2011年10月26日

Complex機のMooneyデビュー

IFRレーティング取得から10日あまり。目標を失いました(笑)。久しぶりに週末にドライブに出かけたり(Death Valley国立公園へ。これはこれでとても面白かったです)していましたが、新たな目標を見つけました。それはComplex機である、Mooneyに乗ること。

Complex機とは、引き込み式のランディングギアとピッチコントロール式のプロペラを持つ機体のことを指します。これらの機体に乗るには、CFIからトレーニングを受けて、Complex機のEndorsementをもらう必要があります。メールでスクールのAnaに相談したところ、Endorsementを取るのは数回の練習でOKだが、保険会社の規定でレンタルで貸し出すには、
  • 150時間の飛行経験
  • 100時間のPICタイム
  • 25時間の引込脚機の飛行経験
  • 10時間の当該モデルでのトレーニング
が必要とのこと。Soloで借り出すには、なかなかハードルが高そうです。一番問題なのは25時間の引込脚機での飛行経験です。まあ、考えていても仕方が無いですし、まずは練習を始めることが必要ということで、スクールに出かけてきました。

Mikeに久しぶりに会いますが、元気そうです。Lou校長は車を購入して以来、その手入れに夢中になっており、今日もハンガーの片隅でいじっていました。Mikeに言わせると「彼はおもちゃを手に入れてしまった」そうです。それでもMikeとMooneyに乗り込んで出発準備をしていると、やって来て機内を覗き込んで注意事項を伝えて戻る、を繰り返します。スクールのMooneyは、Louが父親から引き継いだのだそうで、思いれのある機体で大事で仕方がないようです。曰く、Short Approach上で90mph、Runway Numberで80mphを守るように、ブレーキが強力なので強くかけ過ぎると簡単にパンクしかねないので十分注意するように、ギアの上げ下げはコツがいるから慣れるように、などなど教わりました。

Mooneyですが、乗り込んだ第一印象は「窮屈」です。横方向も狭いですが、さらに縦方向、頭の上の余裕がありません。170cm台後半の自分でそうなので、背の高い人はさらに圧迫感を感じそうです。着座位置としては、足をぐっと伸ばした形になります。それにもかかわらず、燃料タンクの切り替えレバーは、足元(ひざ下辺り)の床上にあります。操作には、きつい体勢を強いられそうです。いろいろ窮屈な感じで、外部点検などで機体に出入りするのが面倒に感じられます(笑)。Mikeは「奇妙な機体だろ」と言っていました。

Mikeも、Mooneyの経験はあまり無いようで、二人で必要な速度を確認し合いながらチェックを進めます。操縦桿やペダル部分の可動幅も小さく、スポーツカーのような印象を受けます。エンジンをかけ動き出して分かったのは、 スロットルも敏感な感じで、地上での取り回しには注意が必要そうです。それ以外は、特に問題なく滑走路へとタキシングします。天候はVisibilityが7SM BR(Haze)、Cloudsが1700SCT 、Ceiling 3700BKNとあまり良くなく、今回はトラフィックパターンのトレーニングだけの予定です。

ランナップも終わり、26LからLeft Closed Traffic。左周りで空港の周回経路(Traffic Pattern)を回ります。フルパワーにすると強い加速感と共にあっという間に離陸速度の80mphに達します。前輪のサスペンションの幅が小さいそうで、少し操縦桿を引き気味にして前輪に衝撃がいかないようします。すぐに飛び上がり、97mphのVyで上昇します。滑走路には戻れない位置まで来たら、すぐにギアを引き上げます。Mooneyの操作は全てロッド経由での人力で、ギアの引き上げにもかなりの力が必要です。最初は格納位置までバーを下ろす(ギアを上げる)事が出来ませんでした。テクニックとしては、少し機首を下げると上げやすいということで、それにしたがうと、なんとかギア上げが出来るようになりました。

上昇率は1000feet/分ほどで、Crosswindに入る頃には、もうTPAに達します。Pitch Controlの機体は、空中ではRPMでなくManifold Pressureでパワーを設定するとのことで、17に設定します。最初はパワーが強すぎる感じで、なかなかうまく設定が決まらず、機体はふらふら上下してしまいました。
Downwindに入るとすぐに着陸前チェックを実施します。GUMPSにしたがって、Gas、Undercarriage(ランディングギア)、Mixture、Propeller、Switiches & Seatbeltsをセット、確認します。上げるのも大変だったギアですが、下ろす方がさらに大変で、ロック位置までバーを持ち上げ、それをロックするのがどうしても出来ませんでした。利き手と逆なのも辛いですが、そもそも筋力不足かもしれません。毎回、Mikeに手伝ってもらってセットしました。

Runway Abeamを過ぎるとパワーを落とし、1 Notch Flap Downとします。Flapも人力で慣れるまではなかなか扱いづらい感じがしました。Base、Finalと回りFlapをもう1 Notch(下ろさない場合もあります)。パワーですが、落とすと高度が落ち過ぎ、落とさないと速度が出過ぎる感じで、遊びが少ない気がします。90mphを意識して進入しますがGround Effectが強いそうで、少し早めにパワーをアイドルにします。1回目の着陸はMikeにやってもらい、自分は操縦桿とペダルに軽く触れて操作感を確認します。かなりゆっくりと地上に近付いて行くのを待つようです。また座席姿勢と機体の形状も相まって、かなり地面に近付く感じになります。ソフトなランディングを心がけ、接地しても素部にブレーキをかけず、多少減速してからブレーキングします。

今回はタッチアンドゴーを繰り返し、接地したらFlap Up、Mixture、Propeller Full Forwardを確認してから、フルパワーで離陸に向けます。回るにつれて、だいぶ慣れてきました。安定感は全体的に低めで、特にヨーに関しての安定性が低いような気がしました。C150に超パワーアップしたエンジンを付けたような操作感と言えば良いでしょうか?安定感は低くても、操縦の追従性がとても高く、コントロール自体はそれほど難しいという感じでもありません。その分、パイロットに任されている感じがかなりします。そうした意味でも、スポーツカーに似ているのかもしれません。

タッチアンドゴーをするたびにMikeがきちんと回数をメモしてくれていました。結局12周も回り、今日のトレーニングは終了となりました。久しぶりに思う存分、着陸をすることが出来、何よりもフードを付けずに外の景色を見て操縦することの心地よさを味わえました。とりあえず、もう1度トレーニングの予約を入れてあり、次回は訓練空域でのエアワークなどをすることになっています。

帰りがけ、まだ車に夢中なLouに「Mooneyは、とても面白かった」と声をかけると、うれしそうに「そうだろう。もうCherokeeには戻れないな」と不敵な笑みを帰してきました。今のところ、まだ戻れそうで何よりです。

飛行実績:
飛行時間:1.6時間(累計140.9時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計49.9時間)
:Instrument 0.0時間(累計44.15時間)
:Instruction 0.0時間(累計52.6時間)
:夜間0.0時間(累計4.7時間)

着陸回数:12回(累計267回)
Simulator着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計11回)

2011年10月16日

IFRレーティング合格[チェックライド2]

午後3時過ぎからチェックライドのフライトが始まりました。プリフライトを行なってから、いつものトレーニング機に乗り込みます。ExaminerのKenは、「間違えに気が付いたら、確認して訂正すること。今日もいくつかの間違いがあるかもしれないが、それをしっかりと修正できるかが重要だ」とのこと。

エンジンをかけてグラウンドにクリアランスをもらってRunup Areaに向かいます。すぐ前を先日の日Du Boisに訪ねて来ていた日本人教官のセスナ機が進んでいきます。Runupで並ぶと、日本人らしい4人が乗っているのが見えました。こちらは、エンジンを2000RPMに上げて、Magnetoチェック。左Magnetoで経験したことのないRoughになりました。再度確認しても同じ。Kenが、「こういう時はどうする?」と聞くので、「もう1回確認して改善しなければ、そのままスクールに戻ります。」

