような気がしたのですが、いなかったことにします(笑)。

余談になりますが、一昨日SoloクロスカントリーでLake Mathewsで時間調整をしていたとき、Corona方向からTemecula方向に向けて、戦闘機が2機編隊ですさまじい速さで飛んで行きました。米軍の訓練かなあと思っていたのですが、なんとその1機にはElianが乗っていたそうです。民間に払い下げられたJet Fighterだそうで、Chino空港で30分$1,500で一般レンタルもしているそうです。ただの娯楽で乗ったといっていましたが、Elianはそんなにお金持ちなのか、新たな疑問がわいてきました。最近、ATPの資格を取ったようで、自分へのご褒美なのかもしれません。また今度、聞いてみます。

そんな話も含め、2時間半ほど授業から雑談ですごしました。

同乗教習:0.0時間(累計25.6時間)
:計器0.0時間(累計0.6時間)
:夜間0.0時間(0.6時間)
単独飛行:0.0時間(累計10.1時間)
総飛行時間:35.7時間
着陸回数:4回(累計118回)
:夜間0回(累計5回)
地上教習:2.0時間(累計21.0時間) 

2011年1月23日

ソロロングクロスカントリー+時間稼ぎ[フライトトレーニング26]

今日は、ソロでのロングクロスカントリー(通称ビックトライアングル)をしてきました。KAJO(Corona)-KRNM(Ramona)-KREI(Redlands)-KAJOという3角形をめぐるものです。これは、ライセンス取得の要件である、「150nm以上のクロスカントリーをソロで行い、内1レグは50nm以上あること」という条件を満たすものです。さらに、「ソロでのクロスカントリーを5時間以上」とも定められています。前回のソロクロスカントリーでは、KAJO-KRNM往復を行なって1.8時間のフライトタイムを記録しました。ということは、今回は3.2時間飛ばないといけない事になります。
最初のレグで左奥にDiamond Lakeを望む
ところが、今日のクロスカントリー全部のレグを足しても、単純計算では2.5時間にもなりません。Elianからは、「ゆっくり行くか、戻ってから離着陸をすることで3.2時間を満たして、もうクロスカントリーに出ないで済むようにしよう」と言われています。彼もなかなか無茶なことを言います。ただ自分としても、別の日を使ってクロスカントリーをするのは時間がもったいない気がするので、提案にしたがって何とか3.2時間を確保するようにしないといけません。

まず一つ目のレグ(KAJO-KRNM)から、90mphと少し遅めに飛ぶ事にして、少しでも所要時間を稼ぎます。作成したナブログよりも少しずつですが時間が多めにかかりました。5,500feetまで上昇し、距離もあることから、前回と同様にFlight FollowingをSOCAL APPに依頼します。担当するセクターが異なるため、途中2回ほど周波数の変更を指示され、その度に周波数を設定して、新たな管制官にコンタクトしていきます。今日は天気が良いためか、飛んでいる小型機が多く、Trafficの情報が良く入ってきます。なかなかTrafficの目視は難しく、いつも「Looking for the traffic」という返答になってしまいます。ルート自体は前回飛んだのと同じで、かつ視界も良いため、20マイル近く手前からAirportをInsightしました。その旨報告しますが、まだ周囲に他機がいるようで、Radar Serviceの終了は告げられません。また、レーダー管制上の降下高度が4000feetとのことで、それ以上の降下も止められました。特に断る理由もないので、そのままFlight Folowwingを受け続けます。空港の10マイル手前ほどで、「Radar service terminated, frequency change approved, contact Ramona」となりました。
Ramonaへ降下中。右には太平洋が

ATISを確認してからタワーにコンタクト。なぜかパイパーと勘違いされますが、前回と同様にright down wind for Rwy27への進入許可を得ました。ダウンウインドに入ったところで再度報告して、着陸許可をもらい、ベース、ファイナルとまわって着陸。ずいぶん左にずれての着地になってしまいましたが、何とか着陸。滑走路を出るところで、グランドにコンタクトの指示。もう1機しかトラフィックがいない中で、グランドに移管とは珍しい気がします。タワーは頻繁に女性、男性の管制官が入れ変わり、グランドもタワーで聞いた女性の声で、どうやら女性管制官の練習中のようです。

