2011年2月28日

[PIC]雪山を見ながらのクロスカントリー

しばらくは仕事が忙しく、また愛機C150も長期貸し出しに入ってしまうので、当分フライトは楽しめないかと考えていました。が、昨日になって今日の昼前から時間が出来ることが確実になり、さらにスクールのオンライン機体予約システムで確認すると、丸一日C150が空いています。すかさず予約を入れ、今日を迎えました。
Lake Elthinore(その1)
前日は悪天候で雨と低温だったのですが、今日は気温こそ低いものの空はきれいに澄んで晴れています。昨日の雨が高所では雪だったようで、空港周囲の高い山々は真っ白になっており、神々しい景色になっています。AIRMET、SIGMET共に特に情報は出ておらず、METARでも視程、風共に問題ありません。

スクールにつくと教官のLorneがいて、「オネガイシマス!」と挨拶されます。いや、それはPleaseという意味だから、と伝えると、「ダイジョウブ?」と言われました。Are you fine?の事でしょうか。間違いではないので、大丈夫と答えつつ、今日初着陸予定のFlabob空港について、アドバイスを求めます。「Riversideタワーにトランジションを求めれば、後は難しいことはないから」という、至極あっさりしたアドバイスをもらいます。いずれにしても、親切かつ明るい人物です。まずはRamonaへ、いざ出発。
Lake Elthinore(その2)
前回のクロスカントリーは3週間前ですが、Flight Followingをもらうのは、久しぶりな感じがします。1度目は無視され、2度目で反応がありました。今日は荒天の後の晴天な休日せいか、空を飛ぶ飛行機がとても多い気がします。こんな日なので、Flight Followingをもらう重要性を感じます。Flight Followingに教わりながら、すぐ上を、セスナが後ろから斜めに前を横切っていったり、右から別のセスナが追い抜いていったりします。つまりC150は足が遅いので、様々な飛行機に抜かれながら進んでいる訳です(笑)。大体スムースなのですが、時折、まあまあのタービュランスに遭遇します。あまり気が抜けません。
上空は雲が出ていました(他機も写っています)
Ramonaへは今回で4回めとなり、いい加減、勝手を知ったルートです。5500feetで進み、20マイル手前からでも空港(周辺)がインサイト出来ます。Airport insightを告げ、ディセンドを要求しても、レーダーの範囲以下になるとのことで、5500feetを維持するように言われます。もうしっかりと空港が見えているので、こちらからキャンセルをお願いして、ATISを聞いたのち、Ramonaタワーにコンタクト。何だか陽気そうなおじさんの管制官が相手をしてくれます。ちょうど出発機がこちらに向かってくるとのことで、滑走路の辺りを注視しながら進んでいくと、エアボーンした機体が視認できました。「Traffic airborned, insight」と告げ、こちらはRight Downwindに進入します。
他機に抜かれました
ダウンウインド進入を告げる直前、ストレートインの飛行機からタワーにコンタクトが。向こうが優先となり、こちらはExtend Downwindを指示されます。グラマンとの事ですが、全く視認できず、どんどんダウンウインドが伸びて行きます。行く手は地面が盛り上がり、山へとなっていきます。ようやくタワーから「Are you still on Downwind?」と聞かれます。その通りと答えると、ベースに入る許可が出ました。こういう時は、「Call my Base」とお願いしておけばよかったかもしれません。その後は、ずいぶん伸びたダウンウインドを取り戻すようにファイナルを進入し、タッチダウン。風がVariableとのことで、少しやりにくい感じでした。最後に若干だけ、パワーを入れて、降下率を調整しました。
雲を避けつつ飛んで行きます
次のレグは、これまた訓練中の定番コースだったRedlandsへ向かいます。今度は6500フィート。自分が出発する時に、同じ方向からの到着機の情報が。やはり今日は混んでいるようです。視認したと思って告げましたが、銀色の風船が流されていただけでした。幸い、問題なく到着機とセパレーションが取れていたので、問題なし。再びFlight Followingを依頼し、進んでいきます。フレンチバレー空港を過ぎた辺りで、ペリス付近でパラシュート降下があるとのことで、変針を指示されます。この辺りでラジオの調子が少しおかしくなり、Elian直伝のラックの隙間に紙を挟む処置をします。なぜか、ラジオを上に押し上げると調子が良くなるので、紙を挿しこんで上に押し上げた状態を作るのです。

こんな原始的な方法で改善され、Redlandsに向かいます。マーチベースの空域を過ぎたところで降下の許可をもらい、そのままFollowingも終了となります。すでにRedlands空港が見えています。飛行機で分かってきたのは、3回という数字が大事な意味を持つことです。3回同じ空港に行ったり、3回着陸を繰り返すと、そこの空域がしっかりと理解できます。2回だけだと、天候が異なったりすると、まだ別物に感じてしまいます。
前日の雪で山が真っ白になっています
Redlandsでは、空港の南からRwy8のエンド付近を通過し、そのままクロスウインドに入る形を取ります。ちょうど空港の手間で、1機が離陸滑走を始めました。クローズドトラフィックと言っています。こちらが先回りする形でダウンウインドに入り、ベース、ファイナルとまわります。斜度のある空港なので、見た目より低めのアプローチをすることが肝心です。ただし、この辺りは山を超えた風か、かなりバンピーで自分が操縦していても快適ではありません。
Redlandsで離陸前に
着陸後、そのままタクシーバックしてランウェイエンドへ。次は、初めて向かうFlabob空港です。チャート、A/FDで情報を再確認し、メモしておきます。Redlandsから西への出発は、離陸後すぐにSan Bernardinoタワーへコンタクト、Transitionの許可をもらい、Freeway10/210のIntersectionより東側でFreeway10の南側に出ることを指示されます。いつも同じです。San Bernardinoではダウンウインドにムーニーがおり、視認できました。空域を出た後は、Riversideタワーにコンタクト、FlabobへのTransitionの許可をもらいます。Flabobの空域はRiversideのClassDをくり抜くようになっており、Riversideの空域を通らずにアプローチすることは至難の業です。FlabobのDownwindの45まで進む途中で、Riversideに周波数変更の許可をもらい、いよいよFlabobにポジションレポートを入れます。パイパーが1機、トラフィックパターンをまわっています。その後に続くようにしてダウンウインドに。
Flabobへ向かいます
Flabobはダウンウインドからベースに入る辺りに山(Roubidoux Mountain)があり、やりにくいことで知られています。空港のホームページでは、「コツはトラフィックパターンを高く飛びすぎないこと」となっていますが、確かに正面の山のため十分なダウンウインドの長さが取れません。まだ高いかなと思いながら、ベース、ファイナルとまわります。ファイナルに入った時点で少し高かったですが、フラップ30で十分なドラッグを得ながら、ランウェイナンバーを目指して高度を落としていきます。十分に着陸出来ると確信して、着陸へ。ただし、右からの横風を受け、最後で少しずれてしまいました。滑走路の舗装状態があまり良くなく、設置した後にガタガタとなります。
十分に満足できる着陸ではなかったので、今度はClosed Trafficでもう1回。先行で同じくClosedのパイパーとの間隔を取って出発します。離陸経路にもなだらかな山があり、高度を稼ぐ感じになりません。ゆりかごの底のような空港と表現すれば良いでしょうか。ダウンウインドにまわり、再度正面のRoubidoux Mountainに向かっていきます。先ほどより山に近付き、距離を稼ぎます。まだ少し高過ぎですが、ファイナルで高度を落として行きます。また横風にやられ、センターは外さなかったものの、機軸がしっかりと合わずに着陸。やはり不満が残ります。

