2012年1月31日

Fundamental of Instrution合格しました

Multi Engineのトレーニングと並行して狙っているのが、Ground Instructorの資格です。Ground Instructorとは、CFI(フライト・インストラクター)の地上での教習部分について担当できる資格のことです。いわゆるグラウンドスクール専門でしょうか。ただし、CFIと異なり教習区分が別れていないので、飛行機、ヘリコプター、ジャイロプレーン、グライダー、パラグライダー、気球、飛行船まで全ての機体について教えることが出来ます。逆に言えば、それらの問題も試験に出てくるわけですが…。

Ground Instructorですが、細かくは、Basic、Advanced、Instrumentの3つの区分があります。この区分については、別の機会に書きたいと思います。いずれの区分でも、必要なのは筆記試験だけで、実技などは一切ありません。また、パイロット資格も必要ありません。さらに、受験の際に、他の試験では必要となるインストラクターからのEndorsmentも必要ありません。つまり、この資格だけは、パイロットでなくても、インストラクターに付かなくても、完全に独学での受験・取得が可能ということになります。

Ground Instructorになるには、
  • Fundamental of Instruction(指導の基礎)
  • Ground Instructor(航空機に関する専門知識)
の二つの試験それぞれに合格する必要があります。Fundamental of Instructionは、1.5時間で50問に解答します。合格率は、他の全ての試験と同じ70%。各種CFI資格でも必要な試験で、1回合格すれば24か月間有効です。今回は、Ground Instructor試験の前に、まずはFundamental of Instructionからということで、受験しました。会場は、これまでPrivate、InstrumentのWrittenを受験した、Riverside空港ターミナルビル内にあるAV Techです。

いつものようにASAの問題集をAmazonで購入して勉強しました。CFI試験用の問題集には、Fundamental of Instructionと、Groundを含むすべての区分のInstructor試験の問題が掲載されています。Fundamental of Instruction分野は、251問掲載されており、教育心理学のような問題、レッスンの組み立て方など、戸惑う感じの問題ばかりでした。それでも問題数が多くないので2、3日で暗記を完了しました。単なる記憶のため、理解は全く十分ではありませんが、暗記率は95%程度です。他の試験は実技の際に、Written試験の間違えを指摘される事がありますが、この試験は実技が無いため合格ラインギリギリの70%で合格しても、誰に責められることもありません(笑)。ということで、かなり気楽な気分で受験しました。

3度目となる同会場での試験なので、勝手知ったもので、順調にコンピューターを前に試験開始。ところが問題を見ると、どうも様子が違います。今までは、95%程度の問題が、過去問から選択肢の順序すら変わらず全くそのまま出題されていました。 ところが今回は、文章や表現が細かく修正されていたり、選択肢の一つだけが全く違う文章になっていたり。さらに、全く見たこともない問題の数も多く、それらを合わせると全体の30%ほどありました。何とか答えを決めて解き終わり、試験監督を呼んで試験を終了すると、結果は82%で合格でした。問題ないとはゆえ、これまでに無い合格率の低さです。まあ、問題ないので良いですが(笑)。

終わった後、試験監督に出題方法がだいぶ変わっていたんだけど、と話をしましたが、初めて聞いたとのことでした。ごく最近変わったのか、それともFundamental of Instructionだけの話なのかは不明ですが、今後受験する人は気を付けて下さい。24カ月有効の合格証をもらって帰路につきました。1.5時間の受験時間ですが、20分ほどで終了でした。次のGround Instructor試験に向けて、勉強を始めたいと思います。