本来は、すぐに次のRedlandsへ出発するところですが、時間を稼がなければならないため、一度Touch and Goをしてから出発する事にしました。タクシーバックしたランウェイエンドには、クラシックな複葉機が2機ランナップ中。先に行っても良いものか悩みつつ、結局は先に滑走路手前まで進んで停止。グランドに「ready for departure」を告げると、再度タワーへ移管されました。タワーにTouch and Goをリクエストをすると、Left Closed Trafficを指示されました。離陸したころ、先ほどの2機が離陸許可を要請。どうやら編隊を組んで南に出発とのことで、セスナの後について出発と指示されていました。そのままトラフィックパターンをまわってダウンウインドで、「After touch and go, request north west departure」とお願いして承認。同じころ、2機が編隊を組んで飛びあがっていくのが見えました。

今回も着陸は左へずれて行きます。この左に流れる癖をどうにかしないとまずい気がします。気を取り直してフラップを引っ込め、新しいNavlogをセットして離陸。Departure Legから右へ変針してNavlog通りの針路をセットします。5マイルを過ぎるころタワーから周波数変更の許可が出ました。タワーの管制官によって、この周波数変更の許可を出す人と出さない人(無言)の人がいます。Elianによれば、言われなければ自分で周波数を勝手に変えて良いとのこと。問い直しは余計な交信になるので不要ということでした。
第2レグでRamona離陸後、Wild Animal Park上空を通過
今度のSOCAL APPはかなり忙しいようで、隙を見て「Socal Approach, Cessna11630 request」と言っても軽く無視されます。しばらくおいてもう一度、「Socall Approach, Cessna 11630, student pilot, request」とお願いしたところ反応がありました。それでも忙しいようで、Squawk Codeをセットしてもレーダーコンタクトのお知らせは無し。若干不安でしたが、やがて周波数移管の指示が来ました。次の管制官は女性で、とても細かくアドバイスをくれました。Trafficの情報も何度ももらい、その度にきょろきょろと見まわしますが、まだまだ他機を見つけるのは難しいものです。それだけに、絶えず周りに対する注意を怠ってはいけないと強く感じます。Less than a mileのTraffic情報と同時に、ようやく下を斜めに横切る機体を発見。高度差は十分ありましたが、特に自分より低い高度の機体は、地面に紛れて見えにくい感じです。

さらに、針路と高度維持も指示されました。どこまでこの針路で進むのかと気にしていたら、しばらくしてから「resume own navigation, descent at pilot's discretion」と言われました。 何だかIFRのような気分です(あとでGPSで確認したら、Marchのタワー空域に入らないための指示のようでした)。途中、何回か日本人パイロットの交信を耳にしながら、Redlandsへ向かいます。Redlandsも視界が良いことと3度目の飛来のため、かなり遠くから空港を視認できました。やはり3度目になると、かなり地理空間を認識できるようになる気がします。

Redlandsはノンタワーなので、早めに、繰り返し、位置通報を行います。ここは、空港の北と東に山が迫っています。にもかかわらずトラフィックパターンは空港の北側です。さらに、空港自体が山の裾野に位置するため斜度があり、狭苦しい印象です。その上、空港の西1マイルにはSan Bernardino空港のClassDが広がっているなど、いろいろと気を使う空港です。Rwy26に降りる場合は、出来るだけRwy8のエンドに近いところを通過してからRight Cross Windに入ります。空港の真上で「Redlands Traffic, Cessna630, Over the top, entering Right Crosswind for Rwy26」とアナウンスをしてパターンに入りました。山が迫ってくるため高さの感覚がつかめず、1回目はファイナルをまわった時点で笑ってしまうほど高すぎ、早々に「Go Around」を宣言しました。再度トラフィックパターンをまわり、今度は注意深く高度を下げつつ着陸。
第2レグ、Temecula付近を飛行中
ここでも時間調整のために何度かトラフィックパターンをまわることにしました。滑走路の長さが十分とは思えないので、Touch and Goはせずに毎回タクシーバックをして、全部で5回の着陸をしました。さすがにRedlandsの特徴もつかめ、ダウンウインド、ベースの目標も見つけられました。それでもRwy26はかなりの下り坂になっているので、気を使うことには変わりありません。ファイナルは少し低めと思うくらいがちょうど良いようです。

まだまだ時間稼ぎが足りませんが、そろそろ残り燃料も気になり始めました。最も燃料を消費するトラフィックパターンを繰り返しているのは、良くない気がします。そこでいよいよ最後のレグに出発する事にしました。3.2時間を満たすためには40分ほどかけなければいけないのですが、このレグはNavlog上では20分弱の道のりです。最後はCoronaでトラフィックパターンをまわるかと思いながら離陸、すぐにSan Bernardino Towerにコンタクトし、Transitionの許可を得ます。San Bernardinoではパターン上に1機と南からの到着機がいるようで、注意喚起を受けました。ダウンウインドの機体はすぐに見つけられたものの、南からの到着機が見つけられず。管制官がこちらが2500feetで飛んでいるとあちらに説明しているので、とにかく2500feetを維持することにします。やがてプラン通りに南に変針し、Riverside空港方向へ。視界は良いですが、とにかく周りに注意をして進みます。やがてRiverside TowerにTransitionのコンタクト。こちらもすぐに許可され、Freeway215から91沿いに進んでいきます。