時間もあるので、3回目の挑戦。タクシーバック中に眺めると、ホームページに出ているような空港カフェが目に入ります。今度はカフェを尋ねにのんびりと訪れたいものです。先行のパイパーは次男の離陸でRiverside空港に去っていき、1機だけでトラフィックをまわります。3度目は今までで一番うまく行きました。が、まだまだ改善の余地はあります。何にせよ、やはり同じことを3度繰り返すのが重要のようです。

さて、今度こそCoronaへ帰ります。Flabob離陸直後にRiversideにコンタクトを取り、CoronaまでのTransitionを要求、すぐに許可されます。Riversideの管制官は、落ち着いた年配の男性の声の時が多いですが、とても落ち着いていて、安心できる口調です。だんだん声で人物の認識が出来るようになってきました。Riverside空港上空を、2500feetまで上昇しながら通過。inboundのトラフィック情報もらい、ちょうどすれ違う時に視認できました。直後に周波数変更の許可が出ました。CoronaのASOSを聞きます。風は230@3で問題ありません。UNICOMに合わせると、トラフィックは3機ほど。離陸したてのClosed Trafficの機体がいるので、その後に付けるように速度、経路を調整しながら45、ダウンウインドとまわります。
Flabobを出発してCoronaへ戻ります
最後の着陸は、今日最高の着陸にしたいと思いましたが、若干引き起こしが早かったようで、ドシンとした感じに。悔しさを覚えつつ駐機場へタクシーします。最後の着陸が、フライト全体の印象に大きな影響を与えます(笑)。

スクールに戻るとElianがいたので、久しぶりに会話しました。近いうちにC172の練習をElianとしたいと告げると、「very easy」とのこと。本当でしょうか。また4人乗りなので、練習時に誰か乗客を乗せても良いとのこと。 早く、2機種めも試してみたいものです。

飛行時間:2.9(累計51.8時間)
:PIC時間2.9時間(累計7.4時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:6回(累計157回)
:夜間0回(累計10回)

2011年2月21日

[PIC]風雨の中でのフライト

今日は久しぶりのフライト。しかし、前日から前線通過に伴う、雨、風の悪天候が予報されていました。ただ、Coronaをはじめとした周辺空港のMETARは悪くありません。ということで、空港に出かけてから最終判断をするということにして、出かけました。空港に着くと、空港上空は雲底5000feet、Broken。スクールのCarlosに相談しても、Localなら大丈夫じゃないか、とのこと。ただし、雲底が低くなるのには十分注意した方が良いとの事。
視界・雲底は良かったのですが
もともと、今日はローカルでの練習日のつもりだったので、助言にしたがうことにします。普段よりは風が強く、パターンをまわる飛行機も多少ふらつきながら降りてきます。隣のスポットに戻ってきたパイロットに聞くと、パターン上はバンピーだけどそれほどきつくなかったとの事。また30度ほど左からのクロスウインドだが、風向風速は安定していたとの事。それらを参考にしながら、注意して出発することにします。
離陸は問題なし。エアボーン後に左からの風を受けますが、風上に機首を振って滑走路延長線を保ちます。ダウンウインドまで回って、最初の練習場所であるLake Mathewsへ。Position Callをすると、Piperが1機、湖の南3500feetで練習中とのレスポンスが。こちらは3000feetに抑えた上で位置もずらし、Steep Turnの練習。この辺りの気流は安定していて、マヌーバには全く影響なし。

一通り練習した後、RiversideのATISを聞いてから、Lake Mathewsからの離脱をCallし、引き続いてRiverside Towerにコンタクト。Left Base Rwy27、空港3マイルで報告の指示を受けて空域に入ります。風は、こちらも左からのクロスウインド。指定された位置でタワーに報告、着陸許可を得てベース、ファイナルとまわります。ファイナルが少し短めになりましたが、クラブ、デクラブ、ウイングローと自分的には問題なく進入。風上になる左のメインギアから降りました。Elianから習っていたクロスウインドでの着陸を実践する良い練習となりました。今後の課題としては、もっとウインググローを取って機軸をしっかりと滑走路に合わせるようにしたいと思います。
この先の天候が悪そうなので引き返します
タクシーバックして再びRwy27から離陸。次はRedlandsまで行こうと思いましたが、Riverside空港の空域を抜けたあたりで、Redlands方向は雲底が低くもやっているのが見えました。これは近寄らない方が良いと思い、180度旋回して引き返すことにします。GPSでRiversideの空域、Marchの空域に入らないよう確認しながら、2つの空域の隙間を抜けていきます。再度、Lake Mathewsの上を2500feetで通り、Coronaへ帰還しようとすると、Coronaの西側からも、雲のようなHazeが雲の下に垂れ下がるように伸びて来ています。どうやら雨が降っているようです。Corona TrafficにPositionを伝えると、同じスクールの機体が2miles on Finalとのレスポンス。ストレートインのようです。こちらは45からダウンウインドに入るつもりでしたが、45に入る山のふもと辺りはかなり視程が低そうです。他のトラフィックがいない事をラジオと目視で確認して、直接ベースに入ることにします。この辺りで雨が降り始めました。視程が落ち始めます。
ところどころ、雲底が落ちています
直接ベースに入った頃、先行機からClear of Activeのコールがありました。引き続いて降りようと思しますが、急に風が強くなってきました。フラップは20度で止め、10mphほど速めのアプローチを心がけます。右からの風が急に強くなり、アプローチコースの左へ流されました。修正しようとした時、風向が急に変わり今度は右へ。風に翻弄されている感じです。地面までもう少しのところまで降りていましたが、これはいけないと直観的に判断し、即座にゴーアラウンド。その直後、今度は風速が急に弱まり、速度が乗りません。低空のまま滑走路上空を飛び、さらにコロコロ変わる風向に流されます。さすがに、あまり良い感じがしません。ようやく速度をつき、ようやく十分な上昇体制へ。しかし空港の西側は視程が悪くなっており、その中に入っていく気がしません。なので、少し早めにクロスウインドへ。騒音上は、十分な高度が付く前にクロスウインドに入ることは勧められていませんが、安全第一なので、やむを得ないこととします。

