2011年9月29日

[IFR31]最長XCでSan Luis Obispoまで

また1週間以上トレーニングが開いた後で、今日はCNO(Chino空港)からSBP(San Luis Obispo空港)までのロングクロスカントリーを行ないました。行きは201nm、帰りは200nmのルートです。250nmあれば良いので、ずいぶん多めですが、まあ良いとしましょう。それに、このトレーニングはFAAルールではXC PICタイムとしても計算できるので、不足気味の時間を埋めることにもなります。

San Luis Obispoはこれまで車で出かけたことがありますが、車だとFreewayを飛ばしても4時間半はかかる道のりです。これが飛行機では2時間で行けてしまうので、便利なものです。行きのCNO-SBPはTEC Routeが設定されていないため、初めて正式のIFRとしてフライトプランを入れ、クリアランスをもらいます。プライベートの時も、結局フライトプランを入れたことはなかった(入れる真似で終わりました)ので、今回が完全に初めての経験になります。Mikeにやり方を聞いて、その場で電話します。1-800-WX-BRIEFという覚えやすい番号に電話して、音声認識システムでブリーファーを呼び出し、必要事項を読み上げて伝え、ファイルします。このほかにインターネット上でプランするサービスも複数あります。

ファイルが出来るまで30分かかるとのことで、その間にMikeと打ち合わせ。SBPに行くのはMikeも初めてとのことで、チャートを二人で読み込み、想定されるATCを検討します。その際に、思いがけない言葉がMikeの口から。「IFRの学生はキミが初めてだからね。言ってなかったっけ」。聞いていなかったと思います。これまでVFRの学生ばかり教えていたそうです。通りで、時々質問に怪しい答えが出てくるのかと合点しました(笑)。それでも、ちゃんと後できちんと調べてくれるので、問題はないのですが。

フライトプランを入れて30分経ったところで、出発します。GroundにIFRクリアランスを要求すると、すぐにクリアランスが伝えられました。「Cleared for SBP, on departure, Fly hdg260 to join V186 then as filed...」とのことで、出発時以外はこちらのプラン通りに許可されていました。これはread backも簡単でした。Mikeはそれでも、「完璧。素晴らしい」とATCとのやりとりをやたらほめてくれます。チェックライドに向けて自信をつけてくれようとしているのを感じます。

クリアランスを受け取った後にタキシング、ランナップ。全く待つこともなくIFR Release、Take Off Clearanceも出て飛び立ちました。離陸後は、これまたいつものXCのように淡々とルートをたどっていきます。特にレーダーベクターもなく、巡航高度の8000feetまでの上昇許可も出ました。上空は進むにしたがって気流が良くなくなり、定められた高度、針路を保つのに調整がいりますが、難しいほどでもなく。今日のルートは、「PDZ V186 FIM V597 RZS V12 GVO MQO」というもの。RZSの手前で、「RZS通過後MQOに直行せよ」との指示を受け取ります。

その後、SBPでのアプローチについて尋ねられたので、VOR-Aをリクエスト。これは、VOR-AでもILSでも風向きの関係からCircling ApproachでRwy29になるので、それならば距離が短く手順の複雑なVORアプローチを選んだ方が、いろいろためになるだろうと考えてのことです。降下指示を受けながらApproach Briefingを実施します。MikeはFinal Courseまでレーダーベクターになるだろうと言いますが、コース的にそうは思えず。自分の中で、ベクターされなかった場合に備えての手順(Procedure Turn)も確認しておきます。

案の定、レーダーベクターはなく、そのままApproach Clearanceが出ました。MQO VORを通過後に空港と反対の方向に向かいProcedure TurnをしてVOR上空を再び通過、空港に向かうと良いうアプローチなので、なかなか気を使います。高度、針路、タイム計測に気をつけてMDPに到達したところでフードを外すと、ちょうどRwy29のダウンウインド上です。TowerにStart Circlingを告げるとすぐに着陸許可が出ました。TPAまで降りながらベース、ファイナルとまわって着陸。Circlingなので、IFRと言えども通常のVFRと同じトラフィックパターンなので、今回こそは着陸を決めたいと思い慎重に進入します。進入速度が少し速めだったため減速分着地が伸びましたが、着陸自体はきれいに決まったと思います。タキシングしてTransientに駐機。エンジン停止。ブロックタイム2.3時間、フライトタイム2時間でした。

さすがにくたびれて手足を伸ばします。ベース以外での燃料補給も初めての経験となりました。帰る前に、忘れずに料金をFBO事務所にて支払います。これは後でDuboisで精算され、燃料代の差額(SBPでの価格-CNOでの価格)を除いて帰ってくることになっています。

帰路は、CREPE THREE DepartureというSID(標準計器出発経路)で出発します。これまでTextのDP(出発経路)ばかりだったので、SIDの使用も初めてです。しかもこのSIDはLOCのバックコース(滑走路からLOCの電波を逆に辿って行く)もので、これもまた初めての経験です。Chartをしっかりと読み込み、計器のセットをして離陸します。LOCバックコースでは、計器の針は通常と逆の方向にずれるので、間違えないように補正してルートをたどります。その後、次の針路に移ったあたりでレーダーベクターの指示が。レーダーベクターの際は、どこまでベクターすると言ってきますので、しっかりと聞いて、そこまで直行できるような準備(計器類のセット)もしておきます。

