2011年5月31日

[PIC]最長クロスカントリーでBlytheまで

今日は、最近慣れつつあるパイパーチェロキーでの長距離クロスカントリーを計画しました。予定日の天候が数日前から気になっていましたが、前日寒冷前線が通過した後で、今日の天候は気温が低めの快晴。しかもほぼ無風という、絶好のフライト日和となりました。朝からDu Boisに向かって、プレフライトインスペクション。校長のLouが、窓を拭いてくれたり色々と出発前にしてくれます。こうした事からも、いかにLouがスクールの機体を熱心に手入れしているかが伝わってきます。
Palm Springs付近を飛行中。7500feet
初めてのインストラクター無しでのチェロキーのフライト、またChino空港をインストラクター無しで発着するのも初めての経験。さらに、Blythe空港も初めての目的地、と初めてづくしとなりました。さらに、今回初めて自分Navlogではなく、AOPAのインターネット上でのプラン作成サービスを用いて印刷したNavlogを使用しました。
Blytheへのフライト。7500feetからの景色
Chinoからの出発は、早速タクシーウェイの曲がり道を間違いました。標識の無いハンガーの間を通ってパラレルタクシーウェイに出るのですが、その曲がり角を間違え、通り過ぎるハンガーの人たちが不思議そうに手を振ってくれていました。まあ、何とか元の道に戻ることが出来、ランウェイエリアまで到着。ランナップ後には、グランドにFlight Followingも依頼してから出発となりました。Rwy26RからLeft Turn Approvedで左回りに東へと出発。この辺りは、前回のLanceと進んだルートと全く同じです。
Blythe空港で
Riversideを少し過ぎた辺りで巡航高度の7500に到達。Banningも全く揺れることなく通過しました下界にはBanning Pass名物の風力発電機の大群が広がっていますが、殆ど風車は回っていません。この辺りでFlight Followingをキャンセル。これはLanceがこの先は、プロペラ機の高度ではレーダーに入らないので、Followingはなくなると聞いていたため。しばらくしてPalm SpringsのSOCAL Appにコンタクトしたのですが、後から考えれば、あのままFlight Followingを続けていて、何の問題もなかった事が分かりました。
Blythe空港へ着陸
再びSOCAL AppからSquawkをもらい、東へとフライトを続けます。下界には壮大な砂漠、パームスプリングや砂漠の中の町々(Desert Cities)、そして先にはSalton Sea(巨大な塩湖)が。あまりにも雄大な形式の中を静かに進んでいきます。やがて、Socal AppからLos Angels Centerにハンドオフ。Lanceから聞いていたのと違い、このままFlight Followingが行なわれていきます(後で分かりましたが、Followingのレーダー範囲外になるのは、San Bernardino Mountainsの北東側辺りでした)。
Blythe空港の景色。確かに設備は必要最小限。
ひたすら砂漠の上のFreeway10と並行して飛び、一度離れたFreeway10がDesert Centerで近づいた頃、降下開始をLA Centerに告げます。LA Centerからは、レーダーの範囲以下の高度になるとのことで、Followingはここで終わり、注意しながら、砂漠の中のFreeway10のすぐ隣にあるBlytheに向けて降りて行きます。視程も若干のもやがあるものの、はるか遠くから空港が見つけられました。
Texasから飛んできたHome Build(手造り)機
Blytheはトラフィックも殆どありませんでしたが、きちんと定番通り45からRwy26のLeft Downwindにエントリー。風が330@12G17ということで、これは素直にRwy35を使うべきでしたが、横風の中をベース、ファイナルとまわって着陸。ガストはそれほど強くなく、問題なく着陸出来ました。そのまま駐機場へと入り、エンジンオフ。タイダウンをした上で、FBOに顔を出します。
二人乗りで、USAFの装飾入り
空港は砂漠のど真ん中といった感じで、出発前にLouが言っていたように確かに何もなし。FBOでアイスキャンディーを購入し、26度の空気の中で食べます。と言っても風があり湿度が低いせいか、暑いという感じは全くありません。適温と言ったところです。そのまま機体のそばで水、バナナなどを食べていると、見慣れぬ機体が降りてきました。降り立ったパイロットに聞いたところ、Home Buildの機体で、Texasから飛んできたそう。「良い飛行機だけど、クロスカントリー向きじゃないね」とオーナーは笑っていました。写真を撮らせてもらってから、帰路につきます。
San Bernardinoへのルート。8500feet
帰りは、本来の計画ではTwenty-nine Palmsに着陸し、Chinoに戻る予定でしたが、時間の関係上、そのまま通過し、計画通りLake Arrowhead上空を通って戻ることに。その上で、時間がありそうであれば、San Bernardinoに着陸する事として出発。高度は8500を取ることとし、Rwy35から出発。
全くの砂漠地帯を飛行
出発後、Desert Center上空でレベルオフ。往路とルートが変わり、Twenty-nine Palmsへ向かいます。この辺りで、先ほどのLA CenterにFlight Followingを依頼。あっさりと受け付けられ、Twenty-nine Palms、Big Bear経由のChinoまでと伝えます。
眼下にJoshua Tree空港
再び、下界はあきれるほどのスケールの砂漠が広がります。その中に、ポツポツと町が。どうしたこんな砂漠の真ん中に住もうと思ったのか、不思議に思うような景色が広がります。 やがて、Blyhthe出発時ははるか彼方に見えたにSan Bernardino Mountainsが近付いてくると、その北側も回り込むように飛んで行きます。LA Centerには、Big Bear上空ではなく、北側を通ることを伝えます。ただしこの辺りで、一度レーダーロストし復活したと連絡があり、また、Centerのラジオ自体が感度が落ちて来たことから、自発的にFollowingのキャンセルを申し出ました。
Big Bear Lakeを望む
引き続き山脈と砂漠の境界線上を飛行し、Lake Arrowheadが山の中に見えてきたら、そちらに針路を取ります。湖のやや西側通過する頃、San BernardinoのATISを聞き、Towerにコンタクト。1159feetにある空港に15マイル先で8500feetという、 極めて高い位置からのInboundの許可となります。midfieldからRwy24のLeft Downwindに入るとの指示を受け、毎分800~1000feet前後で降下を開始。降りきれるか心配で、ダメな場合は迂回したり360をしようと思っていましたが、無事に空港上空を3000feet弱で通過し、ダウンウインドではTPAに。風向風速も問題なく、ベース、ファイナルとまわって着陸。
Lake Arrowhead上空。この後、7000feetの降下を実施した
San Bernardinoではそのままタクシーバックして、Chinoへのルート、手順を確認した後に、すぐに出発。ここからは2500feetで、Riversideの空域を経由して向かう事になります。それにしても、San Bernardinoは、いつも他の飛行機の気配もないような、幽霊飛行場とでも呼ぶべきかのような気配です。そんな空港から飛び立った後は、RiversideにTransitionの許可を取り、Loubidoux Mountain上空で変針してChinoへ。Elianが以前教えてくれた、この道をまっすぐ進むとChino空港のFinalという道路に沿ってChinoへ向かいます。Riversideの空域内でしたが、Chinoに早めにコンタクトしたかったので、周波数変更の許可をもらい、Chinoへコール。Rwy26Lへの着陸を指示されます。本当は26Rの方がDu Boisの格納庫に近いのですが、何となくタワーが忙しく殺気立っているので、リクエストせずにそのままアプローチ、許可の後着陸。今回は全て、すこしドシンとした着陸でしたが、最後が一番マシだったかもしれません。
Chino空港への着陸
しかし問題は着陸後で、降りたタクシーウェイがちょうど26Rの滑走路端につながるDで、Rwy26Lの向こうには出発待ちの機体が5機以上並んでいます。タワーもかすかに苛立っており、「みんな、こちらが言うまで動くな、さて次はだれの番だ!?」といった具合です。何機か出発機がでた後で、滑走路経由でのタクシーが許可されました。26R上をしばらく走った後でDで脱出。出たところで停止します。が、タワーからグランドコンタクトの連絡がありません。出発機と到着機に向けてマシンガントークが続いています。ここでは勝手にグランドにコンタクトすべきだったのかもしれませんが、ずいぶんと(5分以上)待ってしまいました。その後、何度目かのコールでようやくグランドにコンタクト許可が出、グランドからもタクシー許可をもらいます。

慣れないChino空港、慣れないATCといろいろ課題は見つかりましたが、かなり達成感のあるフライトになりました。ようやくBanning Pass、Cajon Passの越えかたも分かって来て、砂漠のフライトも出来ました。いずれ実現したいと考えている州を越えたフライトまで、もう一歩という感じがしています(実際、Blytheからほんの少しでArizona州に入れるのですが)。