やがて、RiversideのClassDを過ぎるころ、ふとLake Mathewsで時間稼ぎという考えが浮かびました。燃料の時間も大丈夫です。ということで、東南に向けて飛んでいたところ、西南に大きく左旋回してLake Mathewsへ。空域の周波数(123.5)に合わせてこちらの位置、高度、意図を通信します。どうやら誰もいないようで、反応は無し。そのまま湖上空でTurn over the Point(360度旋回)、S Turnを行ないました。機体のTacho Meterを見ながら、時間調整をします。これをクロスカントリーの時間に入れて良いのか、とは思いますが。20分ほど経過したところで、帰途へ。途中ヘリコプターが下を横切っていくのが見えたので、自機の位置・高度を通報しましたが反応なし。空域の周波数に合わせていないとしたら、危ないことです。

Corona空港も数機がいるようで、しっかりと自機の位置を報告しながら、45、Downwind、Baseとまわります。すると、すぐ後ろにCessna630と略した機番が全く同じ機体が同じくEntering Baseと通報してきました。声からして日本人パイロットのようです。後ろを見ても姿は見えません。Finalに入るとやはり後続機も同じくFinalを通報。こちらに気が付いていないと大変なことになるので、「Cessna11630、On Final」と念を押すと、「We are No.2」と報告が。こちらを認識していることが分かり安心します。風も穏やかで今日最後の着陸はきれいに決めようと思いましたが、ずいぶんと左にそれてしまいました。この癖はきちんと直さないといけません。

さすがに疲れたこともあり、また今日の目的であるフライトタイムは稼げたので、無理はせずに素直に駐機場へ帰ります。タクシー中にNo.2の機体が降りてくるのが見えました。どうも日本人のトレーニングのようでした。エンジン停止後、肝心のフライトタイムを確認すると3.3時間でした。

1日で3時間を超える時間を飛んだことも、これだけ長距離を1人で飛んだことも、さらには時間調整のためとはいえ、1人で様々な意思決定をしながら飛んだこともなかったので、本当に良い経験になりました。自分の力で自在に空を飛んでいるという実感や、大げさに言えば、飛んだ空域が自分の庭であるかのような感覚を持つことが出来ました。願わくば、さらに機体を自在に操ることが出来れば良いのですが。特に着陸に関しては、一度直ったと思っていた左にずれるという悪い癖が再発しているようで、しっかり退治しなければと思います。こんな状況でCheck Rideが近付いていると思うと、本当に大丈夫なのかなあと思うのですが、前向きに行きたいと思います。

今日の時点で、残りの赤色の部分のレッスンを残すのみとなりました(それ以外の時間は確保できました)。試験前の飛行条件についてはこちらを参照
40時間のフライトタイム(以下の条件を満たすこと)
  •  20時間以上のCFI(教官)とのフライト
  •  10時間以上のソロ(単独)フライト
また、以下の各条件をも満たすこと
  1. 3時間以上のクロスカントリー
  2. 3時間以上の夜間フライト
    1. その内、100nm以上のクロスカントリー
    2. 10回以上のフルストップでの離着陸(T/G不可)
  3. 3時間以上の計器フライト(フードを付けてのフライト)
  4. 3時間以上のCFIとの実技試験前の練習
  5. 10時間以上のソロフライト
    1. 5時間以上のクロスカントリー
    2. 150nm以上のクロスカントリー
      1. 3か所の空港をめぐること
      2. 1区間は50nm以上あること
    3. タワー空港での3回以上の離着陸
これまでの練習時間は以下の通りです

同乗教習:0.0時間(累計25.6時間)
:計器0.0時間(累計0.6時間)
:夜間0.0時間(0.6時間)
単独飛行:3.3時間(累計10.1時間)
総飛行時間:35.7時間
着陸回数:4回(累計118回)
:夜間0回(累計5回)
地上教習:0.0時間(累計19.0時間) 

2011年1月20日

ソロローカルでRiversideまで[フライトトレーニング25]

昨日、Elianが携帯のテキストメッセージで「Soloのクロスカントリー以外の飛行時間はどれだけだっけ」と聞いてきました。チェックライドに向けて、必要な条件を満たすよう、いろいろ計算をしてくれているようです。 自分では、いつも計算しているので、すぐに3.9時間と答えたところ、「1.1時間足りないので、明日のフライトはソロにしよう」ということになりました。