ダウンウインド上で、今後の対策を考えます。気持ちとしては、Coronaに降りてしまいたいのですが、次のアプローチで風が同じような状況であればRiversideに退避して天候の回復を待つことを決めます。最悪、Riversideで機体を乗り捨てても、スクールの教官に任せれば良い話です。とにかく安全第一を自分で再確認して、再度アプローチへ。

今度は、意識的にファイナルを長くなるようにとって、滑走路の延長線に機体を合わせます。時々ラジオをASOSに合わせて最新の風向を取るようにします。前回よりGustがおさまっています。操縦している感覚としても安定しています。この風が続けばいける、と感じながらアプローチを継続します。それでも、いつでもゴーアラウンド出来るようフラップは20度、速度も10mphきっちり速めにします。ASOSからは250度13ノットとの情報が。ガストなし、風向は真正面です。

向い風のため、フレアが少し大きめに出ましたが、がまんして無事に着陸出来ました。スリップに注意して十分に減速してから滑走路を離脱して駐機場へ。この頃、再びガストが強くなり、雨も激しくなりました。駐機場に着いても、雨が一層激しく降り続けます。雨が多少落ち着くのを待ってから、飛行機を降りて、スポットへトーバーで押し入れます。スクールの社長のMikeと名前を知らないラインマンの2名が外に出て来ていて、駐機を手伝ってくれます。無線をモニターしていたようで、ゴーアラウンドも見ていたようでした。Mikeが、「ゴーアラウンドはナイスデシジョンだった。パイロットはデシジョンが全てだよ」とのこと。「笑顔で降りて来たのも良かった。やり直しの着陸はパーフェクトだったしね」。私は、「機体も壊さずに、サバイブしました」と答えましたが、どうしてなかなか心配されていたようです。

スクール内にいたCarlosはのんびりしたもので、「ずいぶん早く戻って来たねえ」と言われました。こんな天候では、これ以上は無理でしょう。精算をすませて、「次は良い天気の中を飛びたいものです」と言いながら帰途に着きました。スクールを出ると雨も止み、視程も上がり風も穏やかになっていまいた。天候はコロコロと変化し続けているようです。

今日は、今までで一番気象条件がシビアな中でのフライトでした。その場その場の意思決定は、悪くはなかったと思いますが、もっと大きな視点で判断するための、良い経験をたくさん積むことが出来た気がします。1度のアプローチでさっさとRiversideに行っても良かったかもしれませんし、そもそも視程が悪化しつつある時に、アプローチを試みる必要すらなかったかもしれません。さらに言えば、今日のフライト自体、キャンセルしても良かったのかもしれません。なにせ、私はフライト自体を楽しむ、単なるプライベートパイロットなのですから。まあ、こういう天気の時に飛んでみるという経験を積めたことは、意味があったと思っています。天候と戦うのではなく、上手に付き合うパイロットになりたいと思います。まだ総フライト時間50時間未満の新米パイロット、いろいろな経験を積む必要がありそうです。

飛行時間:1.0(累計48.9時間)
:PIC時間1.0時間(累計4.5時間)
:夜間0.0(累計3.6時間)
着陸回数:2回(累計151回)
:夜間0回(累計10回)

2011年2月14日

アメリカでのクレジットカード利用

アメリカはクレジットカード社会なので、基本的にあらゆるお店でクレジットカードが使えます。日本のカードでもVisa、Master(この二つはほぼ100%カバー)ならば使えるはずですが、例えばガススタンドなどでは、(アメリカの)郵便番号の入力を求められる等、使えない場合がたまに発生します。

そのような際の解決策としては、
  1. アメリカの銀行でDebit Cardを作成する
  2. スーパーなどで販売しているチャージ可能なプリペイドDebitカードを購入する
という2つが考えられると思います。

1.ですが、アメリカの銀行で口座を開設すると、通常はDebit機能付きのカードが発行されます。たいていはVisaかMasterがついており、クレジットカードが使えるところでは使用する事が出来ます。カードは口座開設時にテンポラリーカードを入手できるので、その日から使用できます。ただしアメリカの銀行口座は、一定以下の残高の場合に維持手数料が発生する事が殆どです。Bank Of Americaの場合、残高が$1500以下になった場合は、手数料が月$15程度かかります。また、米国内に住所が無いと、作成に応じてくれない(本カードの送付先がない)場合もあるようです。

そんな場合にも便利なのが、2.の方法です。スーパーやドラッグストアなどに行くと、カード売り場があり、様々な種類のプリペイドカードを売っています。その中に、プリペイドのDebitカードがあります。レジで購入時や別途デポジット(預入れ)すると、その額分を通常のDebitカードのように使用することが可能です。

私は、未だベース空港以外で給油をしたことが無いので試したことがありません(ベース空港では、フライトスクールがFBOで燃料も扱っており、しかもトラックによるフルサービス)が、フライト先で給油をする場合にクレジットかDebitカードが必要な場合があるかもしれません。無人の給油スタンドもあるようなので、そのような際には便利かもしれません。ということで、あまりフライトに関係なに話題かもしれませんが、載せておきます。

2011年2月8日

Corona付近の航空機レンタル(その2)フライングクラブ

引き続き、Corona付近の航空機レンタル情報です。

その2.フライングクラブ
フライングクラブは、入会費、月会費(年会費)等を支払い、その代わりに安いレートで機体をレンタルできる仕組みです。会社による運営や、NPOによる機体の共同所有に近いものまで、いろいろなパターンがあるようです。レンタル費用もdry(燃料代含まず)やwet(燃料代含む)があります。

Corona空港
WingFleet
Fly Corona!系列のフライングクラブ。
入会費:無し
保証金:$849(Refundable)
月会費:$179(12か月前払の場合は入会費不要)
機体及びレンタル料:
BonanzaG36:$109/h(dry)
BonanzaE33:$89/h(dry)
C182:$59/h(dry)
コメント:
月会費は高め。機材は高性能のものが揃っている。入会金が無いのはメリット。また、