[MLT01]マルチの訓練を開始しました

Fly Coronaにツインエンジン(Piper P30 Comanche:コマンチ)が入ったということで、先日、実物を見に出かけてきました。昨年11月に着任したGeneral ManagerのKevinに案内され、機内をのぞいてみます。1966年製ということで、決して新しくはありませんが、それなりに機内外の整備品質は保たれています。
PA30 Comanche(コマンチ)のコクピット。右下の青いレバーはプロペラピッチ操作用
Comancheは双発機の中では小さいようですが、それでもC150やMooneyなどの狭小コクピットを見慣れた目にとっては、十分に広々と感じます。最後列の1席は物置になってはいますが、一応5席あり、私の操縦する機体では、最大の定員を誇ることになりそうです。
重要な6計器(速度、姿勢、高度、昇降、旋回、方位)。この機体は、なぜか高度計が2つ装備
Kevinとは何回か顔は合わせていましたが、今回のことで初めてしっかりと話をしました。Fly Coronaのスタッフにしては物静かな印象(他が元気な人が多すぎるのかも)ですが、その分話す内容に信頼を置ける感じがします(それ以外の人の話が信用できない訳ではありません(笑))。という訳で、先日早速訓練を申し出、同じくAFSPへの訓練申請もネットで登録しておきました。このAFSPのプロセスですが、何と申し込んで3営業日で許可がおりました。Kevinがスクール側の手続きを即座にやってくれたようで、やはりこれまで時間がかかっていたのは、スクールでの処理が遅かった部分も多いようです。
無線系(航法、通信)用機器類
ということで今回、初めてのトレーニングに出かけました。当日は、Santa Anaウインドが吹き荒れる天気でしたが、特に中止の申し出もなかったのでインストラクターとの顔合わせのつもりで出かけました。今回のインストラクターはマルチの資格を持つBillです。彼は長年のCFIキャリアを持ち、現在はアメリカン航空に勤務とのこと。アメリカでは、エアラインのパイロットとCFIの兼業も多いそうですが、そうした人に習うのは初めての経験となります。
TransponderとADF。ADF装備機は初めて
初日は、このBillがHonoluluからのフライト終了直後ということでしたが、スクールに行くとBillはおらず。Nickが、Billと連絡の行き違いでと謝ってきました。代わりに同じくマルチの資格を持つMattがGroundをするとのことで、 承諾します。Mattもほぼ初めて話をしましたが、彼もまた物静かな印象です。少しずつFly Coronaのインストラクターも入れ替わり、雰囲気が変わってきています。前よりも、少し洗練された感じと言えば良いでしょうか(笑)。

グラウンドスクールは、まず機体の内外でプレフライトでの注意点を教わり、次にコクピットの機器について細かく説明を受けます。また床の点検蓋を外して、ギアの手動でのセット方法や、燃料バルブやSump方法について教わります。燃料のSump時は、Drain下にバケツを置くとのことでした。エンジンが一つ増えるだけですが、システムも単発機とは異なったり、複雑になる部分がいろいろあります。印象に残ったのは、燃料のFeedにCrossfeed(反対の翼の燃料をエンジンに供給すること)があることや、暖気には機種部分に専用の燃焼ヒーターが備え付けられていることなどでしょうか。これは、エンジンが遠くエンジンの暖気を取れないからだそうで、双発機では良くある機構だとのこと。右エンジンの燃料供給系からFuelを分配され、1時間に約1ガロン消費するそうです。

その後は、スクールに戻り、POHを見ながら重要な数字や構造・機構などを確認し、さらにWeight&Balanceの計算も行います(実際久しぶりでした)。GMのKevinがしっかりしているのは、トレーニングを申し出た時に、POHをその場でコピーしバインダーに閉じて渡してくれたことです。今まで、こんなにしっかりとしてくれた人はいませんでした。さらにKing SchoolのDVDセットも配布され、このDVDとPOHで予習をしていたので、初回のグラウンドはスムーズに進みました。

一方、相変わらずFly Coronaっぽいと感じたのは、一緒にもらったPractical Standardの本がCommercial /Multi Engine用だったことです。これはKevinに言いましたが、Commercian試験とMulti Engine試験両用だと説明され、やっぱり違うのではとMattに説明したら、それはそうだということで、Private/Multi Engineの本をくれました。Mattに交換じゃなくて良いのかと聞いたところ、「Commercialの本も折角だからもらっておけば? No one cares!」と言われました。ありがたくもらっておきました(笑)

今回はMulti Enginトレーニングパッケージを購入したので、こうしたものは全て込み料金とのことです。今までパッケージ料金の場合は、ボーナス分も含めてアカウントに入った金額から、一つずつの料金が引かれていました。今回のパッケージは規定訓練(機体+CFI12時間、Ground10時間、その他教材等)がセットになっています。例えばセットに含まれるチャート類を不要な場合は、以前のパッケージはその分の料金がアカウントから引かれずにフライト時間等に使えましたが、今回の場合は次のサイクルのチャートをプレゼント、という風に、運用が変わったようです。Kevin GMの方針なのかもしれません。

以前に比べると少し洗練され、すこししっかりしたものの、相変わらずの気の良さも残しているなあと感じつつ、スクールを後にしました。


マルチエンジングラウンドスクール:
2.0時間(累計2.0時間)