そして今日の朝、空港にやってきました。今までのソロでは、着陸練習なりクロスカントリーなり目的が最初から明瞭でしたが、今回はソロの時間を作るという意味合いなので、何をするか自分で決めなければなりません。出発前に自分で今日のトレーニング目標を、
  1. 訓練空域でのマヌーバの練習
  2. Riverside空港への交信と着陸
  3. Corona空港でのトラフィックパターン
ということにしました。一応ElianにもテキストでRiversideに行く許可を求めると、「気をつけて」という返事が返ってきました。今日の出発前点検でも燃料への水の混入が認められました。寒暖の差の激しさがタンク内に結露をもたらすようです。両翼のタンクのうち、通風弁の付いている左翼は水分がほとんど出ないことからも、その傾向がうかがえます。Elianに習ったように、翼をゆすってはしばらくおいてからサンプリングを繰り返し、ようやく水が認められなくなったところで出発。この様子では、毎回早めに来ないと、この水抜き作業に時間を取られてしまいます。

離陸前は、全くトラフィックが無かったのですが、離陸直後から、無線には次々とinboundのコールが。周りに十分注意しながら、パターンから離脱し、訓練空域(Lake Mathews)へ。今日はHazeがひどく、Corona空港のVisibilityも少し前まで6SMほどになっていたほどです。出発時にはRiversideと合わせて10SMに改善しましたが、それでも上がってみれば、だいぶ視界が限られる感じでした。

気をつけて訓練空域に到着しましたが、ここにも3機程度がいるようで、高度や位置を注意深く聞きます。ぶつかるのはいやなので、こちらも下手な英語を駆使して一生懸命場所を通報します。今回はスティープターン、パワーオフストール、グラウンドマヌーバを行いました。どれも、まあ問題ないと思われたので、Riverside空港へ移動することへ。

出発前にRiverside空港の周波数、TPA(Traffic Pattern Altitude:空港周回高度)などは全て確認して目メモしてあり、冷静にセットしたつもりでしたが、間違ってGroundに呼びかけてしまい、Towerを呼び直すことに。GPSで確認すると空域ぎりぎりだったため、その場で360度旋回して、コンタクト成立前(Class Dはコンタクト成立が進入の条件です)に空域に進入しないようにしました。

コンタクトが無事取れたところで、「Enter Left Base Rwy27」との指示が。高すぎた高度を落としつつ、ベースに入れるように調節していきます。トラフィックパターンのベース直前位の位置で、「Cleared to Land Rwy27」の許可が。ここでの着陸は、フレア不足になってしまいました。滑走路出口に向かうあたりでIntentionを聞かれたので、タクシーバックを要請。Groundにコンタクトせず、そのままタクシーとのこと。

Rwy27エンドまでたどり着き、一息ついてから次のCorona空港までの飛び方(離陸後の方位、上昇高度、ルート)を頭の中で整理し、タワーにコンタクト。「Riverside Tower, Cessna11630, Ready for departure, departure to the Southwest, bound for Corona Airport」

 離陸許可をもらい、速やかに離陸します。すぐに南下し、空域を抜けるところで、
「Frequency change approved, have a nice day」とタワーからコールが。こうした一言をつけてもらえると、何となく嬉しいものです。礼を言ってから周波数を変更し、Corona空港のASOSを聞いた上で、CTAFに合わせました。今日の収穫としては、ノンタワーでは自身の安全のために積極的に位置と意向を通報することが見につき始めたことです。衝突したくないですから。通報で必要なのは、
・位置
・高度
・方向、意向
の3点です。落ち着いていないと、3点の内、ついどれかを忘れがちになってしまうので、気をつけないといけません。

ダウンウインド45度からトラフィックパターンに進入し、着陸しました。まあまあの着陸でしたが、空港周辺の気流が悪く、特にファイナルでは多少の下降気流を感じました。パワーを絶えず調整しながらの着陸になりました。以前、別の方のブログでCoronaでは下降気流があって怖いという書き込みがありましたが、初めてそれを実感しました。


 その後、2度トラフィックパターンを回りましたが、今日はHazeが出ている割には気流は乱れており、だいぶ着陸に気を使いました。1回は、今から考えるとGo Aroundすべき(バルーンが大きめ)だったと思います。最近、AOPAの雑誌で、危ないと思ったら何はともあれやり直すことと書かれていたのを読んで納得していたにもかかわらず、本能的に地面に戻る選択をしてしまいます。次回からは、躊躇無くGo Aroundできるように意識をしておかないと。