Chino空港
Duke's Flying Club
NPOのフライングクラブ。 
入会費:$139
保証金:不明
月会費:不明
機体及びレンタル料:
Grumman TR2:Retail$61/h(wet), Block$56/h(wet)
Grumman Trainer:Retail$61/h(wet), Block$56/h(wet)
Cessna 152:Retail$61/h(wet), Block$56/h(wet)
Grumman Traveler :Retail$73/h(wet), Block$69/h(wet)
Grumman Cheetah:Retail$73/h(wet), Block$69/h(wet)
Cessna 172N:Retail$73/h(wet), Block$69/h(wet)
Cessna 182P:Retail$87/h(wet), Block$83/h(wet)
コメント:
Surchargeについては不明。出先の燃料補給は$2/galonが込み(返金される)。BlockはAccountを$300以上維持することが条件。また60日に1時間以上飛行すること(もしくは再びCheck Outを受ける)ことが条件。


Riverside空港
Riverside Pilots Flying Club
入会費:$2000(Non Refundable)
保証金:$500(Refundable)
月会費:$80
機体及びレンタル料:
C172M:$68/h(wet)
C182P:$89/h(wet)
PA28-235:$89/h(wet)
コメント:
入会費が高額、かつNon Refundable。月会費、レンタル料は変動の可能性あり。機体の共同所有の色合いが濃さそう。

Flabob空港
Flabob Aero Club

Riverside郊外のFlabob空港にあるフライングクラブ。空港を管理するNPO財団が運営。
入会費:無し
保証金:無し
月会費:$250/年
機体及びレンタル料:
C150:$58/h(wet)
Champion7GC:$58/h(wet)
Piper J-3 Cub(Light Sport):$58/h(wet)
Tecnam Echo Super P92(Light Sport):$75/h(wet)
コメント:
非常に良心的な価格設定だが、機体はクラシカルなもの、ライトスポーツが主で、クロスカントリー向きではないかも。C150は何と1959年モデル。

Corona付近の航空機レンタル(その1)フライトスクール

トレーニングを受けたFly Corona!は機体価格も安い し、スタッフも親切で信頼が置けるので特に不満はないのですが、レンタル用の機体が4機で、その内C150は1機のみ、後はC172という具合です。機体が長期に貸し出されたりすることもあります。実際、3月、4月と丸々2ヶ月間、1人に借り出されています。そのような場合への対応の意味も含めて、付近の空港のレンタル業者について調べてみました。

航空機レンタル出来る場所は、大きく分けてフライトスクールとフライングクラブの2つがあります。前者はFly Corona!のようなスクールと機体レンタルの会社、後者は会員制の機体貸し出しで、会社だったりNPOだったりします。後者は、入会金や月会費が発生するのが特徴です。いずれにせよ、新しい場所で新たな機体を借り出す場合は、Check Outと呼ばれるインストラクターとの同乗による技量確認を受ける必要があります。

その1.フライトスクール
フライトスクールは、入会金等はありません。利用の度に費用を支払うこともできますが、一定額以上を一度に払込み、もしくは一定額を維持するとBlockレートという割安価格が適用されます(スクールによってルールが異なります)。また、価格は通常Wet(燃料代込み)ですが、Surcharge(燃料割増料)が発生する場合があります。

Corona空港
Fly Corona!
わが母校のフライトスクール。
機体及びレンタル料:
C150L:Retail$79/h, Block$64/h
C172F:Retail$89/h, Block$79/h
C172N:Retail$109/h, Block$94/h
C172SP:Retail$149/h, Block$119/h
コメント:
Blockは10時間の料金払込が条件。SurchargeはC150で$7/h、C172で$9/h(2011年2月現在)。

Chino空港
Du Bois Aviation
Piperが充実のスクール。
機体及びレンタル料:
C150J:Retail $79/h, Block $69/h, Block $64/h*
Piper Cherokee PA28 140/160:Retail $94/h, Block $84/h
Piper Cherokee PA28 180:Retail $104/h, Block $94/h
Mooney Mark 20:Retail $129/h, Block $119/h
Piper Seneca II:Retail $218/h, Block N/A
コメント:
全てIFR/GPS機。Surchage無し。また、すべて格納庫内で保管。Blockは$1,000払込が条件。*Cessna150のBlock $64/hは、$2,950払い込みが条件。

Air International Aviation
同じくChinoのスクール
機体及びレンタル料:
Piper Cherokee:Retail $103/h, Block $94.76/h
Cessna 172N:Retail $99.50/h, Block $91.54/h
Cessna 172SP:Retail $129.50/h, Block $119.14/h
Piper Warrior II:Retail $108/h, Block $99.36/h
Piper Arrow II:Retail $139.99/h, Block $128.79/h
Piper Seneca Twin:Retail $218/h, Block N/A 
コメント:
それほど安くもなく、標準的な価格。Surchargeは無いらしい(要確認)。

Riverside空港
California Aviation Services
リバーサイドのフライトスクール。小規模な様子。
機体及びレンタル料:
C150:$68/h(wet)
C172:$89/h(wet)
Piper Cherokee:$89/h(wet)
コメント:
最初、ライセンス取得の候補に考えたスクールです。日曜日が休みなことや、規模の小ささにスクールとしては通いませんでした。 

Redlands空港
T.Y. Air Flight School
経営者が日本人のスクールです。
機体及びレンタル料:
C152:Retail $100/h, Block $95/h, Club $89/h
C172M:Retail $115/h, Block $110/h, Club $100/h
コメント:
Blockは10時間の払込みが条件とのこと。ここも、ライセンス取得の候補に考えたスクールです。少し遠かったので、通いませんでした。Surcharge等、詳細不明です。

2011年2月7日

[PIC]Torranceまでのんびりフライト

今日は、Check Ride後の初めてのフライトです。1週間ぶりにC150を繰って、今まで想い描いていた空の散歩に出ることになります。行き先はいろいろ考えた挙句、CoronaからTorranceに行って、海岸線を大きくまわってCoronaに戻ってくるルートにしました。飛行機はいつものC150、午後2時から5時半まで押さえました。同乗者1名、初めてのパッセンジャーです。
第2レグ飛行中
最初のレグは、KAJO(Corona空港)-KTOA(Torrance空港)です。フリーウェイ91に沿って東進し、Torranceには北からアプローチすることとします。高度は4500feet、飛行距離は40nm、予定飛行時間は30分となりました。唯一気になるのは、Torranceが朝からVisibilityが悪かったことです。どうもHaze(もや)もしくはMarine Layerが出ているようです。気温が高くならないせいか、お昼12時でも視程は5SMとMVFRを超えません。とりあえず、Corona空港につくまでの間に天候チェックをして決めることにしました。アメリカのATISは電話でも聞けるのでとても便利です。車で向かう途中、視程が6、8SMと回復していくのが分かりました。とりあえず飛んで行って、視程が悪そうであれば着陸せず、そのまま通過して帰ってくることとし、出発する事にしました。

