2011年7月30日

[IFR15]シミュレーターと実機の違い

前回はILSのグライドスロープと、VORのラディアルの交点であるインターセクション(KAZBY)でのホールディング、そしてKAZBYから出発してのILSアプローチをシミュレーターで行いました。今回は、その内容をそのまま実機で行ないます。

まずはその前に、Gournd School。今日はアライバル(到着ルート)について学びます。IFRのフライトは、離陸、エンルート、アライバル、アプローチと大きく分ける(ポーションにする)ことができます。それぞれ、DP、Airway、STAR、IAPという手順が定められています。アライバルにおけるSTAR(Standard Traffic Approach Route)とは、離陸のDPにあるSID(Standard Instrument Departure)と同様に、IFRにおいて空港エリアの出発・到着時のルートをあらかじめ定めておくものです。これによって、1機ずつにコースや高度などを伝える手間を省く目的があります。パイロットの方は、これらが表示されているチャートを入手することで、これらのルートを知ることができます。このチャートは民間企業であるJeppssenが出しているものと、FAA(米国航空局)が出しているものの2種類があります。Jeppssenのものは定期運送用のパイロットなどが使うもので、バインダー式になっています。定期購読をして、28日周期で変更があったチャートが送られてくる仕組みだそうです。普段のIFRであれば、56日毎に発行されるFAA発行のチャート集で十分とのことで、これは各地域に分かれており、一冊$5~6程度と価格も安いものです。
FAA発行のSID、STAR、IAPチャート集(南カリフォルニア版)
SID、STARは管制官から言われたものを受け入れるだけでなく、こちらからリクエスト(フライトプランに記入)したり、もしくは利用を断る(フライトプランにNO SID、NO STARと記入)することもできます。受け入れる場合には、最低でもテキスト情報(グラフィックな情報を携行することが好ましい)を持っていることが必要になります。
STAR。Graphicalな説明STAR。Textualな説明
上記のチャート集の読み方を確認し、またその運用についても勉強します。ATCから、一度STARのコースから外れるヘディングを指示された場合、もしくはSTARと異なる高度指示を出された場合は、そのSTARをしたがう事はなくなり、後はベクター(管制官による誘導)になります。これらのことを学んで、今日のグラウンドは終了です。

いよいよ実機でのフライトです。機体は、前々回にMikeが不調に気がついたいつもの訓練機です。マグネトーを取り替えたそうで、しばらくは注意深く様子を見るとのこと。トレーニングは、毎度おなじみとなったRwy26Rからの離陸後PDZ VORへの直行からです。直行した後はその場でホールディングします。VORでのホールディングやILS Intersectionでのホールディングがあるので、タワーに出発前にMikeが打ち合わせをして指示をもらってくれました。最初のPDZでのVORホールディングですが、Mikeは打ち合わせをしたと思い込んでいますが、実際はしていなく、どの方角でホールディングするかを確認します。自分のホールディングへの進入方向によってエントリー方式が決まるので、急いで頭の中で確認し、Mikeに伝えます(チャートや紙に書いて確認してもOKです)。2週ほど回って、風による影響も調整ができ、まあまあのホールディングとなりました。
ILS26R-CNOアプローチ
次は、ILS IntersectionであるCAZBYに向かいます。ここはティアドロップでのエントリーが良いとのことで、ヘディングやVOR Indicatorにそれらの設定を行います。5Tと言うことで、Turn、Time、Twist(VOR Indicatorのコースセット)、Throttle、Talkの順序にしたがって処理をしていきますが、時々順序がおかしくなり、指摘を受けます。さらにチェックリストやATIS取得も指示されますが、それらの合間に高度が下がってしまったり、ヘディングがずれたりもします。このあたり、全体の完成度をまだまだ高めねばなりません。

そして、いよいよCAZBYからILSコースに乗って滑走路までアプローチします。ILSはローカライザーと呼ばれる水平コース、グライドスロープと呼ばれる垂直コースがVOR Indicatorに指示されるので、縦と横のそれぞれのバーが真ん中に来るように、すなわち十字になるようにして飛行します。風の影響なども考慮して方位、スロットル、ピッチなどを調節します。さらに、インターセクションでの高度の確認、さらにFAF(Final Approach Fix:最後のインターセクション)から滑走路に到達するまではタイマーをセットし、万が一のグライドスロープ受信不能にも備えます。本当に頭の処理能力をフルに使う感じです。

このアプローチのDecision Altitude(最低降下可能高度)は886feetとチャートに記載されており、この高さまでに滑走路が目視できなければ、着陸復航となります。ここでMikeが「Look Ahead」と言います。これも打ち合わせが不十分で、フードを外して滑走路を目で見て着陸して、という意味だったのですが、ひたすら頑張って計器を見つめていました。おかしいと思い「フードを取っていいか」と聞いたところ、もちろんとのこと。慌ててかなぐり捨ててPAPIを参考にコースをたどります。目視後もILSアプローチである限り、同じ進入角を示すPAPIを参考に降りていく、とのこと。ただし、着陸直前までそのまま近づいたので、エンジンアイドル、レベルオフから接地までずいぶんと距離がかかってしまいました。後で聞くと、滑走路端でエンジンをアイドルにして、後は通常通りで接地帯を目指せば良いとのこと。

着陸後は、気持ちを張っていた反動で、軽い放心状態のよう。離陸時のタキシングではいろいろ世間話をしていましたが、帰り道は黙って進みます。到着後、エンジンを切ってすぐにMikeを質問攻め。タイマーのカウントをスタートさせるタイミング、VOR出発後Bearingに乗せる際の操作順序、上のILSでのフレアのタイミング、Look Aheadの意図など、疑問を聞き出します。実際に操作をすると疑問がわき、また知識がつくと操作が余裕を持って出来るようになってきます。なかなかやりきったという満足感を得ることは出来ませんが、前よりは上達しているかな、という感覚は持つことが出来ました。

スクールでは、次のフライト予定のKudjoさんが来ていて、話をしたところ、数日後にチェックライドとのこと。自信の程を聞いたところ、Oralが心配だけど、操縦に関しては問題ないだろう、とのことでした。毎日練習している人とはずいぶんと差が開いていますが、後に続いていきたいと思います。

飛行実績:
飛行時間:1.2時間(累計102.7時間)
Simulator:0.0 時間(累計1.8時間)
:PIC時間0.0時間(累計39.8時間)
:Instrument 0.9時間(累計13.8時間)
:Instruction 1.2時間(累計18.1時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:1回(累計229回)
シミュレータ着陸:0回(累計1回)
:夜間0回(累計10回) 

グラウンドスクール:
内容:テキストChapter6 SectionA、B
:Arrival Charts、Arrival Procedres
1.2時間(累計7.9時間)

2011年7月27日

[IFR14]シミュレータでILSアプローチ、着陸まで

前回の訓練機ですが、やはりマグネトーの不調ということで、今日のフライトはキャンセルになりました。代わりに今日もまたシミュレーターを使用してのトレーニングということに。今日こそは、きれいに決めてホールディングを片付けてやると意気込んでシミュレータに座ります。
シミュレータの操縦席
今日はVORホールディングの練習、さらにLocalizerホールディングの後、ILSで着陸までとのこと。上記をMikeと打ち合わせをした後で、Chino空港を離陸。細かく聞いていませんが、地上からスタートしなければいけないルールでもあるでしょうか(笑)。離陸して旋回すると、すぐにポーズがかかり、次は別の場所からホールディングに入ります。今日は計算間違いもなく、順調にホールディング。一回りしたあと、そのままOutboudのRadialに乗って、ILS ApproachのFIXへ。そこで定められた手順に従ってホールディングに入ります。最初の1周は、Procedure Turnのような形になります。

これも問題なくこなせ、さらにホールディングを続けます。Mikeは教官卓から「Intersectionホールディングのほうがうまいというのは、珍しいなあ」と呟いてきます。VORホールディングの方が、便りにすべきIndicatorの針が不安定で難しく感じるのがですが、一般的には逆だそうです。そんな感じで2,3回回った後、「次はILSに乗って着陸するように」との指示が出ます。ローカライザー経路上のFixでは高度を必ずチェックし、それぞれのポイントで定められた高度以下にならないようにとの注意もありました。いざILSに乗って降下します。ローカライザー、グライドスロープの十字にほぼ乗っていましたが、時々少しずれたので、「Left of Course & Slightly Above Glideslope」とMikeに分かっていることをアピールします。
中身はWindowsベースのX-Planeのようです
すると「試験の時は、& Correcting」と続けるんだ、とのこと。分かっているだけではダメで、修正していることまでアピールしないといけないようです。シミュレーターでは、まず地上が見えましたが、まだ滑走路は見えません。とにかく計器にしたがって飛ぶ、ということで、地上に惑わされずに飛びます。やがて滑走路の灯も見えてきました。このシミュレータ、計器画面が表示されるモニターの上部に、少しだけ外の景色も再現されるようになっています。「Runway Insight, Approaching Minimum, Continue Approach」と宣言して飛行を続けます。Mikeからは「PAPIを参考に」と指示されそのまま着陸へ。
左奥に教官卓があります
とても小さな外部表示を参考に降りるのは不安でしたが、何とか着陸し滑走路上で停止します。「Good Job, Man」とのことで教官卓で軌跡を確認すると、ほぼきれいにILSに乗っていました。最初のホールディングは、どうもティアドロップ型でのエントリーは、どうも初回、FIX通過後からFIXに戻るまでのルートが大きめになりがちのようです。忙しいので、タイマーをセットするのが一呼吸遅れるからではと思います。とりあえず、許容範囲内だそうで、今日の内容は合格、とのこと。

次回は、今日のIFRホールディング、IFRアプローチを実機で行うとのこと。「実機の方が簡単」とMikeは言いますが、精神的に本当に飛んでのほうが、やはり緊張する分、難しいのではと思えてなりません。とにかく、今日のフライト(?)は、久しぶりに自分でも満足いくものになりました。実機でも頑張りたいと思います。 
エンジン整備を終えた訓練機が洗機されていました

飛行実績:
飛行時間:0.0時間(累計101.5時間)
Simulator:1.1 時間(累計1.8時間)
:PIC時間0.0時間(累計39.8時間)
:Instrument 1.1時間(累計12.9時間)
:Instruction 1.1時間(累計16.9時間)
 :夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:0回(累計228回)
シミュレータ着陸:1回(累計1回)
:夜間0回(累計10回) 

グラウンドスクール:
内容:ホールディングについて、再度まとめ
0.3時間(累計6.7時間)

[IFR13]実機とシミュレーターでホールディング

今日は、ホールディングのおさらいということで、フライト予定でした。前回のホールディングでの慌てぶりがないようにと思いながら、Mikeと打ち合わせの後、出発します。
MikeのHolding図解。左の5TはIFRの基本。
いつものように(Rwyは26RではなくRwy26Lでしたが)飛び立ち、PDZ VORに向けてホーミングします。その後、NIKKLインターセクションに向けてVORトラッキングをし、Ontario ClassBの範囲を抜けてフルスロットルで上昇を始めた直後、Mikeがコントロールをよこせと言ってきました。スロットルを調整しつつ、「エンジン音がおかしくないか」と言います。そのときは、正直あまり良く分からなかったのですが、再度Mikeがフルスロットルに入れた途端、異変が私にも分かりました。