エンジンを停止するまでTacho/Hobb Meterを見ていなかったのですが、ちょうど不足分の1.1時間でした。過不足無いトレーニングが出来ていることになり、なかなか満足な数字となりました。Elianにもぴったりの数字になったことをテキストで送ると、「Your almost done」との返事が。それを言うには、まだ少し早い気もしますが、トレーニングも佳境に入りつつあるのかもしれません。。

同乗教習:0.0時間(累計25.6時間)
:計器0.0時間(累計0.6時間)
:夜間0.0時間(0.6時間)
単独飛行:1.1時間(累計6.8時間)
総飛行時間:32.4時間
着陸回数:4回(累計118回)
:夜間0回(累計5回)
地上教習:0.0時間(累計19.0時間)

2011年1月19日

初のソロクロスカントリーへ[フライトトレーニング24]

今日は、朝一番にスクールに来て、初めてのソロクロスカントリーを行いました。Elianには昨日にフライトログをチェックしてもらい、Endorsementをもらっていました。今朝は天候が悪ければElianから行かないよう連絡が入ることになっていましたが、Haze(もや)がかかっているものの快晴で、飛行には問題の無い天候でした。
出発直後
飛行前点検では、前回に引き続いて水の混入が見つかり、水が見えなくなるまで、サンプリングを繰り返しました。時間をおくとまた小さな水泡が混入しているのが見つかり、出発時間を遅らせて様子を見ました。いよいよ水泡が出なくなったのを確認して、いざ出発。
Lake Perris上空
離陸して、クロスウインド、ダウンウインドと旋回しながら上昇していきます。今日は行きのレグでは5500feet、帰りは6500feetまで上昇します。また、行き帰り共、SOCAL APPにコンタクトしてFlight Followingを頼みます。ダウンウインドミッドフィールドで変針し、一呼吸おいてからSOCAL APPを呼び出します。
「Socall Approach, Cessna 11630 request」
「Cessna 11630, go ahead」
「Cessna 11630, over 91/15, 2500, request flight following to Ramona airport, taking 5500」
「Cessna 630, squawk 2705 and ident」
「2705 and ident, 630」
「Cessna 630,  radar contact, 4 miles west of Lake Mathews」

このような感じのやり取りをして、Flight Followingを確立します。一度確立すると、目的空港が視認できるポイントまで、周囲のトラフィックなどの情報を教えてもらえます。また、APPのセクターの引継ぎもIFR機のように行ってもらえます。
Ramonaに向けて降下中
ナブログで割り出された方位にしたがって、飛行していきます。が、次の地点が見えていますが、問題が2つ。1つは方位がどうもナブログで計算したものと違ってしまっていること、もう1つは経由地を飛行するときに多少オフセットしないと真正面だと見えないことです。方位の問題は、どうも風が予報と違う角度から吹いているようです。それでも、経由時間は計算どおりで、ナブログに離陸から各経由地点の通過時間を記入していきますが、ほぼ計算どおりになりました。
Canyon Lake、Temecula、I-15 @ San Luis Riverと超え、最後は目印となるものが無い区間を飛んでRamona空港に到達します。そこで思い出したのがGPS。普通のGPSなのですが、GMAPAIRという地図を購入して、空域が表示できるようにしています。これに、今回のルートを打ち込んでおいたので、試しに見てみると面白いほど分かりやすい。ズルと言えばズルですが、事前にElianに使っても良いか聞いていたので、まあ良しとしましょう。目視だけとは安心感が全く違います。今日は特にHazeが濃く出ているので、地表付近は視界が悪くなっています。APPからは「Airport insight?」と聞いてきますが、もともと分かりにくい空港なので、全く見当が付きません。が、GPSでは7マイル先と出ているので、あのあたりと検討をつけて「Airport insight」とコール。そうしないと、空港のATISを聞いてコンタクトに間に合いません。
帰路、Temecula上空
Flight Followingが終了し、Ramonaタワーにコンタクトする直前に空港がはっきりと視認できました。野原の中に管制塔が浮いています。そのまま右パターンでのRwy27への進入を許可されました。しかし、コールサインの後ろ3桁が全く同じ機体が先客でおり、混同に気をつけてとの注意が。向こうはパイパーなので助かりましたが、同じセスナだったら面倒なところでした。無事にトラフィックパターンに入り、ファイナルになっても着陸許可が出ないので、こちらから確認しました。
「Ramona Tower, Cessna630, Did you give me clearance to land?」

許可をくれたので着陸。少し高めのアプローチになり、その上左に流されましたが、あまり気にしない事にします。

そのまま、タクシーバックして、Rwy27から再び離陸。今度は6500feetでCoronaに戻ります。先ほどと同じようにFlight Followingを要請します。GPSの便利さを知ってしまってから、ついつい見てしまいますが、出来るだけ地図と景色を見比べてナビゲートするようにしました。特に問題なく飛行して、いざ降下しようとしたところ、