やがてSan Marcus VORまでの直行許可が出たので、それにしたがって、飛行を続けます。この頃、「イフタ75」というコールサインの機体が同じ周波数に現れました。どう聞いても日本人英語です。とても落ち着いた感じで、私と違って少しも慌てる場面はありません(笑)。Bakers Fieldに向かうというので察しがつきましたが、後で調べたところやはりBakers FieldにあるANAの乗員養成施設(IFTA)の機体でした。

そのまま順調に飛行を続けます。途中、Traffic Informationで対向機が下を抜けるとの情報が。フードをかぶっていても、目の端に眼下に機体が見え、思わず「We have traffic insight」と答えてしまいました(笑)。往復4時間以上のフライトで、さすがに腰が痛くなってきたなあと思う頃、Chino空港付近に到達。これもまた、目の端に勝手に入ってしまいます。IFRなので、そのまま降りれるわけでもなく、引き続きParadise VOR(PDZ)に直行、Depart PDZ heading 070からレーダーベクターを受けてILS Rwy26RのFinalまで誘導してもらいます。ChinoのILSはこれまで何回も練習していますので、それほど難しくもなく進み、MDAに到達したところでフードを外します。ほぼ滑走路に正対、すかさずPAPIが赤赤白白を維持するように接地帯に向けて降下を続けます。Thresholdでフラップを1ノッチ足して2ノッチへ。さらにThrottleをアイドルにしたのでパスが若干下がりますが、そのままGround Effectを使って接地帯にきれいに足を着ける事が出来ました。今日は行き帰りとも着陸は合格でしょう。

着陸後も自分が入ったタクシーウェイの名前が分からなくなることもなく(笑)、Groundにコンタクト、スクールまでのタクシー許可をもらって進みます。Mikeは素晴らしい、完璧だと繰り返しほめてくれ、到着後には固い握手。自分としては、まだまだ不安な点はあるのですが、Mikeからするとずいぶん良くなってきたようです。

私の懸念としては、
1.高度が規定許容範囲+-100feetを超えてしまうことが、ときどきある
2.レベルフライトの時、なかなか安定しない
というものがあるのですが、1に関しては、もう少し慣れれば収まるだろう、2はトレーニング機の調整が若干不安定なようで、機体側の問題とのことで、大丈夫との事でした。

自分としても、ほめられれば全く悪い気はしないので、満足して帰ったのですが、その晩にある重大なことに気がついてしまいました。夜遅くだったのでMikeにメールを打つと、しばらくして返信がありました。その内容は次回の投稿で。

プローチ合計(Simulator含む):
33回(ILS14回、LOC5回、VOR14回) 

飛行実績:
飛行時間:5.1時間(累計126.2時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計45.0時間)
:Instrument 4.5時間(累計36.5時間)
:Instruction 5.1時間(累計44.3時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:2回(累計246回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計10回)

グラウンドスクール
0.6時間(累計15.9時間)

2011年9月19日

[PIC24]メキシコ国境のBrown Field空港までクロスカントリー

そろそろIFR訓練も先が見えつつあるというのに、XC PIC時間が足りていません。XC PICとはクロスカントリー(XC)を機長(Pilot In Command)として飛んだ時間のことで、IFRのレーティングを取るには50時間が必要条件になっています。現在、38.1時間と言うことで12時間ほども不足しています。IFRのインストラクターとトレーニングで飛ぶクロスカントリーも計算に含めて良いとのこと(FAAルールの場合。JCABルールではPICとDualの併算は不可)ですが、それでもあと1回のロングクロスカントリーを入れても50時間には到達しません。ということで、時間を稼ごうとVFRのXCフライトを計画しました。
San Diego国際空港の真上を通過中
時間稼ぎが目的なので、むしろ足が遅い飛行機の方が良いだろうということで、C150でのフライトです。XCでは、出来れば何か新しい要素を毎回取り入れたいと思っています。ということで、目的地は行ったことのないサンディエゴの南にあるBrown Field空港にしました。この空港は、すぐ南がメキシコ国境になっていて、5キロ程のところにはメキシコ側のTijuana国際空港があります。まさに国境の飛行場です。

さらに、この空港にたどり着くには、サンディエゴのMilamar空軍基地、San Diego国際空港の2つの到着ルートのための空域をくぐり抜けて行く必要があります。 行きは西側でそれらの空域の下をくぐる計画とし、帰りは海側に設定されたVFR Corridor(VFR機のための回廊)を通って行くことにします。出発地はCorona空港、久しぶりのFly Coronaの機体です。