スクールに着くと、スタッフに「初めてのPICです。」と言って、飛行機を借り出します。ナブログをチェックしてくれる人がいないのは、少々さみしい感じがします(相談には乗ってくれるのでしょうが)。このスクール名物の無料ミネラルウォーターを冷蔵庫から勝手に持ち出し、飛行前点検に向かいます。Coronaは風が強くなり出していて10knots程度になっています。ただ、ほぼHeadwindなので大丈夫でしょう。
Long Beach Terminal Island上空
今日は同乗者がいるので、ブリーフィングをしっかりし、飛行前点検も一つ一つ説明していたら、だいぶ時間がかかりました。その上、右側席の窓のロックがうまくかかりません。ランナップを終えていざ離陸滑走を始めた途端、右側の窓が開いてしまいました。離陸を中止して、タクシーバックします。その間に窓をしっかり締め直します。気を取り直して、再度離陸。CoronaのRwy25から初めてのStraight Departureです。

離陸後はフリーウェイ91に沿って飛ぶ計画です。Prado Dam上空で2000feetに達したところでSocal Approachにコンタクト。Flight Followingを依頼します。 上がってみると、地表付近はHazeがかなりきつい状況で、近くの地面か遠くの山(Los Angeles Mountain、Katalina Island)しか見えません。一瞬、引き返すことも考えましたが、大まかな地形は見えていること、GPS持参であることから、航法上は問題なしと判断して進むことにします。Anaheim、Fullertonと順調に飛行し、APPが移管されたところで、「Fly direct to Queen Mary, maintain present altitude」と、予定していたルートと異なる指示が。北側からのアプローチでTorranceに行けませんかと聞いたところ、「Negative, due to jet relating to Long Beach」とのこと。GPSにセットしてあったルートと違うので若干焦りつつ、Long Beach方向に針路をとります。同時に、GPSにも目的地をLong Beachに設定します。LOS ALAMITOSの基地上空を通過します。

海岸線に出たところで、「Decend to 3000」との指示が。残り距離が短いので降下率を高めにしてQueen Maryの横にある白いドーム目指して飛んでいきます。GPSには、Torrance Airportをセット。APPからFurther Descentの許可、Torrance Towerへのコンタクトを指示されます。今日は視野が悪く、空港が見えないのは想定済みなのでしょうか、空港が見えるかとは聞かれもしませんでした。

TorranceのATISを急いで聞いてQueen Mary上空でTowerへコンタクト。Rwy29Rへのストレートインを指示されました。GPSを大いに参考にしながら、降下しつつ進みます。やがてもやの中にうっすらと緑の敷地、ハンガー、そして滑走路が浮かび上がってきました。滑走路の延長線にアラインして降りていきます。ここのVASIは4.0度だそうで、ストレートインするには高めに映るようです。なので、全て赤でも気にせずに目視の感覚を優先させます。「You are No.2. Follow No.1 Cessna on Base, Cleared to Land Rwy29R」との指示をもらいます。Baseに機体を見つけました。同乗者は見えないとのことで、やはりこれまでのトレーニング中に、他の機体を見つける能力も向上したのだろうかと思います。

初の同乗者フライトなので、着陸は気を使いました。フレアを粘りに粘り速度、ショック共にとても少ないスムースなランディング。今までで一番に近い着陸でした。しかし、Torranceの29Rは、滑走路から出るTaxiwayが少ないのです。かなり減速して着陸したので、出口(C)まで遠いこと。コトコトと走ってようやく出口、Groundにコンタクトの指示が。GroundにTransient Parkingまでを要求。向こうから、「Are you familar with the airport?」と聞かれたので、いいえ、初めてですと答えます。「右に曲がって、緑のボックスの枠に泊めるように」とのことで、「緑のボックス?」と思いながらも復唱。言われたとおりに曲がっていきます。駐機スペースごとに枠があり、記号がふってありますが、その記号がTで周りに緑の四角で囲んであるスペースがあります。これらがTransient用かということで合点し、空いているスペースに駐機し、エンジンを停止します。途中で進路が変更されたこともあり、飛行時間は
予定より5分多い35分でした。

駐機スペースはTiedown用のロープが設置されていますが、実はこれまでチェーンを引っかけるタイプしか使ったことが無く、紐を縛る方法が分かりません。隣に駐機してあるセスナのロープを良く観察し、見よう見まねで結んでおきます。まあ、一休みなので大丈夫でしょう。立派ながらがらんとしたGAターミナルを見学。日本の田舎にある、箱モノ観光センターのようなさみしさです。特にカフェなどもないので、出発する事に。Torranceは空港ももっと華やかかと思っていたのですが。

次のレグは、Long Beach、New Port Beach、Dana PointとLA南部の海岸線沿いに飛び、そこから変針して山を超えLake Elsinoreへ。Freeway15沿いに上がってLake Mathewsに寄ってCoronaへと戻るプランです。高度5500feetで、53分の予定です。エンジンを始動して、Groundにコンタクト、ランナップ場へ。ランナップしながらTowerを聞いていると、到着機が何機もやってきています。Hold Shortを予想しつつ、 出発準備完了、Queen Mary方向へ出発と告げると、「Right Downwind Approved, Cleared for Take Off Rwy29R without delay, traffic 1 mile on final」との返事が。そんな距離でも出すんだ、と思いながら、つつがなく離陸。DownwindからそのままQueen Maryへ。ここでSOCALにFlight Followingをリクエスト。Dana Point、Lake Elsinore経由でCoronaまでと告げます。
Hazeの向こうのKatarina Island
初めての洋上飛行で5500feetまで上昇。右手にはカタリナ島、左眼下にはロサンゼルス近郊の街並みが広がります。一時間隔設定のため170度で飛行との指示が。海に突き進んでいきますが、1分ほどで解除。Long BeachからNew Port Beachまではあっという間です。この辺りはJohn Wayne空港のClass Cが5400feetまで張り出しています。Transponderの高度は低めに出るようで、5500feetを維持しなさいとAPPから連絡が。高度の許容範囲100feetギリギリの5600feet弱まで上がって、Transponderの高度を5500feetになるようにしてみます。やがて、Dana Pointが見えてきました。
New Port Beach(中央の島がBalboare Island)
Dana Pointで大きく変針して海岸線と別れ、山に向かって入っていきます。進路上の山は4500feet程度なのですが、本当に超えられるのだろうかと感じます。下のOrtega Highwayを参考にしつつ、Emergencyの際の着陸場所を意識しながら飛んでいきます。気流の乱れで少し揺れ始めます。同乗者を怖がらせないよう(Elianから習った技で)、「この辺りは山岳地帯なので、多少気流が悪いけど、ここを超えるまでのしばらくだから」と揺れの程度、見込みを伝えます。先が見えるということは、安心につながります。
Dana Point上空からOcean Side方向
Lake Elisinoreの手前で、SOCAL APPが移管されました。今度の管制官はやたら上機嫌な様子です。こういう仕事を楽しんでいる感じの管制官に当たると、こちらも楽しい気持ちになります。ただ、様々な飛行機にいろいろ細かな情報を伝えているので、中々交信が途切れず、入り込めません。どうも、同じフライトスクールの2機もLake Elsinore付近を飛んでいるようです。ショートカットして、彼らの先頭の位置を保ってCoronaに戻ることにします。考えていたLake Mathewsへに立ち寄りは、スキップする事とします。途中、黒いゴミ袋がすぐ近くを飛んで行きました。上空5500feetにゴミ袋…。
Lake Elsinoreが見えてきた