ラフというか、エンジンの振動が不規則になります。「何度か瞬間的に停止したぞ」との事で、引き続きスロットルやマグネトーの調子を確認するMike。しばらくすると安定してきましたが、「さて、どうしたい」と聞いてきました。不安定な調子で練習するのも気持ちが悪いので、即座に「帰りましょう。冒険はしたくない」と返事します。Mikeもうなずいて、戻ることに。念のため、出来るだけ高度を維持して戻ります。最後は、Mikeのフォワードスリップで一気に滑り込むようにRwy26Rに降りました。無事に戻れて何より、Mikeの耳のおかげです。「理由は何だと思う?」と聞くと、「マグネトー辺りかもしれないけど、分からない」とのこと。なるほど。簡単に言い切らずに分からないときちんと言うところが、Mikeの信用できるところだと思います。

「代わりにシミュレーターで同じ訓練をするか」とのことで、もちろんお願いします。初めてみるシミュレーターは、思ったよりも簡単な作りで、Microsoftのシミュレーターとコントローラーを買い集めたら出来上がるのではという感じです。それでもCATII規格だそうで、IFRのトレーニングでは10時間まで使用が認められているとの事です。

まずはChino空港から離陸します。Mikeが「このSimulatorは高度がとても敏感だから、それほど気にしないでいいから」と言いますが、確かに繊細です。VSIが1000を超えたり、0になったり。旋回もバンクを決めるのが難しくふらふらします。これは難しいぞと思ったところで、一度ストップ。今度は場所を移した空中から開始し、Intersectionでのホールディング。必死で高度、コースを合わせます。高度は、Mikeの言葉に甘え、少し精度をあきらめ(+-200feet程度)、とにかくコースを必死で維持します。2回りしたところで、再びストップ。呼ばれて教官卓に行くと、飛んだ軌跡が全て画面に表示されています。思っていたよりはきれいな形でしたが、すべて丸見えというのは、完全にごまかしが聞きません。

次は、VORホールディングということで、PDZに向かいます。ところが、計算をしたエントリーのかくどが間違っており、エントリーパターンと遠くはなれたところへOutboundしてしまいました。Inboundの旋回をしたところで気が付いたのとほぼ同時に、Mikeがストップをかけます。教官卓の画面では、変な方向に進んでいる軌跡が出ています。Mikeは「何がしたかったんだ?」と冷たい一言。角度の計算を間違えた(足し算すべきところを引き算した)ことを伝えると、苦笑いして「今日はここまでにしよう」とのこと。

最後に、デブリーフィングをしましたが、またもや出来の悪い結果となってしまいました。ただ、計算間違いが原因なので、操縦の精度自体はそれほど問題なさそうです。次回は頑張りたいと言うと、Mikeからは「失敗も成長のためには必要さ」とのこと。そう思って、次回に備えたいと思います。

飛行実績:
飛行時間:0.7時間(累計101.5時間)
Simulator:0.7 時間(累計0.7時間)
:PIC時間0.0時間(累計39.8時間)
:Instrument 1.1時間(累計11.8時間)
:Instruction 1.4時間(累計15.8時間)
 :夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:1回(累計228回)
:夜間0回(累計10回) 

グラウンドスクール:
内容:なし(ブリーフィング、デブリーフィングのみ)
0.0時間(累計6.4時間)

[PIC22]フライトタイム100時間達成

この週末、私がパイロットライセンスを取得する際に大いに参考にさせてもらった「Takeoff Runway 26」のHさんが、リバーサイドを訪問されました。声をかけていただいたので、喜んで滞在されているホテルまで顔を出し、Hさんを誘って飛行機めぐりの1日を楽しみました。Hさんをお連れして、ChinoのDu Bois、CoronaのAirport Spruce、そしてFly Corona!と巡りました。

途中、Chinoでは日本人教官のMさんが経営されるKM Airも表敬訪問。突然の訪問にもかかわらず、快く事務所に入れていただき、KM Airさんの概況やChino空港周辺の日本人スクールや日本人のトレーニングの状況などについて、お話を聞かせていただきました。Du Boisのすぐそばのハンガーで日本人訓練生も頑張っているということが分かるだけでも、なんだか心強い気がします。

Fly Coronaでは、C172に乗って、少しだけ空の散歩を。Medicalが切れているHさんをお乗せして、私が操縦します。Lake Mathewsに上がって、ぐるぐると回った後、Riversideに着陸することに。この着陸が、史上最大の下手さで、バウンドした挙句ポーポイズに入りかねないものでした。着陸復航を頭に入れましたが、落ち着いたのでそのまま着陸続行。Hさんにはお恥ずかしいところをお見せしたのと、怖い思いをさせてしまったと思います。申し訳ありません。

そんな出来事の後にも、Hさんは表情に出されず、タクシーバックして離陸。サイドLake Mathewsを経由して、Coronaに戻りました。風速はずっと12,3ノット、ガスト19ノットと悪い状態でしたが、再度へたな着陸を見せるわけに行かず、かなり気合を入れました。幸い、今度はまともに降りることができ、2連続の恐怖にはならなかったと思います。

このフライトは、私にとって記念すべく総フライト時間100時間を超えるフライトになりました。100時間飛んでも、相変わらず着陸を中心に下手なままですが、今後も無事にフライトを続けたいと思う良いきっかけになりました。フライトは、決して完全ということはなく、いつもいつも同じような、そして新たな課題が生まれてきます。こうした課題をどうやって克服して、さらに満足できるものにできるか、考えるだけでも楽しく、奥の深い趣味であると思います。目下の課題は、相変わらず不安定な着陸を安定させること、そして事前準備の方法をもっとしっかりと確立することです。

この地にしては湿度の高い、じめじめとした消耗しやすい天候の中、丸一日お連れ回ししてしまいました。大変恐縮すると共に、飛行機の話のできる大先輩の方と1日飛行機三昧な時間を過ごすことができました。思えば、フライトスクールに通おうと決心したのもHさんのページを拝見し、また直接メールしていろいろお伺いした結果です。その時も、大変ご丁寧に教えていただきました。本当に感謝しています。私も、同じように次に興味のある方に、少しでもお役に立てたらと思う次第です。

飛行実績:
飛行時間:0.9(累計100.8時間)
:PIC時間0.9時間(累計39.8時間)
 :夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:2回(累計227回)
:夜間0回(累計10回)

2011年7月24日

[IFR12]VORホールディング

今日は夕方のフライトです。仕事を切り上げるのが少し遅くなってしまった関係で、Mikeに遅れるとお詫びの連絡を入れてからスクールに向かいます。幸い、道路は順調で少しの遅れですみました。

前回はグラウンドスクールが、教室が無いとの理由でスクールのソファでホールディングについて少しだけ行なっただけでしたが、今日はしっかりということで教室で1時間行います。Du Boisは教室が3つ(一部屋ともう一部屋を2ブースに分けたもの)があり、普段のトレーニングに使用する機体(Cherokee)も3機なので足りるはずですが、グラウンドだけの人がいたりすると足りなくなるようです。
さて、今回は、テキストでEnrouteについてとHoldingについて復習しました。基本的な授業の方法は、
予め読んできて分からなかった点をこちらから質問すること、また理解度の確認のためにMikeがこの用語の意味は、といった感じで質問してきます。

Enrouteでは、MCA、MOCA、MEA、COPといったエアルートのルートや高度規定等に関する用語などがあり、それらを理解し頭に入れる必要があります。理解できていたつもりでしたが、MORAについて質問されno ideaとなり、さらにGrid MORAというのもあるということで、全く未知の話となりました(実際テキストにも出ていなかったのですが)。

Holdingについては、エントリーの際パラレルとティアドロップは、Fix通過後はコースではなくヘディングを維持するということでした。今日はVORホールディングをするということで、intersectionでのホールディングと違い参照するVORは1つですむこと、ただしVORに近付くと感度が繊細になるので特に方位の管理に気を使うことを習いました。

1時間のグラウンドの後は、フライトです。VORでのホールディングですが、Chino近くのParadise(PDZ) VORを使いますが、様々な機体が実際に航法に使用するために通過していきます。また、空域的にも2800feet以上はOntarioのClassCになっているため、離陸前にPDZでのホールディング許可を得る必要があります。この辺りはMikeが全部やってくれましたが。交信と言えば、この時、日本のスクールのセスナがタクシーして戻っていきましたが、Du Boisの機体が先に行くのでその後を通るように、との指示がGroundから出されたにもかかわらず全く応答がありませんでした。3度Groundから交信があった後、 Du Boisの機体の方に待機指示を出していました。英語理解の問題か、無線の問題か分かりませんが、どちらにしても危ないことです。

さて、Chino Towerからは3500feetでの旋回を指示されました。肝心のVORホールディングですが、最初のホールディングをVORの東で行なうようにとMikeから指示が出ました。操縦も担当しており、上昇中のため、紙に書いて確認する余裕もありません。素直にMikeに操縦を変わってもらい、紙い書いて整理すれば良かったのでしょうが、そのまま混乱してしまいました。Mikeに助け船を出してもらい、VORのセッティングをしましたが、かなり悔しい思いをしました。また、下の3000feet、上の4000feetの両方に他の機がおり、高度がずれるとMikeから注意が飛んできます。確かに、他の機もずれると本当に危ない状況になるので当然のことです。

ホールディング自体は問題なく行なえ、その後Mikeの操縦で一度南に飛んでから、今度はPDZの北側でホールディングするようにとのこと。ここではVORのセッティングをInboudにセットすべきところを逆にしてしまい、Mikeに注意を受けます。VORホールディングでは、通過後にInboundにコースをセットするとのこと。エントリーに関してミスを繰り返しつつ、ホールディングは問題なく出来ました。何度か回った後、いつものように帰途につきました。

ILSの電波に乗って降下した後、フードを外す許可が出ましたが、そこでMikeが「着陸の見本を見せる」とのこと。最近、フードを外した後の着陸に満足いかない事が多く、それをMikeに伝えていたため、考慮してくれたようです。私の場合、引き起こしが早すぎるのが不満足な結果になる原因のようで、しっかりと地上に近付いてから引き起こすこと、引き起こし過ぎないようにして、速度が落ちて降下するのを待つこととの話でした。

今日のトレーニングでは、まだまだ頭の処理が一杯になると、注意が十分に回りきらなくなることも実感しました。まだまだMikeの注意力に及ばない感じですが、IFRの操縦に慣れて、注意が十分に回るようになりたいものです。少し自分に不満の残るフライトでした。Mikeは、「いつも上出来だと進歩を感じないだろう」と慰めてくれましたが、そのような慰めをもらわないくらいの技量を早く身に付けたいとも思いました(笑)。

