2011年12月10日

セスナとガストに翻弄される・・・

先日からのSanta Anaウインドはおさまったように見えて、まだ残っています。その証拠に風向がなかなか一定せず、METARではVAR(variable)を良く目に(耳に)します。そんな中、今日こそC172Rを制覇してやるというつもりでしたが、またしても撃沈されました。

前回と同じく、Fly CoronaのNickと飛びます。Preflightを終えて軽い打ち合わせを行ない、早速出発します。打ち合わせで言ったのは「Touch&GoとSlow Flightの練習がしたい。それから、着陸が安定したらFlabob空港に着陸したい。」というものでした。Touch&Goは、前回ボロボロだったので、それを直したいということ。Slow FlightはC172Rを安定させられない原因がSlow Flightにあるのではないかと思ったから。Flabob空港というのは、Riverside空港の北側4NMほどの距離にある空港ですが、滑走路が狭く短いことと、DownwindからBaseに入る辺りに障害となる山があり、この山すれすれに接近してアプローチする必要があります。、この辺りでは一番難易度が高いアプローチの空港で、今まではC150とPA28-161(Piper WarriorII)で訪れたことがあります。C172Rの操縦が安定して、この空港への着陸を決められれば、自身を持ってマスターしたということが言えると思い、希望しました。

離陸後、Lake MathewsでSlow Flightを練習します。FlapありとFlapなしの両方行ないました。どうも今頃になって、「Pitch for Speed, Power for Altitude」がうまく出来ずに、つい逆にしてしまいます。どうも、この機体はパワーがあって重いので、かなり意識的にPowerを操作しないと操作が後手に回ってしまいます。Nickも私の課題がパワーにあると気が付きだしたようで、盛んに「パワーが全てを決定する」と言いだしました。

スローフライトの後は、Riverside空港でのタッチアンドゴーです。ところが、Riversideの風の状況が酷くVARになったり北風が強くなったりと、管制官も風向風速の情報を頻繁に告げるほどです。結局、横風成分が12knotsになったり、しかもChoppyだったりと、こんな中で、慣れない着陸がうまくいくはずもなく、バウンドしたり、落着気味になったりと、あまりにもひどい状態です。何だか今までの自信を全て崩していくような着陸ばかり続きます。自分にうんざりして来て、Nickに「Flabobに行きたいと言ったのは取り消します」と宣言します。ここでNickから「確かに風の状況が悪いから、Chino空港に移動して練習をしようと切り出しました。

近く同士の空港でそこまで風が違うものかなと思いながら、ATISで情報を取ると、3knotsの風とのこと。 穏やかでまるで無風のように感じます。これは行けると思いましたが、やはりどうも最後が安定しません。どうも、落着気味になる癖が出来てしまっているようです。3回ほど回りましたが、徐々に良くなってきたものの、もう少しフレアが足りないようでした。Nickによれば、セスナ以外の機種に乗っていると感覚が変化してくるかも、との事でしたが他のC172では特に違和感を感じることなく操縦できるのに、C172Rだけ全く別物の感じがします。どうもまだまだ、慣れません。

ということで、もう一度Nickと一緒に練習する事を希望しました。こんなに手こずるのは最初の練習の時以来です。次こそはモノにして、晴れてFlabobに降り立ちたいと思います。


ところで、今日はChino空港で事故がありました。Rwy26Rにアプローチすると、隣の26Lの真ん中あたりに飛行機が止まったままで、周りにたくさんの人と自動車が何台か集まっていました。どうやら脚を出さずに降りてしまったようですが、機体の形は保たれており、それほどの被害は無さそうなのが幸いでした。私も引込脚式の機体に乗るようになっているので、こうした事が無いように十分に気をつけようと思います。 

飛行実績:
飛行時間:1.5時間(累計157.2時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計49.9時間)
:Instrument 0.0時間(累計44.15時間)

:夜間0.0時間(累計4.7時間)