上機嫌の管制官から、Coronaは見えるかと尋ねられたので、見えたことにしてFlight Followingを終了してもらいます。Coronaのトラフィック状況を聞きながら、降りていきます。同じタイミングで45に入る機体がいたので、十分注意をして周囲を確認します。向こうが先に入ったので、後を追うように45、Downwindとまわります。Finalでは、風はほぼ正面なのですが、風向が20,30度程度変わるのが吹き流しで分かります。だいぶ左に流されましたが、落ち着いてセンターに戻し着地。Torranceの時ほどスムースではなかったですが、不安を感じさせる着陸ではありませんでした。飛行時間は1時間ほど。
Lake Elsinore
初めてのTorrance空港制覇、初の洋上飛行、初の本格山岳飛行と初めてづくしでしたが、同乗者(お客さん)を乗せて安定した飛行をすることが出来ました。トレーニング中より、免許取得後の方が、自分の責任で操縦できるし、またしないといけないので、していることは同じでもフライトに対する視点が少し変わる気がします。同乗者も、一応安全については安心してもらえたようで、次はどこに行くかなどをフライト後に相談しました。


飛行時間:2.0(累計47.9時間)
:PIC時間2.0時間(累計3.5時間)
:夜間0.0(累計3.6時間)
着陸回数:2回(累計147回)
:夜間0回(累計10回)

2011年2月3日

ライセンス取得費用のまとめ

私がライセンス取得のための訓練をしたのは、Corona空港にあるFly Corona!というスクールです。学校を選んだのは、近隣の空港のフライトスクールの中で、ホームページなどがあるところ、問い合わせのメールにしっかりとした返事が返してくれたからです。ここの社長は本業がITコンサルタントだそうで、ホームページの作りも(他のスクールと比較すると)しっかりしています。

また、他と比較して機体レンタル価格が安いことも魅力でした。インストラクターの価格は平均より高いかもしれませんが、デュアルで機体とインストラクター合わせても平均よりやや安く、ソロで機体だけの費用なら安いので、逆の価格設定より良かったと思います。

インストラクターに関しては、Lorne、Marlon、Elian、Eddieの4名のうち、Eddie以外の3名と飛ぶ機会がありましたが、皆分かりやすく的確な指導をしてくれました。所有機体数、在籍インストラクターの人数が多くはないため、スケジュールに関して思い通りにならないこともありましたが、併設されている整備工場もあり、飛行機理由の制約は少なかったと思います。スケジュールの変更は、殆どが天候によるものでした。

スクールに通う前に自力でWritten Testは合格していたので、グラウンドスクールはそれほどいらないかと想像していたので、それよりは長め時間になりましたが、本からは得られない活きた知識を教わったことは無駄ではなかったと思います。

という訳で、ライセンス取得までのデータをまとめてみたいと思います。
※初回デモフライト、勘違いで実施したソロクロスカントリーを除きます

フライト練習回数:30回
総練習時間:41.8時間
同乗教習:31.7時間
:計器3.1時間
:夜間3.6時間
単独飛行:10.1時間

着陸回数:142回
:夜間10回

グラウンドスクール:12回
グラウンドスクール時間:23.2時間
※フライトトレーニング前後のブリーフィング含む

費用:
スクール支払い費用
機体レンタル:$64/時間
インストラクター:$39/時間
(同乗教習は上記費用の合算)
燃料サーチャージ:$7/時間 
スクール以外費用
Written Test受験料:$140(AOPA会員割引$10適用)
AFSP申請費用:$130
AFSP指紋採取費用:$99
Medical Certificate/Student Pilot Certificate:$95
Check Ride費用:$500
その他1(必要経費)
ヘッドセット
教材(テキスト類・チャート類)
機材(プロッター・フライトコンピュータ・ニーボード)
その他2(選択経費)
AOPA(パイロット会員組織)
機体損害賠償保険)
傷害保険
医療保険(操縦事故対応)

スクールへの費用は$5491(一括支払いなので10%ボーナスがつきました)でお釣りがきました。また、最初のDemo Flightも、スクールに入校したことで無料(その額の費用に充当)になりました。スクール費用には、機体レンタルやインストラクター費用の他、スクールで購入したテキストの費用なども含まれています。残った分はNon Refundableですが、その後の飛行機レンタルにまわすことが出来ます。1ドル81円前後のタイミングでしたので、45万円前後で済んだ計算です。それ以外の費用を合わせても、60万程度ではないでしょうか(良いヘッドセットを買ったので、その分が大きいですが)。決して安いものではありませんが、日本人の経営する学校はもちろんのこと、他のスクールと比較しても、安くあげることが出来たと、とても満足しています(これより安くて済んだ人がいれば、教えてもらいたいような知りたくないような)。何よりも、これまで全く知らない世界を知ることが出来たこと、またこの年齢で全く未知の分野に挑戦する機会を持てたことは、本当に素晴らしく何事にも代えがたい経験だったと感じています。

2011年2月1日

チェックライド後半戦&結果は合格[チェックライド2]

今日は、前日に引き続いてのチェックライドです。昨日は気を引き締めていましたが、そのような状態が長く続くはずもなく、何となく今日はのんびりとした気持ちでした。朝9時にChino空港集合ということで、新しいナブログや天候を用意して出かけます。
朝の濃い霧
空港に向かうフリーウェイでは、かなりの霧に遭遇しました。これで飛べるのでしょうか。Chino空港の試験管であるMarkがCEOを務めるビジネスジェット運行会社にたどり着きましたが、空は全く低い雲に覆われています。Elianが来るのを待ち、一緒に会社の会議室に入ります。Markもちょうど到着し、挨拶。早速1時間天候待ちの提案がElianからありました。LorneとGabrielはまだ来ていません。彼らには、延期の連絡が行っていたようです。なぜ、こちらには寄こさぬ、Elian。