戻った後でLouにBlytheまで行ったと伝えたら、「何もない中の何もない空港だったろ」と言われました。確かにその通りでしたが、とても面白い経験になりました。Louによれば、あの辺りならば、Needlesが良いのでは、との事でした。

飛行距離(直線距離);
CNO-BLH 148n:
BLH-SBD  129nm
SBD-CNO  21nm
Total 298nm(約530km)

飛行データ(Google Earth上で表示されます):
ダウンロード(Google Earhが必要です)

飛行実績
飛行時間:4.3(累計70.9時間)
:PIC時間4.3時間(累計24.3時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:3回(累計197回)
:夜間0回(累計10回)

2011年5月26日

[PIC]PA28チェロキー慣熟飛行

 今日は朝から靄がひどい状態。霧まで酷くはありませんが、晴天なら見える遠くの山もうっすらとしています。これはあまり期待できないと思いながら、チェロキーの慣熟飛行に出かけました。先日、チェックアウトは終わりましたが、まだまだ不安な状態でもあり、さらにDuboisのクロスカントリーのルールにも慣れておく意味も込めて、グランドとセーフティパイロットをチェックアウトを担当してくれたLanceにお願いしてありました。
Lake Arrow Headを右手に
学校に着くと、まずはグランドスクールから。チェロキーでの燃料タンク切り替え方法、フライトプランの記入方法、FSSへの登録方法、天候チェック方法、さらにKajon Pass、Banning Passの越え方などを質問しました。Lanceは予想よりも上手かつ具体的に教えてくれたので、しっかりと理解することが出来ました。DUATSもこれまであまり使っていませんでしたが、利便性について実際にプランをファイルしながら教えてくれました。また、DUATSから天候を取るのは、天候やその他NOTAMを取ったという記録が残るので、万が一のトラブルの際も、証拠になるということです。AOPAのFlight Plan機能で同じことをDUATSに対して出来るので、其れをしっかり使えば良いということでしょうか。

さらに、Kajon Pass、Banning Passについて質問したところ、今日のフライトはBanning、Kajonとまわって来ようということに。今までこの二つのPassを難所と考えていただけに、あっさりと行くことになって少し驚きました。驚いていても仕方ないので、出発準備をしてすぐに出かけます。前回よりは、Chino空港にもチェロキーにも慣れてきましたが、まだまだ初心者なので十二分に確認しながら行動します。前回は実はペダル操舵の時、あまりの重さにLanceがオーバーライドして操作しているのかと思い込んでいました。今回、彼が足を全く乗せていないのを発見し、単純に重いことが分かりました。前回うまく曲がれなかったのは、Lanceが操作していると思い、遠慮していたからだったようです。
自機の翼が見えるのは低翼機の魅力です
タクシーのリクエスト時に、グランドにフライトフォローイングも依頼します。タワーからSquawkなどが告げられると言われ、タクシー開始。ランナップも無事に済みタワーにコンタクトすると、Squawk Codeとremain clear of Class C until 2 way radio establish with SOCAL Approachとのこと。Chinoから東へ出発の場合は、SOCALとコンタクトするまでは、2700feetを超えないようにするということになります。

出発時に、横風操作でラダーをもっと使ったほうが良いと指摘を受けましたが、それ以外は特に問題なく順調に7500feetを目指して上昇します。まっすぐ東のBanning Passを目指します。リバーサイド上空を6000feet前後で通過し、March Baseの横を越えた辺りで巡航高度に到達しました。後は、エレベーター、ラダーの2つのトリムを使って安定させ、ほとんど手放しで飛んでいけます。ラダートリムがあるのは便利です。気になっていた靄ですが、4,5000feetで靄の上に出てしまうと、水平方向だけでなく、下方向の視界も開けてきました。Lanceが言うには、「Hazeの上に出ると、水分への乱反射がなくなるから見えるようになるんだ」とのこと。上はとても安定した気流で、これまで考えていた難所のイメージが変わって行きます。
Kajon Pass(靄の谷間)を右手に
Lanceには、時々、「今Engine Failureしたら、どこに降りる」と尋ね、経験から身に付けたであろう緊急時の感覚を盗もうと頑張ります。Lanceも一生懸命答えてくれ、理解が深まりました。砂漠地帯の舗装道路は、電線・電柱が横にある場合が多く、狙わないほうが良いとのこと。素直に平らな砂漠か、こうる間が少なければフリーウェイも考えられるとのことでした。山であれば、木の上に失速しかけながら、ポトンと落ちるのが理想だが、岩場が多い場合は、湖などの水場への着水も考えること。いずれにせよ、飛行機を気にするのではなく、自分の安全だけを気にするべきということでした。

Banningより東、Cajonより北はFlight Followingが無いそうで、自分のほうからキャンセルし、山を回るように進んでいきます。Big Bear Lakeの手前辺りで8500feetに上昇し、湖を左手に見ます。Lanceは地名案内を一生懸命してくれ、Big Bear Lakeは人造湖でもっと左に造る計画もあった(投票で負けた)こと、負けたおかげで、飛んでいる辺りは寂れたこと、またこの辺りは金山が多くあったことや山腹に大きな鉱山の跡があることを教えてくれます。

さらに回りこんで、砂漠の上を飛んで行きます。これまで夢に描いていた砂漠の上のフライトが思いがけず実現しました。雄大な砂漠の上を飛ぶのは、日本では決して体験できない何とも壮大な感覚です。「すばらしい。すばらしい」と盛んに呟いていたら、Lanceも満足げにうなずいていました。

Lanceはインストラクターになって3年、エアラインのパイロットには興味はあるものの、旅客を乗せるのはあまり興味が無いとのことで、「いつか貨物機のパイロットになれたら」とのことでした。さらに、「今の大きな飛行機は飛んでるという感じがうすくてつまらなそう」だとも言います。なかなか渋いセンスの持ち主のようです。

正面にHesperiaの街、左手にLake Red Arrowが見えてくると、その山の上を飛んでChinoに降りよう、とのことで、山を越えていきます。6000feet級の山の連なりを超えるといきなり4000feet以上の段差で下界の平野に出ます。この辺りで再びSOCALにFlight Followingを依頼し、毎分600feet程度で高度を下げつつOntario空港を目指します。SOCALからは3500feetまでの降下とOntario空港上空通過の指示が出ます。3500feetに近づく頃、SOCALからOntarioタワーへの移管指示。Ontarioにコンタクトすると、2500feet以下での空港上空通過を指示されます。

この辺りからは、チェックライドやそのための準備で以前Rialtoに行った時と同じです。Ontario空港を南北に突っ切る小川(wash)に沿って南下すると、そのままChinoのBaseに出ます。Chinoタワーへの移管指示が出てコンタクトすると、2000feetを維持せよとの指示が。かなり高いままRwy26RのFinalに曲がると、急いで進入しろとのこと。当初、こちらがベースにいる間に先に行かせる予定の機体が追い抜けずに、こちらが終われる形での進入となったようです。Lanceにコントロールを預け、120mphでの進入、急降下、フォワードスリップとさまざまな技術を見せつけながら、見事に高度を処理していきます。多少高めなところで再びコントロールを渡され、引き続きエンジンアイドル、フルフラップで降りて行きます。着陸した後も、追い立てられるように滑走路を外れ、ようやく落ち着いてAfter Landingのチェックリストを実施、スクールまでタキシングして戻りました。

Chino空港周辺の地上の様子。地表近くが靄で白くなっています。
今回も、まだまだATCをLanceに任せるところも多く、ATCが課題であるのは間違いありません。機体の取り扱いについてはずいぶん慣れ、セスナとの最大の違いである燃料タンクの切り替えも実際に経験することが出来ました。何よりも、BanningとKajonの二つの難所を越える経験が積めました。感覚が多少は分かりましたので、今後のフライトの幅が大きく広がりそうです。今日は、大きな経験をしたと感じています。

飛行時間:1.8(累計66.6時間)
:PIC時間1.8時間(累計20.0時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:1回(累計194回)
:夜間0回(累計10回)

2011年5月25日

[PIC]日本人教官とのフライト

プライベートライセンスを取得する前も後も、あまり多くの人と飛んだ経験がありません。これまで一緒に飛んだ教官は6人、ノンライセンシーは1人です。取って後は知人・友人の多くと飛ぶかと思っていましたが、普段の人徳のせいか、周りの人間はみな怖がって一緒に飛ぼうとはしません。全くひどい話です(笑)。

そんな中で、一緒に飛んでもよいという猛者がと思ったら、CFII取得間近のSさんでした。このブログを通じて知り合った同じ市内に住む日本人で、プロを目指して練習されています。すなわち”ほぼ”CFIということで、その上非常に鋭い指摘を繰り出す人物なので、飛ぶ前はずいぶんと恐々感じていました。