「Socal App, Cessna 630, request VFR decend」
「Cessna 630, traffic 6 o'clock 4 miles 5500feet, standby descent」

ということで、降下を待てとの指示が。真後ろなので目視出来ませんが、同じ方角なのか、なかなか降下の許可が出ません。ようやくトラフィックが4時の方向に移ったとのことで、降下を開始。降下率を600feetと高めにしますが、それでも高すぎのようです。仕方がないので360旋回を行なって距離を稼ぎつつ降下します。
Lake Mathews横にて
その後、Coronaでは3機編隊が次々に離陸するなど、予想外の事態に見舞われつつも何とか、45、Downwind、Base、Finalとまわって着陸。若干バルーン気味になりましたが、Elianに言われたことを思い出し、頑張って操縦桿をそのままの姿勢で保ち続けました。着陸後は、トラフィックパターンでもと思いましたが、長旅の疲労がある気がしたので、素直に駐機場へ向かい、エンジンカット。往復で1時間48分のフライトになりました。

同乗教習:0.0時間(累計25.6時間)
:計器0.0時間(累計0.6時間)
:夜間0.0時間(0.6時間)
単独飛行:1.8時間(累計5.7時間)
総飛行時間:31.3時間
着陸回数:2回(累計114回)
:夜間0回(累計5回)
地上教習:0.0時間(累計19.0時間)

2011年1月18日

1ヶ月ぶりのフライト[フライトトレーニング23]

今日は本当に久しぶりのフライトです。前回から1カ月以上経過しています。これまで習った内容を、どれだけ忘れているか不安です。昼の光で見る空港は、まだまだ大雨のつめ跡が残っています。 泥だらけの西側地区から退避した多数の飛行機が東側の芝生に並んでいます。水にかぶったエンジンをメンテナンスのために外され、尻もちをついて(バランスが変わってしまうため)鎮座している機体もいくつもあります。その後、離陸した際に眺めると、西側のハンガーでは、ハンガーや機体の水洗いをしている様子が目に入りました。

スクール到着後、まずはPCで天候の確認をし、機体管理フォルダをもらって、飛行前点検に向かいます。手順も案外覚えているもので、つつがなくこなせました。点検では燃料に水の混入が見つかり、水が検出されなくなるまで、何度も確認を繰り返しました。確認が終わってスクールに戻り、Elianと今日のフライトについて打ち合わせをします。今日は、KAJO(Chino空港)-KHMT(Hemet空港)-KREI(Redlands空港)-KAJOとまわるミニクロスカントリーです。宿題で今日の3レグと、次回のKAJO-KRNM(Ramona空港)-KAJO、さらにチェックライドの時のKCNO(Chino空港)-KHND(ラスベガス・ヘンダーソン空港)という全てのレグのNavlogを提出し、Elianのチェックを受けました。今日のレグについては、選択高度や経由ポイントについてダメ出しが入りました。私はExcelで作成できるようにファイルを用意している(12月5日のエントリー参照)ので、簡単に作り替えが出来るのですが、出先ではプリントアウトが出来無いのが難点です。いずれ、iPhoneのアプリにでも挑戦して、アプリ版として作成・公開を目指したいものです。

さて打ち合わせも終わり、いよいよ出発ですが、その前に、先ほどの燃料への水の混入の件を話し、もう一度サンプリングします。若干ですが、まだ水の混入がありました。Elianが翼を揺すって、「揺すって落ち着かせると水がたまるから」とのこと。落ち着くまでの間、しばらく世間話をしながら時間をつぶします。Elianは先日一泊でラスベガスにお客さんを送迎する仕事をしたとの事。「ナイスルッキングガール4人だった」とうれしそうに言うので「それは良かった」と言うと、「でもボーイフレンドが一緒だった」と悲しげに答えました。6人乗りかつ190Knotsでる機体で行ったとの事でした。 Beechcraft Bonanzaだと思います。

サンプリングを水が出ないことを何度も確認し、ようやく出発がOKになりました。1本目のレグは、離陸後いつもの訓練空域(Lake Mathews)を超えて、3500feetでMarch空軍基地のClass Cを通過していきます。したがって、離陸後速やかにSOCAL APPにFlight Followingを依頼します。Flight Followingを頼むと、周囲の交通情報をくれるだけでなく、それぞれのAiir Spaceへのクリアランスも調整してくれるので便利です。Marchのすぐ南を通過し、Lake Perrisの手前で変針しHemetへ。Hemet空港の手前5マイルで視認し、APPに報告しました。ここでのアプローチは空港上空を通過してからRunway23のLeft Donwindに入ることとElianと打ち合わせていました。ちょうどMidfield通過中に離陸機がエアボーンしましたが、こちらはそのままダウンウインドに入り、先行する形になりました。1カ月ぶりの着陸は、まあ何とか形になっていたと思います。