飛行実績:
飛行時間:1.1(累計99.9時間)
:PIC時間0.0時間(累計38.9時間)
:Instrument 0.8時間(累計10.7時間)
:Instruction 1.1時間(累計14.4時間)
 :夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:2回(累計225回)
:夜間0回(累計10回) 

グラウンドスクール:
内容:テキストChapter5 SectionC
:Holding
1.0時間(累計6.4時間)

2011年7月22日

[IFR11]ホールディング開始

前回のIntersectionのインターセプトの練習に引き続き、今回はIntersectionでのホールディングの練習を行いました。ホールディングとは、インターセクションやVORなどの定められた地点上空で、定められた手順にしたがって待機することです。飛行機なので飛び続けていないといけませんので、決められたルールにのっとり高度、速度、方向などを維持しながら飛行します。
CFI Japanさんから画像お借りしています
定められた経路で待機するルートを、ホールディングパターンと言います(上の図がホールディングパターンです)。一見簡単そうですが、風の影響を考えて、角度や長さを微妙に変える必要があります。当たり前ですが、Fixと呼ばれるホールディングの基準点に戻ってこないといけません。また旋回は標準率旋回(Standard Rate Turn)とし、高度や速度も厳守しなければなりません。実際のホールディングでは、すぐ上下の高度に他の機体も旋回しているケースが多くありえます。

さらに、このホールディングパターンへ入る方法も定められていて、Fixへの進入角度によって方法が異なります。詳しくは、CFI Japanさんのホールドパターンへのエントリーについて説明されているページを参照してください。とにかく、まあいろいろと覚えて、それを実践する必要があるわけです。

最初は、このホールディングについて、指示されたらすかさず頭の中で地図を思い描き、そこで瞬時に理解する必要があるのかと思っていました。Mikeに「理屈は勉強して分かったけど、それを頭だけで実践できる自信はないなあ」と話すと、「いや、紙に書いて理解してからその通りに飛べばいいから」とのこと。ならば、筆記試験の勉強と同じで、いけそうな気がします。

いつものように離陸します。今日は全くといっていいほど風がなく、少しも揺れません。とても快適です。Mikeも「今日はすばらしい景色だし、風も穏やかだ」と言います。「思わず、本当に美しい日ですね」と言いますが、フードをかぶっている人間がそう言って良かったのかと自問自答します(フードをかぶっていても、実はちらちらと外が見えています)。

Mikeから、NIKKLの上空南側でStandard Patternでホールディングと指示が出ました。まずはNIKKLに向かいますが、VOR Indicatorを設定しなければいけません。それぞれに周波数をセットし、方位も設定します。さらにVORをセットするときは、識別信号音を耳でも確認することが必要なので実施します。さらに、エントリーの方向を考え、どの方式でのエントリーかを決定します。初めてだからか、この時はMikeが「I have control」と操縦を代わってくれ、その間にチャートにホールディングの図を描いて確認します。パラレルエントリーでした。

パラレルエントリーとは、ホールディング経路に真正面から入る方法です。頭の中で経路をイメージしながら、計器類とにらめっこ、さらにタイマーで時間を計りながら旋回のタイミングや角度を計算していきます。Mikeが時々「次は何をする」と聞いてくるので、頭の中のプランを伝えます。幸いなことに風はあまり無いようで、それほど意識する必要はありません。普通の旋回パターンに入ったところで、次のDEJAYの南側でのホールディングを指示されました。

今度はChartに絵を描いて計算すると、Direct Entryになります。その旨Mikeに伝え、DEJAYに向かいます。今回は1回パターンを回った後で、風の影響を感じました。旋回角度とOutboundでの時間を調整します。結果が分かるのは、Fixに戻ってきた時ですが、結果を待つのが楽しいような感じです。タイマーで時間をこまめに計りながら、角度や速度、高度を調整するのは、なんだか料理の楽しさに似た感じでしょうか。ここでのホールディングは3週ほど周り、さらに旋回中の降下も練習しました。

一通り練習が終わると、いつものように帰り道につきます。降下開始、PDZへのホーミング、ATIS受信、Before Landing Checklist実施、Towerへのコンタクト、その後Mikeの指示でヘディング、高度を変えつつRwy26Lの滑走路直前まで到達します。フードを外しての着陸となりますが、若干フレアが伸び、いつもの出口から滑走路を出れずに次の出口へ進みます。出たところでGroundにコンタクトしますが、自分がいるタクシーウェイの名前が一瞬分からなくなってしまいました。こうしたことがないように、いつでも気を張って確認を怠らないようにしなければいけません。

フライト自体は問題がなかったようで、デブリーフィングも殆どなし。コメントはとこちらから聞くと、「よく出来ていたよ」とのこと。風が穏やかだとここまで操縦が楽という感じです。

その後、ちょうどスクールにやってきたKudjoさんと出会い、いくつか情報交換をして帰路に着きました。


飛行実績:
飛行時間:1.4(累計98.8時間)
:PIC時間0.0時間(累計38.9時間)
:Instrument 1.1時間(累計9.9時間)
:Instruction 1.4時間(累計13.3時間)
 :夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:2回(累計224回)
:夜間0回(累計10回) 

グラウンドスクール:
内容:テキストChapter5 SectionC
:Holding
0.3時間(累計5.4時間)

2011年7月21日

[PIC21]クジョーさんとラスベガスへ

今日は、初めてKudjoさんと一緒に、ラスベガスまで出かけました。KudjoさんはFly Coronaで出会ったガーナからの訓練生です(37歳の2児のパパですが)。プロパイロットを志し、バンクーバーで10年働いた資金を持って、カリフォルニアに訓練を受けに来ています。私がDu Boisに興味を持った話をしたのがきっかけで、一足先にDu Boisでの訓練を始め、まもなくInstrumentのチェックライドを迎えるそうです。総飛行時間約150時間、カリフォルニアに来てから2ヶ月あまりで80時間ほど飛んでいるというすごい人です。

以前からKudjoさんとは一緒に行こうと話をしていました。なかなかタイミングが合わず、まあ無理かなと思っていたところ、昨日急に明日空いているから一緒に飛ばないか、との話。こちらも今日は一日クロスカントリーの予定で飛行機を押さえていたので、それでは一緒にということで、以前に二人で話が出ていたLas Vegasに行くことに急遽決まりました。

ラスベガスと言っても、いくつか空港があり、その中でChinoから行きやすい市街地南部にあるHenderson Executive空港に行くことにしました。私がフライトプランを立て、もっていきました。打ち合わせの結果、行きを自分が、帰りをKudjoさんが飛ばすことに。早速二手に分かれてコックピットの準備と外部点検へ。こういう協業体制は初めてです。負担が軽くなるような反面、責任(感)も分散されてはいけない気がします。ATCはSIC(副操縦士)が担当することにしましたが、OntarioのmidfieldトランジションをKudjoさんはしたことがなく、やり方がわからないというので、私が操縦、ATC両方やることに。オロオロしていては不安にさせるだけと思い、精一杯頑張ってATCに取り組みます。

幸い、これまでと同じような指示で、また通常Ontarioの直上を2000feet前後で通過しろという指示もなく、素直に上昇の許可が出ます。グングンと高度を上げKajon Passに向かいます。あまりに順調なので、Kajon PassではなくそのままLake Arrowheadの上を通過しようかと言うと、いやいや十分な高度を取った方が良い、とのこと。それもその通りなので、予定通りに谷間を上昇していきます。全く揺れずに気流は良好。Kudjoさんは、初めてのKajon Pass通過に満足げです。8000feetを越えた辺りから、さすがに上昇速度が落ちてきましたが、何とか9500feetまで到達。クロスカントリーでの最高巡航高度です。

その後は、ひたすら砂漠の上を進んでいきます。砂漠とはいえ、山の上(砂漠の山ですが)を通過することもあり、そうしたときは分かりやすいほど、急にコトコト揺れ出します。それでも全体としては穏やかな気流の中を、設定したVORコースで飛んでいきます。これはIFRの練習も意図したフライトプランです。車でラスベガスに行くと、4時間ほどかかりますが、プラン上は、1時間38分です。Flight Followingを受けている合間合間にKudjoさんと話をしながら進んでいくと、あっという間に降下地点へ。ATISでHenderson空港の気象を取ると、190°から20Knotsとのこと。かなりの横風です。また、空港手前の山の上に差し掛かると、揺れがかなりひどくなりました。それでもこの辺りの上空は、ラスベガス国際空港のClassBが8000feet、6000feetと覆いかぶさっているため、下げていかざるを得ません。

揺れる中、Before Landing Checklistを実施。Kudjoさんは、あまり早めにやるのが嫌いのようで、もう少し近づいてからやろうと2度ほど延期の申し出が(笑)。この辺りの他人との操縦の違いというのも興味深いところです。17Lへレフトパターンから進入せよとのことで、ダウンウインドに入ったところで、17Rに変更しての着陸許可が出ました。強風ですが、それほど突風成分はないため、安定しています。Cherokee WarrioirII特有の強い地面効果の間、横風にぐっと耐えて接地します。横風の強さの割にはまあまあだったでしょうか。

滑走路を出てグラウンドにコンタクトすると、地上滑走の許可が出ました。タクシーを始めるとバンが1台、行く手をさえぎるように横からやってきました。そしてくるりと向きを変えると後ろには「Follow Me」との文字が。初めてフォローミーカーに誘導されます。ランプでは、フォローミーカーから降りてきた人がマーシャラー(手信号で誘導する人)になりました。これもまた初めての経験です。エンジンを止めると、その人物はさらにタイダウンまでしてくれて、何だか至れり尽くせりな感じです。もちろん料金を取られることもありません(今から思えばチップくらい上げても良かったのかもしれませんが)。

KudjoさんはTransient Parkingで休んだこともないのか、その言葉を知りませんでした。いつも、遠くに行っても、そのまま戻ってきていたのでしょう。そんなKudjoさんを誘って空港のターミナル2Fにあるカフェへ。二人でコーラを頼んだだけでしたが。カフェで帰り道について相談します。帰りは私はSIC、KudjoさんがPICです。私がルートプランをしてあるので、ディスパッチャーのような形になり説明します。Kudjoさんが、ところどころに質問をするので答えていきます。2点が相談内容。6500feetで行くか、8500feetで行くか。もう一つはKVCV(Southern California Logistics Airport)に立ち寄るか、直行するか。前者は、山とのクリアランスを考え8500を選択し、後者は燃料を考え立ち寄らないことに。計算上は燃料は大丈夫でしたが、慎重派のKudjoさんの言い分を受け入れます。

カフェを後にしエプロンへ出ると、外は38度の熱風が吹き荒れています。湿度は低いので汗はほとんどかきませんが、それでも暑いことには変わりありません。Kudjoさんが機内で出発準備、私が外部点検をして出発します。ランナップ上へ行き、最終点検の後、離陸します。風は相変わらず右40度から20ノットの横風です。Kudjoさんの操縦を初めて経験しましたが、とても安定して離陸、上昇します。しかし40度近い暑さと2000feetの標高のせいか、ほとんど上昇率がありません。VSIが0と200の間くらいしか進みません。さらにタービュランスに入り始めます。いやな感じの中、それでもジワリジワリと高度を稼ぎます。