最近、C150で離陸するたびに思うのは、「力が無い」ということです。ふわふわと漂うような感じで上昇していきます。力強さはなく、風に任せているという感じがします。速度は85mphで向い風もあり、高速道路の車の方が速く走っています。3000feetを超えた辺り、Lake Mathews横でSOCAL APPにFlight Followingを依頼します。問題なく受理され、5500feetまで上昇しながら進みます。自分のプランではRamona空港上空からSan DiegoのClass B空域の東のヘリをくぐり抜ける予定でしたが、SOCALからはClass B空域通過の許可とBrown Field空港のすぐ近くにあるPoggi VORまで直行せよとの指示が。自力では初めてのClass B入域になります。ずいぶん時間も短縮されると喜びましたが、話はそうはうまくいきませんでした。
帰路、Oceansideに向けて海上を飛行中
Milamarのアプローチ空域をそのままの高度で突っ切っている途中にSOCALから3500feetまでの降下指示が出ます。これはBrown Field空港に向けて降りる必要があるため問題ありません。そろそろ4500feetというところで次の周波数に移管されます。新しい管制官にコンタクトを取ると、Class B空域に入らないように自力でVFR飛行を続けるようにと言ってきました。ちょうどMilamar基地とSan Diego国際空港のアプローチ空域の間のClass B空域の下限が4800feetの空域を飛行中でした。そのまま真っすぐPoggi VORに向けて行けると思っていたので、ずいぶんとコースを変更しないといけません。そのまま進むとClass Bの下限は1800feet、左にそれると3000feet、さらに左に進むと3500feetが下限です。SOCALに3000までのVFR降下許可を取って左に針路を変更します。
オレンジが飛行計画経路。赤が実際の経路。
SOCALからは「Class Bに入らない限り、そちらの判断で」とそっけない返事。San Diego国際空港のアプローチのエアライナーの処理で忙しく、小型機など構っていられないという感じです。さらに、そのまま「Radar Service Terminated, Frequency Change Approved」と言われてFlight Followingが終わりました。そこで、そのまま2500feetまで降下してBrownに向けて進みます。Lower Otay Lake上空でタワーにコンタクト。Prison上空でレポートせよとの返信。Prisonと言われてもなあと思いましたが、TACチャートにしっかりとPrisonが出ていました。湖の南に、いかにもそれらしい建物を発見。上空でレポートすると、Right Baseからの着陸許可が出ました。

着陸は、少しショックはあったものの、まあまあの出来。風は向かいから3ノットほど。到着後は親切なグラウンドに丁寧に道案内してもらい(とても簡単なのですが)、Transient Parking(一時駐機場)でエンジン停止。ブロックタイム1時間30分、飛行時間1時間18分でした。向い風が予想よりも強かったこと、最後に予想外の迂回をしたことで15分ほど予定よりかかりました。空港ターミナルを抜けて、空港の南の道路を渡ってガソリンスタンド併設のSubwayへ。昼ご飯を食べてから帰途につきます。
赤が飛行経路。ピンクがVFR CORRIDOR空域(3300feet以上、4700feet以下)
帰りはVFR CORRIDORを通り、San Diego国際空港の真上を通過します。出発前にルート上の空域の高度制限を良く確認します。間違えたらClass B空域の不許可進入となり、かなりのペナルティを覚悟しないといけません。巡航高度を4500feetとし、Corridorに入るまでに3500feetに達する計画とします。Brownでは出発で5分ほど待ちましたが、IFRでの20分待ちに比べれば、全く問題ありません。再びC150の非力さを実感しながら、Vxで上昇していきます。かなりギリギリでしたが何とか空域
のルールを守って上昇出来ました。ここではすぐにFlight Followingを要求せずに、Corridorの通信用周波数126.05に合わせて飛んで行きます。位置通報をしましたが、他機の反応も位置通報もなし。全く静かでした。GPSを大いに参考にして空域違反をしないよう注意しながら進みます。やがてSan Diego国際空港が見えてきました。空港の東を通過。到着機が滑走路上を走っているのが見えます。こんな大きな空港の真上を許可も得ずに通過できるのは、ある意味すごいことです。
San Diego国際空港
Corridorを越えたところでFlight Followingを依頼。そのまま4500feetで進みます。Oceanside VORへ直行としたため、海上を飛行。しかし海はマリンレイヤー(海上の低層雲)がべったりと発達しており、雲上飛行になります。VORへのトラッキングはIFRで培った経験がものをいう感じで、以前は下が見えないと安心できませんでしたが、もう平気になりました(笑)。Oceansideを越えた辺りでSOCALからCoronaへ直進しないのかと聞かれました。DANAH、El Toro VOR経由で向かうと返信。El Toro VORは閉鎖された空港(基地)の上にあり、最初この空港をJohn Wayne空港と勘違いして近付いて良いのか迷いました。地図に閉鎖空港のマークはあったものの、かなり大きな空港跡で、滑走などもそのままの状態でした。
Camp Pendeletonの軍事地帯。この辺りには原発もあります。
その後は、Santa Ana山岳地域の西の縁を回り込むように飛び、SOCALのいかにも仕事を楽しんでいるという感じの年配管制官にFlight Followingの終了を告げて、Corona空港へと降りて行きました。風は10ノットと弱くはありませんでしたが、Brownよりもうまく着陸できました。どうも風がある方が、上手く出来るのかもしれません(笑)。帰路のブロックタイムは1時間18分、フライトタイムは1時間06分でした。
マリンレイヤの端はこんな感じです
さて、往復のブロックタイムは合計で2.8時間となりました。前回のIFRでのMongtomeryで3時間かかったので、それより遠いBrown往復は3時間は超えるかと思っていたのですが、順調にフライトが進みました。逆に言えば、天候さえ良ければVFRの方がIFRに比べて効率的なフライトが出来るということのようです。現在のXC PICは40.9時間。IFRトレーニング以外でも、あと6時間ほど飛ばないと合計50時間の壁を超えない感じです。 

飛行実績:
飛行時間:2.8時間(累計121.1時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 2.8時間(累計45.0時間)
:Instrument 0.0時間(累計32.1時間)
:Instruction 0.0時間(累計39.2時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:2回(累計244回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計10回)

