2012年3月22日

[PIC31]初のお泊りフライトでGrand Canyonへ

今月末で日本に帰国することとなり、飛び収めをどうするか考えていました。昨日は、DuBoisのMikeと最後のMooneyのフライトを行ない、めでたくComplexのEndorsementをもらいました。その後、BenihanaにMikeを招いての食事をし、これまでの感謝を伝えました。Mikeは本当に最高のCFIだと思います。最高でない(笑)CFIに当たって、特に強く感じます。彼については、また別の投稿で書きたいと思います。
まずはKajon Pass越えから始まります
さて、今日からは一泊二日でArizona州Page(KPGA)に飛びに来ています。機体はWarriorIIです。プランでは、Sedona(KSDM)経由でPageで1泊し、翌日Las Vegas Henderson(KHND)経由で戻る予定でしたが、明日Obama大統領がLas Vegasに来るらしくTFRが急遽出ることになったため、ルートを逆回りとして往路をKHND経由KPGAとしました。Chinoを離陸後、左旋回してPDZに向かいSOCAL APPにコンタクト。離陸前にFlight FollowingをGroundに依頼し、Squawkももらっているのでスムーズです。左旋回支障無しとの連絡を受け、一路Cajon Passに向かいます。順調に上昇し、Cajon Pass手前では8000feet程に到達。その後も上昇を続け9500feetで巡航に移ります。今日もCajon Passはスムースで、快適に通過できました。
窓の外はひたすら砂漠です
難所であるCajon Passさえ抜けてしまえば、後はひたすら砂漠の上をLas Vegasに向かうだけです。いつ見ても、High Desertの広大な砂漠は言葉を失います。失いついでに同乗者は気も失います(寝ています)。Dagget VORの手前でレーダー範囲から外れたとのことで、Joshua APPからFlight Followingの終了を告げられます。Hector VORの30m東で再度Los Angeles Centerにコンタクトするようにとのこと。言われた場所に到達してからコンタクトを取ると、再びSquawkをもらいます。
砂漠を進みます
出発して1時間30が過ぎ、そろそろNevada州に入ります。Nevadaに入る前のI15沿いにある7000feet級の山を超えると、フリーウェイ沿いにホテルが目に入ります。州境にあるカジノです。さらに遠方にはLas Vegasのビル群が。Nevadaに入ると、KLASのClass Bに入らないように降下に入ります。Henderson空港は南側に山があるため、あまり下げ過ぎるわけにもいかず、また山による気流の乱れで多少揺れやすいようです。我慢しながら降下し、Towerに移管されます。Towerからは「Make Straight-in to Rwy35R, Report Power Line」との指示。空港の南側の電線を超える直前にRwy35Lに変更しての着陸許可が出ました。すぐ右側をツインのターボプロップ機が35Rに向けて抜けて行きます。微風で着陸も順調にこなし、Transientへと向かいます。
着陸直前。左奥にはLas Vegas市街が
以前、Kudjoさんと来た時はFollow Meカーまで出てくれましたが、今回は出迎えは無し(笑)。そのまま駐機してターミナルビルに入って昼食をとします。このレグはBlock2.6時間、Flight2.3時間でした。
微風で穏やかに着陸できました
ターミナル2Fのレストランで食事を取って、次のレグに向かいます。KHNDまでは昨年にKudjoさんと来たことがありましたが、そこから先は全くの未体験の空です。これまた初めてのSelf Gas Standで戸惑いながら給油した後、GroundにFlight Followingを依頼してから出発します。KHNDから東に向かう際は、Class Bに干渉しないように飛ぶ必要があります。出発前にチャートを確認して、コース取りと上昇のタイミングを確認していましたが、離陸後Las Vegas Appにコンタクトすると、すぐにClass Bの進入許可をくれました。ただしヘディングは指示をされ、Hdg90, 100と誘導されます。結局、予定していたのとほぼ同じコース取りになりましたが、それでも高度制限はないためぐんぐんと上昇することが出来ました。