「こういう時はこうするんだ」といってKenがMixtureをLeanにしてしばらく様子を見たり、Full Throttleにしたりします。その度にMagnetoをチェックしますが改善しません。「これは、どうしようもないな」とのことで、Groundにスクールまでのタクシーを要請します。これで今日の試験は終わりか。とりあえず、今日落ちることはなくなったな、などと考えていました。スクールに着いて念のため、再再度のチェック。校長のLouも出て来て様子をうかがっています。やはり調子が悪いのでエンジンを切りますが、Louが「プラグの交換ですぐに直してみせるから」と頼もしいことを言います。すぐに整備担当者が2人出て来て、問題のプラグを探し出します。熱々のエンジンにもかかわらず、すごいものです。「ここにクラックがある。リーンにし過ぎると、温度が高くなり過ぎてこうなることがある」とのこと。以前の亀裂が温度変化の拍子で、スパークしないまでに進行したのではないか、ということでした。エンジンを回してLouが確認すると、快調な状態に戻りました。結局20分ほどで修理が完了になりました。

気を取り直しての出発します。Kenは、ほぼ無言です。最初にRunupまで向かった時に質問したところ、「君がPICだから、すべて君が判断するんだ」と言われていたので、気にせずに手順を進めます。いつもはInstructorのMikeが困ると助け船を出してくれていましたが、今日は全て自力でこなす必要があります。離陸後は、まずLake Mathewsへ。ここからはKenの指示にしたがって操縦します。最初はPDZ VORに向かい、それから指示された高度、針路を維持します。すぐにUnusual Attitudeの試験になりますが、これは簡単に戻せました。2回行なって終了となり、RiversideへのVOR Approachのセットアップ、SOCALへのコンタクトを指示されます。

準備が出来るまでは操縦してくれるとのことで、それを利用(活用)してApproach Briefingまでしてしまいました(笑)。SOCALはかなり忙しそうで、なかなか返事をしてくれませんが、3度目の語りかけで返答あり。Practice Approachが了承され、PDZでのHolding Patternを利用したProcedure Turnに向かいます。「どのエントリーをするつもりだ?」とKenに聞かれ、「Teardropです」と答えましたが、大間違いでした。位置関係からDirect以外あり得ない角度で、「本当にTeardropか?」と聞かれて、「Directの間違いでした」と訂正します。他にも、試験を通して針路でも2度ほどKenは助け船(指摘)を出してくれました。

Coronaのアプローチは順調に進み、その後のMissed Approachの手順もスムーズ。すぐにRiversideのアプローチの準備を始めます。ATISを取り、Altimeterの設定を変更し、Localizerの周波数のセット、モールス信号確認、コースセット、VOR2もPDZを使用したクロスチェック用に同様に設定します。また、RiversideのTower周波数もCOMにスタンバイさせ、すべての設定をブリーフィングで最終確認します。そこで、KenがAttitudeとHeadingにカバーを付けてPartial Panelに。レーダーベクターされており、針路を指示されるたびに、ハラハラしながら変針しますが、多少のずれはあったものの、大きくは外れることなくLocalizerに乗ることが出来ました。90Knotsを維持するよう、細かくピッチとスロットルを調整しながら進みます。相槌さえ打ってくれませんが、一人で「Needle moving, cross EXPAM at 2500 and start timer when crossing」「Speed 90knots, slightly left of course, correcting」「100 to minimum」などと声を上げ続けて、Kenにコントロール出来ていることをアピールします。しばらくMinimumで飛んだ後で、「Execute missed approach」とKenからコールがありました。

その後、SOCALに戻りHDG260を指示されますが、最後のChinoへのILSアプローチを依頼しますが、マシンガントークが続いているSOCALからはなかなか反応がありません。仕方が無いので、Approach Briefingを行ない全ての設定を完了して待っていると、「Say your request again」。ようやくLocalizerへの誘導が始まり、左に180度の変針。どうやらChino空港を通り過ぎる辺りまで来ていたようです。そのため、時間的余裕がたっぷりと生まれ、Briefing内容を再度確認し、余裕を持ってApproachの準備をすることが出来ました。これが功を奏したのか、Partial LOCの後のILSのせいなのか、全く問題なく自信を持ってアプローチ出来ました。Minimumでフードを外すと、ぴったりの場所に。そこから12knots G17knotsの風に煽られ気味になりましたが、なんとかPAPIに乗ってTargetに。着地直前に再び煽られ少し右にずれましたが、そのまま着陸。引き続いてスクールへタクシー。

Kenはその間も無言で、気まずい空気が流れます。良い部分もあったけど、明らかな失敗も2度ほどあったからなあ、と考えながらエンジンシャットオフ。Kenは「Good job! See you inside」と言い残してさっさと降りてしまいました。荷物の整理、Hobbの記録などをすませてから飛行機を降りると、Louが「Congratulation!」とやってきました。「まだ結果を聞いていないんだけど」と言うと、「自分が聞いておいたから(笑)」。それでも信用できず、「どうだった?」と他の人に聞かれても、「まだファイナルアンサーを聞いていない」と答え、Kenの待つ教室に向かいます。

教室ではKenがパソコンに向かっていますが、沈黙のままです。耐えきれなくなり、「結果は?」と尋ねると、「合格だよ」。「本当ですか?」というと、「気に入らないなら、まだ変えられるけど」とKenが初めてにやりと笑いました。ここで初めて、合格が確信できました。そのままペーパーワークに入り、Kenの持ち込んだ小型プリンターでテンポラリーライセンスを発行し、これまでのプラスチックのライセンスには穴開け機で穴を開けます。こうした必要な小物を全て持ち込んでいるのは、すごいと思います。フライトのコメントを聞きましたが、「特にないよ。良く出来ていたよ」とのことで、何だか拍子抜けしつつ、盛り上がらない時間が続きます。

そんな時、Kenの携帯に電話が。光った待ち受け画面には、柴犬の姿が。電話の後でKenに「それは、もしかして柴犬ですか?」と尋ねると、「日本ではありふれた犬だろ」と笑います。聞くと、柴犬を飼っているそうで、南カリフォルニア柴犬クラブの会員でもあるそうです。「彼女は写真に撮られるのがとっても好きなんだ」と言って、何枚も写真を見せてくれました。すっかり相好を崩しています。先週は柴犬クラブの集まりで、30匹の柴犬と飼い主が集まってピクニックをしたそうです。

その後、スクール恒例の飛行機の前でのExaminerとの写真撮影をして、ひと段落しました。まずはMikeのところに向かい、合格の報告とこれまでの感謝の念を伝えます。「素晴らしいインストラクターに出会えて本当に幸運だった。そのおかげで合格できた」と言うと、Mikeも「良い生徒に出会えてよかったよ。生徒だけでなく、友人としても良い人間に出会えた。」と、すごいことを言ってくれます。「その言葉をそのままお返しします」と伝え、一緒に記念写真を取ってもらうように頼みました。4ヶ月間ずっと励まし続けて面倒を見てくれたMikeとの写真は、ぜひ撮りたいと思っていました。

他のスタッフや居合わせた学生の皆さんにもおめでとう、おめでとうと口々に言われ、ようやくスクールを後にしました。Louは早速、「次はCommercialを取らないか?Instrumentに比べて、Commercialは楽しいぞ」と早速営業に入っていましたが(笑)。全て終わったのが6時過ぎ。朝10時にスクールに来てから、長い1日でした。

プローチ合計(Simulator含む):
49回(ILS19回、LOC10回、VOR20回) 