GPSとチャートで位置を確認して、Kudjoさんに方角と上にかぶさるClass Bの高さを伝え、それ以上上昇しないように伝えます。上昇率が低いので超える心配はありませんでしたが。やがて、Class Bの空域を抜け、上昇を続けます。タービュランスがあり、Kudjoさんは大きな体を丸めるようにして細かく操縦桿とスロットルで修正します。この修正の姿勢はその後、タービュランスがおさまっても続きました。どうも彼の操縦スタイルのようです。私はナビゲーションとATC担当でもあるので意外と忙しく、帰りはビデオでもゆっくり撮ろうかと思っていましたが、そうもいかずにチャートで現在位置を確認し、耳をATCにそばだてます。

そんなフライトが1時間半ほど続き、ようやく見慣れたLake Arrowheadが見えてきました。その先には、眼下に4000feetの標高差の平野が広がります。「こんな眺めの良さそうな山の家に家を建てて住みたい」とKudjoさん。本当に崖の上に家があるので、「こんな家?」と聞くと、やっぱり怖いとのこと。やはり慎重派のようです。ここからのルートは、私の想定していたOntario空港の直上通過ではなく、リバーサイド上空からOntarioのClass Cを突っ切って降下する、というもの。いろいろなルート取りがあるものです。Kudjoさんと息を合わせながら、ATCで降下許可を取り、かなり急な降下で6500feetからChinoへ向けて降りて行きます。Chinoタワーへの移管も指示され、DirectにRwy26Rへの進入許可。

風は真正面から10knots。Warrior初体験のKudjoさんには、この機体はGround Effectが強く、辛抱強く着地を待つことが必要と伝えます。フレアが多く必要なのかと聞くので、その逆と伝えます。接地のあと一瞬だけ再び浮きましたが、基本的には全く問題なく、美しい着陸を決めました。いつものようにタクシーしてスクールに戻ります。いろいろ反省点、課題はありましたが、二人のプライベートライセンス保持者のフライトが無事終わりました。SICがATCとナビを担当するのは大変なので、ナビはPICが担当したら良いのではという気がしました。まあ、一人の場合は全部やっている内容ではありますが。

Kudjoさんからは、またいろいろ一緒に行こうという話になりました。Kudjoさんとしては、サンフランシスコまで行ってみたいそうです。


飛行距離(直線距離):
CNO-HND 172nm
HND-CNO 172nm
Total 344nm 約640km 

飛行データ(Google Earth上で表示されます):
ダウンロード(Google Earhが必要です)

飛行実績
飛行時間:4.3(累計97.4時間)
:PIC時間4.3時間(累計38.9時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:2回(累計223回)
:夜間0回(累計10回)

2011年7月18日

[IFR10]Intersectionインターセプティング

今回からトレーニングがフェーズIIに入ります。ヘディング、高度の指示にしたがっていたトレーニングからVORをはじめとしたナビゲーションに関する内容に進みます。VORのホーミング(VORに向かって飛行すること)、トラッキング(VORから/への特定のコース上の飛行)はこれまでも練習していたので、まあ大丈夫かと思っていましたが、前回の終わりにMikeから、「次回はIntersectionからIntersectionに移動する訓練をするから」ということで、はたしてそんなことができるのかと考えてしまいました。
Intersectionとは、2つ以上のVORからのRadialの交点にあるいわゆる「交差点」です。GPSであれば、この2点間を直行することは可能ですが、VORの電波の交点であるIntersection間では、VORトラッキングでたどりつくしかありそうにありません。今回のグラウンドスクールでさっそく尋ねてみると、「その通り」とのこと。なんだか拍子抜けしました。Mikeが言いたかったのは、Intersectionが交点であることから、VORを2つ使って片方のRadialないしBearingに乗り、片方のコースをクロスした地点がIntersection通過の瞬間である、ということのようです。どこから向かう場合も、いずれかのコースに乗って、もう片方のコースを通過することで、Intersectionを通過できるわけです。

今回はRwy26Rから離陸した途端にタワーから、「すぐに左旋回を開始してくれ」との交信がありました。実は離陸前に、26RからLake Mathewsへ向けての離陸許可の定番である「left turn approved」という言葉がタワーからなかったので、この場合は26Rの設定パターンであるRight Trafficを回る必要があるのか?とMikeに尋ねたところでした。Mikeの答えは、「離陸時にLake Mathewsへの離陸を伝えているのだから、左旋回もOKだ」とのことでしたが、自分で飛ぶ場合は左旋回の許可をタワーに確認した方が、より確実だと思います。いずれにせよ、すぐに左旋回を開始し、PDZに向けてホーミングを開始します。いつものように、このタイミングでフード着用の指示がMikeから出ます。

PDZに向かおうとすると、タワーから「他機が1800feetでPDZで旋回中」とのアドバイスが入ります。私は当然見えませんが、Mikeは確認しているようで方位の指示を受けて旋回します。その後、6000feetまでの上昇とPDZのRadial330をインターセプトせよ、とのこと。
Flight Planning at SkyVector.com
さらに、HDF(Homeland)VORの257Radialをセットし、交点に向けて飛行する指示を受けます。この交点には名前が付いていない(正式に設定されているIntersectionではない)ので、Mikeはtaku Intersectionと勝手に名付けました。VORを設定する際には、必ずIDを無線で聞いてチェックします(IDのモールス信号が発信されています)。これは、同じ周波数の別の無線標識を拾ってしまっていないか、また運用中(停止中はIDが流れません)であるかを確認するためです。二つあるVOR Indicatorのうち、VOR1(HSI)にはPDZをセットしてあるので、HDFはVOR2にセットします。

PDZの130Radialに乗り、外さないように進んでいるとやがてVOR2 IndicatorにセットしたHDFの257Radialの針が動き出しました。やがて針が中央を通過した時点でMikeに「Intersection通過」と告げます。Mikeは「簡単だろ」とつぶやき、引き続き「NIKKL」に向かうように指示が出ました。NIKKLは同じPDZ130Radial、HDF240Radialの交点です。VOR2にセットしたRadialを変更して、そのまま向かいます。これは問題なく到達できました。

ここで、Mikeが操縦桿を握り、わざとぐるぐる回ります。その上でDEJAYに向かえとの指示が。PDZ、HDFの交点であることは変わりありませんが、現在地からはどちらもRadialが違います。急いでVOR1、VOR2それぞれのRadialをセットしますが、ここでミスをしました。現在地からPDZへはFROMではなくTOなので、RadialではなくBearingでコースを設定しなければいけないところ、どちらもRadialでセットしてしまいました。なので、一瞬逆方向へ飛びそうになりましたが、どうもおかしいと思いコースを設定しなおします。Mikeは「You, wise man」と言ってくれましたが単に自分の間違いに気がついただけです(笑)。Mikeによれば、旋回したのはわざと混乱させるためとのことで、見事に引っかかったことになります。

NIKKLからDEJAYへは、どちらのVORも新しく設定したBearing、Radialをインターセプトしないといけないので、適当な角度を取って進みます。PDZのベアリングをインターセプトするつもりでしたが、先にHDFの針が寄ってきました。通常のVOR Indicatorで合わせながら、HSIで針が通過するのを待つことになります。機能上は問題ないのですが、せっかくのHSIを有効活用できていない気がします。

DEJAY通過後は再びtaku Intersectionを回って再び2回転ほど旋回させられてから、PDZに向かってホーミングの指示。さらにいつものように、2000feetへの降下、ATIS受信を指示されます。その上でこちらからBefore Landingのチェックリストを実施。チェックリストは早めのほうが余裕があることが分かってきました。PDZでタワーにコンタクト。Rwy26Rとのことで、MikeがILSをセットして、これに乗ってのアプローチを指示されました。

今回はインターセプト後にグライドスロープもフォローしろとのことで、こちらも気合を入れてローカライザー、グライドスロープを追いかけます。高度が下がり、滑走路に近づくにつれてどちらの針も動きが敏感になってきます。あまり過敏になりすぎず、しかし、針を中央に持ってくるように努力していると、「フードを外して」と指示。外を見ると、滑走路が本当に目の前でした。急いでフラップを2ノッチまで下げます。「着陸までPAPIを参考に」とのことで、初めてランウェイエンドではなく、接地帯のマーキングに向けて着陸していきます。PAPIのコースに乗っていれば、グライドスロープも真ん中に来る、とのこと。

いつものように、なんとか…な着地をして、スクールにタクシーしていきます。到着後のデブリーフィングでは、良くできていた、間違いにも自分で気がついた、とのコメント。こちらからの質問は、Intersectionインターセプトでは、先にインターセプトする(予定)のコースをVOR1にセットすべきかと聞きました。練習機は、VOR1に高機能なHSIと呼ばれるVOR Indicatorが装備されており、こちらにフォローするコースをセットした方が良い気がします。しかし答えは、どちらでも構わない。むしろ周波数を入れ替えるのはミスのもとになるので、VORを一度セットしたならば、むやみと変えないほうが良い、とのことでした。トレーニングは順調なので、次回はHoldingを練習しようとのことで、ホールディングについて、一通り確認をしました。

飛行実績
飛行時間:1.2(累計93.1時間)
:PIC時間0.0時間(累計34.6時間)
:Instrument 0.9時間(累計8.8時間)
:Instruction 1.2時間(累計11.9時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:1回(累計221回)
:夜間0回(累計10回)

グラウンドスクール:
内容:テキストChapter4 Section A、B
:Departure Procedure、Departure Minimums
1.0時間(累計5.1時間)

2011年7月17日

[IFR09]フェーズ1終了

今回は、フードを付けてのフライトの上昇・下降・旋回・Parital Panelの総集というMikeの話がありました。まだ、多少ふらついたりしますが、最初よりは計器だけで飛ぶのにも慣れてきました。そろそろ次のフェーズに進みたいとも思っていたので、きれいに決めたいところです。

離陸していつものように左旋回、Mikeがコントロールを持ち、その間にこちらがフードを装着して再びコントロールを取る。この辺りも慣れてきました。Freeway91を超えるまではOntarioのClassC空域の下にとどまるため、2000feetで上昇を止めます。VORはPDZ VORTACに合わせ、PDZの直上を通るようにします。この辺りの流れは、すっかり頭に入っています。PDZを超えるとMikeがヘディングを指示することもあれば、PDZからのRadialを指示されることもあります。

この辺りで、Cruiseチェックリストを実施します。Fuel PumpをOff(離着陸などのCriticalな場面では、Fuel PumpをOnにすることになっています)にし、スロットル、トリム、Mixture Lean、Fuel Tankの選択が内容です。しばらくすると(Freewayを超えて)上昇指示が出て上昇します。上昇は85mph(Vy)で上昇しなければいけません。大体、それと合わせて、わざと旋回指示も出されます。それも旋回の終了と上昇の終了が同時になるようなタイミングだったりします。

下降を指示されることもあります。下降は500fpm、90mphを維持する必要があります。その際も、旋回も合わせて指示されることが多くあります。どんな時も、針路(+-10度以内)、速度(+-10%以内)、高度(+-100feet以内)をすべて満たさなければなりません。若干オーバーすることもありますが、ほぼこの限度を満たすことができるようになりました。