離陸後、右旋回すると右手にLas Vegasの町並みが望めました
今回は11500feetという、自分史上最高高度に上昇します。これはGrand CanyonのCorridorを通過するためです。はたしてWarriorIIがそこまで上昇出来るのか出発前にLou校長に尋ねたところ、「2人でそれしか荷物が無ければ余裕余裕。気温は低いし1万3,4000フィート位は上がれるよ」とのこと。前日、Mikeに相談し二人でPOHを見たり(何とはっきりと明示されていませんでした)したのに、あっけない返答でした。実際、時間はかかりましたが問題なく到達しました。
フーバーダムで有名なLake Meadを右手に上昇します
Grand Canyon上空通過は、いくつかのルールがあります。まずは、空域内はセクションごとに地上からの高度が定められており、その高度以下は特別許可を受けたものしか飛べません。この許可は遊覧飛行用で、一般の機はその空域の上を飛ぶことになります。さらに、空域内にはFlight Free Zoneがあり、ここは14500feet以下で飛んではいけません。さらに空域内にはFlight Free Zoneを横切るように計4本のCorridorがあり、これはしれぞれ南北に2本ずつ飛行高度が設定されています。11500feetは北行きの高度の低い方(もう1本は13500feet)な訳です。今回はこの高度でCorridorの一つであるFossil Canyon Corridorを抜けるプランです。
やがてGrand Canyon独特の風景が見えてきました
空域上空に入ってもFlight Followingが通常通り続きます。COM2で空域のモニター周波数も聞いてみますが、特別許可を受けた機体が空域内で位置報告を行なうのが主な用途のようです。一応、CenterにFossil Canyon Corridorを通過する旨を告げておきます。「了解」との返信。Grand Canyonの景色は、ひたすら雄大です。ただ、地上から見るより立体感が少ないため、最初は地上から訪れておいた方が感動は大きい気がします。それでも、6000feet程度の大地から、いきなり2,3000feetの巨大で深い渓谷を見降ろすのはすごいものです。最初は地上、今回は上空から見ているので、次の機会はぜひ谷底から上を眺めてみたい気がします。
上からの眺めは独特です
Fossil Canyon Corridorを抜け、Pageに向かいます。Grand CanyonとPageの間も同じColorado川の上流であるMarble Canyonがあり、ここも8000feet以下は許可機しか飛べません。降下を開始しつつ8000feet以下にならないように気を付けます。Pageのすぐ手前でLos Angeles CenterからDenver Centerになりますが、移管されることなく、「No Traffic Reported between you and the airport」と言うことで、あっさりとFlight Followingは終了となりました。PageのCTAFに合わせると、南から同じ距離、同じ高度でPageに向かっている機体がいることが判明。こちらはその機体の後ろに回り込むようにして続きます。いるはずの機体をなかなか視認できないのは、落ち着かない感じです。
Pageのシンボルの三本煙突が見えてきました
幸いにKPGAはWind Calm、Sky Clearという絶好のコンディションで、前の機体に続いてRwy33にストレートイン。前の機体は速度も早かったようで、結局着陸まで見つけられませんでした。このレグはブロック2.3時間、フライト2.1時間でした。
奥にLake Powellを見ながら進入します
到着後、FBO(Classic Aviation)に給油を依頼し、さらにホテルリストを見せてもらい宿泊先を選びます。ホテルまでは送ってくれるとのことで、車に乗せてもらい空港から5分ほどのホテルに入りました。Pageも以前、車で来たことがありましたが、その時は急がない旅行ということもあり、自宅を出発してから2日目に到達しました。飛行機だと5時間程度で飛んで来れる訳で、一日でこんな遠方に来れたことに感慨を覚えます。
到着後、夕焼けの中を散歩してみました
明日は、Sedonaを回ってChinoに戻る予定です。

0 件のコメント:

コメントを投稿