飛行実績:
飛行時間:1.6時間(累計139.3時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 1.6時間(累計49.9時間)
:Instrument 1.25時間(累計44.15時間)
:Instruction 0.0時間(累計52.6時間)
:夜間1.0(累計4.1時間)

着陸回数:1回(累計255回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計11回)

グラウンドスクール
3.0時間(累計21.9時間)

IFRレーティング合格[チェックライド1]

前日、試験の準備で午前3時過ぎに寝ました。今日は昼の12時半に試験開始なので、時間的余裕はあります。Mikeと最後の打ち合わせがありますが、10時半という話にしてありました。そんな訳でゆったりとした気持ちで朝にシャワーに入っていると、Mikeから電話が。「午前にも一人試験を受ける学生がいるが、天候が悪過ぎて飛べないので、ExaminerがOralを二人分午前中にしてしまいたいと言っている」とのこと。そんな勝手な話とは思いましたが、とりあえず急いでスクールに向かいます。10時ちょうどに空港に着くと、天候が回復しつつありExaminerは予定通りフライト試験に向かうとのこと。完全な空振りでした。

ExaminerのKenさんは、現役のエアラインパイロット。Mikeから気難しそうだが良い人だと聞いていましたが、見るからに気難しそうです(笑)。フライト試験に向かうKenとまずは挨拶だけして、その後、スクールで自宅でプリントアウトするつもりだった最新の天候チェックなどを行ない、教室で最後の悪あがきで気象の勉強をします。しばらく勉強していると、Kenと学生が帰ってきました。結果は合格とのこと。何となくプレッシャーを感じます。

Mikeは他の学生のGround Schoolをしているのですが、ちょくちょくとやって来ては「先の学生に、どんな質問が出たか聞いた方が良い」とか、「アプローチの試験はCorona、Riverside、Chinoだったぞ!」といろいろな情報を教えてくれます。さらに「Examinerは昼食に行くと思うから、その間に先の学生にいろいろ聞けるぞ」とも。ところが、Kenは自分で昼食を持参しており、「キミが構わなければ私の食事をしながら試験を始めよう」。嫌という理由もないので、早速試験が始まります。まずは、書類の点検から。Mikeも同席し、IACRA上で書類をチェックします。「so far, so good」と言うことで、Mikeは退席。その後、ログブックなども細かく確認しますが、特に問題はありません。昨晩、しっかりと全ての数字を確認した甲斐がありました。

ようやく初めての問題。「用意したフライトプランに関して、天候のブリーフィングをしてくれ」。この日は、Marine Layerrが発達しており、海岸沿いのSanta Barbara(SBA)空港は視程6milesながらCeilingは1000feetほど。ILSなら降りれますが、VORでは厳しいところです。また、当然Alternateが必要なのですが、海岸近くのOxnard、Camarillo共に、SBA同様の天候です。Approach PlateでMinimumをチェックすると規定は満足しているのですが、確実性を考えVan NuysをAlternateに設定した事を、各空港の天候状況を説明しながら話しました。

Kenはうなずいて話を聞いた後に、「今日のような天候でSBAには行けるか?」との質問。「規定上は満足しているが、Ceilingが1000なので、私の飛行経験から考えて、行かなくてすむなら行かない事を選ぶ」と返答しました。ところが、この答えはKenを満足させるものではなかったようで、「ではなぜInstrumentを取ろうとするのか?Ceiling 1000ならVFRでも飛べるぞ」とのこと。Kenとしては、使える資源(資格も含めて)を活用して飛ぶことを求めていたようで、見当違いの話に持っていってしまったようです。

さらに、試験は悪天候の際の話に進みます。「IFRパイロットとして最も注意しなければならない天候は何か?」「Thunderstorm以外に、危険な天候は?」「Icingに直面したらどうするか?」「Thunderstormの注意点は?」などの質問がでます。一つの答えが次の質問が重ねられ、徐々に細かな点を突かれてくるので、答えるのに苦労します。答えに詰まると気まずい沈黙が訪れます。

またApproach及びDepartureの話になり、「Circlingの際、どのような条件でMDAより降下できるか?」「Alternateの空港にInstrument Approachが無い場合、Weather Minimumはどうなるか?」「離陸後何フィートでRunway方向から変針を始めるか、またその理由は?」等の質問が出ました。満足できる答えを返すと「Good Job!」そうでないと沈黙といった感じで、試験は進んでいきます。

何度か詰まったり、「それは概念を勘違いしている」、さらに「質問を控えておいて、後で自分で調べるように」とも言われました。正直、ここでもう終わったかなと思いましたが、「いくつか間違いはあったが、全体としては良く出来ていた。さあ飛びに行こう」との予想外の言葉。フライトの手順は、Lake MathewsでUnusual Attitude、CoronaへのFull ProcedureでのVOR、RiversideへのPartial PanelでのLOC、ChinoへのILSとのことで、Mikeの情報通りでした。情報通りだからと言って、上手く行く保証は全くないのですが(笑)。Oralは、全部で1時間半ほどでした。

続く

[IFR37]総まとめ

今日は試験前日ということで、最後の総まとめです。

GroundではIACRAと呼ばれる、FAAのパイロット資格申込・登録サービスに必要事項を入力して、Examinerにデータが渡せるようにします。これはとても便利なサービスで、受験に必要なペーパーワークが全てWebサービス上で完了します。内容は、住所・氏名と、練習に使用した飛行機とその経験時間や全般的な飛行時間などです。これらを記入して、Submitすると、Instructorの画面で見ることが出来るようになります。Instructorは数字を確認し、さらにWritten Testの受験番号などを入れて、承認(実地試験への推薦)の手続きを行ないます。これらが終了すると、Examinerが入力画面上で確認できるようになるわけです。今日は、まずこの準備を行ないました。

プライベートの時と違うのは、トレーニングを含めた各種フライトの時に、どの項目で記入したら良いか難しくなったことです。さらに、日本と記入のルールが異なるのが困惑に拍車をかけます。インストラクターのMikeも話が毎回微妙に変わるので、その度に修正をします。最近は、疑問な数字は全て鉛筆書きにしているので、修正も簡単です(笑)。分かったこととしては、
  • アメリカではDualとPICタイムを重複して付けて構わない(IFRトレーニングなど。日本は不可)
  • 日米ともSimulatorではPICタイムは付けられない(Dualのみ)
ということです。日本とルールが違うPICタイム(派生的にPIC XCタイムなどにも影響)については、記入に悩みましたが、全て鉛筆で書いておき、日本で切り替えを申請する時に再度航空局に問い合わせて指示を仰ごうかと考えています。こうしたルールは、共通にしてくれると本当に良いのですが。ただ、全てアメリカ方式が良いわけではなく、DualとPICを重複出来ない日本式の方が、PIC、Solo、Dualを合計すると総飛行時間になる分、理に適っているような気もします。アメリカでも、夜間飛行やXCの定義が何通りかあるなど、合理的なアメリカでもいろいろ微妙な点があるようです。

これらが終わった後は、フライトです。夕方にスクールに行ったため、外は既に真っ暗に。試験本番前日、そしてプライベートのトレーニング以来の夜間飛行になってしまいました。フライトの内容は、何度も何度も飛んでいる、Corona(VOR)、Riverside(ILS)、Chino(LOC)の各アプローチをめぐるものです。本当はUnusual Attitudeなど、本番の試験と全く同じ項目をする予定でしたが、夜間なので安全を考慮して省略します。「練習した時大丈夫だったから、大丈夫だよ」と、Mike。ただ、最後にUnusual Attitudeを行なったのが8月初旬なのが気にかかります(笑)。また、同じく久しぶりのPartial Panel(Gyroの故障を想定して、Heading IndicatorとAttitude Indicatorを隠す)でのLocalizerアプローチは実施します。