飛行実績:
飛行時間:1.4時間(累計160.1時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計51.4時間)
:Instrument 0.0時間(累計44.15時間)

:夜間0.0時間(累計4.7時間)

着陸回数:1回(累計308回)
Simulator着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計11回)

2012年1月26日

[IFR]3カ月ぶりのIFR

10月にIFRのレイティングを取って以来、初めてのIFRフライトを行ないました。リハビリ第2弾として、ChinoのDuBoisでIFRの練習で使用したPiper Cherokeeを用いてのアプローチです。
スクールに向かう途中。空港周辺は霧に覆われていました
早朝に予約を入れていましたが、前の晩は雨。そして当日の朝はChino空港の周囲だけ、濃い霧が立ち込めています。1ヶ月半ぶりにあったインストラクター のMikeは元気そうでしたが、二人で空を見上げて苦笑いです。まあ、周囲は晴れていることですし、しばらく待てば霧も上がる(burn up)するだろうということで、お互いメールの返信など仕事をしながら静かに過ごします。

窓から見える外の景色は白一色か ら、徐々に遠くの家々が見えるようになってきました。時々ATISを確認しますが、 3/4Mile、Ceiling300~なかなか改善しません。というか、ATISがアップデートされません。まあ、実際に見えているので時間の問題だろ うということで、出発準備を始めます。久しぶりのCherokeeですが、なかなかエンジンがかかりません。Mikeの手助けでようやくかかり、出発しま す。今日はATCはMikeが担当してくれるということで、操縦に専念できます。
DuBoisはハンガーの引越が終わりリニューアルされていました
今日はChino空港へのアプローチということで、Full ILS Approach、Vector LOC Approach、Vector ILS Approach Full Stopの順序にします。Rwy26Rから離陸し、左旋回してPDZ VORへ向かいます。フードをかぶって4500feetに上昇していると、1800feetを過ぎたころから、激しいタービュランスに見舞われました。 Mikeに「あなたがいなかったら絶対一人では飛びたくない日だ」と言います。2500を超えた辺りで徐々に落ち着いてきますが、今度は北風が強くなって 来て、針路を補正します。10度から20度程も補正して、ようやくコースを維持できます。
スクールに入るとまず受付、奥に教室という配置に

PDZから052Radialで Outboundし、Holding Patternを回ってからLocalizerに乗ります。この操作は問題なくこなせました。Localizerに乗って降下を開始しますが、これも問題 なし。やはりATCを任せると、随分と余裕が出ます。しかし、やはり2500feetを切る辺りからタービュランスがひどいことに。どうも強烈な上昇気流 のようで、降下させようとしてもなかなか降りずにGlideslopeがどんどん下に行ってしまいます。しかもこれだけの風ということはバーストの可能性 もあり、かなり気を使います。1回目はローパスなので、ミニマムに到達したところでMissed Approachを実施します。
スクール内部

次 はベクターでのLOCアプローチ。特に問題はありませんでしたが、やはりタービュランスがひどく、MikeがSOCALに「Moderate Turbulence」とのフライトレポートを入れました。やはりMissed Approachとし、最後はベクターでのILSアプローチ。MikeがATISをモニターすると、完全なTail Windです。風速は9knots。するすると接地が伸び、滑走路の中央付近でようやくタイヤが接地しました。
受付部分が冷えるので、天井を塞ぐ幕の設置をLou校長が陣頭に立って作業中でした

Mikeの講評は、操作に関しては問題ないとのこと。自分としても、この風の中で良くやったと思います(笑) 。ただし、時として許容範囲を超えたので、それは風があったにしても、範囲に収めるようにする必要がありました。またATCをMike任せにしていたので、これも入れていたら大変だったと思います。まあ、「さび落としとしては良く出来た」とのことなので、言葉どおりに受け取りたいと思います。

プローチ(Simulator含む):
ILS2回、LOC1回(累計52回:ILS19回、LOC10回、VOR20回)

飛行実績:
飛行時間:1.4時間(累計160.1時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計51.4時間)
:Instrument 0.0時間(累計44.15時間)

:夜間0.0時間(累計4.7時間)

着陸回数:1回(累計308回)
Simulator着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計11回)

2012年1月23日

私の通う二つのスクールについて

最近、日本在住の方から私が通うスクールについての問い合わせがありました。もしかしたら、ブログをご覧の人にも参考になるかと思い、その方にお伝えした内容をまとめ直して、掲載します。