機体はFly CoronaのC172Nです。今回初めて借り出す機体で、78年製でこれまで飛んだ飛行機の中では比較的新しいほうの機体ですが、なんだか古く見える様子です。実はこの機体、Kudjoがこの機体はステアリングに不具合があってと言ました。あまり気にしていなかったのですが、タキシングをはじめて右に曲がろうとしたとき、曲がらないことに気がつきました。ラダーに連動するノーズギアのステアリングが機能していないようです。Kudjoが言っていたのはこのことか、と思いながら右側だけブレーキをかけるとディファレンシャルで曲がることができました。なんだか、出鼻をくじかれた感じです。ディファレンシャルが十分に機能すること、右席のSさんの方からは正常に作動することを確認し、いざと言うときはSさんにコントロールを渡す確認をして飛び立ちます。

この日も雲高が低く、当初予定していたクロスカントリーは出来ずにローカルのみ。まずは初めての気体に慣れるべく、トラフィックパターンを2周。教官Sさんの視線を十二分に意識しつつ、恐る恐るまわります。着陸後もSさんは機体から転がるように逃げ出すようなことは無く、機内にとどまってくれました。一応は安全なようです。

その後、Lake Mathewsへ向かい、いろいろなエアワークを行います。もう1機のセスナが空域にいました。ポジションの連絡はまめに取ってくれるのですが、こちらが高度を上げると向こうも上げ、下げると下げ、南に逃げるとと南に来る、といった具合でどうも追いかけっこのような状態が続きます。先方はこちらが見えているといっていますが、こちらは見えたり見えなかったりで、あまり気持ちのよいものではありません。こうしたときもSさんが目を光らせてくれ、多少安心して飛ぶことが出来ました。

その後、SさんのベースであるRiverside空港に行くことになり、またもや教官の視線を気にしつつリバーサイドに向けて飛行します。Sさんと話していて分かったのは、ノンタワー空港で育った自分には、タワー空港を敷居が高いと感じる意識があることです。Class Dはまだ良いですが、Class Cははっきりと敷居が高く、Class Bに至っては庶民がお殿様のお城に入るような感覚です。

Riverside空港にも無事に着陸し、Sさんが逃げ出すことも無く、無事にCoronaに向けて出発しました。さすがにこの辺りは良く飛んでいることもあり、特に問題はありません。Coronaに無事に戻り、今日もスクールで一日勉強しているKudjoと話しました。Duboisに移る準備を着々と進めているようで、AFSPの手続きも始め、さらにChino空港の近くで家も探し始めているとのこと。Duboisでの再開を約束して分かれました。

Sさんには、その後さらにいろいろな話しを聞き込み、面倒くさがられつつ、いろいろ教えてもらいました。自称「理論派」の私に呆れつつも丁寧に説明をしてもらい、大変感謝しています。Sさん、また懲りずにお付き合いください。

飛行時間:1.5(累計64.8時間)
:PIC時間1.5時間(累計18.2時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:4回(累計193回)
:夜間0回(累計10回)

2011年5月23日

ExcelでNavlog公開します(バージョンアップしました)

クロスカントリー用のNavlogをExcelで作成して使用しています。E6Bでの計算、特に面倒なTOCやTODの計算を自動にしたので、重宝しています。以下から、ダウンロードしていただけますが、あくまで自己責任でご利用ください。数式の誤り等によるフライトに関するいかなる悪影響も、責任を持ちません。あくまでも本物のナブログではなく、参考資料としてお使い下さい


※ダウンロードした事によって、自己責任での使用に同意したこととみなします。
Ver,090 機体ごとの特性を保存しておき、NAVLOG画面で使用する機体がワンクリックで切り替えられるようになりました(2011/5)
Ver.080 公開開始(2011/2)

利用方法
  1. ファイルには「BASIC DATA」、「Aircraft Setting(機種ごとに1シート:例として3機種分3シート)」、「NAVLOG」のシートがあります。
  2. BASIC DATA」:使用する機体と空港のデータを入力します
    1. AIRPLANE DATAには、セットする機体の名前を入力します。(この後作成する各機種のAircraft Settingシートは、ここで設定する機体の名前と完全に一致させないといけません)
    2. AIRPORT DATAには、フライトに使用する各空港のID、NAME、ELEVATION、TPA、各種Frequencyを入力します。
     
    ※データはA/FDなどから引用してください(入力ミスに注意してください)。
    1.   「Aircraft Setting」:使用する機体の各種パフォーマンスデータを入力します
      1. 入力したデータはNAVLOGでの計算に用いられます。 
      2. サンプルとして、3機種分のシートが含まれています。使用する機体を設定する際は、
        1. BASIC DATAのAIRPLANEに機体の名称を記入します。
        2. サンプルのAircraft Settingのシートをコピーして下さい。シート名は、Basic Dataで設定した機体名称と全く同じにします。全角・半角、スペース等も全て同じにして下さい。
        3. 機体のデータを新しく作成したシートに入力してください。
        4. NAVLOGから、機体を選択出来るようになっているか、データが正しく表示されるか確認してください。
      3. データはPOHなどから引用して下さい(入力ミスに注意してください)。
      4. RATE OF CLIMB DATA、CRUISE  FACTS SHEETのFuel  Corr.には、計算上の燃料消費量を入力してください(計算上、安全マージンを加えて切り上げる場合に使用します。切り上げ計算しない場合は、FUEL USED、FUEL HRの数値をそのまま入力してください)。
    2. NAVLOG」:フライトプランを入力します。
      1. 新しいルートを作成する際は、NAVLOGシートをコピーして、各データを差し替えて使用して下さい。
      2. シート左下(B34)に、使用する機種を選択する欄があります。使用する機体に合わせて選択してください(後で、使用機体を変更することも出来ます)。
      3. 左上のDepart.とDest.を入力します。「BASIC DATA」のAirport Dataにその空港のデータが入力されていれば、空港のElevationや無線Frequency等のデータが自動で入力されます。
      4. Levelに巡航高度を入力します。その後、各チェックポイントのデータを入れると、そのLevelが妥当かどうか、「ALT OK」「ALT TOO HIGH」「ALT TOO LOW」と表示されます。
      5. Basic Var.に飛行空域の磁偏位を入力してください。Eastは-(マイナス)、Westは+(プラス)です。
      6. Fuel Rsrv.に、余分の搭載燃料を入力してください。この量と飛行に必要な量の合算が、Req. Fuelとなります。
      7. ETD(出発予定時刻)を入力してください(未定の場合は未入力でOKです)。ETDを入力すると、各ポイントごとのETAが自動で表示されます。
      8. 各ポイントに関するデータに関しては、グレー部分をそれぞれ入力してください。一般的なNavlogと入力項目は同じです。
      9. TOC、TODを含む区間の場合は、NAVLOG右側にその区間の飛行方位(CH)、飛行時間(TIME)、飛行距離(NM)が表示されます。
    3. 注意事項
      1. あくまで、参考資料としてお使い下さい。実際の航法に用いた際のいかなる問題について、利用された方の自己責任であることを了承下さい。
      2. 今後も機能向上、不具合訂正等を行なう予定です。ご利用になられましたら、感想・ご意見などをこのコメント欄等にでもお寄せください。
      3. Excelの使用方法などの質問にはお答えしかねることがあります。ご了承ください。
      4. 著作権は放棄しておりません。無断転載はご遠慮ください。

    [PIC]PA28のチェックアウト成功?

    前回天候理由で出来なかったPA28 Cherokeeのチェックアウトフライトを、行ってきました。インストラクターは前回Groundを担当してくれたLance。ずっとMVFR状態だったので今日も飛べるか危ぶんでいたのですが、スクールに出かける前に電話すると受付兼ディスパッチャーのAnaは晴れて来ているから大丈夫とのこと。
    チェックアウトに使用した機体
    スクールに着くと、初めてAnaと実際に会い、挨拶。Lanceからは、プリフライトをするように言われ、前回習った手順を思い出しながら、リストにしたがって点検します。Cessnaと構造が違うので、多少手間取りながらも無事終了。フラップが手動(車のハンドブレーキのような操作)なのは、面白い感じです。周波数、チャートなども用意してからLanceを事務室まで呼びに行きます。

    Lanceも燃料のチェックを行ない、出発となります。チェックリストにしたがって作業をしますが、スクールの格納庫がすれ違いの難しい奥まった所にあるので、エンジン始動後はプレッシャーを確認したら、すぐに行き止まりの誘導路の出口まで先に出てしまうとのこと。こうしたローカルルールは、繰り返して慣れるしかありません。また、エンジン始動はイグニッション(マグネトー)をLまで回したらスタートボタンを押します。この機構も興味深いものがあります。
    チェックアウトに使用した機体とスクール
    まずはグラウンドにタクシー許可。相変わらず大きな空港で、別の滑走路横断しつつ滑走路までのたどり着くルートを把握するのにアタフタとしてしまいます。さらに、コンタクトの際に自機を「セスナ」とコールしてしまい、間違いに気がついたものの一瞬「チェロキー」を忘れてしまい、あわててLanceに尋ねます。Lanceは、「こいつ大丈夫だろうか」といった表情。とにかくRuway Endに向かいます。