肝心のアプローチは、Slightly below合格ラインといったところでしょうか。自分ではそう感じました。これは、明日は奇跡に頼る必要がありそうと思い、しんみりした気持ちでスクールまでタキシングして機体を止めると、Mikeが「信じるか信じないか分からないけど、明日は合格するね」と一言。「ただし、以下の点を直すこと~」と始めましたが、その直すべきことの多いこと(笑)。とにかく「Don't fly behind the airplane」ということで、特にMissed Approach時に次のアプローチに向けての準備をすぐに始めることを念を押されました。

ここで、いい感じに(というかかなり)疲れているのですが、さらにOralの練習もします。勉強に使用しているASAの「Oral Exam Guide」をMikeが取り上げ、質問をしてきます。Mikeは天候の問題は、Examinerはそんなに出題しないと言っていましたが、以前に試験を受けた人のインタビューをした結果、天候にかなり重点をおいた質問をしてくる人物らしいと分かったとのことで、その辺りを突いてきます。Mikeの言葉を信用して、あまり覚えていなかったので、試験前夜というのにタジタジになりました。これも、Slightly Below合格点という印象で終了。

試験前夜に、晩の9時までスクールでMikeと二人で作業を続けました。Mikeは今朝は9時から仕事だったそうで、明日も朝9時から仕事だそうで、「寝袋を持って来てスクールで寝泊まりしたいくらいだ」とのこと。でも、引越したばかりの新居が良いのではと言うと、「まだ箱に囲まれて暮らしているよ」との返事でした。「まあ、もう少し勉強して、ぐっすり寝て、来ること」との話で長い一日が終わりました。

結局、Examinerから出されたフライトプランや、ウェイトアンドバランスの作成、ログブックの確認(なぜか、数字がおかしくなっているところがあり、その原因を探ったり)、 Oral対策などをして午前3時頃に眠りにつきました。試験はお昼12時30分からです。 

プローチ合計(Simulator含む):
46回(ILS18回、LOC9回、VOR19回) 

飛行実績:
飛行時間:1.0時間(累計137.7時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計48.3時間)
:Instrument 0.7時間(累計42.9時間)
:Instruction 1.0時間(累計52.6時間)
:夜間1.0(累計4.1時間)

着陸回数:1回(累計254回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間1回(累計11回)

グラウンドスクール
3.0時間(累計21.9時間)

2011年10月14日

[IFR36]再度のロングXCでサンタバーバラへ

計器飛行(Instrument)の試験を受けるには、250nm以上のクロスカントリーをする必要があります。2週間前にSan Luis Obispoまで飛んだので距離的には十分のはずだったのですが、そのロングクロスカントリーの条件に「3種類のアプローチを実施すること」という条件がありました。Mikeと私もすっかりこの要件を忘れてしまい、単純に往復してアプローチも1回ずつの計2回で終えてしまっていました。MikeもInstructorを始めてから、ずっとPrivateの学生ばかり面倒を見ていたそうで、Instrumentの学生を教えるには、まだまだ不慣れな点があるようです。
第1レグの航跡(FlightAware.comより)。
という訳で、再度のロングクロスカントリーに出かけることになりました。MikeはInstructorとして、このルールに則ってロングクロスカントリーをしなかった事に大変責任を感じているようで、「このロングクロスカントリーはInstructor費用はいらないから」と言っています。そうは言っても、Mikeはまだ小さい子供2人を奥さんを抱えて奮闘していますし、経験を積めるという意味では良い機会なので、気持ちだけもらっておくことにします。

さて、250nmで3つのアプローチという条件(さらに最低でも1区間は50nm以上あること)を最短距離で満たすにはどうしたら良いか。いろいろ調べた結果、CNO-SBD-SBA-CNOという三角形で飛ぶこととしました。SBD(San Bernardino空港)ではLOC、SBA(Santa Barbara空港)ではVOR、そしてCNO(Chino空港)ではILSとそれぞれアプローチをすれば、条件を満たすことが出来ます。飛行距離は、計265.4nm。さらに効率的なプランはないかと探しましたが、Chino空港発では、これが一番のようです。

さて、様々な準備をしてスクールに向かうと、受付に日本人がいてLou校長と何やら話をしています。先方も日本人学生が現れたことに驚いた様子で、「日本人か!?」と声をかけられました。Du Boisの裏のハンガーでフライトスクールを長年経営されておられる方だそうで、相談でやってきたとの事でした。せっかくなので話が出来ればと思いましたが、クロスカントリーに向けて準備をしなければならず、教室に向かいます。

第一レグのCNO-SBD。これは距離が短すぎるせいか(21.3nm)、TEC Routeが用意されていません。そうした場合はFlight Planをファイルする、通常のIFRになります。このプランのファイルは私が一人ですることになっていました。ファイルは30分前までに行なわなければならず、ファイルが遅れると出発時間も遅れてしまうことになります。電話でBrieferにプランを伝え終わる頃にMikeが入ってきました。そのまま今日のフライトの打ち合わせと、出発予定時間を伝えて、Pre-Flight Checkに向かいます。機体は前のフライトから戻って来たばかりで、エンジンルームは熱々の状態。雑巾を持って来て、ミトン代わりにしてオイルの点検をします。オイルが既定値内ながら少な目なので、念のためオイルを1本持って行くことにします。また、現地でのためにTow Barも1本拝借して機内に積み込みます。さらに、燃料も補給の必要がありました。最後にコクピットでヘッドセットやチャートをセットしていると、あっという間に30分は経ってしまいます。

燃料トラックがやってきて補給も終わり、いざSBDに向かいます。まずはGroundにTaxiとIFR Clearanceを要請します。短く簡単なルートなせいか、その場でクリアランスをもらいました。
Cleared to San Bernardino Airport, via PDZ then direct. On Departure, right turn direct PDZ. Climb and maintain 4000. Departure frequency 135.4, Squawk will be assigned by tower.
今日はRwy08L/Rが使われており、初めてのRwy08Lからの離陸。そう言えばC150のCheck OutでMikeと初めて飛んだ時はRwy03でした。この辺りで西風以外の時は、Santa Anaウインドで気流が荒れているということです。出発準備が整いTowerにコンタクトすると、Squawkコードを告げられ、離陸後はHdg080を維持との指示が。さらに、ATISが変更になったとの報告が。どうも天気の変化が急なようです。気流の悪さに気をつけつつ離陸しましたが、特に問題はなし。SOCALにコンタクトすると、そのままSBDのLOC06にレーダーベクターを受けました。SBD Towerに移管されると、「風が弱いので、そのままストレートインするか?」と聞かれました。そのまま受け入れますが、ストレートインなのでMDAが変更となります。慌ただしく確認し、追い風に注意しながら着陸。ブロックタイム0.6時間、フライトタイム0.3時間でした。さすがに短いフライトです。

着陸後、GroundにIntension(今後の意向)を聞かれ、「TEC RouteでSBAまで」と伝えます。Rwy24にタクシーして待機との指示で、Parallel TaxiwayをRwy24エンドへと進みます。この滑走路は3000m以上もあるので、2マイル近くタクシーした計算になります。目的地にたどり着くと、すぐにClearanceが発出されます。TEC RouteのONTN16そのままで、PDZ V186 DEANO V27 KWANG then Direct, 6000feetでした。Towerに移管後、Release IFR Flight Planを要求し、すぐに離陸。気温が高く6000feetに上昇するのにも時間がかかりましたが、上がってしまえば気流も安定しており、スムーズな飛行です。Paradise(PDZ)、Van Nuys(VNY)、Fillmore(FIL)と飛んで、そこから海上に進みます。
第2レグの航跡(FlightAware.comより)。途中で航跡が消えています。
巡航中はアプローチほどの忙しさはありませんが、チャートと見比べながら途中途中のフィックスの場所をVORのクロスチェックで割り出し、また、通過するVORへの接近も分かるようにします。この辺りはDME非装備機ゆえでしょうか。また、ミクスチャも微調整して、最も効率が良い設定を探します。ATCに耳を傾け、高度、針路を確認し、エンジン出力を微調整する。そしてその間にMikeと世間話(笑)。さらに、SBAが近付くとATISのチェック、アプローチブリーフィングの実施。やることは色々とあります。