2011年9月17日

[IFR30]Montgomeryまでクロスカントリー

Mikeが風邪をひいたとの話で、また少し時間が開いてトレーニングに行きました。今回はクロスカントリーの第2段の予定です。前回の話では、今回はPalomarに行く予定で、その準備もしていたのですが、Mikeから連絡があり、別の学生と行った時にPalomarの管制官からずいぶんと嫌な目に遭わされたので、Montgomeryに行き先を変更しようという提案あありました。何でも、航空法違反でペナルティを課すぞとまで言われたそうで、何があったかは知りませんが、触らぬ神に祟りなしの精神で、Mikeの提案を尊重します(笑)。
Montgomery空港で出発渋滞中(前はBeechcraft190)
ただし気になるのは、ChinoからMontgomeryで使用するTEC RouteのONTN12は巡航高度が9000feetに定められています。風邪が治ったばかりのMikeが9000feetまで上がるのは少し気の毒な気がしましたが、本人に聞くともうすっかり大丈夫とのこと。ということで行き先が決まりました。フライトプランをNavlogで打ち出し(自分のノートPCからメール送信、スクールのPCでWebmailを受信、プリントアウトしました)、ルートの概要を自分でまとめた紙と共に持って行きます。必要なデータ(ルート地図も含む)をA5の紙一枚に作成するのは手間がかかりますが、自分で言うのもなんですが、とても便利で役に立ちます。Airway Chartを確認する必要が殆どなくなるため、ChartはMikeが持って確認に使います。

グラウンドにTEC RouteのClearanceを要求し、ランナップエリアで書き取ります。このClearanceの書き取りはATCの中でも一番長いフレーズを聞いて、即座にRead Backするので緊張する瞬間です。ただし、基本的には予期されている通りにクリアランスが発出されるので、想像はついています。
Cherokee00U, cleared to Camarillo airport, on departure follow Chino Departure Procedure, PDZ, V186, HAILE, V66, MZB direct. Climb and maintain 3000, expect 9000 10 minutes after departure, frequency will be assigned by tower.
重要なルートに関する許可なので、一つでもRead Backに言い間違いがあれば指摘されます。今回はHAILEインターセクションからMZB(Mission Bay VORTAC)の間の航空路V66を言い忘れたために指摘され、その部分だけ言い直しを要求されました。

離陸後は、SOCAL APPに移管直後に4000feetまでの上昇許可。高度に関しては、出発前のクリアランスはあっても、その場の状況でかなりの変更があるようです。結局、最終的に7000feetまでしか上昇しませんでした。さらに航路上が混雑しているようでレーダーベクターでヘディングを右に左にと振られます。かなりの時間がレーダーベクターとなりました。レーダーベクターで航空路を外れると、GPSやDMEの無いトレーニング機では、2つのVORの位置関係を利用して現在地を把握するのが重要になります。なかなか難しいですが、いつ「Resume Own Navigation(自身による航法に戻れ)」と言われても対応できるようにしておく必要があるとのこと。

この、現在地の把握と、その先のフライトに向けての準備の両立がなかなか難しい感じです。現在地を把握することに力を割き過ぎるとその先のルートやアプローチの準備がなかなかできず、かといってアプローチの準備のためにVOR等の設定を早めに用意してしまうと、「Resume Own Navigation」と言われた時に慌ててしまうことになります。トレーニング機にVOR受信機は2つありますが、こういう時は2つしかないという感じで、現在地の把握かその先の航路に向けた準備に使うか、判断が悩ましいところです。

アプローチに関しては適切なタイミングでApproach Briefingを行なって、着陸に向けての手順やVOR、ATC等の設定・準備を行ないます。この実施も、ATCの意図を察しつつ、早すぎず遅すぎないタイミングで行なうことが必要で、こうした事は経験から学ぶしかないようです。何でも早めに用意してしまいたい自分としては、歯がゆく感じます(笑)。

離陸前に待たされたこと、レーダーベクターで振り回されたこともあり、予定フライトタイムより10分ほど長い1時間10分の飛行時間でMontgomery空港に到着しました(Block Timeは1.5時間)。さすがに狭い座席で気を張り続けた1時間半でだいぶ疲れたので、機外に出てまずは伸びをして体をほぐします。 Mikeはフライト中に着信のあった不動産屋に早速電話をかけ直しています。引っ越す予定だそうで、その他にも引越屋にも電話をしています。

空港のメキシカンレストランで休憩を取ります。その間、Mikeと世間話。前回聞いたMikeの前職について詳しく聞き出すと、労災関係のカウンセラーをしていたとの事。事故などでキャリアの変更を余儀なくされた人に、次の仕事の適性、教育トレーニングの提案、そして保険会社との調整などが仕事だったそうです。また、ペルーから5歳でアメリカにやって来たMikeですが、20前後の時2年ほどペルーに住んでいたことがあるとのこと。その頃はスカイダイビングに夢中で、ペルーでやっていたら気が付いたら2年経ってしまったとのこと。どうも、若いころは無茶な性格だったようです(笑)。

引越に関しても、生まれ育ったOrange Countyに戻ることが夢だったそうで、スクールでのインストラクターの仕事も安定しつつあり、実現出来ることになったそうです。教える仕事は大好きだけど、もう少し収入が高くて安定すれば良いんだけど、とのこと。厳しいアメリカの航空業界の一端を感じます。