パソコンで仕事をしながら、携帯で天候を確認して過ごすこと1時間。LorneとGabrielも到着し、入れ違いにElianは帰っていきました。Markの提案で、皆で外に出て天候を目で確認する事にしました。南の空から徐々に晴れだしています。もうしばらくだろう、ということで、私はC150の飛行前点検を実施します。ビジネスジェットの並ぶ格納庫に入れてもらっており、ジェット機との大きさの差がかわいらしいほどです。一通り確認が終わってから、LorneとGabrielに手伝ってもらいながら格納庫の外に飛行機を引っ張り出します。C172は外に放置で、C150だけ中に入れてもらっていました。
ビジネスジェットのハンガーにちょこんとC150が
外に出てから、燃料量の確認。はじめてハシゴなしで確認しましたが、ステップと取っ手を使っても、飛行機というものはつるつるとしていて掴まる出っ張りがなく、よじ登るのは大変でした。昨日から、少ししか飛んでいないので、燃料は18Gallon残っていました。会議室にいるのも退屈してきたので、荷物を飛行機に積み込み、LorneとGabrielと世間話をしながらときどきATISをチェック。すると、長引いていたIFR状態から、Chino空港が抜けだしました。しかしOntario空港は、引き続きIFR状態のままです。それでもOntario空港の方の空も徐々に雲が取れてきています。その先の山もうっすらと見えてきました。
チャレンジャーの整備中のエンジン
天候を Markに報告しに社長室に行くと、「じゃあすぐ行こう」とのこと。Gabrielからは、今日は君が先でいいよと言われていたので、Markが早速やってきて、すぐに私の試験開始となりました。
雲が徐々に取れてきました
昨日の試験で、ある程度信頼してもらえているのか、エンジン始動後は、「自分がタキシングする。君はチェックリストを実施してくれ。」とのことで、あっという間にスタート。グラウンドに天候が悪くても出発する説明と、OntarioのMidfield Transitionも依頼してくれ、自分としてはかなりの負担がなくなりました(笑)。ランナップもさっさと済ませ、タワーにコンタクト。さすがにここからは、私がATCを担当します。Ontario空域通過のためのSquawkをもらい、許可があるまで右旋回しないようにと言われつつ、離陸許可。昨日は滑走路進入前の注意が不足だったと言われたので、しつこいくらいきょろきょろ見回してから滑走路に進入、離陸します。右の26Rからはヘリコプターが同時離陸。このために右旋回の待機指示が出ていたのでした。ヘリコプターが右旋回して去り、こちらにも右旋回許可とOntarioへのコンタクトの指示が出ます。
Gabrielの訓練機スクールの古豪C172
Ontarioからも、すぐにTransitionの許可が出ますが、行き先がかなりの悪天候であることを連絡されます。「練習空域にちょっと行って帰ってくるだけだ」とMarkが答えてくれます。空港上空には2000feet前後に雲が広がっています。「その上を行け」とのことで、はじめて雲の上を飛びます。幸い、下の空港と、その先のチェックポイントであるフリーウェイ210/15は見えています。Transition Altitudeの2500feetで上昇を止めるとMarkに説明し、その高度を維持。しばらくすると、Markから「そろそろ、上昇許可をもらって上がろう」とのことで、その旨リクエスト、許可されます。
C172のクラシカルなコクピット
「クロスカントリーの記録は?」、Markに突然聞かれて、慌てました。飛行前にナブログを確認されるだろうと思ってニーボードでなく、別のフォルダに入れてありました。また、離陸時間も記録していません。仕方が無いので、12分に出発しましたと告げつつ、ニーボードのメモ用紙に記録。後ろを振り返ってフォルダからナブログを取るのも良くないと思い、「ナブログの最初の部分は記憶しています。Chinoから最初のチェックポイントOntario上空までは5分、次の210/15インターセクションまでは4分の予定。Ontario上空は予定通り5分で通過。」と報告しつつ、記入します。実はこの時間、全て適当に答えました(笑)。大丈夫だったようで、 「それではクロスカントリー終了。SOCALにフライトフォローイングのキャンセルを伝えてくれ」とのこと。
C172の室内(C150と比べると広々として見えます)
 その後、Hood Workを実施。気流の乱れもなく、特に問題なく上昇、旋回の組み合わせをこなします。続いて、異常姿勢からのリカバリー。Elianに習った通り、速度が減少していればフルスロットル、増加していればアイドルとエンジン操作から回復操作に入り、これも問題なく終了。
つづいて、いよいよストールです。「3つのストールを順に見せてくれ」とのことで、まずはパワーオンから。最初に速度を十分に低くしなかったため、早めの速度でのストール操作になりました。Elianから教わった通りに徐々に操縦桿を引き続けると、速度があるためかなりの迎角に。ストールしてりカバーしたところで、「少しアグレッシブ過ぎるな。ピッチを20度で止めておけば、いずれストールするから」とお手本を見せてくれました。次のターニングストール、パワーオフストールは問題なし。幸いにも気流がとても良く、操作がやりやすい状態でした。

3つのストールが終わり、レベルに戻ったところで、「ダイバートする、Rialtoに連れてってくれ」と言われます。Rialto空港はすぐ見えていたので、「あそこに見えている ので向かいます」と答えると、「いや、まずは地図の上で確認してくれ」とのこと。地図上で、現在フリーウェイ210の上空、地図上でこの位置です。最も近 い空港はRialtoで、この方角です(指をさしただけ)。そこに向かいます」と答えると、「パーフェクト」との返事が。

Rialto空港のUNICOMに周波数を合わせ、位置(Over 210/15)、高度と着陸の意図を通報。ここで、トラフィックパターンを左と勘違いし、「midfieldを通過し、左ダウンウインドに入る」と伝えてしまいましたが、これも特に問われず。そのまま降下していると、Markがエンジンをアイドルに。「アッオー」。Engine Failureということなので、口に出して、Best Glide Speed、then Best Landing Place, this time Rialto Airpot, Check for・・・と続けていきます。回り込んでRwy27に降りようとしたところ、「手前のRwy9の方がより安全だ」とのコメントで、そちらに決定。ちょうどRwy9のLeft Base線上の位置にいたので、ピッチを下げてどんどん降下しながら、フラップを出しつつまわります。かなり高いので、滑走路を少し入ったところに着陸しようとしたところ、「勇気を持って高度を下げよう」といわれ、低高度にもかかわらず思い切ってピッチを落とします。「それでいい。みんな怖がるが、非常事態では思い切った操作をすべきだ。今の操作は素晴らしい」とのこと。もう少しで着地というところで、「Go Around」の指示が。フラップを上げつつ、上昇していきます。ここでも、「すぐに上昇する必要はないから、十分に速度をつけてから」とコメント。さすがに百戦錬磨のエクザミナー、一つ一つのコメントが論理的で、全くもって納得できます。