    Lanceがしきりと「タクシーにブレーキは使うな」と言うので、曲がり道でブレーキをかけずにまわろうとしますが、速度が落ち切らずに大回りになります。「こういう時は、曲がり道に入るまでにブレーキで速度を落としきる」とのこと。この辺の意思疎通がなかなかぎくしゃくしています。Rwy26RのRunup Areaも初めて入りました。。Runupでは、2000RPMまで上げてあげてチェックするので、ハンドブレーキをしっかりとかけます。これもCessnaでは、フットブレーキで済ましていました。

    Runupがすむと、タワーにコンタクトして出発。離陸自体は特に意識する違いもありません。操作感ですが、Cessnaと比較して、何となく滑りやすい気がします。ペダルで滑らないように合わせます。低翼機のせいでしょうか。トリムは何と天井のハンドルを回すことも判明。Cessnaのような上下でなく横に回転させる方法なので、どちらが上下か直観的に分かりません。また、操作が大がかりなので、Cessnaよりはトリムの使用は減りそうな気がします。この辺りの慣れない操作にアタフタしながら、Lake Mathewsへ。

    Lake MathewsでSteep Turn、Power On/Off Stall。Turning Stallの際は、どちらが失速しやすいかとの質問に咄嗟に答えられず。答えは上反角がきつくなる反旋回方向の翼とのことで、そうならないようにコーディネイトをきっちり管理することが重要という事でした。さらにスローフライト、エマージェンシーランディングの手順を確認して、Chinoに戻ります。どうもLanceの畳みかける指導に慣れずに、少し緊張して、手順が全てアタフタとしてしまいます。Towerに呼びかける内容を確認してから、Freeway91/15のインターセクション上で進入許可を取得。
    必要十分な装備のコックピット
    26Lのベースから入って、チェロキーで初めての着陸。フラップを出すタイミングはCessnaと同じですが、最後のノッチ(CessnaでいうFlap30)は、着陸直前で良いとのこと。80mphで進入します。フラップが手動なのが慣れませんが、それ以外は特に違いは感じられません。風も穏やかで、最後に少し高いからフレアはもう少し待ってと言われた以外は、とてもスムーズに着陸できました。Lanceは、「驚くほどうまい着陸だ。本当に低翼機は初めてか?」と初めてのお世辞。「いやいや」といいながら、自分はほめられて伸びるタイプと改めて実感します(笑)。

    その後、2度着陸を行ない、「驚くほどうまかった」着陸も普通になりました(笑)。3度目の着陸でスクールに戻ろうとのことで、これまでの一連のぎこちない操作ぶりに、全く知らない機体を一度でチェックアウトするのは無理だったかと思いつつ、スクールまでタキシング。エンジンを切ったところで、「チェックアウトは合格、以上で終了」とのこと。思わず「これでですか」と尋ねると、「別に機体を壊すような操作をするとも思えないし」とLance。注意点としては、「チェックリストは必ず使うこと。あと、ATCにもう少し慣れること」とのこと。確かにどちらもアタフタしているうちに、十分でない点がありました。これがチェックライドだったら落とされるところです。

    いずれにせよ、これでいきなりPICで出て行くのは、スクール・空港でのハンドリング、機体操作の両面で不安があるので、Solooはもう一度インストラクターと飛んでからという事に自分で決めました。 正直、Lanceは多少波長が合わない所も感じましたが、せっかくここまで教えてもらったので、次も彼に一緒に乗ってもらおうと思っています。

    LouもLanceも、チェロキーがセスナよりいかに優れているかを色々な場面で説明してくれました。安定性やストール特性、地上でのタクシーの容易さ、などなどありますが、一方で、燃料ポンプの操作や燃料タンクの切り替えなど、配慮が必要な部分があるのも事実です。チェロキーに慣れながら、それぞれの良さを知ることが出来ればと思っています。


    飛行時間:1.0(累計63.3時間)
    :PIC時間1.0時間(累計16.7時間)
    :夜間0.0(累計3.1時間)
    着陸回数:3回(累計189回)
    :夜間0回(累計10回)

    2011年5月19日

    PA28のチェックアウト半分終了

    最近、立て続けにプロを目指す方々と知り合いになる機会がありました。
    1人は日本人のMさん、もう1人はガーナ出身のKさんです。

    Mさんはこのブログを見て声をかけてくださった、リバーサイド在住の方で、先日空港のハンガーでいろいろとお話を伺ってきました。フライト時間200時間ほどだそうで、CFIIを目指されているとのこと。ほぼCFIIと考えれば、身近に日本語の出来るCFIIの知り合いが出来たようで、心強いことこの上ないです。

    同じスクールに通うKさんは、前回のフライトの時に空港ではじめて出会いました。30歳の頃にパイロットになろうと思い立ち、プライベートは取ったものの、その後はカナダのバンクーバーで6、7年働いてパイロットになるための資金を貯めて、満を持してカリフォルニアにやって来たそうで、1ヶ月ほど前から6ヶ月の予定で来ているそうです。ただし、現在のスクールで良いのか少し迷っているそうで、私がC150のCheck Outを受けたChinoのDu Boisに興味があるとのこと。

    ということで、私がPA28のチェックアウトを受ける機会に、Kさんも同行してスクール見学をすることになりました。Coronaにある彼のアパートでピックアップし、Chinoへ向かいます。道すがら、いろいろな話を聞きましたが、彼の熱い思いは本物のようです。バンクーバーには、奥さんと4歳と2歳の2人の子供を残しての単身赴任です。Fly Coronaはフレンドリーで良いところだけれど、シラバスがしっかりしていない、機体に不満がある、サーチャージでそれほど安くなくなっている、というのがスクールを変えたいと思う理由だそうです。

    スクールにつくと、彼は校長のLouから話を聞き始めました。私はPA28チェロキーのチェックアウトです。インストラクターのLanceが担当となりますが、天候が悪く実際の飛行は無理そうとのことで、前回と同様にWrittenテストのようなものをやることになりました。全く知らない機体なので、手渡してもらったPOHだけを頼りに読み進めます。50ガロンも燃料が詰めるんだ、とか、ペイロードが結構あって燃料満タンでも3人なら十分いけるなあ、とかその場で知った知識を書き込んでいきます。

     Lanceは飛行機オタクといった感じの風貌ですが、ギャグを混ぜつつ(これが少し分かりにくいのですが・・・)説明をしてくれます。DuBoisのインストラクターは、腰を落ち着けて教えているという感じが強く、これはチャンプルー状態なFly Coronaとは雰囲気が違います。方位指示計(ジャイロ)をGyro Compassと書いたのに対し、「いろいろ言い方はあるけれど、Compassというのは磁石のことだから使わない」というのが一番記憶に残る話でした。

    その後は、実際に機体のInspectionを行いました。メーカーが違うと設計思想が異なるようで、様々な違いが目に付きます。フラップはメカニカル(手動)でモータの故障を心配する必要は無いこと、ギアにはシリンダーやシザーリンクと呼ばれる衝撃吸収の機構、さらに水平尾翼の一体化されたトリムや左主翼にあるピトーとスタティックが一体化された部分など、メカニカルな違いがあるようです。機体自体は古いものでしたが、相変わらずこの学校の機体の手入れはよく、計器パネルは全て取り替えられて、エンジン周りの計器は全てデジタル化されていました。

    Before Flight Inspectionを行っても天候はMVFRといった状態で、Lanceからは「ローカルなら出来るけど、次回にまとめてやったほうが時間とお金の節約になるかも」と言われ、その通りと言うことで、チェックアウトのフライトは延期することにしました。

    その間、KさんはLouと話してすっかりスクールが気に入った様子で、飛行機にしっかりお金をかけている、プロを育てようという気持ちが違う、と帰りの車でも褒め称えていました。ただ、Fly Coronaのアカウントにも残金があるようで、残りも一緒に飛んで、お互いのフライトタイムを伸ばそうということになりました。私も、PA28のチェックアウトをしたら、Instrumentを取るかどうか、そろそろ決定したいと思います。