SBAはVOR25で、ストレートイン。スムーズに着陸しましたが、やや滑走距離が延びました。ブレーキの利きがやや甘い気がします。Groundからタキシング許可と、交差する滑走路手前での待機を指示され進みます。Mikeと待機場所に関して意見が別れましたが、結果は私が正解でした。先週にVFRで来ておいたのが活かされました(笑)。ブロックタイム1.9時間、フライトタイム1.6時間でした。

SBAでは、2週間前に来た時と同じAtlantic Aviationに駐機しました。この空港は、TransientでもFBOでHandling Feeを支払うか、もしくは燃料を買う必要があるそうで、今回は燃料を購入しました。以前のSan Luis Obispoでもそうでしたが、こうしたFBOで燃料を購入すると本当に一杯になるまで入れます。売上に関する執念は、大したものです(笑)。MikeとAtlanticの建物内で休憩し、無料サービスのコーヒー、クッキーをもらいました。ここはビジネスジェットのハンドリングを主に考えているようで、ソファがあったり、リクライニングチェアがあったりと優雅な作りでパイロット、搭乗客の双方がくつろげるようになっていました。

飛行機も人間も燃料補給が終わり、帰途につきます。TEC Route SBAN16です。Clearanceにコンタクトすると、CMA VNY V186 PDZ then Direct, 3000, 5000 after 10minutesのクリアランスをもらいます。離陸はRwy15Lから。Fly Runway Headingということで、ずっと海上をまっすぐ進みます。そろそろ陸地に向かいたいなあと思う頃、ようやくDirect CMAの指示が。その後すぐにhdg065, when enable direct VNYをもらいます。
第3レグ(FlightAware.comより)。ヘディングだと直線、VORトラッキングだと蛇行((修正するため)の航跡になっています。

VOR2でVNYを受信しており、安定しているようだったので、「~, we can proceed direct VNY at this time.」と応答しました。が、VOR1に切り替えて飛ぼうとすると、安定的に受信出来ません。私はVOR1の故障を疑いましたが、Mikeは「こうした場合はとりあえず指示されたヘディングで飛行し、受信が安定するのを待ってから直行すべきと教えてくれました。しばらく待っているとVOR1でも受信が出来るようになり、自身を持って直行できるように。なるほど。

その後、順調にVNY、PDZとフライトを続け、「Depart PDZ, fly hdg080」、レーダーベクターを経てILS26RのLocalizerに誘導されました。ただし、指示通りの針路ではなかなかインターセプトできず、さらにGlideslopeもはるか下と、大雑把なベクターでした。穏やかな西風でILS上を維持するのも難しくなく着陸まで到達しました。再びブレーキが緩かったようで、ずいぶんと長く(Hまで)滑走してからTaxiwayに出ました。ブレーキを確認してもらった方が良いかと思い、Mikeに踏んでもらうと、しっかりと効いていました。どうも高速域でのブレーキの効きが良くないのかもしれません。無事にスクールにたどり着きました。ブロックタイム1.9時間、フライトタイム1.5時間でした。

今度こそ無事に、ロングフライトも終えました。PIC XCも53.7時間と50時間を超え、これでInstrument試験受験の条件はすべてクリア―しました。オーラルを勉強し、実技を練習して、試験に向かうのみです。試験前日にMikeに仕上げを確認してもらう予定でいます。 

プローチ合計(Simulator含む):
43回(ILS17回、LOC8回、VOR18回) 

飛行実績:
飛行時間:4.4時間(累計136.7時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計48.3時間)
:Instrument 3.5時間(累計42.2時間)
:Instruction 4.4時間(累計51.6時間)
:夜間0.0(累計3.7時間)

着陸回数:3回(累計253回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計10回)

グラウンドスクール
0.0時間(累計18.9時間)

[IFR35]仕上げに向けて

今回も、前回と同じChino空港周辺のアプローチめぐりです。前回は初めての操縦となるCherokee180でのトレーニングでしたが、今回はいつものChrokee140が復活しており、いつも通りの機体でのフライトになりました。

今回は、離陸後直接にPDZ VORに向かい、そのままCorona空港にVOR-Aアプローチをかけるので、離陸前にChino Groundに連絡をしておきます。

Chino Ground, Cherokee 5800U request ATC Service for multiple practice approaches starting with VOR-A at Corona
Roger, Departure Frequency is 135.4, squawk will be assigned by tower

このように伝えると、SOCAL APPと調整を取ってくれ、離陸後SOCAL APPに移管されて誘導を受けることになります。

Corona空港のVOR-Aアプローチでは、PDZにあるHolding Pattern上でProcedure Turnを行なうのですが、ChinoからPDZに直行する場合は教科書的には「Parallel Entry」になります。しかし、InboudでVOR直上を通過後、すぐに変針、降下となるような場合は、「Teardrop Entry」を行なってInboudのLegでの時間を稼ぐことが必要、とのことです(Parallelでは、Outboundから45度のアングルでInboundのコースにAlignするため、時間的余裕がなくなります。

そう教わっていたのですが、しばらくの事ですっかり忘れてしまい、Parallelでは行ってしまいました。案の定、InboundコースへのAlignがVOR通過直前となり、慌ただしく、しかもその後の変針でもたついてうまくFinal Approach Courseにの乗ることが出来ませんでした。乗ることが出来ないとMAPに向けての降下開始も遅れ、それでなくとも急角度で降りなければならないところを、さらに急に降りることになってしまいました。速度も90knotsを超え、あまりぱっとしないアプローチに。

引き続いて、Missed ApproachからSOCAL APPにレーダーベクターを受けてRiverside空港のILSに誘導されます。今回もローカライザーアプローチを試します。コースに乗せること自体は問題ないのですが、途中のFIXをVORのクロスチェックで確認し、そこでの最低高度を守ること、さらにFinal Approach Fix(FAF)では、タイマーをセットしてアプローチ可能な時間を計測する事と、やるべきことは山ほどあります。時間に気を取られている間に、MDA(Minimum Descend Altitude)を少し下回ってしまいました。これは試験ならば、一発で不合格です。どうもローカライザーアプローチは、ILSのグライドスロープが目に入ってしまい、そちらについて行ってしまいそうになります。

最後にChinoへのILSアプローチを実施。これは問題なく出来ましたが、ファイナルアプローチ直前でMikeに「もう1回、CoronaのVOR-Aアプローチをしたい」と申し出ました。Mikeが管制官に連絡を取ってくれ、Low Passで再びPDZ VORへ。

2回目のChinoへのアプローチですが、VOR1とVOR2の2つの計器を使い、VOR2にVORへのHolding Inboundのコースを設定し、VOR1にVORからのファイナルアプローチコースをセットして使いました。こうすれば、VOR通過時点での慌ただしい操作から解放されるかと思ったのですが、Mikeの講評は「気持ちはわかるしダメとは言わないが、VOR1だけを使うようにした方が、手順が乱されなくて良い」とのこと。確かに、「Turn、Time、Twist、Throttle、Talk、Track」とさんざん習った手順にするには、VOR1だけを使った方が良いのかもしれません。

