2010年11月4日

不時着寸前[フライトトレーニング05]

今日は、いつもとは滑走路の離陸方向が逆でした。こういう時、天気はずいぶん荒れるとのことで、砂漠からの風が吹き込んで、気温も摂氏36度と上昇し、Density Altitudeも2100フィート(実際は500フィート)という状況でした。離陸から訓練空域までは、まずまずの気流でしたが、訓練空域上空はかなり風が荒れていました。

この日の訓練項目は、
  • スティープターン
  • パワーオンストール
  • 不時着訓練(Emergency)
  • トラフィックパターンの練習
  • フードフライト
でした。いつもながら、1.5時間程度の飛行時間でずいぶんと盛りだくさんだと思います。Marlonの指導法ですが、前回と同じことを少しやりつつ、新しいことをどんどん入れてくる感じで、薄く広く練習させてくれます。覚えることが多く忙しいですが、新しいことが多くて達成感がとても高く持てる気がします。もちろん、もう1回同じことをやっておきたいといえば、やらせてくれます。

スティープターン
スティープターンは、かなり慣れてきた気がします。Marlonも問題なしという感じです。むしろ普段の旋回でもついスティープ気味してしまい、シャローにと注意されることがあります(笑)。

パワーオンストール
パワーオンストールですが、どこかで、このストールが一番不快感を味わうと読んだ気がしていて、やはり絶叫マシン恐怖症の私としては、ドキドキしていました。はじめにキャブレターオン、スロットル1500rpmでストレートフライトのまま減速(スローフライトの導入と同じ)。55mphまで減速したら、降るスロットル、キャブレターオフにして、操縦桿を引き続けます。引き続けてストール警報がなったら、そのままのピッチを維持して失速させます。パワーオフ時と同様、なんとなくな感じで失速したら、機首を下げたまま速度の回復を待ち、55mphで水平、70mphで上昇に移行するくらいの感じで操縦桿を引いていきます。この間、コーディネートを示すボールが真ん中になるように、翼が水平になるように調整を続け、同時にヘディングも維持するようにします。完璧という実感はありませんが、まあ大丈夫かなあという感じでした。とにかくこの日は風が強く、レベルフライとしていてもふらふらするので、ストールのせいでふらふらしているのか違いが良く分かりませんでした(笑)。恐れていた失速ですが、これもパワーオフと同様に、別に不快感は感じませんでした。もしかしたら、徐々に飛行機の揺れで鍛えられているのかもしれません。

不時着訓練
エマージェンシー、いわゆるエンジンアウト時の練習です。3000フィート(対地1500フィート)でエンジンオフしたという設定で、ピッチをコントロールして70mph維持、不時着地点を決定、エンジン再始動を試みる、非常通報を入れる、着陸直前に給油バルブのオフ、ミクスチャーアイドルカットオフ、マグネトーオフ、ドアを開ける、という一連の操作を習いました。その際の大原則は、
  1. Aviation
  2. Navigation
  3. Communication
ということで、何よりも操縦を最優先ということを言われました。Marlonいわく、「いくら助けを求めても、多分不時着までには助けに来てくれないから(笑)」とのこと。Emergencyでも基本的にはダウンウインド、ベース、ファイナルとまわっていくそうで、ダウンウインドの時に、風下に行き過ぎて戻ってこれなくならないように気をつけるようにとのこと。しかしそこに気を使いすぎてか、ファイナルにまわったら高すぎました。この辺りは、練習して慣れるしかないようです。感想としては、エンジンをアイドルにしても、全く不安感なく滑空するということと、練習とはいえ、かなり着陸寸前まで降下するまでスロットルを入れてくれないことです。不時着予定地に見立てた農場の道路に300フィート(体感)程度まで降りました。1回目は3000フィートで3.Communicationの練習をする時間的余裕がなかったので、再度3500フィートまで上昇して、同じ練習を繰り返しました。言ったらよいと思うことをしゃべってみて問言われ「メイデイメイデイメイデイ、Cessna***、2500フィート、サウスイーストオブ**、2パーソンオンボード」と答え、われながら完璧ではと思ったら、肝心の「エンジンアウト」を言っていないと指摘されました。確かに。

その後、3000フィートまで上昇して、先ほどの農道を滑走路に見立ててトラフィックパターンの練習。ダウンウインドでのビフォーランディングチェックの際に、チェックリストを凝視してしまうので、注意の配分を注意されました。アビームでキャブレターヒートオン、1800rpm、フラップ10度、80mph、降下率400f/m程度とします。エイミングポイントが斜め後ろ45度で、ベースターン、ベースでフラップ20度、75mph。ベースに入ったところで、フラップ30度、70mphでエイミングポイントに向けてスロットルで降下率を調整しつつ降りていきます。このときの練習も確実に500フィート以下まで降下しました。


フードフライト
ずいぶん暑い日だからか、C150だからか、こうしたときの上昇は多少もどかしい感じで、じりじりと上がっていきます。その後、 Marlonが後ろからやおらでかいサンバイザーのようなものを取り出し、付けてとのこと。インストラクターの私物のようで、Marlonと名前が書いてありました。付けるためにヘッドセットを外すと、かなりうるさいエンジン音が。使っているノイズキャンセラー付のヘッドセット、あまり騒音がキャンセルされてないと感じていましたが、かなり効いていました。フードをかぶった後は、Marlonが指示するまま、上昇、水平、旋回と計器のみをみて行ないます。安定しているときは良いのですが、一度乱れだすと、なかなか元に戻して安定するまでが時間がかかってしまいます。最近は外を見て操縦できるようになっているのだなあと喜びながら、計器を見ながら調整します。

「フードを外して」とMarlonに言われて外を見ると、もう空港の45度進入点直前でした。その後は、「こっち側の着陸はかなり厳しいし、今日はクロスウインドがあるから」ということで、完全に操縦を渡しました。着陸後、「今日はこっちの滑走路にしては、珍しいくらいスムーズな気流だった」とのこと。「その分、訓練空域上空でずいぶん揺れたじゃないですか」と答えると、いい練習になっただろうと返されました。

最後に、パワー、ピッチ、速度、高度の安定の仕方を質問すると、最初にパワーをセッティングし、次にピッチで速度、高度を調整していく、ということでした。高度はパワーでと聞いて以来、細かくスロットルをいじりすぎ、そのたびにトリム操縦桿と忙しくしていたのですが、パワーセット、操縦桿でピッチ、操縦桿のプレッシャーをトリムで抜く順番を意識するように教わりました。いくら高度はパワーでと言っても、多少の調整はピッチで行ない、オーバーコントロールをしない、と言うことのようです。

次回は、いよいよコミュニケーション(無線通信)をやってもらうとのこと。帰りの車の中で、何度もMarlonの口真似をしてみました。

同乗教習:1.4時間(累計6.4時間):内フード0.2時間
地上教習:0.2時間(累計2.7時間)
着陸回数:1回(累計7回)


教習内容は、次の通りでした。
  • Ground Reference Maneuvering
    • Rectangular Course
  • Power on Stall
  • Emergency
  • Traffic Pattern
  • Hood Flight

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