    2011年5月18日

    [PIC]定番Ramonaと初Oceanside

    前回は、天候の関係もあり予定していたOceansideには行けなかったので、今回こそはと飛ぶことにしました。Oceansideだけだと47.5nmと50マイルを切りクロスカントリー扱いにならないため、まずはRamonaへフライトします。
    第2レグ、RamonaからOceansideへフライト中
    今日は初めてC172でのクロスカントリー予定だったのですが、予約してあるC172の戻りが遅れているのに対して、予約が入っているはずのC150は駐機しています。スクール受付のCarlosに尋ねると、C150はキャンセルとのことで、急遽C150に機種を変更して出発する事にしました。
    第2レグに向けてRamona空港での出発待ち中
    C150の出発準備をしていると、見慣れない黒人が近付いてきます。話を聞けば、本来C150を予約していたガーナ出身のKudjoさんという人でした。「自分は今日は天気が悪いから飛ばないことにした」という事でしたが、たしかにScatteredが中層にありますが、青空も見えています。目的地の空港もどちらもSky Clearだったので、問題ないと判断したと話します。
    第2レグ、Ramona空港出発直後
    Kudjoさんは、プロを目指しているそうで、プロ志望なのか聞かれた私が、「僕はプロになるには年を取ってるからねえ。」と答えたところ、真顔で「なりたいという気持ちさえ本物ならば、パイロットに年は関係ない」と言われました。聞けば年齢も2つ違いだそうで、アフリカや中国、東南アジアに行けばまだまだ仕事はあるはずだ、との事でした。明るく感じのとても良い人物で、近いうちに一緒に飛ぶ事を約束して別れました。
    第2レグ、Palomar空港上空を通過します
    CoronaからRamonaへは、数日前と同じルートです。Flight Followingを依頼して、5500feetで行きますが、雲のボトムが5500~6000feetといったところで、とにかくよく揺れます。一瞬たりとて操縦桿から手が離せない状況で、しかも進むにつれて、ボトムが下がってきているようです。したがって「Cessna61Q is descending to 5000feet due to clouds」とSOCALに伝えます。「Maintain VFR」とのことで、そのまま5000を保ちます。やがて、日本語アクセントのセスナが同じRamonaに向けて向かっているのが聞こえてきました。Ramonaについて、Runway Endで次のレグの準備をしていると、当該機が降りてきました。白に赤い塗装の入ったC172でした。気流はBumpyですが、今日はとても視界が良く、15マイル先からRamona空港が確認できました。また風は270@6で上空のガストは厳しいものの、地上付近は風は比較的穏やかでした。
    第3レグ、Oceanside空港出発直後
    Ramonaを出発した後、すぐに日本人パイロットの機体も同じ方向へ離陸するのがラジオで分かったので、Ramonaの空域を離れる時に、タワーに「Gooday, Sayonara」と言っておきました。日本人パイロットの人には、分かってもらえたでしょうか。

    Ramonaからは初めてのルートを通ってOceansideへ向かいます。3000feetでLake Hodges、Palomar空港上空を経由する予定です。Palomarの空域は2400feetまでですが、空港上空辺りから降下するため空域内で2400feet以下になることを考え、Lake Hodges上空でTransitionの許可を取ります。視界が良く、太平洋が目に飛び込んできます。Palomar空港上空で再度、位置と高度、これから降下に入ることを通報し降下を開始しました。初めて降りる空港なので、必死でOceansideを探します。GPSの助けを借りつつ、多少ふらつきながら谷間の道路脇のようなところに空港を見つけました。
    第3レグ、Oceanside空港を後ろにCoronaへ戻ります
    Trafficで位置通報をしつつ、MidpointからRight Downwindと入っていきます。Gustがきつく、BaseからFinalで大きく流されましたが、気を取り直してアラインし、進入します。地上波270@9G14との事でしたが、着陸直前にGustが吹き、大きく膨らみますが、じっと我慢して着地直前にフレアを増やして着陸します。おかげで地上滑走が殆どいらないほどでした。Redlands程の小さな空港で、しかも河岸段丘の下のような地形にあるため、狭い印象を受けます。そのままタクシーバックしてすぐに離陸。

    離陸すると河岸段丘の上に出てさらに上昇するので、体感上高度がなかなか感じられず、がまんして上昇を待ちます。右のトラフィックパターンにしたがって、ダウンウインドから東へ出ますが、Camp Pendletonの空域に入らないよう、一旦南に針路を振り、ハイウェイの南を飛ぶようにします。しばらく飛ぶとPendletonの空域が離れるので、プランを少しショートカットし、直接Temeculaを目指します。Flight Followingを依頼しましたが、相手にされず。高度も雲高を考え、プランの6500feetを代えて4500に抑えます。左手にFallbrookを見つけつつ、Temecula、Lake Elsinoreと順調にフライトします。
    第3レグ、奥にPendleton基地、手前にFallbrook空港
    ここまで来るとLake Mathewsも見え、Coronaに帰って来たと実感します。ただし、この辺りの谷間はトラフィックが錯そうしがちなので、十分に注意しながらCorona空港の南側へ進入し、45に入る準備とします。先日もそうでしたが、Coronaの南、西側は山に囲まれ、特に気流が悪くなります。普段は山に近付いて飛ぶのですが、あまり近付くとさらにタービュランスが酷そうなので、山から距離を取って進入します。風は260@11G17との報告で、前回ほどではないにせよ、穏やかではありません。フラップは20度で抑え、そのままパワー調整を細かくしながら着陸します。Coronaでも設置寸前にガストが吹き、地面すれすれを長い事飛びますが、良い感じで着地できました。
    第3レグ、雲の下を飛びます
    戻ってくると再びKudjoさんが外に出て来て、風はどうだったかと詳しく聞かれました。確かに今日は、Enrouteの風が厳しくC150は大げさに言えば、この葉のように揉まれました。まあ、体験という意味では、良い経験になったと思います。さらにKudjoさんと情報交換をして、今日のフライトは終了となりました。
    第3レグ、巡航飛行中

    飛行時間:2.2(累計62.3時間)
    :PIC時間2.2時間(累計15.7時間)
    :夜間0.0(累計3.1時間)
    着陸回数:3回(累計186回)
    :夜間0回(累計10回)

    2011年5月14日

    [PIC]久しぶりのRamona往復

    今日は、久しぶりのクロスカントリーの予定でした。前の晩からNavlogを作りながら、天候を確認していると、サンディエゴ付近の天候がよくありません。どうも海側に雲が貼りつくようで、予定していたOceansideは無理そうです。
    帰路、西側には乱層雲が発達していました
    翌日になってCorona空港の天候を確認すると、Ceiling100feetとの情報が。驚いてスクールに電話すると、実際はクリアでASOSが壊れているよう、とのこと。空港に着いてみると、確かに視界は広がっています。Lorneがいたので、天候について相談すると、内陸を飛んでいる分には問題ないだろう、とのこと。この段階で、いくつか用意していたプランの中から、Ramonaの単純往復に決定しました。プリフライトとを実施していると、風がずいぶんと吹いてきました。準備しながらラジオを聞くと、12ノット、ガスト18ノットと聞こえてきました。幸い横風成分が殆どありませんが、私にとってはなかなか強い風です。
    帰路、海からは低層雲が張り出していました
    久しぶりのクロスカントリーなので、手順を十分確認してから出発します。いつもそうなのですが、私は出発前の準備に時間がかかるようで、30分はいつもかかります。機体の点検をし、必要な書類を確認し、地図をセットしてルートを最終確認し、出発後の手順を頭で整理すると、どうしてもそれくらいはかかります。その前にもっと準備をすれば良いのかもしれませんが、それでも最終確認としてやるべきことは多い気がします。

    そんなで、空港到着後45分してエンジンスタート。今日は体験搭乗が2機同じ時間に入っているようで、ラテンの親子の組と、黒人の兄妹の組がそれぞれスクールの教官とそれぞれC172のまえで記念撮影をしたりしています。その中を抜けて、出発しました。Gustyなので、時々ザワッと強い風が吹きます。ランナップを無難にすませて、いざ離陸です。離陸直後に突風にかなり流されましたが、戻してパターンをまわってダウンウインドから出発します。空港周辺は、かなり気流が悪い状態で一瞬不安になりますが、上がるにつれてましになっていきました。
    いかにも気流が悪そうな雲の配置です
    クロスカントリーでいつも来る最初の山場は、 SOCALにFlight Followingを依頼することです。いつも忙しそうなSOCAL Approachに間隙をぬって依頼しないといけません。また、忙しいので、Stanbyと言ったまま放置されたりすることもあります。今日も早速、「Call you later」と言われてしまいましたが、しばらくするとちゃんと呼んでくれました。忘れていなかったのだけでも、うれしい気分です。無事にSquawk Codeももらえ、5500feetでLake Elsinore、Temecula、San Luis Riverと設定したポイントを通過していきます。