前回のクロスカントリーと同様、タクシーバックしてそのまま出発。Navlogの差し替え、確認といささか慌ただしく行います。Hemet空港は空港の西から北にかけて山が待ち構えています。西北に出発する場合、Rwy23出離陸したら速やかに北に針路をふって山をかわす必要がありました。離陸中にinboundの日本人パイロットの交信が聞こえました。ここにも日本人がいたようです。今回はWestboundになりますが、対地3000feetを超えないため、3500feetで進みます。これならMarchの空域にかからず、また短いレグのためAPPにFlight Followingを頼まずにすみます。Mystic Lakeを経由地点に選びましたが、Google Mapで事前に確認したところ、この湖は水があったりなかったりのようです(縮尺によって違いました)。どうやら季節によって変わるようで、今は雨期なので実際には、たっぷりと水がありました。ここから、山岳地帯(低いですが)を超えてRedlandに向かいますが、山のふもとにあるはずのRedlandがなかなか見えません。前回もそうだった記憶がありますが、Redlandをベースとしている人には、何か良い視認法でもあるのでしょうか。Elianに教わりつつ、思ったより西にある空港をようやく視認した時は、空港4マイル程でした。Elianから習ったことは、見えていなくても地図上での距離からコールを入れること。ここの斜度のある滑走路は未だ苦手な感じがしますが、何とか着陸。Elianからは「かすかにだけれど、フレアした操縦桿を戻した。危ないので絶対にしない事」と注意。

Redlandsでもすぐに離陸。離陸後はSan Beranrdino空港のClass DをTransitionするため、予め周波数をセットしておきます。速やかに周波数を切り替えてコンタクトしますが、inboudかtransitonかと聞かれてしまいました。Elianが応えてくれましたが、「交信する前には、言葉をしっかり考えてから言うこと」との注意が。どうも、言葉を考える時間間延びし、相手に聞き取りにくくしているようです。「みんな、そういう傾向があるんだけれど、ラジオの占有時間は少しでも短くしないと」とのことでした。このレグは2500feetでフリーウェイ10/215のインターセクションから西南に変針し、Paradise VORに向けて飛行していきます。ちょうどRiverside空港の真上を通過する形になり、当然ながらRiverside TowerにもTransitionのクリアランスをもらいます。「Riverside Tower, Cessna11630 5miles north, request transition to Corona」今回はスムーズに聞きとってもらい、アイデントを要求され、そのままトランジションの許可が出ました。「今エンジンが止まったらどうする?」とElianが聞くので、「真下のRiverside空港に着陸する」と答えました。緊急事態の際には、無条件に空港に着陸する権利があると、教えたかったようです。やがて、山の上にあるVORの送信塔が見え、その向こうにCorona空港が見えました。自分のベース空港は見えやすいのか、森の中にあるので見えやすいのか。45でダウンウインドに入ろうとしましたが、Elianがいきなりエンジンをアイドルにして、Emergency Landingとのこと。ベストグライドの70mphにしようとしましたが、「空港が見えている場合は、Best Glideにこだわる必要はない」とのこと。そのままフラップを調節しながら、ランウェイエンドに向けてアプローチしました。最後にフレアしようとしましたが、怖いほどに効かずに滑走路へハードなランディング。考えてみれば、フラップ20度で着陸したのは、初めてだったかもしれません。またエンジンの推力が無いので、エレベータの効きも悪いようで、怖いながら良い勉強になりました。

その後、Elianをスクール前で降ろして、ここからはSoloでトラフィックパターンの練習。4回まわりましたが、1回目が一番きれいに決まり、徐々にダメな感じに。どうも最後のフレアの引きがまだまだ足りないようです。降りるとElianが待っていて、「さっきのはまあまあかな」とのこと。自分もそう思いました。

1ヶ月ぶりのフライトで感じたのは、意外と手順などは忘れていなかったことと、だいぶ操縦に余裕が持てるようになっていたことでした。余裕というのは、前は頭の中が100%操縦で一杯だったのが、その操縦を全体的に捉える意識のようなものを持つことが、少しですが出来るようになったということです。簡単に言えば、落ち着いて操縦できるようになったという感じです。ただし、こうした慣れは逆に危険でもあるので、十分に気持ちを引き締めたいところです。Elianからは、合格点ということで、次回のミニSoloのゴーサイン(エンドースメントをもらいました)が出ました。 スクールに戻ると一番最初の体験フライトで教えてくれたLorneがいて、「無線交信がずいぶんしっかりできていた」とほめてくれました。Corona Trafficでの送信内容を聞いていたのだと思いますが、それでもほめられるとうれしいものです(笑)。