さらに、Partial Panelと言われるパネルの一部を隠しての計器飛行も行います。これは、Vacuum Failure、Electrical Failureを想定した訓練で、前者はVacuumで作動するAttitude IndicatorとHeading Indicatorを隠し、後者はElectricで作動するTurn Coordinatorを隠します(なぜなのかHeading Indicatorも隠されましたが)。こうなると、Timed Turnと呼ばれる、標準旋回率を一定時間行うことによって目的の角度だけ旋回する方法を行わなければいけません。Magnetic CompassはLeadやDelayがあるため、旋回中は当てにならないからです。今回は、いくつかのパターンで試しましたが、慣れてきたせいか、大体のTimed Turnで目的の方位に旋回することに成功しました。ずれた場合は、再度修正します。

こんなフライトを一通り行い、帰り道に向かいます。まず2000feetまでの降下を指示され、さらにPDZのBearingに合わせて向かいます。その上で、ATIS受信、Before Landingチェックリストを行って、PDZ直上通過直後にChinoタワーにコンタクトして、エアスペースへの進入許可を得ます。ここからはMikeがヘディングを指示するので、それに従います。Rwy26Rへの進入を指示された場合は、ILSをMikeがセットし、これにインターセプトするようにします。途中でMikeから降下指示が出、さらにフラップ1ノッチ降下も指示されます。

フードを外して、と言われて外を見ると、滑走路の直前です。急いでフラップをもう1ノッチさげ、進入角を調整して着地に備えます。スレッシュホールドでスロットルニュートラル、機首を水平にして降下、フレアをかけて接地します。IFRのトレーニングでは、設置は満足にできた試しがありません。いつも少し荒い接地になってしまいます。今回も、そのような感じで残念な気持ちを引きずりながら、スクールまでタキシング。もちろん、滑走路から出たところで停止してAfter Landingチェックリスト、Groundにコンタクトしてタクシー許可を得ておきます。

自分としては70点程度の出来な感じでしたが、Mike的にはほぼOKとのことで、「Good Job. Let's proceed to phaseII」とのことでした。まあ、インストラクターがそういうなら何の文句もないので、次回からは次の訓練に進むことになります。質問としては、「どうやったら着陸がもうちょっとマシになるか」と聞きましたが、「今の段階ではこれでいいし、それほど気にしないで良い」とのこと。自分的には、もう少しうまい着陸をきっちりと決めたいのですが。

飛行実績
飛行時間:1.2(累計91.9時間)
:PIC時間0.0時間(累計34.6時間)
:Instrument 0.9時間(累計7.9時間)
:Instruction 1.2時間(累計10.7時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:1回(累計220回)
:夜間0回(累計10回) 

グラウンドスクール:
内容:なし(ブリーフィング、デブリーフィングのみ)
0.0時間(累計4.1時間)

2011年7月14日

[IFR08]雲を突き抜けてのフライト

今朝は朝から雲が空を覆っています。3600 Overcastということで、VFRならば雲までの狭いところを飛ぶしかありません。ということで、初めて実際のIMC状況でのフライトが経験出来そうです。
雲の上を飛ぶCherokee
天気が良くなる前に(?)、さっそく飛びに行こうということで、Mikeと打ち合わせをして飛行機に乗り込みます。今日はClimb to VFR on TOPを依頼するということで、交信内容を再度確認。Groundにタクシー許可に続いて、次のように許可を求めます。

「Cherokee 5800U, request climb to VFR on TOP clearance」

こちらからの交信内容は簡単ですが、先方からの返信は長いものに。

「Cherokee 5800U, cleared for climb to VFR on TOP to PDZ VORTAC via Chino IFR instruction, climb and maintain 4000, advise if not clear of clouds at 4000, expect climb 9000 10 minutes after departure, departure frequency will be 135.4 and Squawk will be assigned by Tower」

Mikeに事前に予想されるクリアランス内容を教えてもらい、紙に書きとっておきました。ほぼその通りの内容です。クリアランスは、タクシー中に言われてもメモを取れないので、その場合は、こちらからStandby Clearanceと伝えるそうです。Groundも分かっているようで、こちらがRunup Areaに着いたのを見計らって「Clearance for you」と言って来ました。

「Readback is correct, contact tower when ready」とのことで、Towerにコンタクトします。VFRと違うのは、Squawk Codeの書き取りもあるので、Runupから出る前にコンタクトします。Squawkと離陸許可をもらい出発します。Rwy26Rからの出発ですが、left turn approvedとは言われません。クリアランス内容に含まれていたvia Chino IFR instructionとは、各空港の滑走路ごとに定められた一般的な上昇経路(Textual Departure Procedure)のことで、Chino空港のそのルールにしたがうということです。Rwy26Rからは、離陸後左旋回してPDZ VORTACに向かうというシンプルなものです。したがって、左旋回は離陸許可の時点で認められているということになります。

左旋回してPDZ VORTACへのコースに乗り、SOCALに移管されると、いよいよ雲が迫ってきました。「雲に入ったら計器だけを見ること」とMikeの指示があり、雲に突入します。雲の中も特に揺れることもなく、しばらくして雲を突き抜け、一面の雲海の上に出ました。旅客機とまったく同じ感じで感動的です。雲の上は快晴、下のぐずついた天気とは違います。SOCALからは雲の状況を聞いてきます。ここでMikeがIFRをキャンセルしVFRとなりLake Mathewsに5500feetで向かいます。と言っても下が見えないのでVORトラッキングで進みます。
一面の雲海
この辺りでフードを付け、パーシャルパネルの練習します。前回はバキュームの故障ということで、Attitude IndicatorとCompass Indicatorを隠しましたが、今回はElectricalの故障ということで、Turn CoordinatorとさらにCompass Indicatorも隠されました。Timed Turnはどうするのと尋ねると、「およそ15度がStandard Rate Turnだから、Attitude Indicatorで確認しながら」とのこと。これもかなり難しいですが、今日の機体の00Uにはデジタルタイマーが付いているせいか、落ち着いて操作できる気がします。5Tということで、Turn、Time、Twist、Throttle、TalkというIFRでの操作の順番にしたがいます。この場合は、Turnをまず開始して、タイマーをセットします。ちなみにTwistとはVOR Indicatorのセットのこと。

今日は、なかなかの精度で指示に従うことができ、Mikeも満足そうです。ひとしきり練習した後、いつものように帰路へ。00UはHSI装備のせいか、ホーミングも楽な気がします。風を感じつつ、補正を入れてラディオに乗せます。風向が変わるのも分かり、それに合わせてヘディングを調整します。この頃には雲も減って来ていました(視野の隅に外が見えています)。それでも、前に比べて、外を見たいという気持ちが減ってきました。素直に計器だけ見て飛ぶ癖がついてきたようです。ATISを聞いて、Before Landing Checklistを実施して、Towerにコンタクトしてという流れも慣れてきました。

今日は26Lへの着陸許可のため、ILSのトラッキングはなく、ヘディングと降下指示にフードをかぶったまましたがいます。風が右からのクロスウインドになり、着陸はクラブ、デクラブとやりましたが、これをきれいに決めるには、もう少し経験が必要なようです。

到着後のデブリーフィングもMikeからの指摘は特になく、こちらからElectric Failureの際のHeading IndicatorでのStandard Rate Turnのバンク角について質問したのみです。どの機体も大体15度前後なので、それに合わせるようにとのこと。また、慣れない機体の場合は、事前にどの程度の角度の旋回が標準旋回率になるか、チェックしておくと良い、とのことでした。次回からは、Navigationに重点を合わせたトレーニングに進むとのことで、まずは一段階が終わりつつあるようでホッとしています。

飛行実績
飛行時間:1.4(累計90.7時間)
:PIC時間0.0時間(累計34.6時間)
:Instrument 1.3時間(累計7.0時間)
:Instruction 1.4時間(累計9.5時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:1回(累計219回)
:夜間0回(累計10回) 

グラウンドスクール:
内容:ブリーフィング、デブリーフィング
0.2時間(累計4.1時間)

2011年7月13日

[IFR07]再び夕方のトレーニング

今回も、晩に仕事が終わってからのトレーニングです。8時過ぎまで明るいので、晩と言っても夕方の感じですが。Mikeは、前回は暑さとレッスンで疲れていたので心配でしたが、今回は夕涼みに最適な風が吹いています。前回より、ずいぶん元気そうです。

まずは、グラウンドから。メールでナブログや自身のフライト記録用に作成したExcelのファイルを送っておいたので、その説明から。Mikeはなかなかパソコンが好きなようで、喜んで機能の説明を聞いてくれました。他の学生にも渡して勧めるとのこと。お役に立てれば良いのですが。

グラウンドの内容は、予習してきた内容の確認程度。IFRのフライトプラン提出について、VFR on TOP、Climb to VFR on TOPの違いについて、詳しく解説を受けました。前者は、出発30分前までの提出、出発時間から1時間はプランが保持されるが、それ以上経っても出発しない場合は、プランは取り消される、とのこと。後者については、VFR on TOPはLevel Off後もそのままIFRが維持され、アプローチなどもIFRとなるが、Climb to VFR on TOPは、上昇時だけ雲などを突っ切りたいような場合に依頼し、原則Level Off後はVFRに切り替える、とのこと。なかなかややこしいですが、要は、IFRとしての許可が出る範囲(目的地までか、上昇に必要な通過地点までか)の違い、ということのようです。

 IFRに必要な知識ですが、ルールがかなり細かくあり、しかも常識で判断できないような内容も多いので、独学だけでは理解がなかなか進みません。Mikeの説明を受けて、一つずつ合点が行くという感じで、逆に言うととても勉強している気にさせられます。 テキストを読み進めていますが、次回はGroundはお休みにして、Flight Trainingの内容をHoldingまで進めてから、再開しようとのこと。

Flight Trainingは、Partial Panelに入りました。これは、パネル故障に備え、パネルを隠して飛ぶ訓練のことです。今回は、Vacuumの故障を想定して、Attitude Indicator、Heading Indicatorを隠します。離陸してフードをつけると、Mikeが吸盤が付いたパネル隠し器のようなものを、それぞれの計器にペタッと貼り付けました。その状態で、これまでと同じように、上昇、下降と旋回の組み合わせを何度も行います。

Attitudeはともかく、Headingはコンパスがあるから大して困らないだろうと思っていましたが大違いで、コンパスのLead、Delayがここまでとは思っていませんでした。コンパスを見て、翼をレベルにすると、するするとコンパスが進んで回ったり、逆に戻ったり。酷いときは20-30度も目標ヘディングとずれてしまいます。Mikeがにやりとして、「だからTimed Turnが必要なんだ」とのこと。コンパスは水平飛行している時しか当てにならないと考え、旋回角度は時間で測るのが重要とのこと。IFRでは旋回は原則としてStandard Rate Turnなので、1秒間に3度で旋回します。これで必要な秒数を計算して、その時間だけ旋回することが重要ということです。