私の通うFly Corona!(Corona空港)、Du Bois(Chino空港)の二つのスクール、どちらも一長一短があります。どちらも米国人経営のスクールで、日本人は私以外にあったことはありません。もちろんCFI(インストラクター)も日本人はいません。それで良いという人向けの情報になります。2つのスクールはアメリカの平均よりは問い合わせ等に関するレスポンスも早く、小まめな対応をしてくれますが、日本の感覚で考えるといい加減に感じる部分もあるかもしれません(笑)。

[雰囲気について]
雰囲気的にはFly Coronaの方が、明るく、オープンな感じがします。ラウンジもこぎれいにしています。Facebookページ等も充実しており、海外からのお客さん(特にヨーロッパ殻が多いようです)もそこそこいるようです。台湾の管制官の方も、ここでライセンスを取ったりしています。 
Chino空港のFly Corona!
Du Boisの方は真面目な感じで、必要な部分以外にはお金をかけずに地味な感じです。プロや上級ライセンスを目指すには良い感じです。CFIの平均年齢はこちらの方が高く、また勤続年数も長いです。社長のLouを中心に家族経営、という感じがします。 
Chino空港のDu Bois
[トレーニング環境について]
機体もFly CoronaはCessna中心、Du BoisはPiper中心という違いがあります。あとChino空港は大きいので、滑走路までのタキシングに時間がかかります(片道、5分程度伸びる程度ですが)。また、他機との関係でHoldを指示されることもあります。トレーニングの場合、
意外とこうした積み重ねがコストに影響したりします。Corona空港は小さいのと非タワーなので、こうした事はありません。駐機場から滑走路までは1分とかかりません。
 
機材の整備は、Du Boisの方が熱心です。機体を格納庫に毎日きっちりとしまっています。飛行機の掃除専門に人を雇ったりもしています。INOP(使用停止)の計器などもありません。
Fly Coronaもスタッフが拡充され、以前に比べると随分しっかりとして来ています。ただし、良く乗るC172はFlap IndicatorがINOPで、翼を目視しながらFlapの出方を調節しないといけなかったりします(笑) 
 
[予約システムについて]
予約は、Fly CoronaはWeb上で行えます。機体だけでなく、教官の予約や両者のキャンセルも全てWeb上で行えます。Du BoisはWebで予約状況は分かるのですが、予約自体は、電話・メールで直接スクールに依頼しないといけません。こうした事もあり、思い立って気楽に飛ぶ場合は、私はFly Coronaを使うことが多いです。
 
[サーチャージについて]
料金ですが、両者がホームページで掲載している価格について、Fly Coronaは燃料価格に応じて燃料サーチャージが発生します。ずるいことに、Webページに掲載していないのですが、書き写しておいたものを以下に記します(2012年1月現在)。ちなみにDuboisはサーチャージはかからず、それを売りにしています。
 
Fly Coronaサーチャージ表(2012年1月現在)
Fuel Price C150 C172
$3.00-3.50 $3  $6
$3.50-4.00 $5  $9
$4.00-4.50 $7  $12
$4.50-5.00 $9  $15
$5.00-5.50 $11  $18
$5.50-6.00 $13  $21
 
[Part61、141について]
どちらのスクールも、PART 61のスクール(任意学校扱い)であり、現状では日本からのトレーニング希望者にI-20(学生ビザ発給に関して、学校側の受け入れを証明する書類)を出すことは出来ないと思います。ただし、Fly Corona!はPART 141(正式教育機関扱い)取得を目指しており、間もなく取得予定とアナウンスされています(2012年1月現在)。PART 141を取得すると、I-20の発行が出来るようになります。
 
[チェックアウトについて]
既にライセンスを持っている人が、レンタルして飛ぶ場合、チェックアウトと呼ばれる技量確認が必要です。これはどのスクールでも行なわれているもので、原則として機種ごとにCFI同乗で飛んで、レンタルして良いかチェックを受けます。この時間は、1~2時間程度が殆どだと思います。チェックアウトは操縦技術だけでなく知識も問われます。その場や事前にメールなどで質問票が送られてきますので、それに回答し、それについてGroundとしてCFIとディスカッションします。チェックアウトに関しては、どちらのスクールも制度は同じです。
 