着陸回数:8回(累計299回)
Simulator着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計11回)

2011年12月8日

9か月ぶりにC172Rのトレーニング

これまで11時間ほどC172に乗っていますが、教官なしで乗るのはキャブレター式の古いタイプばかりでした。インジェクション式のC172のチェックアウトは受けていなかったので、今回Fly Coronaで受けてみました。

Fly Coronaのインジェクション式C172Rですが、私が初めて操縦したC172でもあります(デモフライトは除いて)。プライベートライセンスを取得し てしばらくした後、C172にも手を伸ばすかと思ってインストラクターだったElianと飛んだのが今年3月13日です。その時はC150とのパワーの 差や操縦特性の差に驚き、その後はもっと古くもっと非力なC172に慣れてきました。それから9か月も経ってから、ようやく最初の衝撃の機体に再開した事 になります。

インストラクターはNickです。彼は大学在学中からFly CoronaでClerkとして働き始め、卒業後も残ってCFIを取り、インストラクターになりました。入れ替わりの激しいFly CoronaのCFIで、数少ない最初から知っている人間です。ただし、これまで一緒に飛んだことはありませんでした。思えば、Fly Coronaでインストラクターと飛ぶのも5月以来です。

この間、C172も3機種に乗り自分でもC172も慣れて きたと思っていました。インジェクション式でエンジンスタートが少し手順が違う(MixtureをIdleにセットし、Fuel Pump On、イグニッションキーを回してエンジンがかかったらMixtureをフルリッチにします)以外は、とても順調に進みました。今日は数日吹き荒れた Santa Anaウインドの名残があり、普段と逆のRwy7を使用しています。パワフルですが、それでも乗りこなして、まずはLake Mathewsへ。3500feetに上昇し、Steep Turnから始めます。風が強くピッチ影響が出ますが、何とか+-100feetに収めて左右に360。次はPower Of Stall。2度行なってPower On Stallも2度。Flapの使い方やTurn Coordinatorをもう少し意識するように指摘を受けましたが、特に問題なし。

続いて、Riverside空 港でTGLの練習ということになり、これまたいつもと逆のRwy9を使用中の空港にコンタクト、「Enter Right Traffic Rwy9, Report at Abeam of Rwy End」とのことで、タワー空域に侵入します。いよいよ着陸ですが、ファイナルまでは70knots、ファイナルでは65knotsをターゲットスピード にするとのことで進みます。ただ、滑空比が良すぎるような印象で、なかなか速度・高度共に落ちません。「横風がきついからフラップ20で行こう」と Nickに言われます。風は020度から10knots。ほぼ左から真横の風です。

高度が高めなので、エンジンをア イドルまで絞って降下率を高めにします。その後、速度が63knots落ちてきたので、エンジンをふかしますが、推力から揚力と力が回るのに若干時間がか かる感じで、少し粗めのランディングに。その後、タッチアンドゴーで7周回りましたが、少しずつ良くなったとはいえ、最後までその傾向が残ってしまいまし た。問題はShort Finalで推力の調整をあたふたとして機体が安定しないこと。分かっていはいるのですが、高度が高い→推力を絞る→高度と速度が落ちる→推力を足す、と いう動作が着陸直前に入ってバタバタとしてしまいます。エンジンを絞っても降下率に現れるまでに時間差があり、それが全ての操作の遅れにつながる感じで す。

今回は、さらに横風が輪をかけている感じで、何だかStudet Pilotに戻ったような気持ちで操縦しました。Nickからは「練習は十分?」と聞かれましたが、そんな質問をすること自体がそうは思ってないようです (笑)。もちろん、「もう一度練習したい。今日は少しfly behind airplaneだった」と言うと、「分かるよ」とのこと。ということで、もう一度練習をすることになりました。

それにしても、同じC172といえども、年式やエンジンなどによって特性が全く別の機体のように違います。さらに計器類の装備も含めると、そのバリエーションは驚くほどのものがあります。本当に幅広い奥が深い機体だと思います。