Timed Turnの練習で、はじめは「1秒、2秒、・・・」と口に出して数えましたが、Mikeからは「数えるのがゆっくり過ぎる」との指摘。声に出して数えるのではなく、タイマーを使うべきということでした。タイマーが訓練機には付いていなかったのですが、代わりに秒針付きの時計が付いていたので、その秒針を頼りに旋回します。旋回率も出来る限り標準にしないと角度がずれてきます。また旋回を終える時も、もたつくと旋回角度に差が出てしまうので、気をつける必要があります。精度は+-10度とのことで、頑張って合わせるように気をつけます。この旋回に合わせての上昇、下降、さらに上昇は80mph、下降は90mph、500fpmと条件が付くので、必死でそれぞれの数字に合うように操縦します。風が穏やかなので良いですが、これで気流が乱れていたら、合わせるのは至難の業になりそうです。

Chinoに戻る時は、再び2000feetに降下、PDZ VORインバウンドトラッキング、チェックリスト実施、ATIS受信、PDZ上空でタワーにコンタクト、そこでMikeがVOR IndicatorをILS Rwy26Rに
変更し、 HDG維持の後インターセプトという、これまで通りの流れとなりました。「Small Correction」と言われますが、なかなか戻らない針についヘディングを大きめに変えてしまいます。それでもフードを外した時、これまでよりは良い位置にいました。安全を考えてか、MikeからGlideslopeは追わずに高めに降りるよう指示が出されているので、ダイブするような形で滑走路に降りて行きます。

いつもここからの速度処理が難しく、ダイブのせいで速めとなりバルーニングを起こしやすいので、フレアを引きすぎないようじっと我慢します。今回は、何んとかましな着地になりました。到着後のデブリーフィングではMikeから、
・必要な周波数はリストにして控えておくこと
・チェックリストは言われなくても実施すること
という、極めて当たり前の内容でした。これがまだまだ出来ていないということで、しっかり準備をしておかなければと思います。

IFRのトレーニングは、VFRと違って出来たという達成感(単にまだ下手だからだと思いますが)や爽快感(常に目隠しされているので飛んだという感じがしません)がなく、変に気疲れするといった印象です。自由に大空の下を飛びたいと思いますが、この少し辛いようなトレーニングを乗り越えることで、より安全に飛ぶことができ、また技術も身に付くのだと考えて頑張りたいと思います。いくつかのブログで、プライベートのトレーニングの記録は詳細に書かれていても、IFRのトレーニングの記録があまり無いのが分かるような気がします。IFRは地味で、変わり映えがしなく、ある意味ストレスフルなものです(笑)。

飛行実績
飛行時間:1.1(累計89.3時間)
:PIC時間0.0時間(累計34.6時間)
:Instrument 0.8時間(累計5.7時間)
:Instruction 1.1時間(累計8.1時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:1回(累計218回)
:夜間0回(累計10回) 

グラウンドスクール:
内容:テキストChapter3 Section B、C
:Instruments、VOR、Airspace
0.7時間(累計3.9時間)

2011年7月7日

[IFR06]Mikeお疲れ気味

前回のトレーニングから、しばらく日にちが空きました。その間、4.5時間のクロスカントリーと0.6時間のLocal(友人を招いてのデモフライト)はありましたが。最近、LA周辺は湿度が高く、CB(積乱雲)も多く発生するなど、天候も不順です。何よりも、強い日差しと高い湿度で、さすがにぐったりします。そんな中、今回は西日の最もきつい午後6時からのトレーニング。

前のトレーニングから戻って来たMikeの表情も、かなりぐったりしています。まずはグラウンドということで、Instrument、Air Spaceについて復習がてらおさらいします。理解しているつもりでも、細かい語句の意味を尋ねられると、英語で説明するという事もあり、なかなかすらすらとは出てきません。しかし、こういう事が口頭試験の時に尋ねられるのだと思います。

一時間ほどグラウンドをした後は、フライトへ。HSI装備の訓練機は内装が外されていて、Lou校長によれば来週に内装を付け直すとのこと。それは良いのですが、内装である壁のポケットに入っているFuel Samplerが見つからず、Fly Coronaでの流儀にしたがって他機から調達します。Louにその旨告げると、機内にあるはずとゴソゴソと機内を探し出します。この辺りは、几帳面なLouの性格が出ています。さらに、PreflightでLanding Lightが切れていたことを告げます。もしかして、修理になるかなと思いましたが、Louはとても悲しげな顔はしたものの、あっさりと「明日、直すから」とのこと。そのままこの機体で出発できることになりました。Samplerも無事に見つかり、他機のものは元に戻します。

今日の訓練内容はStraight "S"とVORトラッキング。Straight "S"というのはこれまでもやっていましたが、とにかく上昇、下降を水平飛行、旋回と合わせて繰り返すこと。上昇は80mphのVyで、下降は90mph、500fpmが標準値で、その途中にヘディングの指示も頻繁にMikeから出されます。どうも、水平飛行に移る時に旋回も終わるような、2つの動きを合わせた操作をさせたいようで、狙って指示を出してきます。西日が強く、フードをかぶっていても日除けを出すほどですが、気流は安定しており、操作は問題ありません。Mikeも「Very Good」と言ってくれます。

それより問題が出てしまったのがVORトラッキング。VORに近い時は、バーに敏感に反応し過ぎずに我慢することと習ったためか、単にまだ操作が慣れきっていないせいか、少しずれていてもそのままにしてしまい、Mikeに「もっとコースに乗らないと」と何度か注意を受けます。Mikeも多少疲れているのか、教え方にいつもの余裕が感じられず、どうして出来ない?といった雰囲気です。こちらも、それを感じてうまくやろうと思うのですが、修正操作が足りないか、操作が大き過ぎるかのどちらかになってしまいます。

帰り道は降下、VORトラッキング、ATIS受信、Towerへの連絡、Before Landing Check Listを指示され、順番にこなしていきます。その間にMikeがVOR IndicatorをILSにセット。40度ほどの角度でアプローチ。Barが動き出したらNormal TurnでInterceptしろ、とのことですが、少しオーバーシュートになってしまいました。ここからの修正が難しく、なかなかコースに乗りません。デブリーフィングで言われましたが、どうもCourseの左側を並行に進んでしまう癖があるとのこと。「何か特別な理由があるのか」と聞かれますが、そんなものはありません。合わせようと思うのですが、上手くいかないというだけです。

そんなで、上空3500~4500feetでも熱い空気を感じながらの訓練を終えて、着陸。フードは直前に外して良いと言われます。アイドルにしてFlapを2ノッチに下げてダイブする感じで滑走路端へ。最後はきれいに決めようと思いフレアまできれいに決まったと思いましたが、Mikeからは「フレアが高すぎる」と一言。そう言われてみれば、確かに高いようでそのまま沈んでいきます。がんばってフレアを足しますが、ガシャンとした着陸に。どうも今日は課題の残るトレーニングになりました。

デブリーフィングでは、「VORトラッキング、ILSの双方で、コースからずれて並行する癖があるようだ」との指摘。理由を尋ねられても、自分で特に思いつかないのですが、敢えて言えば、過修正を恐れるあまり、じきに少しずつコースに乗るだろうと思ってしまっているのでしょうか。もしくは、スキャン(計器をまんべんなくチェックすること)の不足かもしれません。

なんだかMike共々、お互いぐったりした感じで、今回のトレーニングは終わりました。なんでもMikeの疲れは、今日だけでなく昨日の子供サービスで一日中プールに入って日を浴び続けていたこともあるそうでしたが。日の長い(8時半ころまで明るい)このシーズン、晩のトレーニングも良いかと思いましたが、お互いがつかれた状態でのトレーニングになることも考えないといけないかもしれません

飛行実績
飛行時間:1.1(累計88.2時間)
:PIC時間0.0時間(累計34.6時間)
:Instrument 0.8時間(累計4.9時間)
:Instruction 1.1時間(累計7.0時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:1回(累計217回)
:夜間0回(累計10回) 

グラウンドスクール:
内容:テキストChapter2 Section C、Chapter3 Section A、B
:Instruments、VOR、Airspace
1.0時間(累計3.2時間)

2011年7月5日

[PIC20]最年少乗客を乗せて

友人が近々日本に帰るとのことで、その前に一度セスナの空港を見学して、空港のダイナーで食事でもと誘っていました。この友人、宇宙飛行士を目指されている研究者で、同じく研究者のご主人を日本に残し、3歳のお子さんと二人でアメリカで生活されています。すごいバイタリティです。

さすがに3歳の子をセスナに乗せるのは難しいし、友人やご主人も心配だろうと思い、あえて搭乗までは誘わずに、アメリカの飛行機文化を味わいに空港見学でも、というつもりでした。こうした場合は、フレンドリーなCorona空港が向いています。そして、ついでにスクールでC172を少しだけ予約しておきました。私がトラフィックパターンを回るデモンストレーションでもしようかと考えて。

独立記念日の前日、土曜日にもかかわらず仕事を終えてから午後6時頃にCorona空港に友人と向かうと、なんと空港のゲートが閉まっています。普段は8時過ぎまで開いているのですが、祝日前日だからでしょうか。ちょうどスクールのCarlosが車で出てくるところだったので聞いてみると、「今日はスクールも閉まっているけど、予約しているのだったら、フライト管理簿は用意できているから飛べるはず」とのこと。フライト管理簿は、Hobbsなどを記入するファイルで、鍵も付いていて、これを借り出して飛びます。スクールが閉まっているときは、外のファイル入れに入っているので、ここから持ち出して飛びに行きます(のどかな事この上ない方式ですが)。

それは良いのですが、ゲートが閉まっており、ゲートカードを持っていない私には空港に入る方法がありません。これもCarlosに相談すると、向かいの公園の駐車場に止めて、人間用のゲートから入ればよい、とのこと。人間用のゲートは番号ボタンが付いており、暗証番号を押すと開く仕組みになっています。これで問題は解決ということで、Carlosに礼を言ってから、そのようにします。

一応飛行機を借りてあるということで、「一応」お子さんのベビーシートも持ってスクールに向かいます。もしかしたら、飛ぶかもということで。ゲートの閉まった空港内は人気もなく、貸切といった感じです。お子さんは喜んでセスナの周りを走り回り、私と友人はC172の飛行前点検を解説しながら行います。そのながれで、「一応」ベビーシートが後部座席に装着できるか試したところ、きっちりとはまりました。これは、お子さんも一緒に飛べることになります。

風は10knots程度で滑走路に正対しています。Hazeが出ており、地表付近は揺れても上空の気流は安定してそうです。友人と打ち合わせて、まずはパターンに上がり、ダウンウインドでお子さんの状況を判断して戻るか決める。大丈夫だったら、Lake Mathewsまで行って遊覧して戻る、ということにしました。