スクールも経営努力でいろいろ変化がありますので、最新の状況は各スクールに問い合わせるか、私にでも尋ねてみて下さい。私は分かる範囲でお知らせします。 

2012年1月19日

[PIC27]1ヶ月ぶりのフライト

昨年12月から1ヶ月以上ぶりでフライトに復帰しました。前にも書いたように、予定がいろいろあったのと、気持ちが乗らないことがあり、しばらく飛んでいませんでしたが、思い切って気分を変えるべく飛んでみました。久しぶりなこともあり、かなり自信が無く、また思い返せば最近はインストラクターとばかり飛んでいて、自分ひとりで飛んだことがしばらくありませんでした。
フリーウェイ15の上空。Hazyな空です。
そんなわけで、かなりドキドキしながら空港に向かいました。今日はFly Coronaの古豪C172です。1ヶ月ぶりのFly Coronaは内装が少し変わっていました。気になったのは、トレーナーとTシャツ売り場、それにポップコーンメーカーが置かれていたことでしょうか(笑)。

点検を行なってから出発します。今日はまずはタッチアンドゴーで感覚を呼び戻し、それから近場の空港に行こうとプランを立てていました。リハビリに最適なWind Calmです。Hazyですが、それでもVisibilityは+10SMでした。初ソロの時の気持ちが蘇るような感じで離陸します。離陸してしまえば、後は自力で降りるしかありません。
Lake Mathews北側の住宅地。山の上まで住宅開発されています。
クローズドトラフィックで回るとあっという間にランウェイエンドのアビームです。手順を思い出すようにキャブレターを引き、スロットルを戻し、フラップを下ろして降下を開始します。少し大きめにベースに入り、チーズ工場の真上を通過します。途端になかなかのタービュランスが。振り返ると工場の煙突の真上を通過したようで、その上昇気流を浴びたようです。住宅地に入らないように手前の川に沿ってファイナルに曲がります。やや低めのようでVASIが二つとも赤く見えます。パワーを足しますが、速度が落ちてきて少しドキッとします。ショートファイナルでも、風は斜め左からの微風で安定しています。もう少しでフレアと思っていたところで、ドンっと激しい着地になりました。2度軽くバウンドして落ち着きました。
どうも、昨年末C172SPで訓練した時に問題となった癖が直っていません。パイパーとムーニーでばかり飛んでいたからか、フレアの感覚が低めになってしまっているようです。タクシーバックして再び回ります。ほかにもトラフィックはいますが、これも良い練習という感じです。アップウインドやダウンウインドを伸縮したり、さらに速度を調整して間隔を取ります。2度目の着地は、少し改善しましたが、まだまだハードなものに。結局4回まわって、満足とは行きませんが少し落ち着いてきました。