VOR-AのMissed Approach後は、 普通のVFRフライトに戻り、フードも外して久しぶりにのびのびとパターンを回って着陸へ。出発機の関係で急にBaseに入りかけてからDownwindを延ばすように指示されました。着陸自体は、まあ合格点でした。

全体としての感じは、やはりMultiple Approaches(立て続けにいくつものアプローチを実施する)は、時間的余裕が無いこと、ATCとのコミュニケーションが非定型的になることから、どうも苦手です。作業量が多すぎて、まだ処理に余裕がなく、その結果、ポロポロとミスをしてしまう状態です。この様子では試験も危ない気がするのですが、Mikeは「まだ時間があるから大丈夫。やることは分かっているのだから、後は慣れだけ」とのことです。口述試験の対策もあるので、試験まではなかなか大変です。


プローチ合計(Simulator含む):
40回(ILS16回、LOC7回、VOR17回) 

飛行実績:
飛行時間:1.4時間(累計132.3時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計48.3時間)
:Instrument 1.1時間(累計38.7時間)
:Instruction 1.4時間(累計47.1時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:1回(累計250回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計10回)

グラウンドスクール
0.0時間(累計18.9時間)

2011年10月10日

[IFR34]再び腕が錆び錆びに・・・

先日、実はトレーニングのためにスクールを訪れたのですが、天候が最悪だったことと、何よりもトレーニングに使用している機体の右主脚にクラックが見つかったのとで、キャンセルになりました。悪天候で他にトレーニング生もおらず(私はIFR XCのトレーニングなので、悪天候でも飛べる可能性が高かったので出かけました)、Mikeと世間話をして帰ってきました。

せっかくなのでクラックも見せてもらいましたが、良くぞメカニックは見つけたなあ、と思うほど場所、大きさ共に発見が困難なものでした。教えてもらった場所を見るにも、懐中電灯を持って、ハンガーの床に仰向けに寝転んでようやくでした。しかも、分かりやすくマジックペンでマーキングがしてあったにも関わらず、私には、言われてみればクラックかなあ・・・という程度にしか分からないものでした。絶対に飛行前点検で見つけられるようなものではありません。逆に言えば、このスクールのメカニックはものすごい執念で飛行機を点検してくれているのだな、と逆に安心感を覚えたほどです。クラックは発見時点では全く危険なサイズではなく、右脚を交換することになりました。

というわけで、大至急で修理してくれるとは言え、しばらくいつもの機体で飛ぶことが出来ません。今回は初めてCherokee180で飛ぶことになりました。この機体はサイズなどはいつものCherokee140(ただしエンジンは160に換装済み)と同じですが、パワーが180hpと20馬力だけ大きいものです。「大した違いはないから」とMikeは簡単に言いますが、初めて乗る機体でIFR Approachを行うと考えただけでも、先行きは明るくありません(笑)。点検を終えてタキシングをすると、どことなく重たい気がします。

今日のトレーニング内容は、仕上げとしてのMultiple Practical Approachesです。Corona空港のVOR-A、Riverside空港のILS9、そしてChino空港のLOC26Rとまわってきます。「離陸後すぐにPDZに行きたいか?」とMikeに聞かれますが、初めての機体なので、まずはLake Mathewsで肩慣らしをしたいと告げます。離陸も重い感じですが、上がってからは20hpの余裕で、750-1000fpmでぐんぐんと上昇していきます。ただし、慣れないのと気流が悪いのとで操縦には少し手こずる印象です。Lake Mathewsに到着後、肩慣らしする間もなく「Corona空港アプローチの準備を!」とMikeに急き立てられます。

SOCAL APPにコンタクトを取り、Multiple Approachesを依頼します。3500feetでPDZ、そこでホールディングパターンに入るよう指示が出ます。同時にMissed Approachの後は、3500feetで北西に向かい、再びSOCALにコンタクトせよとの指示。PDZの通過の際、少し北側にずれて通過したようで、ここからFinal Approach Courseに合わせるのが遅れ、したがってMDAへの降下開始も遅れ、Corona Trafficへの通報も遅れと、すべてが後手に回ってしまう結果に。

その上、Multiple Approaches練習時の弱点であるMissed Approachから次のアプローチの準備の遅れも指摘されてしまいました。Missed Approachでは、上昇と旋回に気を取られて、次のアプローチの準備(無線のセッティング、ブリーフィング)が遅れてしまいます。SOCALにはCoronaのアプローチで行ったん周波数を離れる前に、次のRiverside空港へのILS9アプローチを伝えてありましたが、担当者が変わったようで(声が変わっていました)、引き継ぎされていなかったようで、全て伝え直してベクターをしてもらいます。RiversideでのILSアプローチはほぼ手順どおりに出来ましたが、1300feetでMissed Approachしてからがボロボロでした。

最後のChino空港へはLOC Rwy26Rアプローチでしたが、ベクターがあっという間で、ブリーフィングが終わる前にIntercept Localizerとなってしまい、しかもLocalizer ApproachにもかかわらずILS/LOC共用チャートのせいもあり、気が付くとGlideslopeを追ってしまう始末で、全くもって酷い内容でした。Multiple Approachesの場合は、とにかく素早く次のアプローチの設定、ブリーフィングが必要です。しかし、着陸復航やベクター、指示された高度、針路の維持などを気にしているとあっという間に時間が経ってしまいます。

着陸後、Mikeから「腕がさびているな」と言われてしまいました。まあ、自分でも分かったことですが。さらに、「クロスカントリーではMutipleは必要ないし、一つずつだと出来ているけど、でもCheck RideはMultipleでやらないといけないからなあ」。自分でも、飛行機に置いて行かれている気がしていたと答え、まずはFlight Simulatorで練習してみると答えました。MikeはFlight SimulatorはInstrumentの練習にはとても良いといつも言っていますし、私もそういう気がしています。

時間を見つけては、自宅のPCに入れてあるシミュレーターなどを使って練習したいと思います。試験まで時間が無い中、口頭試験、実技試験共に壁を越えねばならないようで、頑張りどころかなと思います。

プローチ合計(Simulator含む):
36回(ILS15回、LOC6回、VOR15回) 

飛行実績:
飛行時間:1.4時間(累計130.9時間)
Simulator:0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計48.3時間)
:Instrument 1.1時間(累計37.6時間)
:Instruction 1.4時間(累計45.7時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:1回(累計249回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計10回)

グラウンドスクール
0.0時間(累計18.9時間)

2011年10月5日

[IFR33]苦手なWeatherに四苦八苦

今回は夜にスクールを訪れて、Mikeにグラウンドスクールをしてもらいました。これまでグラウンドスクールを何回か受けましたが、天候については扱っていませんでした。理由は二つ、1つはプライベートパイロットの時と天候で覚えるべきことは同じだから、もう一つは、Mikeも私も天候を苦手とするからです(笑)。

私自身は、そこまで苦手意識はないと思うのですが、苦手意識の有る無しに関わらず、英語で天候について勉強するのはなかなか大変です。sublimationという単語が出てきたので、何かと思ったら「昇華」でした。原理は分かっていても、しっかりと英語でそれをアピールするのは、難しいものです。

Mikeに言わせると、「パイロットは皆んな、天候は嫌いだ。俺たちは気象予報官じゃないんだから。」だそうで、さらっとすましたいようです。私は原理について考えるのは好きですが、理屈は頭に入っても感覚的に納得できない点もあったりします。そういうことに関しては、Mikeの解説に期待するのは期待薄な感じです。それよりも、パイロットがどのように天候を確認して、何を判断基準として近づく・近づかない、飛ぶ・飛ばない、を決めているのが知りたいと思いました。そういう意味も含めて、いろいろと質問をするのですが、いつもとうって変わって逃げ腰のMike。テキストを棒読みし始める始末で、いかに天候を嫌っているかが良く分かりました(笑) 。