もう一つ心配だったのが、ヘッドセットです。スクールでは管理簿入れにヘッドセットも入れてくれていましたが、子供サイズではなく付けられるのか。また、3歳の子がじっと付けていてくれるのか気になりました。やはりつけてもすぐに外してしまいましたが、エンジンが回ってもうるさそうにもしません。とてもご機嫌でニコニコしています。Runupも無事に済ませ、いざ離陸へ。離陸しても、後ろのお子さんはニコニコして外を見ています。上昇中に揺れても気にしていません。これはいけるかもということで、DownwindからLake Mathewsへ向かいます。

さすがに急激な操作をしないように気を付けます。この辺りはIFRの訓練の成果が活きているかもしれません。上がってしまえば、風はとても穏やかで、全く揺れません。湖上空で、左右に旋回し、夕暮れ時の景色を楽しみます。お子さんも友人も窓に顔を付けて外を眺めます。お子さんは、まだまだ上機嫌でしたが、ヘッドセットを付けずに長いこと騒音や揺れの中にいることもどうかと思い、帰途に付きます。周りにトラフィックもおらず、静かな中をトラフィックパターンを回って着陸。地表の風が悪く、着陸直前に少し流されてしまいましたが、ラダーで修正して着地。ただし、慣れない人には少し怖く感じさせてしまったかもしれません。

最後までお子さんは上機嫌で、その翌日も友人から、お子さんが「飛行機楽しかった」と言っているとメールをもらいました。PICとして最年少のお客さんを無事に乗せることができて、良い経験になりました。ただし、空港自体が閉まっていたためダイナーもお休みだったのは少し残念でしたが。


飛行実績
飛行時間:0.6(累計87.1時間)
:PIC時間0.6時間(累計34.6時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:1回(累計216回)
:夜間0回(累計10回)

2011年7月3日

[PIC19-3]砂漠から海から内陸まで大飛行(その3 Chinoまで)

その2から続き 

Camarilloからは、Riversideまでのレグです。今日はこれまでに早くも、4回の着陸、合計2.6時間のフライトをこなしています。休憩を取っているとはいえ、自身の疲労にも気を付けながら、5500feetでRiversideへ向かいます。
Hazeが若干ありながらも視程は良好
離陸で、あまりに慌ただしい到着機やトラフィックパターンを回る機を5分以上待ちましたが、やがてビジネスジェットの着陸から時間をおいて離陸許可が。後方タービュランスに気を付け、ローテート位置をジェットの着地点の先にするように意識して離陸します。右パターンを回って東へと出発。そのままFreeway10にしたがって進みます。ここは、プライベートのトレーニング中に夜間やソロのクロスカントリーをしたルートで、懐かしく感じつつ進みます。風の状態はとても穏やかで、視程も問題ありません。

El Monteを過ぎてしばらく過ぎた辺りで、「If possible, direct Riverside Airport」との指示が。願ってもない指示で、GPSにRiverside空港をセットし、それを参考にしつつ進んでいきます。Ontario空港とChino空港の間を抜け、3500feetまでの降下指示、続いてさらなる降下許可をもらいつつ進みます。Socalは各空港のATISも読みあげてくれるなど、とても親切な印象。Riversideへの移管もスムーズに進みました。
LAダウンタウンの北を通過中
Riversideでは、Enter Right Downwind Rwy27を指示され、同時にLeft PatternのCessnaに続いてNo.2と報告が。目を凝らしていると、Cessnaを視認しました。Towerからは、「CessnaはTouch & Go」との連絡もありました。 ならば、それほど距離を開けなくてもよいだろうと思い、Finalに入った彼らとすれ違った直後にこちらもBaseへ。速度を落としながら高度を処理し、Finalへまわります。さすがに少し早かったようで、着陸したCessnaが飛び立つのをじりじりと待ちながら滑走路に接近しますが、Cessnaはなかなか飛び立ちません。Go Aroundしないといけないかと思った瞬間、Cessnaがし始めました。ほぼ同時に、こちらはThresholdを通過。もう少し距離は開けるべきだったかもしれません。まあ合格と自分でも思える接地のあと、滑走路から出てGroundへコンタクト、と思ったら周波数を変え忘れており、そのリクエストはGroundへとタワーから言われます。気を取り直してGroundへコンタクト。ターミナルビルまえのTransientへ向かいます。ターミナルビルの前には、Sさんが待っていてくれました。Camarilloからは1.3時間かかりましたが、出発前の時間が長く、実際のフライトタイムは1時間を切っていました。
Riverside空港にて
Sさんが乗り込み、再会の挨拶を交わした後、今後のプランを詰めます。ただChinoへ戻るだけも面白くないので、一度Flabobへ着陸すること、ただし慣れない機体での小さい空港へのアプローチなので、不安を感じたらすぐに着陸を中止し、そのままChinoへ向かう事を打ち合わせます。こうした打ち合わせをスムーズに出来るのは、同じパイロットだからという事で、少し嬉しく感じます。

Riverside離陸後は、Right DownwindがそのままFlabobのLeft Downwindといった近さで、そのまま回り込みます。FlabobはDownwind上に山(Mt. Rubidoux)がそびえたっており、ショートファイナルとならざるを得ない難しいアプローチを迫られます。その上、滑走路の幅は50feetと狭く、路面の舗装状況もあまり良くありません。ここでも我慢を重ね、接地までバルーンしないように進みます。ここも、まあ合格といった感じの着地の後、かなり滑走して減速しました。そのままタクシーバックし、離陸。離陸直後にRiversideにTransitionのコンタクト、2300feetでレベルオフ、Chinoへの移管、コンタクトと慌ただしく処理して、Rwy26Rへの着陸許可をもらいます。本日最後の着陸も、まあまあ。タイムは、RiversideからFlabob、FlabobからChino共に0.3時間ずつ。

その後、いつものようにスクールにタキシングし、シャットダウン。翼が長いため、トーイングして他の機体と駐車しているピックアップの間を通過させる自信がなかったため、スクールに顔を出すとMikeが。お願いすると快く引き受けてくれ、皆で注意しながらトーします。駐機場周りが狭いことが、このスクールの難しい点でしょうか。 かなり気を使います。Mikeに、CFIになったばかりのSさんを紹介します。Sさんは先週ArizonaでCFI、戻って来てからGround Instructorも立て続けに取得したとのことで、今後の活躍ぶりが楽しみです。

その後、Sさんとフローズンヨーグルトを食べつつ、航空英語を活用した英語教育、などというまともなように聞こえてくだらない話をひとしきりして、Riversideで解散となりました。Sさんは間もなく日本に一時帰国だそうで、折角知り合った飛行機仲間があっという間にいなくなるのは、さみしい気がします。 

飛行距離(直線距離):
CMA-RAL 84nm
RAL-RIR 3nm
RIR-CNO 11nm
Total 244nm(All Legs of the Day) 約450km 

飛行データ(Google Earth上で表示されます):
ダウンロード(Google Earhが必要です)

飛行実績
飛行時間:4.5(累計86.5時間)
:PIC時間4.5時間(累計34.0時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:7回(累計215回)
:夜間0回(累計10回)

[PIC19-2]砂漠から海から内陸まで大飛行(その2 Camarilloまで)

その1から続き

Mojaveを飛び立つと、次はAgua Dulceに向かいます。Rwy8から離陸後Right Turnしてそのまま出発。到着機とすれ違いながら7500feetまで上昇します。Flight Followingを依頼しますが、距離も短く、必要なかったかもしれません。Palmdaleの西側を通り、砂漠の向こうの小高い山並みの向こうに、空港が見えてきました。山の中の小さな空港です。Flight Followingも終了され、高度を下していきます。Rwy22はRigtht Patternなので西から回り込んで45、Downwindと入ることとし、その旨を通報します。
Mojave着陸前、OverheadからDownwindに旋回中
ただし、空港のある谷間の幅が狭く、滑走路から十分な距離を取ることが出来ません。ここは滑走路上空を通過して右旋回しDownwindに入るのが良かったかもしれません。かなり急な左旋回で強引にDownwindに入ります。それでもDownwindは滑走路に距離が近く、Baseを取る間もなくそのまま旋回を継続してFinalへ。少しオーバーシュート気味でした。Finalも山があり、山に沿って高度を下すイメージで、とても狭苦しい感じです。この空港に降りるには、速度を落としてパターンを回る必要があります。さらに滑走路は幅が50feetしかありません。慣れない、しかも翼の長いWarriorで降りて行くのに細心の注意を払います。
Mojaveで佇むジェット旅客機たち
またしても接地まで耐えて着陸、下り勾配の滑走路をランウェイエンドまで滑走して減速しました。そのままタクシーバックしますが、誘導路も狭く、途中のエプロンに駐機中のヘリコプターやグライダーと翼が当たらないよう、十分に注意をして通過します。山の空港という感じで、きれいでかわいらしい雰囲気です。ただし今回はそのまま出発します。離陸に関しては力強いWarrior、特に心配はありませんが、念のためFlapを1ノッチ出して離陸します。上昇後、ぐんぐんと高度を上げ周囲の山を軽く超えます。C150だったら、かなりきついところでしょう。そのまま西南に針路を取り、Camarilloへ。

Magic Mountain(遊園地)の上空を通過しました
Flight Followingを取り、6500feetで進みます。海側も視程は良く、Socalからも早速3500feetまでの降下許可が。Camarilloは高度が海抜77feetで、2660feetのAgua Ducheからはかなり降りる感じです。やがてさらなる降下の許可とMugus Appへのコンタクト指示が。Mugusの管制官は、かなり忙しそうな様子です。CamarilloのRwy26の延長線上に入ったところで、Camarillo Towerへの移管を指示されます。ここでタワーへの位置通報で失敗をしました。自機の位置をEastというべき所をWestと言ってしまい、管制官から確認されます。なぜかWestと思いこんでしまっており、Affirm, we are at west of Airportと言った後に間違いに気がつき、訂正。それでもTowerからは、「It often happens」とやさしいフォローの言葉をかけてもらいました。
Camarilloにはこんな水陸両用機もいました
No.3での着陸とのことで、速度を落としてアプローチ。かなり気を使って接地しましたが、直後に浮かんでしまい、 今日で一番ダメな着陸に。位置通報、着陸と良いところはありませんでしたが、気を取り直してTransientまでタキシングします。ここでも空港Cafeで休憩。ここのCafeは砂漠のど真ん中のMojaveとはうって変わって、おしゃれな海沿いの雰囲気です。
空港カフェのテラス席
ここでRiversideのSさんに連絡を取り、これからRiverside空港に向かうこと、時間が合えば会いましょうと連絡します。チャートとGPSで次の経路を確認しつつ、フレンチトーストとトロピカルティーでおやつの時間とします。

飛行距離(直線距離):
MHV-L70 34nm
L70-CMA 42nm 

その3へ続く

[PIC19-1]砂漠から海から内陸まで大飛行(その1 飛行機の墓場Mojaveまで)