4回目の着陸の後タクシーバックしていると、無線で到着機が続々と向かってきているのが分かりました。さらに出発機も後に続きます。これは、パターン回りの潮時かと思い、いよいよLeft Downwind Depatureで出発します。Lake Mathewsに3500に上昇しつつ向かいます。Lake Mathewsでは何回かコールしましたが、返答は無し。とりあえず好きなスティープターンを適当にまわっていると、湖の東側で同じ高度で同じことをしている機体を発見しました。もう一度、ポジションコールをすると、ようやく向こうも3500feetにいると言ってきました。高度を変えても良かったのですが、ここももう潮時と思い、"leaving the area to Riverside. Last Call"と告げると「高度はいくつだ」とぶっきらぼうに言ってきました。「3500」とこちらもそっけなく答え、Riversideにコンタクト。いつものようにAuto Center上空でのコールを指示され、TPA+500の2300へ降下しつつ向かいます。
Lake Mathews上空からRiverside空港を望む。意外と近い。
Riversideの滑走路ははじめが上り、その先が下りという嫌な傾斜になっていて、ハードランディングしやすい気がします。Auto Centerから注意して降下しつつベース、ファイナルと向かいます。風自体はCoronaよりも安定しています。フレアがタイミング良くいき、地面すれすれでストールワーニングがなり続けます。その後スッと接地しました。気持ちの良い着陸です。気をよくして、次はタッチアンドゴーをリクエスト。これも決まり、3回目の着陸前に、「After touch & go, request fly around Mt. Rubidoux at 2500 feet, then transition to Corona airport」と遊覧飛行をリクエスト。「right turn approved for Mt. Rubidoux」との指示が出ました。
Riverside空港にて。ILSアプローチの機体があり、2分ほど地上待機中。
Mt. Rubidouxの近くには友人が住んでおり、たまに「今日うちの上空を飛ばなかったか。何回もしつこくまわっていたから」などと言われることがあったことを思い出し、それなら本当に飛んでみようと思いついたのでした。無線からは、Mt. Rubidouxのすぐ西にあるFlabob空港に向かう機があることが分かっていて、注意しながら向かいます。山の東側に出て旋回しながら、友人の自宅上空辺りを旋回します。一人で操縦していて地上の道路を見分け、さらに同じ様な家の中から友人宅を探し出して撮影するのは無理でした。適当にこの辺りというところで2度ほど旋回し、写真をパシャパシャと撮ります。どれかには映っていると良いのですが。
Santa Ana川を渡る橋。奥はRiverside市街。
その後、Riverside Towerに「Now, We are heading to Corona Airport」と連絡します。「Transition Approved」との返答がありました。ちなみにRubidouxの辺りも全てRiverside Towerの空域です。Riverside空港の真上を2500feetで通過して、Coronaの45 for left downwind Rwy25に入るべく進みます。Riversideの空域を出る辺りで、Frequency Changeの知らせが。Coronaにコンタクトすると、トラフィックに1機、他の到着機が2機いました。到着機の1機はストレートインするといっており、干渉しそうな気配です。
Mt. Rubidouxの上空にて。山の奥にFlabob空港が見える。
最近、Coronaは騒音が問題となっているらしく、空港ではトラフィックパターンを守るようにとの注意喚起のチラシが配布されています。チラシの地図にはSensitive Areaの住宅地が記されているのですが、他の住宅地はSensitiveではないのかと疑問に思ったりします。とりあえず、地図にあるSensitive Areaに入り込まないように早めに45に入ります。そのため、45どころか70近くなってしまいました(笑)。
Riverside空港の真上を通過。
Downwindに入るころにストレートイン機が4マイルと言ってきました。微妙ですが、こちらが先に入れそうです。Abeamを告げると、向こうはFollow youとのこと。早めの降下と小さ目のパターンでファイナルに入ります。この着陸が決まれば気持ちいいんだけどな、と思っていましたが、なかなかきつめの着陸に。こんな着陸でもびくともしない健気な古豪C172(笑)に、何となく頼もしさを感じつつ駐機場に戻りました。
Freeway 91/15 Intersection。定番の位置通報地点。
ほめられた着陸は少なかったですが、まあ無事に戻って来れました。今日はトラフィックパターン周りが意外と混みあい、その中での間隔確保に工夫しました。飛行機の操縦というのは、今日のようなリハビリと思っている時でも新たな発見や進歩が出来る感じがします。飛ぶたびに、たまねぎの薄皮が一枚ずつむけるように、何か少しずつクリアになっていく感覚です。この進歩していると言う感覚と、何より空を自分の力で飛べるという実感。特に長い期間飛ばずに上空の飛行機を見て、すごいことをしているなあと思っていましたが、そんなことを自分がしていると思うと、なんだか嬉しい気持ちになりました。心から、空を飛ぶのは楽しいと思えるフライトでした。
友人宅は、この写真にはありませんでした。
この1ヶ月余り、飛行機関係で何人かの人と知り合い、直接あって話をしたり、メールをしたりしました。こうしたことが、少し遠ざかっていた気持ちを空へと向けてくれたと感じています。本当に、空をきっかけに知り合う人というものは、ありがたいものです。


飛行実績:
飛行時間:1.5時間(累計158.7時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 1.5時間(累計51.4時間)
:Instrument 0.0時間(累計44.15時間)

:夜間0.0時間(累計4.7時間)

着陸回数:8回(累計307回)
Simulator着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計11回)

2012年1月13日

しばらく飛ぶ夢を見ない

というのは、山田太一の小説でしたが、そろそろ1ヶ月以上飛んでいない事になります。年末年始の休暇期間には飛びまくろうと思っていたのですが、Santa Anaウインドやら自分の都合やら、教官のMikeの予定が詰まっていたりとなかなかタイミングがありませんでした。さらに、12月にフリーウェイで事故に巻き込まれ、幸い怪我は無かったものの車が中破してしまい、そんな様子を見ると何となく飛行機に乗ろうという気が起らなかったというのもありました。IMSAFEのEmotionが十分でなかったということでしょうか。

それでも、ふとしたきっかけでChinoで活躍している日本人のY教官やその仲間の皆さんに知り合うことも出来ました。事故で壊れた車の修理も終わりましたし、そろそろ空へ復帰したいと思っています。