それでも2時間ほどグラウンドを行なって、分かったのは自己流の判断で、大きく間違っていないということでした。天候は一度として全く同じ状況になることは無いので、さまざまなソースから情報を集めて総合的に判断する。それしかないようです。全員に統一したルールは無いので(VFRの飛行条件などはありますが)、自分の中で原則を決めておき、それに基づいて判断する、と言うことのようです。たとえば、私はAirmetでAdvisoryが出ている時には、原則として、飛ばないようにしています。

その後、次回のロングフライトについてルート、アプローチ方法を相談して終わりました。Mikeは今週末の引越しに向けて、いろいろと慌しくなっているようで、グラウンドスクールをしていても奥さんから電話がかかって来たりしました。「どうしたんだい、スィーティ」などと答えながら、「今、スクールで教えているところだから、後でかけ直すよ」などと言っているのをみると、一家の優しいお父さんという感じです。家族みんなで楽しみにしているオレンジカウンティへの引越し、順調に進むと良いなあと思います。

来週末の試験まで残り10日ほどになりましたが、一番の課題は口答試験(Oral Exam)な気がします。筆記試験は選択式だったので、なんとなくの理解で乗り越えられましたが、自分の言葉で説明しなければいけない口答試験は、プライベートの時が余りに簡単すぎた反動もあり、なかなか大変そうです。試験官は気難しく見えるが基本的にやさしい人物だそうで、合格させるように仕向けてくれるとのことでした。口答試験対策本やMikeにもらった口答試験問答集(300問もあります!)に目を通して、できる限り覚えて行きたいと思います。

プローチ合計(Simulator含む):
33回(ILS14回、LOC5回、VOR14回) 

飛行実績:
飛行時間:0.0時間(累計129.5時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計48.3時間)
:Instrument 0.0時間(累計36.5時間)
:Instruction 0.0時間(累計44.3時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:0回(累計248回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計10回)

グラウンドスクール
2.0時間(累計18.9時間)

[PIC25]海沿いの古都Santa Barbaraまでクロスカントリー

クロスカントリーのPICタイムが足りないということ、また試験に合わせてトレーニング機にIFRだけでなくVFRでも慣れておく、ということでトレーニング機を半日予約していました。ただし、ロングクロスカントリーをもう1回やることになっているので、実際はこれ以上のクロスカントリーは不要となっています。それでも、やはりトレーニング機に目かくし無しで乗れるのは貴重な機会ということで、気楽なVFRでのクロスカントリーに出かけることにしました。行き先は、IFRのロングクロスカントリーの行き先、Santa Barbaraにしました。下見も兼ねる予定です。
強い日差しの中、ロサンゼルスのダウンタウンが左手に見ます
AOPAのフライトプランナーで作成したプランでは、行き115nm、1:07、帰り115nm、1:02となりました。ほど良いフライトタイムです。行きのルートはCNO-SBAのTECルートに準じてPDZ V186 DEANO V27 KWANG、巡航高度6500feetとしました。Flight Followingを入れて飛び立ちます。気流は安定しており、順調に上昇します。上昇中は5500feet、6000feetまでの上昇制限がかかりますが、それぞれすぐに解除されます。これらはLAXのClass B空域の下をくぐり抜けるためのもののようです。
ロサンゼルス市街の北側を飛行します
VFRでのフライトですが、出来る限りIFRのルールを使用して飛行します。はじめはV186に乗って、Van Nuys VOR、Filmore VORと通過していきます。航空路上なので他の航空機も飛ぶ事が予想されるため、特に高度のDebiation(ずれ)には注意します。今日はLAのダウンタウン周辺までは交通量も少なめでATCもゆっくりとした口調で管制の指示を出してきます。ダウンタウン周辺を超えた辺りから、徐々にトラフィックが増え始め、Point Mugu APPの管制官はだいぶ早口でした。Cherokeeの機が多く、コールサインで「Cherokee~」と管制官が言うたびに自分かと構えます。
Universal Studio(撮影スタジオ)上空
一度は対向して来たKingair機とのSeparationのため、340度に変針するように言われましたがすぐに視認でき、Resume Normal Navigationに。DEANOインターセクションまで進むつもりでいましたが、Mugu APPからSanta Monica APPに移管されてすぐに、「Expect Rwy15L, Follow Freeqay 101 and enter left base Rwy15L」とのこと。本当は、Practical Instrument Approach(練習としてのIFRアプローチの実施)を要求しようかとも思っていましたが、そのまま指示に従います。Towerに移管してコンタクトすると、2milesでレポートとの指示。その後、左手の沖合をジェットライナーが追い抜くように降下。地上についた後確認したところ、Republic航空のEnbraer190機のようです。あちらはRwy25にそのまま着陸。こちらは2milesでレポートして、Short Baseから着陸許可。指示に従いRwy15L Finalに入ます。
Burbank空港上空
先に降りたEnbraerはこちらの着陸滑走路手前で待機させられるかと思いきや、そのまま横切って行きます。こちらは着陸直前なのですが、思い切ったものです。そんな状況に慌てた部分もあったのか、着陸は2度ほどバウンドする良くない形に。もう一度バウンドするようならゴーアラウンドしようとスロットルに手をかけていましたが、何とか落ち着いたのでそのまま着陸を続行しました。横前風が強かったのもありましたが、接地速度が少し高かったので、もう少し注意しないといけません。
右手にサンタバーバラが見えてきました
着陸後、Transientへのタクシーをグラウンドに要求すると、南と北の2つあるとのこと。AOPAのサイト(AOPA Airport)の利用者のコメントで、南のTransient ParkingのFBO(地上支援会社)であるAtlantic Aviationの方が感じが良い(もう一方は、手数料価格も高く感じが悪いとのこと)で、Southを希望して進みます。Atlanticのスタッフが無線で聞いていたようでカートが飛び出して来て、駐機場を教えてくれます。駐機するとすかさずタイダウンをしてくれ、さらにカートに乗せてFBOの建物まで運んでくれます。ほんの150mほどの距離なのですが。このフライトはブロックタイム1.8時間、フライトタイム1.5時間でした。
着陸直前、Base Leg
Santa Barbaraは公共のTransient Parkingが無いとのことで、一時的にせよ駐機する場合はFBOのパーキングに留めることとなり、手数料(Landing Fee)を支払わなければなりません(燃料を一定以上入れれば手数料はサービスになります)。手数料は$25とのことで、初めて駐機料を支払いました。燃料を入れた方が得だったかもしれません。有料なだけあり、FBOのターミナルは豪華で、ソファや休憩設備、コーヒーなど飲み物コーナーがあったりします。ただこの中にいても仕方が無いので、これもあらかじめ調べておいたAtlantic Aviationから徒歩10分のOceanview Bar & Cafeに向かいます。ここはBeachの中にある完全に海に面したCafeで歩いてくる価値は十分にありました。10月というのに夏に逆戻りしたような陽気と周りの人の中で、遅くなった昼食を取ります。これまで目的地の空港で取った食事の中で、一番リゾート度の強い時間を過ごすことが出来ました。
Santa Barbara空港の近くにあるBeachside Bar & Cafe
Cafeの周りはこんなビーチです
1時間半ほど滞在した後で、帰路につきます。帰りはCamarillo VORへ進み、そこからマリブビーチの北側を通過して、Hollywoodサイン、グリフィス天文台の上空を通ってV186を通ってParadise VOR(実際はその手前でChino空港へアプローチ)の計画、高度は5500feetです。Santa Barbara空港は出発機は全てDeliberyにコンタクトをしてSquawk Codeをもらって出発しなければなりません。Chino空港までVFRと告げてもらった指示は、「Expect Rwy25, Right Downwind Departure, Follow Freeway101, Climb & Maintain 3000」というものでした。Squawkも指示され、その後Ground、Towerへとつないでいきます。
離陸直後、Right Downwindにて
タクシーを始めた途端、GroundにUS AirwaysのCRJ900がプッシュバックのクリアランスを取っています。こちらがランナップで手間取ると、先を越されそうです。Rwy25脇のランナップエリアで速やかに離陸前チェックリストを実施します。出発準備が完了してTowerにコンタクトを取ると「Lineup and Wait」(滑走路に入って待機)との指示。この指示を出されたのは初めてです。滑走路にはタッチアンドゴーのセスナ、後ろからはCRJが迫ってきます。追い立てられるように離陸許可が出て離陸します。前のセスナとの距離はかなり短く、先行機が右に旋回してRight Crosswindに入る時は、特に近く感じます。こちらはもう少しだけDeparture Legを延ばしてから右旋回。その直前には、US Airwaysに離陸許可が出され、本当に詰まった間隔で出発していきます。さすがClass Cの空港です。思えば、Class C空港に降りたのも初めての経験でした。
サンタバーバラ港の沖合にはクルーズ客船が停泊していました
離陸後Towerから、「Follow Freeway101 until harbor, after harbor resume own navigation, altimeter restriction canceled」との指示が。harborとはサンタバーバラ港のことで、そこまではFreewayをなぞるように上昇していきます。harborの辺りでVentura VORに向けて直進開始。洋上飛行となるので、万が一に備え、最寄りの陸地で緊急着陸できそうな空き地を目で追いながら飛行を続けます。海を超えて再び陸地上空に入り、左手奥にCamarillo空港、真下にOxnard空港を通過してVentura VORに向かいます。Ventura VORは小高い山の上にあり、簡単に視認できました。