帰りは、離陸の順番待ちの列が前に4機。みるみる後ろにも6機つながり大渋滞です。われわれの前はBeechcraft1900という大型の双発機が立ちふさがっています。少し距離をあけますが、排ガスが容赦なく入り込んできます。Mikeは「この空港はクレージーだ」と呟きます。私は、いろんなところでMontgomery空港がかなり込み合った空港であることを知っていたので、こんなものかと思い「これも経験です」と答えます。渋滞の経験も繰り返せば苛立たしいのかもしれませんが、今のところは管制官が必死に交信をしているのを聞きながらのんびりと待つのも、また良しという感じです。ただし、その間も費用が発生していると考えると、面白くはありません(笑)。

結局エンジンスタートから離陸まで30分ほどかかりました。 20分ほどは待った計算になります。離陸後はClearanceで予告を受けていた通り、hdg270で進みます。海の上に出て雲を抜けて雲海の上に出たのが、フードの端からも分かります(笑)。Mikeが「フードを取って外を見てみろ」と言うのでその通りにすると、一面の雲海の上を飛んでいました。一瞬、言葉を失う美しさでした。そんな間もなくすぐにフードをかぶり直し、ひたすら計器との睨めっこが再開します。外を見れないことはストレスですが、慣れてくると計器だけみて操縦するというのは、楽と言えば楽な話です。外の見張りはMikeに任せ、こちらは少しでも高度とルートを精密にしようと頑張ります。風を読み、VORとの距離を考えながら、微妙に針路を修正します。その結果を参考に、再び修正。そんな繰り返しで、ルートをかなり正確にトレース出来たような気がします。一言でいえば、エンルートのIFRは楽しいです。

帰りのルートはDANAH(Dana Point上空のFIX)を経由し、航空路V363でChinoに南西から入り込む形のルートになります。Mikeとの打ち合わせではChino空港ではLOCアプローチをしようと言っていましたが、ATCに依頼するタイミングつかめず、先方からはILSアプローチが指示されました。試しに「Cleared for Localizer Approach rwy26R」と異なるRead Backをしてみましたが、管制官から「リードバックが間違っている。言い直し!」と言われました。素直に、その場で依頼しても良かったのかもしれません。Mikeと到着後の話し合いでは、もう少し早めのタイミングで依頼をしておくべきだったとの結論に達しました。
左:Mike、中央:Louの「新車」、右:Lou
操縦に関しては問題はありませんが、まだまだATCのやり取りが慣れないと感じます。ChinoではTEC Routeを要求したのにFlight Followingと思われたり。Mikeがいつも助けてくれるので、つい困るとMikeを見て無言で助けを求める癖がついてしまっています。かなり助けてくれたのですが、Mikeは「とても良いフライトだった。ATCも2,3回くらいしか自分は助けなかったよ」とのこと。この辺りのMikeのほめて育てる姿勢には、本当にほれぼれします(笑)。
リヤに不思議な形のエンジンが配置されています(中央の風車は冷却用らしい)
フライトに特に問題は無かったとのことで、次はIFRの条件にある250nmのロングクロスカントリーに臨みます。それが終わったら、3, 4回練習飛行をして、試験を受けようとのことに。何だか、IFRのトレーニングも先が見えてきた感じです。もちろん、まだまだ様々な認知、判断、操作の精度を高めなければいけないのですが、終わりが見えてくると、何だか寂しい気持ちにもなってくるものです。ただし、また私のスケジュールの関係で、次回のフライトはかなり先になりそうです。
ボンネットの中はトランク
スクールから帰ろうとした時、校長のLouが見慣れない車に乗ってやってきました。今日Van Nuysまで出かけて受け取ったばかりの車だそうで、「新車ですか?」と聞くと、「1965年製だけど、自分には新しい車だね」とニヤッと笑いました。リヤエンジン式で150馬力対向6気筒、キャブレターが4つもあるので、エンジンルームの中も不思議な感じです。こんなエンジンについても以前は良く分かりませんでしたが、飛行機のおかげで良く分かるようになりました。あいかららず車には興味が持てないので、Chevoret製までは覚えましたが、車種は聞いたものの忘れてしまいました(笑)。この写真を見て分かる方がいたら、お教えください。
格納庫に入ったトレーニング機とLouの「新車(中央)」

プローチ合計(Simulator含む):
31回(ILS13回、LOC5回、VOR13回) 

飛行実績:
飛行時間:3.0時間(累計118.2時間)
Simulator:0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間0.0時間(累計42.2時間)
:Instrument .2.4時間(累計32.0時間)
:Instruction 3.0時間(累計39.2時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:2回(累計242回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計10回)

グラウンドスクール
0.5時間(累計15.3時間)

2011年9月14日

[IFR29]Camarilloまでのクロスカントリー

今日は、早朝にスクールに出かけました。いよいよIFRでのクロスカントリーです。昨晩は自宅でCamarillo空港のアプローチチャート(VFR Rwy26)を眺め、またエンルートのコースをメモ用紙に書き出しておきました。これで必要な情報は2枚の紙に集約出来たはずです。