今日は、クロスカントリー用に一日飛行機をDu Boisで予約してありました。いつものチェロキーにしようと思っていましたが、LouからWarriorIIに代えてくれないかとの要請が。乗ったことのない機体なので、その旨を伝えると、チェロキーとほとんど同じなので問題ないよ、とのこと。しかし出発までは、色々ありました。
本日の搭乗機Cherokee Warrior II
まずは、コールサインについて。コールサインの頭には、セスナだとか、チェロキー、ムーニーなど機種を示すサインを付けます。この機体の場合、CherokeeなのかWarriorなのか分からなかったので、聞いて確認します。結果はCherokeeで良いとのこと。機内に乗り込むと、計器やスイッチの位置がずいぶんと違い戸惑います。まずは、見まわして慣れることとします。一番の違いは、エレベータートリムが天井ではなく床についていること。縦にまわす形式なので、直観的で分かりやすい感じです。外観上の最もはっきりした違いは、翼が長いことです。これはMikeからも聞いていましたが、Ground Effectも強いという事で、ランディングには注意が必要です。

さらに、いざエンジンを始動しようとしますが、エンジンがかかりません。Cherokeeのようなスタートボタンはなく、セスナと同様にマグネトーに挿したキーをまわす方法なのですが、ピクリともしません。サンルーム状態のコクピットで汗をかきながら色々試しますが、ダメです。あきらめてスクールに戻り、グランドスクール中のLouに尋ねると、笑いながら「まわした上で押すんだ。みんなそれで戸惑う」とのこと。先に教えて欲しかったですが、これでようやく出発できます。

今日の目的地は、Mojave、Camerilloとまわるルート。ただし、さすがにいきなりは不安なので、まずはChinoで一周トラフィックパターンをまわってから出発する事にします。Rwy26RからRight Trafficで一周。Cherokeeと同じ160hpのエンジンですがとても力強く、翼の大きさもあってか、ぐんぐんと上昇していきます。クロスウインドでTPAに到達しました。課題の着陸は2ノッチのフラップで降りましたが、さすがにGround Effectが強く、降りるまでじっくりと待つ必要があります。降りた後も、機体が少しだけでも大きいせいか、減速のための滑走距離がずいぶんと必要な感じです。
Ontaio空港直上(midfield)を通過。2500feet
まあ無事に降りれることが分かったので、タクシーバックしながら、Ontarioのmidfield通過も含めてFlight FollowingをGroundに告げます。ランウェイエンドでTowerにコンタクトすると、maintain at or below 2000feet until further advise, remain class C airspace until 2way communication establish with Ontario Towerという条件の後で、SquawkとRight Turnの許可、さらに離陸許可が出ました。離陸後、右旋回してOntarioに向かいます。そろそろOntarioにコンタクトしたいというタイミングで周波数変更の許可。すぐさまコンタクトすると、2500以下で空港直上通過の許可が出ました。Ontario空港上空を通過します。真上でさらに上昇の許可が。それにしてもOntario Towerの女性管制官は、何回もCherokeeをMooneyと呼び間違えます。毎回、笑いながら「Sorry」や「I apology」とのフレーズで訂正してくれます。間違えていますが、何だか和むような交信になっています。
Cajon Pass通過に向けて高度を上げています
力強く上昇しながら、Socal Appに移管。いよいよCajon Pass越えにいどみます。8500feetまで上がる計画ですが、ぐんぐんと高度を上げ、Cajon Passの入り口辺りでLevelになりました。全く揺れもなく安定した峠越えです。峠を越えて高地の砂漠地帯に入ると、すぐにJoshua Appに移管。これは、米軍の管理する空域です。飛ぶ機体も多くなく、落ち着いた交信が続きます。
Cajon Pass通過中
Warriorは95knots程度で進み、Palmdale VORにトラッキングし西に進みます。IFRの練習といった感じです。あっという間Palmdale VORに到達し、変針して北上します。降下許可が伝えられ降下を開始します。視程も良く、すぐにMojave空港が見つかりました。Joshua AppからはMojave Towerにコンタクトと言われ、すぐにコンタクトしますが「Mojave Tower is closed now」との返答が。調べると、Towerは月から金までの運用で、週末はお休みでした。着陸滑走路を聞いても、「現在無風。そちらの判断でどれでも使用可能」との返答。Rwy8を使用することとし、Midfield通過後、Left Downwindに進入すると通報。

Mojaveは売却先を探す機体の保管や、部品取りの機体が置かれる場所として有名で、 上空からも多くのジェット旅客機が目に入ります。空港をぐるっと回る形で着陸。かなり接地は伸びましたが、まあまあの着陸。レストラン前のTransient Parkingに駐機します。Chinoを出発して、1.1時間でした。
Mojave到着前、シャトルも着陸した事のあるEdwards空軍基地が望めました
レストランで小休憩。ジュースとオムレツでランチとします。レストランは明るく清潔な感じで、オムレツもなかなかの味。ここで、次のレグをそのままCamarilloに向かうのではなく、Agua Dulceに立ち寄ることを思いつきます。AF/D出データを確認し、さらにGPSに飛行データを入力します。

飛行距離(直線距離);
CNO-MHV 70nm

その2に続く

2011年7月2日

[IFR05]初のSTOL機でのトレーニング

今日は時間が出来そうだったので、急いでトレーニングの予定を追加。急遽ということもあり、普段の機体は埋まっており、初めての機体でのトレーニング。スクールのチェロキーは3機あり、装備は大体共通ですが、今回の機体のみSTOLキットが装着されています。STOLキットというのは、離着陸性能を高めるため、翼の形状の変更や整流版などが付加されているもので、これにより失速速度を4knots下げることが出来るものだそうです(スクールのホームページの情報より)。スクールの機体には一つずつ愛称が付いていますが、この機は「Mountaineer」です。そのSTOL性能を駆使して、山岳飛行を得意とするようです。

Mikeにこの機体の特性を尋ねると、「STOLキットの影響で、グラウンド・エフェクトが強い」とのこと。最近のバルーン気味の着陸を考えると、少し嫌な予感がします。Before Flight Inspectionをすると、どうもエルロンの動きが他の機体より軽い気がします。最近分かってきたのは、機体によって、この辺りのコントロールの重さが結構違うことです。これは、CessnaでもPiperでも同様です。

Mikeですが、歯痛もだいぶ良くなってきたとのことで、 落ち着いてグラウンド・スクールが出来るようになりました。ノートパソコンを駆使して、シラバスやその他の資料を見せてくれます。教え方がとてもオーガナイズされていて素敵です、と言うと、全てのインストラクターはこうであるべきだ、と自信をもって微笑むMike。今後のFlight Training、Ground Schoolの進め方について話をしていると、プライベートパイロットの訓練で、ソロクロスカントリーに出発するMikeの生徒が、ナブログを見せに来ました。

それによると、ChinoからHomeland VORを経て、Borrego空港、Julianを超えてPalomar、そしてChinoと戻ってくるルートでした。かなりの山岳飛行ですが、巡航高度は5500feetになっています。これは無理とMike。いや、上昇するから大丈夫と生徒さん。各レグについてそんなやり取りがあり、まるでたしなめる父親と向こう見ずな息子のような感じに。Julianの周りはExtreme Turbulanceと地図にも示されており、私はとても飛ぼうとは思わないルートです。最終的には、十分気をつけて出かけておいで、途中の空港に着いたら、連絡を寄越すようにということで、MikeはOKを出しました。

私たちも、グラウンドを終えて出発します。すぐ後に、その生徒の機体が続きます。ランナップでは、Mikeは横に並んだ彼を先に行かせたかったようですが、準備をしている様子が見えたので結局はこちらが先に出発。出発後も2セットあるラジオを駆使して、彼の様子をずっと追っていました。「全然なってない」、とFlight Followingを依頼する様子を聞いて呟きます。こうやって、心配されながらパイロットは育つんだなあと、自分のことも振り返りながら思います。

そんな思いもつかの間、いつものようにフードをかぶり(グラスをかけ)、Mikeの言うがままにしたがって飛行するトレーニングが始まります。この機体は、どうもTrimが繊細で、うまく決まってくれません。しかも、上昇・下降、旋回、速度指示とさまざまな指示がひっきりなしに出されます。指示に従いながら必死に操縦します。とにかく忙しい、という感じです。もう少し機体が安定してくれると良いのですが、特にピッチを中心にふらつき、忙しさに輪をかけます。Lake Mathewsの周辺を飛んでいるのは分かりますが、どの辺りかは分かりません(ときどきMikeが行う位置通報で分かりますが)。

そんなフライトをひとしきり続け、ようやく帰還の指示が。Paradise VORのラジアルに乗り、直上を通過せよ、2000feetまで降下せよ。降下の際は90mph、500fpmを維持せよ。ChinoのATISを受信し、Paradise VOR上でコンタクトせよ。Before Landing Checklistを実施せよ。この指示が一度に来ます。IFRで飛ぶには、これらを安定して処理しなければいけないとのことで、忙しがっていてはいけないそうです。ふらふらしつつも何とかこなします。

Paradise VORからは、ILSに乗る練習です。まだ正式なアプローチではないのですが、ILSのローカライザーとグライドスロープに乗って降下する方法を教わります。フラフラしてしまい、なかなかうまくはいきません。 Mikeからは「少しの操作だけ。あまり大きく修正しないこと」と注意を受けます。フードをはずす許可が出た場所は、Rwy26Rの延長線上でしたが、かなり高い位置でした。エンジンをアイドルにして降りて行きます。Flapは2ノッチ(Cessnaの20度に相当)とすることをMikeに伝えます。STOL機の特性が心配でしたが、Flapを下ろしきらなかったせいか、前より我慢が出来るようになったせいか、着地点はずいぶん伸びましたが、バルーンニングはおきずにスムーズに着地できました。ただし、いつものように左にずれてしまいましたが。

ようやくタワーやグランドとのコンタクトにも慣れ、Mikeもコンタクトが終わると親指を立ててくれます。地上滑走を終えてスクールに戻ってきたところで、シャットダウンリストを読み上げていると、Mikeが「Watch Out!」と叫びました。何かと思うと、フットブレーキが十分ではなく、じりじりと前に進んでしまっていました。かなり危険なことで、まだまだ気持ちに抜けがあったと大いに反省しました。

Mikeの良いところは、毎回の飛行後に、きちんと机に座って講評をしてくれることです。InboundのVORトラッキングは局に近づくにつれて動きが繊細になるから、ふらふら動かずに我慢することが重要、というのが今日の指摘でした。自分からは、ピッチがいまいち安定しなかったと告げると、トリムの使い方が重要との返事をもらいました。今日は自分の意識としては、際立った達成感はありませんでしたが、少しずつフードフライトに慣れてきている気がします。

トレーニングの後、Kudjoと話になりました。連日の訓練でかなり疲れていること、ATCはKudjoも大変ということでした。ATCはアプローチを開始すると、さらに話す内容が長く、複雑になるそうで、聞いていて不安な気持ちになりました。文例集でも探して、少し早めに取り組んでみたいと思います。

飛行実績
飛行時間:1.1(累計82.0時間)
:PIC時間0.0時間(累計29.5時間)
:Instrument 0.8時間(累計4.1時間)
:Instruction 1.1時間(累計5.9時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:1回(累計208回)
:夜間0回(累計10回)

グラウンドスクール:
内容:テキストの進め方、シラバスについて
:Instruments
0.5時間(累計2.2時間)