同乗教習:1.2時間(累計25.6時間)
:計器0.0時間(累計0.6時間)
:夜間0.0時間(0.6時間)
単独飛行:0.5時間(累計3.9時間)
総飛行時間:29.5時間
着陸回数:7回(累計112回)
:夜間0回(累計5回)
地上教習:0.2時間(累計19.0時間)

2011年1月15日

[グラウンドスクール10]トレーニング再始動に向けて

気が付いたら、ずっとトレーニングがお休みになっています。自習は出来るはずなのですが、空港(スクール)に行かない生活をしていると、だんだん頭の中から飛行機の影が薄くなってしまうようで、知識も徐々にぼんやりとしてきています。これはまずいと、せめて寝る前に資料を読み直すようにしていますが、寝付きが素晴らしく良く、とても短時間の学習になってしまっています(笑)。
空港近くのパイロットショップで新しいチャートを購入(上2部)。
表紙デザインが変更されていました。

さて、今日は夜に久しぶりにスクールを訪問しました(12月23日から3週間ぶり以上でした)。空港の水は引け、滑走路も再開されましたが、電気系統が未だ直っていないそうで、空港の運営時間は午前7時30分から午後3時30分までに限定されています。

久しぶりにインストラクターのElianに会いました。心配していたのは、Elianがもうすぐ航空会社の仕事が決まるかもと言っていた事で、この段階でインストラクターが変更になってしまうと、いろいろ面倒かなと思っていましたが、幸いにも(Elian的には大いなる不幸なのですが)、リクルート活動は停滞しているとの事でした。学校に着いた時も、Elianはパソコンで航空会社の求人ページを眺めていました。何とか頑張って、私のライセンス取得と同時のタイミングで(笑)、目標のエアラインパイロットになってほしいものです。

さて、今日はElianと打ち合わせ程度のグラウンドスクールを行ないました。まずは大きく狂ってしまったスケジュールの調整。 次に、チェックライドに向けてのアドバイス。勉強方法や、実際の試験でのチェック項目等、細かく教えてもらいました。Elianが依頼するExaminerは、ラスベガスのHenderson空港(HND)までのなブログを作ることを要求する事、実際にはRialto空港(L67)に目的地を変更してチェックを行なうこと、Rialtoの近所にあるExaminerの自宅の周りでGround Reference Maneuverをする(!?)こと、全部で2時間程度のフライトになるとのことでした。「肝心なのは、Safeに飛べることを示すこと。多少の技量不足はそれほど気にしないでいいから」というElianの言葉に、何とかなるかもという期待を持つことにします。懸念としては、Examinerがなかなかの巨漢なので、もしかするとこれまで練習してきたC150ではチェックライドが出来ないかも、ということです。その場合はC172を使うことになるので、最後の5時間程度の練習をC172で行なって、慣れようということになりました。そんな短い時間で大丈夫なのか、気になります。

それにしても、この1カ月、丸々飛行機に乗っていないので、どの程度、勘が鈍っているかが心配です。明日から3連休なので、いよいよ練習再開となりますが、最近は晴天ながら風がとても強く、これも心配です。ちなみに今日のCorona空港は、Gustで31knotsなどという凄まじい数字を出していました。

同乗教習:0.0時間(累計24.4時間)
:計器0.0時間(累計0.6時間)
:夜間0.0時間(0.6時間)
単独飛行:0.0時間(累計3.4時間)
総飛行時間:27.8時間
着陸回数:0回(累計106回)
:夜間0回(累計5回)
地上教習:0.5時間(累計18.8時間)

2011年1月1日

引き続き

当地時間ではまだ大晦日ですが、あけましておめでとうございます。

さて、Corona空港の水の引きは、あまり良くないようです。
連日入れているフライトトレーニングの予定が、そのまま流れる日が続いています。
昨日までにフライトスクールの飛行機は大部分が隣のChino空港に移動させることに成功したとの事です。今後、Chino空港に場所を移して、フライトトレーニングが再開できる見込みです。
Chino空港のスペースを間借りしてのトレーニングなので、制約がいろいろありそうです。

何にしても、早く水が引いてCorona空港が再開される事を期待しています。
しかし、明日からまた雨の予報も。なかなかうまくいかないようです。