勢い余ってスクールには時間の15分前に到着。まだ誰も来ていないので、車の中でチャートやメモ書きを見て復習しておきます。時間ちょうどにMikeが到着して、スクールを開けます。名前を聞きそびれてしまいましたが、新しい事務の若い女性も到着します。どうやら、プライベートの取得中で、かつ事務にも就いたようです。その時、気が付きました。ヘッドセットを忘れて来てしまったことを。仕方が無いので、スクールのものを借りることとします。

まずはグラウンドから。今日の飛行プランについてMikeと確認をしていきます。どうやらMikeは2週間以上空いていた私のトレーニング歴が、いく分心配なようです。しかし私自身は、昨日飛んだ感覚で大丈夫と思っているので、強気で行きます(笑)。SOCAL APP空域内のフライトは、大部分がTEC(Tower Enroute Control)ルートと呼ばれる、経路・高度が指定されたものになっています。指定されており自由は効かない代わりに、フライトプランを提出する必要はありません。Groundにタキシング開始時にお願いしておけば、ランナップに着くまでにはクリアランスがもらえるという具合です。こうした手順についても打ち合わせて、いざ出発です。

出発の際は、手順どおりにTECルートのクリアランスを申請します。
Chino GND, ...(通常のタクシー許可申請)..., also request Tower Enroute Clearance to Camarillo Airport.
Cherokee00U, taxi to Rwy26R via P, cross Rwy21. Stand by for clearance.
斜体はこちらの交信。太字はATCの交信(以下も)
その後、滑走路への移動中にクリアランスが準備できたと言ってきます。
Cherokee00U, clearance for you. ready to copy?
Chino GND, Cherokee00U, stand by.
移動中は落ち着いて書きとめることが出来ないので、ランナップに着くまで待ってもらいます。ランナップに着いたら、再度クリアランスを求めます。
Chino GND, Cherokee00U, ready for copying clearance.
Cherokee00U, cleared to Camarillo airport, on departure fly heading 275 to join V186, FIL, direct. Climb and maintain 4000, expect 6000 10 minutes after departure.
Cleared to Camarillo, fly heading 275 to join V186, FIL, direct. Climb and maintain 4000,  expect 6000 10 minutes after.
Cherokee00U, readback is correct. Contact Tower when ready.
このような具合で、Clearanceを受け取ります。その後ランナップ(離陸前点検)を行なってから、タワーにコンタクト。
Chino TWY, Cherokee5800U Rwy26R at runup area, ready for IFR release.
Cherokee5800U, Squawk4637
4637、00U
しかしその後、リリース(IFR発出)が遅れ、2分待て、3分待てと待機が続きます。出発時の上昇高度も4000から3000と変更され、Mikeもイライラしながら5分ほど待ったところで、ようやく離陸許可が。
Cherokee5800U, cleared for take off Rwy26R, fly heading 260.
Cleared for take off Rwy26R, heading 260
離陸後、すぐに4000feetで対向機がすれ違います。これが理由で出発が延期されていたようです。その後は、すぐに6000feetまでの上昇許可が出、コース通りに上昇します。V186の航空路にも乗り、そのままVNY(Van Nuys VOR)に向けて進んでいきます。私は離陸直後にフードを被ったので、外は見えませんが、SOCAL APPからは頻繁に周りのTrafficの情報が告げられます。また、頻繁に周波数が変更されます。LAのClass Bを通過しているため、セクターが細かく分けられているようです。

本来はVNYからFILへと進んでからCamarilloへのアプローチ開始となりますが、ATCからVNYを出た後、HDG260で進めとの指示が出ました。そのままベクターしてVOR RWY26のFinal Approach Courseに向かわせるとのことです。急いで、アプローチに必要なブリーフィングを実施し、計器類に周波数やコースのセットをし、さらに必要事項を確認します。COOGAインターセクションまで誘導され、そこからアプローチ開始。アプローチ自体は難しいものではないので順調に進みます。FAF(Final Approach Fix)でタイマーをセットし、降下可能時間の計測を行ないます。90knotsで計算していますが、若干速度が速いようで、フードの端から滑走路がかなり近くに見えています。Camarillo空港はThreshold(滑走路端の着陸できない部分)が異様に長いので、余計そう感じるようです。

制限時間少し前にフードを外す指示がMikeから出て、フードを外します。昨日習った通り、非精密進入では、VASI/PAPIにこだわることなく、滑走路端を狙った通常のVFRのランディングとします。着陸して誘導路に入ったところで、グラウンドにコンタクト。ところが、このグラウンドが恐ろしく長いフレーズをマシンガンで言ってきます。前のセスナに続いて行け、後続機があるからタクシーを急げ、ずっと先を右だ、云々と定型出ない形で言われたもので、折角のATCもここではMikeに代わってもらいました。ここまでうまく出来ていただけに、残念です。ブロックタイム1時間18分(フライトタイム50分)でした。

Camarilloでは、Transient Parkingでエンジンを止めカフェで一服。Mikeとお互いの世間話をします。Mikeは前職は非常勤の労務コンサルタントだったそうで、シュワルツネッガー政権で仕事を失い、持っていたCFI資格でインストラクターになったものの、不況でしばらくは様々な仕事をして食いつないでいたそうです。その後、現在のフライトスクールで勤めだし、ようやく生活が安定したとのこと。今はスクールで一番の人気インストラクターになっていますが、それまでの苦労は色々あったようです。