    この辺りからかなり雲が海から張り出しているのが見えてきました。殆ど雲海の上の飛行という状況です。Ramonaの天候を確認すると、Sky Clear。雲海と言っても、航路の左を中心として地面も見えているので、VFRを維持して進みます。Approachからは、Descent at Pilot's Discretionとの連絡が。3000feet前後でCloud Topに遭遇したので、雲を避けつつ降りて行きます。空港はまだ見えませんが、そろそろ空域に入ってしまうので、Flight Followingをキャンセルし、タワーにコンタクトします。そのまま降下を続けると空港が見えてきました。Right Trafficに入るように指示されます。
    Cnayon Lake上空。住宅が立ち並んでいます
    Downwindに入る時に連絡し、そのままCleared to Landをもらいます。風は12ノット。フラップは25度くらいにして、進入します。フレアを少し時間がかかりましたが、ランウェイセンターを維持して着地。滑走路から出てタクシーバックを要求。50分ほどのフライトでした。そのまま、GPSで帰路のデータをセットアップし、 地図でルートを確認したところで北西に向けて離陸要求。同じ北西からの到着機がありますが、タワーはコンタクトしているとのことでで、そのまま離陸許可。

    離陸後すぐに、いつものサンディエゴ動物園付属サファリパーク(ワイルドアニマルパークから最近改称されました)の横を上昇します。風のためか、パークの気球は地上に係留されているのが確認できました。
    帰路、基本的にFreeway15に沿って飛行します
    タワーの空域を外れると、すぐにSOCAL Approachにコンタクトしようとしますが、かなりの混雑のようで、何とか割って入った他のVFR機もことごとく無視されています。試しにコールしたところ、スタンバイとの返答はありましたが、その後の呼びかけはなし。そのまま巡航高度の6500feetまで上昇してしまいまいた。時間をおいて再度依頼しても、返答すらありませんでした。
    帰路、Lake Elsinore。この手前でFlight Followingが受け入れられました
    結局Flight FollowingはLake Elsinoreの南付近で、次の空域に入ってから再度依頼してようやく受け入れられました。Elsinoreのスカイダイビングの空域に入らないようFreeway15の東側を飛行を続けます。到着のための降下を申し出ると、No Restrictionとのこと。さらに空港が視認出来なので、Followingを終了してもらい、Corona CTAFに切り替えました。この頃から揺れが酷くなり、ASOSでは17ノット、ガスト23ノットとの情報が。いつもは45に入るのに、空港南側の山にだいぶ近付くのですが、あまりのタービュランスに近付くのを止め、ゆっくりと45に入ります。出発機と位置の確認をして、こちらがダウンウインドに入るころ、3機編隊が上がり始めました。

    最後の揺れは凄まじいもので、不安な気持ちになりながら、ベース、ファイナルとまわります。フラップは20度にし、速度を心もち早めにして降ります。パワーを調整しながらまわりますが、さすがに23ノットのガストが吹き荒れる中を進入していくのは、たえず細かな修正が必要になります。ゴーアラウンドすることも念頭に入れながら、ラウンドアウトして着地を待ちます。フレアした直後に風が強くなり少し浮きますが我慢して耐え、着地直前にフレアを増やします。着地点は伸びましたが、無事に降りることが出来ました。帰路はおよそ55分のフライトでした。
    到着後、Linemanによる給油開始
    降りた後も、機体を揺らす突風が吹くので、トレーニングで習った強風時のエルロン・ラダーの操作を実践しながら、駐機場まで戻りました。こんな風では、出発時にいたデモフライトの人たちも、もしかしたら怖い思いをしてしまったのではないかと思います。
    風が強いので、しっかりとタイダウンしました
    今日は、2カ月ぶりとなるクロスカントリーで2時間のフライトタイムを稼ぐことが出来ました。インストルメントには50時間のクロスカントリーPICが必要だそうで、訓練開始までに35時間ほどが必要とのことで、しばらくは時間を見つけてクロスカントリーを出来ればと思っています。色々な所に飛行機で訪ねられればと思います。

    飛行時間:2.0(累計60.1時間)
    :PIC時間2.0時間(累計13.5時間)
    :夜間0.0(累計3.1時間)
    着陸回数:2回(累計183回)
    :夜間0回(累計10回)

    2011年5月9日

    [PIC]スクールの新しいC150でフライト

    今日は、スクールに事故機の代替でやって来たばかりのC150を4時間予約しました。最近は別のスクールでのチェックアウトやC172のチェックアウトなど、インストラクターと一緒のローカルフライト場回でしたが、そろそろPICタイム構築のため、長距離を飛びたいと考えています。そこで、CoronaからMontgomery Fieldまでのプランを立て、実施する予定でした。
    昨晩の天気予報では、「明日は平年より寒い日になるでしょう」と言っていたので嫌な予感はしていたのですが、朝起きると雲が低いのに気がつきました。一応、晴れるかもしれないと期待しつつCoronaに向かいますが、空港のASOSはCeiling 3500と言っています。行きは5500、帰りは6500は取るつもりなので、これは厳しそうです。実際に空港につくと、状況は一層悪く、3500AGLではなく、3000MSLといった状態になっていました。

    新しいC150ですが、1971年製のC150Lでした。スクール自身が、リファービッシュすると言っているだけあり、手入れがこまめにされているところと、けっこう酷い状態のところが混ざった感じです。特に内装の壁・天井材の状態は酷く、プラスチックに穴が開いたり裂けたりしてしまっています。一方で、ドアや窓、計器類はしっかりと整備されており、よほど見かけを気にしない人が前の持ち主だったのかもしれません。ただ、操縦系統には何の問題もないようで、チェックを終えてエンジンをかけると、力強い音が響きます。
    内装は痛みが目立ちます
    San Diegoまでの遠征はあきらめ、今日はこの機体の習熟と割り切ったローカルフライトとします。まずはいつものようにLake Mathewsでマヌーバを試してからRiversideへ。さらにFlabob、Redlandsへと足を伸ばそうと考え、資料をニーボードにまとめてから出発します。離陸の感じは、前の機体よりも力強い感じ。80mphに設定すると、VSIが800feetを指したりします。TPAに上がるのが早い気がします。

    空は雲低が3500feetほど。Lake Mathewsで3500の予定を3000としますが、それでも時々雲にかかってしまいそうな感じです。湖の上で何となくマヌーバをやりますが、何となく狭苦しい感じがします。雲から距離を取るため、100~200feetほど降ろして回ります。しばらく飛んでいると、Coronaであとから出発準備をしていた機体からコールが。2000feetで練習空域に進入中とのこと。2000だと、湖面から500feetほどしかないはずです。こちらも高く上がりたいですが、雲に抑えられておりどうしようもありません。Riversideの方向は、さらに雲が低く、これ以上雲低が下がった場合を考えると、行く決心がつきません。
    パネルは特に問題はありません
    今日はあきらめて、Coronaに戻ろうとします。練習空域を離れ、CoronaのCTAFに合わせてポジションコールをすると、先ほどの2000feetの機体も帰途についているとの事。あちらも、早々に切り上げたようです。目を凝らして探すと、該当機がこちらの左前方下に飛んでいるのが見えました。[そちらの機を視認した。後に続く」と告げ、距離を保ちつつ着いていきます。機体のエンジンは力強い感じで安定しています。さらに、自機の後にもう1機つづき、3機が連れだってパターンをまわります。

    先行機に続いてファイナルに入ると、先行機が滑走路から出て行くところでした。ところが、もう少しでクリアラインを超えるといったギリギリのところで、誘導路で止まって動きません。一瞬、ゴーアラウンドも考えましたが、十分に距離がある(滑走路自体からは完全に出ている)事を確認して、そのまま進入を継続しました。今から思えば、大事を取ってゴーアラウンドするべきだったかもしれません。ただしその後、後続機も同じような状況で着陸してきました。

    先行機が立ち往生している誘導路の次の出口から出て、ランウェイのクリアを宣言します。タクシーバックしようとすると、先行機が邪魔な場所に止まったままです。さらにエンジンまで切って、2名が降りて機体を確認しています。手前で停止してしばらく様子を見ていましたが、1名の乗員が手で誘導してくれたため、最徐行で当該機をかわして駐機場のわきを通って抜けていきます。今日は合計で5回の着陸を行ないました。すべてフルストップです。週末はCorona空港はタッチ&ゴーは禁止ですし、それでなくてもこの長さでやるのは、あまり好みではありません(先日の事故も無理なタッチ&ゴーが原因の一つと見られています)。
    このパイパーもトラフィックをまわって練習していました
    今日は雲は低かったですが、地上の風はVar@3~5程度でとても飛ばしやすく、フレアの良い練習が出来ました。同じC150でそれほどの違いがあるとは思えませんが、前の機体よりも安定しており、フレアを感じ取りやすい気がしました。もしくは、今にしてようやくフレアを会得しつつあるだけかもしれませんが。