Ventura VORを出発後は、Radial076で進みます。このRadialで進むと、Holleywoodサイン、Glifith天文台上空に到達します。ただし、この航路のすぐ南はLAXのClass Bになっており、ATCからも「How is your plan with Class B Airspace?」と尋ねてきます。「We'll fly north edge of Class B」と返答します。VORの計器とGPSを細かくチェックし、Class B空域に入らないように注意します。右手下にはMaribの海岸線が広がります。やがて右手前方にSanta Monicaの町並みが見え、その奥にBeverlly Hillsも視界に入ります。まもなくHollywoodサイン上空です。
サンタモニカの北側を通過します
目を凝らすと、電波塔が並ぶ山の南側にサインが見えてきました。その先には天文台の建物も見えます。ただし、Class Bに入らないよう細心の注意を払っていたので、写真は殆ど撮れませんでした。5500feetでこれらの真上上空から観察するのは、少し無理があったようです。この辺りを過ぎると、やがて航空路V186に合流します。航空路に乗って、Paradise VORに向かいます。やがて前方左手にOntario空港が見え、正面にChino空港が見えてきました。空港視認を告げ、VFR降下許可を得て降下します。すぐにChino Towerへのコンタクト指示が出ました。予め取っておいたATISのInformationを告げてChino空港へ着陸許可を求めます。
Hollywoodサイン
この時、大きな間違いをしてしまいました。自機の位置を12nm Northwestというべきところを12nm Norheastと言ってしまい、Modified Straight Inを指示されます。おかしいと気がつき、位置報告を修正、今度は「Right Traffic Rwy26R, Report Downwind」を指示されました。ダウンウインドでレポートしたところ、あっさりと「Extend Downwind」の指示。速度を落として進みますが、なかなかTurn Baseの指示がなく、こちらから「Please call my base」と言います。Freeway15を超えてしまうのでは(少し大げさですが)と思った頃にTurining Base Approvedと着陸許可。早速指示にしたがってBase、Finalとまわります。せっかくなのでILSをセットし、ILSのコースに乗ってアプローチします。PAPIの赤赤白白を維持してShort Finalまで進み、そこでフラップを1つ足して2ノッチにします。Santa Barbaraでの反省に基づき十分に減速して接地。今回はきれいな着陸となりました。ブロックタイムは1.5時間、フライトタイムは1.3時間でした。
帰りはダウンタウンの近くを通過しました
今回は、初めてのClass C空域であるサンタバーバラ空港への着陸・出発、LAXのClass B空域のすぐ近くを通過など、初めての経験をいくつもすることが出来ました。最近HazeやFogの日が多いですが、今日は空気の澄んでおり見通しも良く、VFRの眺めを思う存分楽しむことが出来ました。次回は、IFRで飛ぶことになりますが、イメージトレーニングとして良い練習になったと思います。

プローチ合計(Simulator含む):
33回(ILS14回、LOC5回、VOR14回) 

飛行実績:
飛行時間:3.3時間(累計129.5時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 3.3時間(累計48.3時間)
:Instrument 0.0時間(累計36.6時間)
:Instruction 0.0時間(累計44.3時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:2回(累計248回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計10回)

2011年10月1日

[IFR32]今後の方針についてMikeと作戦会議

前回のフライトトレーニング後にMikeに送ったメールとは、ロングクロスカントリーでは、「3種類のアプローチを実施すること」となっているルールについての問い合わせでした。その前もその規定は読んでいたのですが、なぜかロングクロスカントリーの際は頭から飛んでしまい、単純にCNO-SBP往復をしただけでした。Mikeからは、「ロングクロスカントリーでの3つのアプローチは、3つの空港でなくても構わない。戻って来た空港で2種類のアプローチをしても良い。いずれにせよ詳細は、次回に話し合おう」、というものでした。これを読んで私は、今回Chinoでもう1種類のアプローチを行なえば、2日がかりでロングクロスカントリーをしたことにでもなるのかな(笑)と思っていました。

Mikeと会ったところで、非常に丁寧にお詫びの言葉をもらいました。インストラクターとして注意すべき点を見落としてしまい、申し訳ないとの話でした。「あの時、Missed Approachをして、もう1回別のアプローチをしただけで良かったのに」と悔しがるので、これも経験ですよとMikeを慰め、さてどうしましょうかと話を切りだしましたが、結局はもう1回ロングフライトをしないといけないという当然の結果になりました。そこでまずは規定ギリギリとなるルートを検討し、CNO-SBA-SBD-CNOという264nmのコースを選定しました。また、試験予定日も10月9日に仮に予約をしてあったのですが、その日がちょうどMikeの自宅の引越日ということで、10月15日に変更して決定しました。2週間後ということになります。

その後、試験日までのスケジュールを調整・確認します。ロング・クロスカントリーを入れても残り3回のフライトと1回のグラウンドです。あっという間に長かったトレーニングも残りわずかとなりました。本当にこれで試験が受けられるのか不安ですが、Mikeは「大丈夫、すべて出来ているから」と楽観的です。さらに、「キミが初めてこのスクールに来てC150のCheck Outを受けた時、ずいぶんうまい操縦をするなと思ったんだ」と思い出話のようなことまで言いだします。素直に受けて、しっかりと試験に臨みたいと答えました。

その後、オーラル試験対策をいくらかやりました。筆記試験を受けてから時間が経っているので、細かい部分をいくらか忘れ始めています。しっかりと思い出して整理をしていく必要がありそうです。

プローチ合計(Simulator含む):
33回(ILS14回、LOC5回、VOR14回) 

飛行実績:
飛行時間:0.0時間(累計126.2時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計45.0時間)
:Instrument 0.0時間(累計36.5時間)
:Instruction 0.0時間(累計44.3時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:0回(累計246回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計10回)

グラウンドスクール
1.0時間(累計16.9時間)