帰りは1時間あれば大丈夫と二人で高をくくって、それでも1時間30分前にエンジンを回し始めたのですが、IFR Relaeaseがなかなか出ず、また離陸後に引き継がれたMUGU APPになぜかFlight Followingを依頼したVFR機と勘違いされます。IFRの旨を伝えますが、今度は西に北にとかなり大きくベクターされ、連れ回されます。10分以上たったところでMikeが「ようやくCamarillo上空に戻って来た」と一言。 何んとも壮大な連れ回しです。その後、頑張って急ぎ気味に飛びますが、飛行機を予約した時間は過ぎてしまうのは確実な状況。そこで残念ながら、Chino空港の近くでIFRをキャンセルしてVFRで降りることに。キャンセルした後は、レーダーベクターならぬMikeのベクターにしたがって空港に接近していきます。

フードを取って飛行を続けます。空港が近いので降下率を上げるとMikeが耳が痛い、とのこと。どうも少し風邪気味のようです。ようやくTPAに降りますが、タワーからショートアプローチをするようにと言われ、またしてもきつめの降下になります。着陸後、Mikeにコメントを求めると、「とても良かった。全部良かった。」とのこと。さびついた腕への疑念は、大体晴れたようです。ただし、腕自体をもう一、二段階上げないといけないので、まだまだ練習という感じです(大体良くなりましたが、たまに試験での許容誤差範囲を超えてしまうことがあります)。

余録
これまでのトレーニングで、VFRと比べて多い資料(Chart)類の飛行中の整頓、ATCへの対応が
課題と感じていたので、フライト用品屋に立ち寄り、次のようなものを購入してみました。
上左:ATC録音用ケーブル 上右:操縦桿チャートクリップ 下:折り畳み式ニーボード(2面式)
ATC録音用ケーブルは、これを使って、自分のATCのやり取りを録音できるようになるはずです。これで、後からの復習ができます。チャートクリップはKudjoさんが持っていたのと同じもので、操縦桿にアプローチチャートをぶら下げて使うことができます。そして折り畳み式ニーボードは、資料類の膝上での置き場所問題が解決されると期待されます(笑)。これらの新機材を使って、よりオーガナイズされたフライトを目指したいと思います。 

プローチ合計(Simulator含む):
29回(ILS11回、LOC5回、VOR13回) 

飛行実績:
飛行時間:2.7時間(累計115.2時間)
Simulator:0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間0.0時間(累計42.2時間)
:Instrument 2.2時間(累計29.6時間)
:Instruction 2.7時間(累計36.2時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:2回(累計240回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計10回)

グラウンドスクール
0.5時間(累計14.8時間)

2011年9月13日

[IFR28]さび落とし

日数を数えてみると2週間以上、飛んでいませんでした。久しぶりに空港に向かうまでは、怖いような気がしていましたが、スクールに着くと自然と笑みがこぼれてきました。久しぶりに会うKudjoさんもMikeも、懐かしい気すらします。
ハンガーの様子。C150は特製台に乗せられ、密度高く格納されます
自分としては、以前の予定通りにIFRクロスカントリーでCamarilloに行くものと思っていましたが、Mikeからは「さび落とし」をしようとの提案が。そう言われると、さすがに久しぶりなもので、それでも良いかと思い同意します。アプローチの練習で、今まで何回か飛んでいるCoronaのVOR、RiversideのILS、ChinoのLOCとします。今日の新しい点としては、最後のLOC26R Chinoでパーシャルパネルをやるということです。これは本番の試験でも行なわれるそうで、Heading IndicatorとAttitude Indicatorを隠してアプローチをするものです。言葉で聞くと、ぞっとしました(笑)。

出来る限りATCも担当するぞと意気込んで乗り込みます。まずはLake Mathewsに出てからPDZ VORに向かい、VOR-A Coronaを行ないます。離陸してフードをかぶってからは、Mikeの指示にしたがってVORをトラッキングします。130Radial、140Radial、150Radialとどんどん指示が来ますが、これはまあ問題なくトラッキングできました。一旦、Mikeがコントロールを取り、その間にアプローチの準備(無線のセッティング、ブリーフィング等)を行ないます。その上で、SOCAL APPにコンタクトを取り、アプローチの許可を取ります。 
P: SOCAL APP, Cherokee 5800U with request
ATC: November 5800U, go ahead
P: Cherokee 5800U, type Piper Cherokee 140/U, over Lake Mathews 4000, request practical approach. VOR-A to Corona Airport.
ATC: Cherokee 00U, squawk 0257
P: Squawk 0257, Cherokee 00U
ATC: Radar contact, cleared for VOR-A Approach Corona, proceed direct PDZ VOR, decend and maintain 3000, remain VOR
P: Cleared for VOR-A Approach Corona, direct PDZ, decend and maintain 3000
こんなやりとりをして、アプローチに入ります。アプローチ自体は何度か行っているので、習ったことに忠実に作業をします。VOR通過直後に30度の角度をつけてHolding Pattern上でProcedure Turnを実施。1分したら、Inboundに向けて旋回開始。InboundのTrackingに乗り、VOR直上を通過したら、最終進入のRadialに乗り、最低降下高度まで降下を開始します。同時にタイマーをセットし、進入可能な時間を測ります。また、UNICOMにて自機位置を通報します。