飛行実績:
飛行時間:1.4時間(累計155.7時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計49.9時間)
:Instrument 0.0時間(累計44.15時間)

:夜間0.0時間(累計4.7時間)

着陸回数:8回(累計291回)
Simulator着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計11回)

2011年12月2日

MooneyでMarinesの基地へ

Mooneyの飛行練習も5回目、今回もクロスカントリーでのロングフライトとなりました。行き先は、前回と同様にArizona州、空港はYuma空港としました。本当はカリフォルニア中部のFresnoを予定していましたが、FresnoのあるSan Joakin Valleyの天候が良くないため変更しました。カリフォルニア南部も天候は徐々に悪化する予報が出ています。
帰路Salton Sea手前の砂漠上空で
今回は、友人1名に声をかけたので、Mikeと友人と3名での道中です。Mooneyで3人で飛ぶのは初めての経験です。前回作動しなかったStrobeがまだ修理されていなかったため、今回も日没前までの帰還が必要な状況です。

出発後は、PDZ V186 ROBNN V458 BARDというルートで、9500feetでフライトします。今日はChino空港のClearance Deliveryが運用中で、初めてコンタクトをしてFlight Followingを依頼します。その後Groundにタクシーを要求。GroundとClearanceが別れたことで、特に不便は感じませんでした。

通常通りのランナップ後、離陸。後部席の友人から「おおっ」と声が上がります。初めての小型機で、Mooneyの狭い後部座席に長身が窮屈そうで気の毒です。離陸後は推力を25Square(Manifold Pressure 25、2500RPM)で9500feetまで上昇していきます。3人なので多少上昇がゆっくりですが、それほど遅いという印象はありません。Lake Elsinore手前で9500に達しました。
大砂漠地帯を行く
今日は西風が強く、南に下る針路に対して30度近く風上(西側)に機首を向ける場面もありました。Socalから直接Julian VORへ迎えとの指示で航空路をショートカットする形でJulianへ。この辺りは高い山並みが続き、9500でもJulianのVOR施設がすぐ下に通過しました。Julianを過ぎるとAnza Boregoの大砂漠地帯に入ります。Agua Caliente空港の真上を通過し、メキシコとの国境近くまで南下します。やがて国境が見えてきました。国境線は上空からは細い線にしか見えませんが、住宅の密度の違いで国境がはっきり分かります。アメリカ側は砂漠で何もないのに、メキシコ側は住宅がぎっしりと建て込んでいます。

そのまま国境線沿いを東に進み、Imperial上空を通過します。そろそろ降下のタイミングと思いますが、Flight FollowingのYuma Approachから指示が無いので、そのまま飛び続けます。空港が視認出来る頃になってようやく指示が来て降下を開始しますが、高すぎるのでLeft 360を行なって高度を調整します。それでも高いので1000fpm程度で降下を続けます。Rwy17へのストレートインの指示を受けたので、北側から真っすぐストレートインします。Yumaは砂漠の中の緑の多い小さな町といった感じで、Finalでは家々のすぐ上を通過し、ランウェイエンド手前には道路を横切ります。着陸直前に交通量の多い道路を低空で通過するのは、少し緊張します。
この辺りはChocolate Desertと呼ばれるそうです
乗客がいるので、ソフトな着陸を意識します。まあ、スムーズな着陸になりました。AF/Dの空港チャートを見ながら進みますが、Marine Corpベースと共用だからか、チャートにも細かな部分が記載されていません。管制官からは前に進めと言われましたが、分かりづらいままいると結局、Groundからゴルフカートが迎えに来るのでそれに従えとの指示。Mikeと苦笑いしながら進みます。空港の滑走路では、Harrierが盛んに離着陸のアプローチをしていました。トレーニング用の基地として機能しているようです。