上昇し始めると、「じゃあChinoに戻ろうか。戻り方は知ってるね」。「再びOntarioのTransitionの許可をもらいます」と告げると、「帰りは、Riversideの空域をまわって帰ろう」との返事。想定外の事態に焦りながらも、慌てているところを見せないように、「チャートで確認するので、その間操縦をお願いできませんか」と提案。OKとのことで、チャートで位置関係を確認し、少し遠周りでも良く知っているFreeway215に出てから帰ることを提案。すると、「それでもよいが、せっかくなので良いルートを教えてあげよう」。「あの山の間を通るとRoubidouxなので、そこを抜けていこう」。「Ontarioの空域の下を通るので、2700フィート以下で進みます。」と答え、指示通りの方角へ。Riversideの周波数(想定していなかったのでメモしておらず、チャートから読み取り)に合わせ、2000フィートで進みます。「すぐそこがRoubidouxだから」とのことで、Riverside TowerにRoubidoux上空、2000フィート、TransitionでChinoまでの許可を取ります。

TowerからはIdentを要求され、すぐにしますが山の谷間のせいかレーダーに映らないようで、心持ち高度を上げつつ再度Ident。「今レーダーコンタクトした」との返事が。Markには、「あの道をまっすぐ進むとChinoにたどり着くと教えてもらい、目を凝らすと、もやのある視程の先に格納庫が。「Airport Insight」と伝えると、「Riversideにも伝えてやってくれ」とのことで、その旨交信します。すぐにChinoへのコンタクトの指示が出たので、Markに「ATIS」を聞くべきかと尋ねると、「出発時のATISを通報しよう。違っていれば、言ってくるだろう」とのこと。この辺りのアドバイスも、とてもなるほどと思えます。ATISは出発時と同じ、「X-ray」で大丈夫でした。

Chinoからストレートインの許可が出て返答したところで、「君は合格だ」とあっさりと言われました。「ここからは私が操縦する」とのこと。世間話をしながら、着陸に向かいます。世間話となれば、聞きたかったのは、私が最初に何歳に見えたのか、ということ。昨日は私のことをYoung Manなどと呼んだあげく、年齢を聞いてとても驚いていたので。「20、21くらいだと思っていた」とのことで、思わず「No Way」と呟きます。そんな話の合間にも、せっかくなので飛行時間26,000時間をエクザミナーの操縦ぶりを観察。フラップを40まで降ろすので、「昨日コメントをもらったソフトフィールドのお手本を見せてくれるのですね」と尋ねると、「いや、ショートフィールドを見せるつもりだ」と笑って返されました。見事に滑走路端に接地し、直後にフラップアップ。さすがに軽やかな手つきです。そのまま会社のランプまでタクシーし、握手をして、あっさりと試験が終わりました。

「部屋に戻ってペーパーワークをしよう」とのことで、様子を聞きに来てくれたLorne、Gabrielと話をするのもそこそこに、社長室で仮免許証発行の作業に。しかし、画面メニューのProcess Temporary Licenseという項目をクリックできずにMarkが戸惑います。「You have problem with your paper work」。いや、私じゃなくてあなたがでは、と思いつつ、「その項目ではないかと思いますが」と「Enter Practical Test Result」という項目を指さします。やはりその項目に入力しないとライセンスを印刷する事は出来ないのでした。「How smart, why you know」などと言いながら、プリントアウトした書類を渡してくれました。
2日間、長時間詰めた会議室
その後、会議室で実技試験の講評。「離陸の際、風に流された時にエルロンで修正したが、地上付近ではもう少しラダーを多用して修正した方が良い。」「Power On Stallは出来るだけ現実に即して練習するには、やはりピッチは20度で止めた方が良い。このストールは離陸時を想定したものだから。」「Emergency Landingの際は、より安全な選択肢があれば、それを選択すべき。多少のTail Windでも、近い方の滑走路の方がより良い選択肢だ。」「それ以外は、ATC、Hood Work、Navigation、どれもとても良く出来ている。」「特に良かったのは、関係する周波数をメモにまとめていたり、地図を使いやすいサイズに折りたたんで用意してあったり(Elianから習った技です)、必要な情報を良く整理して準備していたことだ。」 とのこと。そして「Conguratulation, Pilot」と、あらためて握手。Elianに言われたとおりに封筒に入れて用意しておいた$500を手渡しました(ちなみに、試験に落ちた場合、再試験料は$250/回だそうです)。

再度外に出て、Gabrielに試験内容を早速伝えます。「かなり試験項目は少なかった」と伝えると、Gabrielはにっこりとほほ笑み、LorneはCoronaへフェリーしようと乗りこんでいたC150から顔を出して、「タコメーターが昨日から1.2時間しかまわってないぞ」。実質の試験時間は、2日間合計でも1時間以下だったようです。Markは、チェックライドタイムを1.5時間と書類に記入していたのですが(笑)。

その後、精算をしにCoronaのスクールへ出向き、先に戻っていたElianや他のスタッフにおめでとうと連呼されます。「次はInstrumentか」などと言われますが、先のことはまだ決めていません。まずは、自分のペースで空の散歩を楽しめればと思います。

Elianとログブックの確認・整理をして、「何かあったら、いつでも連絡してくれ。空を楽しんでくれ」と言われて、握手。チェックライドの全ての行程が終わりました。Elianには、少しですが気持ちを封筒に入れて渡しておきました。

以上、プライベートライセンス取得のお話はここまでとなります。チェックライドを含めた総飛行時間は45.9時間。この中には、一番最初のLorneとのデモフライト(0.5時間)勘違いによる不必要なクロスカントリー(2.1時間)も含まれています。これらを勘案すると、チェックライドまでの実質の練習フライト時間は41.8時間という、想像していたよりもかなり短い時間でライセンスを取得する事が出来ました。Elianの的確かつ効率的な指導のおかげと、感謝しています(連絡が遅いとか、少し改善してほしいところはあったけれど)。まだまだATCをはじめとして不安な要素はありますが、自分のペースで楽しみつつスキルを上げていきたいと思っています。C172も飛ばして、友人家族を空に招待してみたりもしたいですし。今は、一つの目標があっさりと達成できたことに驚いていますが、実感をじっくりとかみしめたいと思います。

総飛行時間:45.9時間
機長時間:1.5時間(累計1.5時間)
*チェックライドに合格すると、その時間は初の機長としての飛行時間とカウントされます

同乗教習:0.2時間(累計32.2時間)*昨日のCorona-Chinoのフェリー時間
:計器0.0時間(累計3.1時間)
:夜間0.0時間(3.6時間)
単独飛行:0.0時間(累計12.2時間)

着陸回数:6回(累計145回)
:夜間0回(累計10回)
地上教習:0.8時間(累計23.2時間)