このアプローチはかなり急に降下をしないと降下可能時間内に最低降下高度まで降りれないため、Flapは2ノッチとして800feet/m程で降りていきます。最低降下高度の1660feetまで降りたら水平飛行にして降下可能時間まで飛行します。この時間(2分56秒)を経過した時点で滑走路が見えなければ、Missed Approachを実施しなければいけません。今回は打ち合わせ通りMissed Approachを実施します。これも定められている通りに右旋回してPDZに直行しつつ、再度SOCAL APPにコンタクトをし、次のRiversideでのILS Rwy9アプローチを要請します。

一つ一つのアプローチはだいぶスムーズにできるようになってきましたが、まだまだこのようなアプローチとアプローチの間がぎくしゃくしてしまいます。ATCからヘディングを言われ、飛びながら次のアプローチの準備を行なうのがスピード的に間に合わない感じです。無線(ATC、VOR・ILS)のセッティング、コースの設定、ブリーフィングの実施と行ないつつ飛行するのは、かなり大変です。それでも、操縦自体はだいぶ慣れて来て、アプローチを飛行すること自体は、ほぼ問題なく出来ました。

RiversideへのアプローチもMissed Approachとして、再再度SOCAL APPにコンタクト。今度はChinoのLOC 26Rへのフルストップを要請します。レーダーベクターでヘディングを指示された直後に、HSI(Heading IndicatorとVOR Indicatorを一体化した計器)とAttitude IndicatorにMikeが吸盤付きのカバーを貼り付けます。こうなるとヘディングはMagnetic Compassを基本として、Timed Turnを行ないます。Hdg160からHdg030への変針なので、130度の変更ということは、Standard Turn(標準旋回)だと130÷3≒43秒旋回すれば良いと、頭の中で暗算します。タイマーのセットも忘れずにして、時間分旋回したら水平にしてコンパスが目的の角度になるか確認します。

Localizerに乗ったら、コンパスを参考にしつつ、隠されていないVOR2でILSへの追従を確認して修正していきます。チェックポイントを通過ごとに段階的に高度を下し、FAF(最終進入フィックス)でタイマーをセット、降下可能時間をチェックします。タワーへの周波数変更許可が出たら変更してコンタクト、着陸前のチェックリストの実施と色々と慌ただしく作業します。

降下可能時間の終了と共に、Mikeからフードを取れとの指示。フードを外すと、ほぼ正面に滑走路が見えました。そのままPAPIにしたがって高度を下げて着陸します。着陸後にMikeから、「ILS進入以外では、PAPIにしたがう必要はない」とのこと。LOC、VORアプローチの場合は、空港視認後は通常のVORアプローチと同様に着陸して良いそうです。
雲が高く、秋の空になっていました。
2週間ぶりにしては、まあまあかなと思い、スクールまでの滑走中にMikeにそう言います。Mikeは「最初は少しバタバタしていたけど、ずいぶんさび落とし出来たと思うよ」とのこと。 久しぶりのフライトは、外がフードで見えないにしても、新鮮でとても楽しく感じました。こんなにも飛ぶ事が好きになっていたかと、自分でも意外に感じるほどで、楽しかったというのが、第一の感想した。空も雲が高くなり秋の空で、暑さもひと段落ついた感じの中、ようやく飛べた嬉しさを実感するフライトになりました。

プローチ合計(Simulator含む):
28回(ILS11回、LOC5回、VOR12回) 

飛行実績:
飛行時間:1.2時間(累計112.5時間)
Simulator:0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間0.0時間(累計42.2時間)
:Instrument 0.9時間(累計27.4時間)
:Instruction 1.2時間(累計33.5時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:1回(累計238回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計10回)

グラウンドスクール
0.0時間(累計14.3時間)

2011年9月4日

飛ばない日々

最近、仕事の関係でなかなか飛ぶ時間が取れません。時間が無いわけではないのですが、予定が立ちにくい仕事をしているため、予約が入れられません。インストラクターのMikeからは、とにかく自分に予約を入れて、ダメそうだったらキャンセルすれば良い、と言ってもらっているのですが、逆に言うと、時間が空いたからといってもすぐには予約が入れられないくらいMikeは人気インストラクターになってきています。確実にトレーニングを始めた7月より忙しそうです。

そんな訳で、もう1週間ほど飛ばない日が続きそうです。こういう日に限って、空は青く、招いているように思われます。

最近のスクールの状況ですが、Gabrielはコマーシャルのチェックライドの時にFAAの検査官が同席となり(チェックライドが適切に行われているか、ランダムで見回っているそうです)、口頭試験で2問正しく答えられなかったとのことで、不合格になってしまったそうです。殆ど出来ていたのに、残念なことだとMikeが言っていました。Kudjoも、そろそろ試験のはずです。

Fly Coronaですが、スクールのブログによればPart141の認定を受けるためのプロセスを開始したとのこと。教育の充実度的にはDu Boisの方がPart141に向いていそうな気がしますが、校長のLouは特に興味はなさそうです。アメリカ人学生にとっては、Part61、141の違いはほとんど意味がないようで、Fly Coronaのブログでも、引退した軍人向けの奨学金が適用されるようになるくらいの違い、と書かれています。

この辺りも、最後の夏の暑さの厳しさを超えた感じです。Cajon Passでは、TFR(Temporary Flight Restriction:臨時飛行制限空域)が設定されるほどの山火事がこの2,3日続いています。この辺りも、ほんの少しずつ秋を迎え始めています。