Yuma空港にはカフェテリアがあることを調べていました。今回はしっかりと食事が取れると思っていると、2PMでClosedとの掲示が。まだ午後2時前だと思い尋ねると、やはりもう終了とのこと。そうでした、ArizonaはCaliforniaと1時間進んでいるのでした。代わりにFBOの豪華な建物内に用意されているポップコーンとコーヒーをもらい、3人で食べます。何とも情けない昼食になってしまいました。友人は耳に違和感があるそうで、どうも降下時の高い降下率が良くなかったようです。人を乗せるということは、こうした事にも気を付けなければいけないと反省します。
この辺りでTurblanceに見舞われ始めました
帰り途は、出発前にLou校長が勧めてくれたSalton Sea東側を通過し、Palm Springsを経由するルートを取ります。出発時にはDeliveryに5分以上待機を言われ、Mikeが軽くイラッと来たところで出発となりました。Rwy17で離陸後右旋回しますが、空港の西側すぐ近くに国境線があるため、メキシコ側に入らないように気を付けて上昇します。8500feetまで上昇すると、行きには無かった低層雲が出始めているのが分かりました。どうも予報よりも天気の変化が速いようです。Salton Seaに向けて国境線から変針すると、行く先には雄大な砂漠が広がっています。LouがScenicだと勧めていたのが納得できます。

Mikeは砂漠が大好きだそうで、引退したら砂漠の中の町に住みたいとのことです。ただし奥さんはビーチが好きとのことで、引退後の住処には家庭内で議論が必要なようです(笑)。砂漠を抜けてSalton Seaの東岸に沿って進みます。Banningパスの方から、Hazeかスモッグかがこちらの砂漠地帯に向けて入りこんでいるのが見えます。少しずつ揺れ始めてきました。またGPSに表示される対地速度がどんどんと遅くなっていきます。30knotsほどの強い向い風です。
眼下にBanning Passの風車群が見えました

Thermalの上空を越えてPSP VORTACに向かう頃から徐々に揺れが激しくなり、SOCALからも、Expect Moderate Turbulanceと言ってきました。全員でシートベルトをしっかりと締め直します。後部座席の友人の口数が減ってきており、気になりますが、ここは操縦に細心の注意を払います。Mikeからは山の風下に入らないよう、出来るだけBanningパスの右側を通過するように注意されました。揺れが激しさを増し、何回か頭を天井にぶつけ、膝上のペン類が宙に浮きました。それでも一番揺れが激しかったのはパスの入り口付近までで、パスに入ってからは揺れが殆どおさまりました。パスではもっと激しくなるのではと思っていたので、ホッとしました。

パスを抜けて夕暮れの靄の中を降下しながら進みます。今回は早め早めに降下する事にします。ストロボが付かないので、完全に暗くなる前に降りたいと少し焦る気持ちがあることを意識し、焦らないようにと気を付けます。Riverside上空を越えてChino Towerにコンタクトという頃、左からビジネスジェットが追い抜きました。こちらはその後に回り込むように後につきます。ILSの電波を参考にしながら、夕暮れと靄で見えにくい視界の中を進みます。先行機が26Lに降り、こちらは26Rに向かいます。かすかに最後のフレアで膨らみましたが、ぐっと我慢して着地します。

向い風が予想よりも強く、到着した時はこれ以上遅くなって暗かったら、ストロボ無しでは不安だろうというほどになっていました。友人は、さすがにタービュランスが多少怖かったそうで、初めての小型機の体験で、いろいろな目に遭わせてしまいました。これに懲りなければ良いのですが。これでMooneyのフライトタイムは13.1時間となり、予定の15時間まであと1.9時間になりました。残りは近場への1回のフライトとなりそうです。


飛行実績:
飛行時間:4.1時間(累計154.3時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計49.9時間)
:Instrument 0.0時間(累計44.15時間)

:夜間0.0時間(累計4.7時間)

着陸回数:2回(累計283回)
Simulator着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計11回)