    クロスカントリーの予定はつぶれましたが、スクールの新しい導入機を試すには良い機会だったかもしれません。これで合計2機種計6機の機体を操縦した事になりますが、機種や機体ごとの違いがだいぶ分かってきたような気がします。次こそは、久々のクロスカントリーに出たいと思います。

    飛行時間:1.2(累計58.1時間)
    :PIC時間1.2時間(累計11.5時間)
    :夜間0.0(累計3.1時間)
    着陸回数:5回(累計181回)
    :夜間0回(累計10回)

    2011年5月5日

    [PIC]C172のチェックアウトも成功

    久しぶりの早朝フライト。スクールがだんだん混むようになってきて、思うようにC172の練習が出来ないので、思い切って、朝にフライトを入れてみました。インストラクターは、何度となく予約を入れては、体重オーバー、風邪、天候などさまざまな理由で延べ5回くらい流れているLorneです。一番最初のデモフライト以来、2回目ということになります。彼とは飛べない運命かと思っていたほどでした。

    彼は、少しだけ日本語が分かるので、「おはようございまーす。元気ですかー」と声をかけてくれます。これだけで親しみがもてるというものです。今日の機体は最古豪の1968年製C172Fです。まずは、打ち合わせをして、「C172のチェックアウトをしたい。それからバニングパス、カホンパスの越え方も知りたい。時間があれば行きたい。」と言うと、「チェックアウトは簡単に終わる。バニングとカホンは、また今度にするけど、172Fよりハイパワーの期待で行った方が快適だ」とのことでした。

    ということで、Lake Mathewsでのエアワーク、Riverside空港でのタッチアンドゴーをすることになりました。朝ということもあり、またここ数日の強風もおさまり、とても穏やかな天候です。離陸するとC150よりは力強い感じですが、機体の重さもあるため、結果は一緒、といった感じで上昇していきます。Lorneは、かなり安心してくれている様子で、「とてもいい」と言うばかりです。2000フィートを越えたあたりからは、C150より早いピッチで上昇し、4000フィートまですんなりとたどり着きました。いつもの道ですが、インストラクターごとに流儀が違うと思われるので、Lorneにも細かく質問していきます。Radioが2つある場合の使い分けの方法は?CTAFからTraining Areaの周波数に切り替えるタイミングは?上昇中はときどき機種を下げて周囲を確認すべきか?インストラクターからさまざまな意見を聞きだし、良い意見を集めてPracticeにしようと思っています。

    Lake Mathewsにつくと、早速Steep Turn。気流が安定しているので、まったく問題ありません。Lorneは徹底的にほめて育てるタイプのようで、「今のトリムの使い方はすばらしい。」「反対の旋回に入る時のスムーズさがすばらしい」とやたらにほめてくれます。悪い感じはしません。そのままPower Off Stall、Power On Stall。風が良いせいか、気持ちいい感じで進みます。さらに、エンジンストールのシミュレーション。即座にLake Mathewsにある廃滑走路を緊急着陸地点に決定し、そこに向かって降りていきます。その間のチェックリスト、エマージェンシー宣言、打ち合わせなども再現します。4000フィートからの降下なので、しばらく時間があり、Lorneから細かな説明が入ります。再始動が駄目だったら、粘りすぎずにフラップを下げてマスター、燃料コックを閉めること、最後に慌てないで着陸前の処理が出来るようにとのことでした。結構時間があるので、話を聞きながら、ときどきパワーを入れて、エンジンが本当に止まっていないか確認します。これまでで最大級の着陸寸前状態でしたが、スレッシュホールドに差し掛かるあたりで「ゴーアラウンド」と声がかかり、上昇へ。

    2500フィートほどに回復したところで、「それではRiversideに行こう」とのことで、水平に戻し、まずはATISを聞きます。その後タワーにコンタクトを取りましたが、ATISを聞いている間に西に進んでしまいましたが、まあいいかと思い「Over Lake Mathews」と位置通報。タワーからは、「Enter Left Base Rwy27」との返事。Lorneが「正しい位置だったらBaseではなく、Down Windと言っただろうね」とのこと。「ここだったらどのような位置通報が良い?」とたずねると、「自分は現在地ではなく、いつもタワーからの方角と距離を伝える」とのこと。確かに他機の位置通報を紀聞いても、現在地を言われると、知らない場所の場合まったく役に立たないと感じていたので、これは納得です。ただし、距離は目測なので、この感覚を養う必要があります。

    ダウンウインドよりも滑走路から距離を取って飛んでから、ベースに入ります。タワーから言われていた2マイルを告げると「Cleared to Land」が。降下を開始し、フラップを下げていきます。このC172Fですが、フラップのインジケーターがINOPになっており、直接目で見るしかフラップの出具合を確認する方法がありません。もちろん見たところで、何度とは書いてありません。目測でこんなもんか、とフラップを出しつつファイナルへ回ります。スレッショホールドでアイドル、機体を水平よりやや上にしてフレアをかけ、着地を待ちます。が、フレアの全くない3点着陸になってしまいました。「No Flare, Very Bad」とLorne。どうも、C150と見え方とフレアの必要量が異なるようで、そんなにするとバルーンが大変ではと言うくらい引いて良いようです。

    これは悔しいので、もう一度とLorneにお願いし、RiversideのRwy27のトラフィックを回ります。今度こそはと思いますが、またもやフレアのとても弱い着陸に。「今回は、アプローチまで全て良かったけど、若干速度を落としきれていなかったのが原因かも」とのこと。まだ機体の大きさに対して、少し振り回されている感が否めません。

    そのままタッチアンドゴーで、Coronaへ戻ります。上空に4機編隊がChinoから上がってくるのが見えました。試験官のMarkさんの会社の戦闘機かもしれません。Elianもいたりしてと思いながら、「次は良い着陸を」とLorneに励まされて、Coronaのパターンを回ります。ベース、ファイナルあたりの高度の取り方はC172でもすっかり慣れてきました。問題は、最後の着陸です。引いたつもりでしたが、またしても弱いフレアになってしまいました。

    それでも、Lorneは「まだ飛び続けるのだったら、自分を下ろして一人で行って」と言い放ちます。「いやいや、まだ自信がないからもう一周付き合って」とお願いし、もう一周回ることにします。Lorneからも、アプローチまでは全て問題ないと言われ、要は着陸の一点ということで気合を入れます。まだ、ややフレアが弱いかと思いましたが、Lorneは「教科書のような着陸だったよ」とのこと。自分でも実感をつかんだ感じがしたので、Lorneを解放し(笑)、再びトラフィックパターンを回ることにします。

    この感じ、まさに初ソロの時のようです。まあ、C172での初ソロなので、状況は同じようなものです。特に最近はインストラクターとばかり飛んでいたので、PICとしてのフライトが久しぶりな気がします。思い切って飛び出すと、まあ大丈夫かなという気になります。ただし、だんだんと日が上がってきているので、上昇気流が発生して気流がところどころ乱れてきました。また、日差し・気温が強いせいか、エンジン温も高めです。

    ソロ最初の着陸は、少し退化したような着陸。満足できる着陸が出来たらやめようと思いながら、結局、全部で4周しました。最後は、さすがに満足できるレベルになりました。フレアが十分に効くと、滑走距離も短くてすみます。出口1つ分は確実に違ってくるようです。また、この飛行機は古いながら、作りががっちりとした印象で、多少手荒に着陸しても(良くないですが)、びくともしない頼もしさがあります。この機体をスクールでは”Old but Faithful”と言っていますが、言い得た表現です。

    結局、Lorneとのフライトは1.2時間、Soloでのパターン4周は0.4時間となりました。久しぶりに自力だけという、達成感のあるフライトになりました。 これでスクールのキャブレター方式のC172(2機)に乗れるチェックアウトに合格したこととなり、前回と合わせてフライトの幅が広がりました。

    飛行時間:1.6(累計56.9時間)
    :PIC時間1.6時間(累計10.3時間)
    :夜間0.0(累計3.1時間)
    着陸回数:8回(累計176回)
    :夜間0回(累計10回)

    2011年5月2日

    [PIC]C150のチェックアウト成功

    最近、週末になると天候が悪化するパターンが続いています。そんな中で、インストラクターのLorneとは、なかなか飛べない運命になっているようです。先週はEddieとのフライトがCielingが悪くキャンセル、今週は2回Lorneとのフライトを予約していましたが、2日とも強風(Santa Anaウインド)でキャンセルになりました。

    Fly Coronaにも早くもC150が配備されたようですが、それ以前から検討していたChino空港のDu Bois AviationにC150のチェックアウトに出かけました。Lorneがキャンセルしようと連絡してくるくらいで、風は040@12G21という一人では決して飛びたいと思わない風向風速です。ただし、Coronaとは異なりChionoにはRwy3/21という横風滑走路があるので、いけるようです。

    空港に着くと、同時に今日のインストラクターのMikeが車で着くところでした。お互いに自己紹介して、スクールへ。空港には社長で先週、Ground SchoolをしてくれたLou、奥さんのPamがいました。さらに、スクールのマスコット犬のHenry君(リンクページ下)も。PamさんにID、ライセンス、Medical等を提出してコピーをしてもらいます。

    飛ぶ前に、Mikeと別室で打ち合わせをします。今日のフライト内容は、Chino空港からSoft Fieldで離陸し、Lake Mathewsへ。Slow Flight、Power Off Stall、Steep Turnをやって、再びChinoでSoft Field Landingということに。特に問題はなさそう(自信があるわけでもないです)が、風が問題です。Mikeにこの風はどう思うと聞くと、まあ心地よくはないけど大丈夫だろう、とのこと。

    早速、C150の置いてあるとなりの格納庫に行ってPre Flight Inspectionを実施します。Louがやって来て、ウインドシールドを一生懸命拭いてくれます。Mikeも一緒で、機体の可愛がり方がなかなかという印象です。C150といえども、訓練機だったN11630以外は今回が初めてなので、どのようなものかと思いながらチェックをしていきます。チェックの過程でエルロンがずいぶんと固い事に気が付きました。また、エンジンのオイル点検口のねじの一つが、指で開ける形でなく、ドライバーで開ける普通のねじでした。毎回プラスドライバーを持ち出して(機内に備え付けてあります)、チェックします。燃料のサンプリングは、内容を捨てずに戻すようになっています。これは、格納庫内でチェックするため、床に燃料を捨てられないからでしょう。したがって、機種の燃料サンプリング(これは捨てるしかありません)は外に出てから行ないます。

    Fly Coronaとは機体やチェック方法が細かく異なりましたが、無事に終わって、Mikeと機体を引き出して乗り込みます。機体も初めてなので、細かな装備が異なるため、それにも慣れる必要があります。分からないことは聞いていると、向こうからスクールの機体がやってきました。このスクールの格納庫は、行き止まりの先にあるので、このように対向すると、フェンスと格納庫に挟まれたタクシーウェイでお互いに思いっきり端によけて通過しなければなりません。相手の機体はフェンスぎりぎりまで翼を近づけてよけてくれています。こちらは、Mikeが同じように格納庫ギリギリに寄せてすれ違いましたが、これは自分でやるとなったら、なかなか大変そうです。

    すれ違ってから再度止めて、After Engine Startのリストを実行します。Coronaと違うのは、Groundにタクシーの許可を取る必要があるため、空港地図でタクシーウェイを良く確認します。何だか格納庫が大きく広がり、迷子になりそうな感じです。Groundにコンタクトすると、Deltaを右折し8L手前で止まれとの指示。返答して、そろそろと進んでいきます。ラダーも固い印象で慣れず、なかなかセンターラインを踏めません。Deltaにぶつかって右折する頃、Groundから滑走路横断の許可。返答すると、Verify Cleared to Cross 8L & 8Rとのこと。そうでした、パラレルの2本ともクロスして良いと言われたのでした。なかなか大空港の雰囲気になじめぬまま、ランナップエリアへ。

    ランナップエリアで、最終チェックの後、Towerへコンタクトして、Departure to Lake Mathewsと告げて離陸許可を申請。すぐに離陸となります。Soft Fieldだったのですが、Short Fieldと勘違いして滑走路端へ向かい、MikeからSoftで良いからと言われます。気を取り直して離陸。エレベーターを引きっぱなしにして、前輪が浮いたらその状態を維持するようにエレベーターを調整、浮き上がったら水平にして加速します。風が強いためか、ずいぶん浮いてしまい、もっと地上で加速するようにとのコメント。ガストが強く、面白いようにふらふらとしながら飛んで行きます。右クロスウインドに入ると、それがそのままLake Mathewsへの進路となります。すなわちRight Crosswind Departureです。ふらふらしながら、2000feetまで上昇。Mikeからは、Freeway91を越えるまでは2000で行く、と言われているので、それを守ります。面白いように揺れますが、落ち着いたふりをして飛ばしていきます。TowerからはFrequency Change Approvedの連絡。

    Freeway91/15を超えて4000feetへ上昇開始。相変わらず良く揺れます。今までで一番かもしれません。Lake Mathewsに着くと、早速Slow Flight開始。なかなか速度が落ちませんでしたが、一度姿勢を確立してからは、特に問題なし。旋回も15度に抑えてじりじりと旋回して見せます。一度リカバーした上で、再度フラップを出してストール。最初は機種を落としてしまい、中途半端なものになってしまったため、Mikeが見本を示してくれ、再度チャレンジ。今度はきれいに決まります。さらに、Steep Turn。得意とする科目なのですが、旋回直後に高度が150feetほど上がってしまい、なかなか下げられず、100feetほど高いまま左右360度を行ないます。これもMikeが見本を見せてくれました。20度で1回、トリムをまわし、同時に200RPMを足すというもの。これは、やり直さなくても良いということで、そのまま帰ることに。一度Lake西側のFreeway15に出てから北上ということで、4000feetで西に向かいます。突然Mikeがエンジンをアイドルにし、「さあどうする」。予期していませんでしたが、「Establish 70mph、あのフィールドに着陸します。エンジン再始動に挑戦し、ダメであればエマージェンシーの宣言、Evacuationについてあなたと確認して実施します」と説明しつつ操作できました。素晴らしい、ということで、リカバリーして3000feetで帰路へ。

    91/15インターセクションでTowerへコンタクト。Towerからの返信時に雑音が入り、聞こえない部分があり、再度確認。「Enter Right Base Rwy3, Contact 2miles」と聞こえたのでその通り答えます。Mikeもこの時は何も言わなかったのですが、その後コースをBaseに取ろうとすると、違うとのこと。Rwy3は初めて使うのでBaseの位置の取り方が違うのかと思い、しばらくして再度曲がろうとすると、また違うとのこと。少し混乱しましたが、Mikeは「TowerはEnter Right Trafficと言った」とのこと。うーん、そうかなあと思いながらも高度の処理もあるのでその通りにします。Towerからは「Make Short Approach」との指示が来ますが、Mikeが「Negative」と答えます。

    そのまま45、Downwind、BaseとまわってからSoftfield Landingへ。Gustが酷いので、20度のフラップで降りようとのこと。本当に降りれるかと思いながらも、操縦していきます。着地直前で本能的にスロットルをほんの少し足してソフトに降りるように調整しました。おかげで、凄まじいGustの中でも、かなりなソフトな着地となり、Mikeも素晴らしいとほめてくれました。

    着地後は、Groundにコンタクトを取り、スクールまで滑走許可をもらって、帰って行きます。この辺りの長いタクシーは、Coronaとは違うところです。無事にスクールの格納庫にたどり着いて、エンジンを切ってフライトは終わりとなりました。Mikeと二人で機体を格納庫に注意して押入れます。他の機体がすぐ近くにあるので、ぶつけないようにする必要があります。

    最後に、再度スクールでログブックにMikeが項目を全て記入してくれました。飛行内容は、Check out for 150. good job!でした。合格ですかと聞くと、その通りとのこと。その他、今日のフライト内容についてレビューを受けました。Radioはゆっくりだが、間違いはないので良いとのことでしたが、疑問を持ったら、必ず聞き直して確認することとのこと。確かに、さっきのEnter Right Base/Trafficはしっかり確認しておくべきでした。

    Mikeにお礼を言って、「こんな風の日には飛ぶのは苦手でした(笑)」と言うと、「自分も嫌だね。スムーズなのが一番だよ」とのこと。「全くです」と言うことで、握手して今日のフライトは終わりました。Mikeは、さらにもう1本Demo Flightがあるとのことですぐに出発したので、後はPamに料金精算をしてもらいました。とりあえず$1,000を支払って、Block Rate適用にしてもらいました。犬のHenryは居合わせた別のインストラクターに吠えかかったり、自分の寝床を引っ張って移動させたりと不思議な行動をし続けていました。PamにHenryの年齢を尋ねると、来月で5歳とのこと。見た目よりずいぶん若いのに驚きました(笑)。

    Gustが酷く、思い通りに飛ばせたという実感はあまりありませんでしたが、まあ、こんな風の中を一通り自分で飛ばして降りられたので、良しと思いたいと思います。Fly CoronaもC150が入りましたが、これで安定的にフライトを楽しめる環境がより確実なものとなりました。

    飛行時間:1.3(累計55.3時間)
    :PIC時間1.3時間(累計8.7時間)
    :夜間0.0(累計3.1時間)
    着陸回数:1回(累計168回)
    :夜間0回(累計10回)