Chino空港に到着 |
P Taxiwayで滑走路を出て、グラウンドにコンタクトします。どこに行くのか聞いていなかったのでElianに聞くと、Thresholdと言います。それって、滑走路端のことではと思うのですが、良く聞くとThreshold Aviationという名前の会社のランプでした。こういう打ち合わせ、最初にしておいてくれないかなあと思いますが、逆に聞いていなかった自分の準備不足でもあります。
会社の格納庫前に到着して、エンジンを切ります。かなり大きな会社のようで、ビジネスジェットが格納庫に5,6機止まっています。この格納庫は連棟になっていて、3棟全てがこの会社のものとの事でした。1つの棟には双発機が、さらに別の棟にはビジネスジェットと、驚くことにジェット戦闘機が7機も止まっていました。この戦闘機が、先日Elianが乗った30分$1500のものだそうです。これは、かなりの規模です。
チェコ製L39ジェット練習機(レンタル料30分$1500) |
凝った作りの社長室 |
やがて到着したCEO(Markさん)と挨拶して、まずは会議室で談笑が始まります。「Collation、これを今日のテーマにしよう。失敗から学ぶ、知らなかったことから学ぶ、それが大事だ」。談笑しながらも、この試験官は鋭いことを言ってきます。「自分は決してトリッキーなことを聞いたりはしない。知らないことがあっても良い。何よりも大事なのは、知らなかったことを知ること。物事の理由を知ること。」「この2人のインストラクター達だって、知らない事はある。まして、今日試験を受ける2人は経験が少ないから、知らない事が多いだろう。それをどうやって知っていくかが大事だ。」
オーラル試験を受けた会議室 |
他にも、君らの乗る飛行機の燃料系統を絵に描いてくれ、電力系統で、アビオニクス、ライト、モーター、ヒーターを電力を食う順番に並び変えろ、またどうやって調べたら良いと思うか、だの変わった質問が多く出ました。電力系統に関しては、モーター(セルモーター)、ライト、ヒーター、アビオニクスの順、消費(電流)はそれぞれの機械のサーキットブレーカーやヒューズの容量で推測できる、といった教科書からもElianからも習うことのなかった答えでした。
私が書いた燃料系統図・・・ |
これらを、インストラクターも合わせて雑談形式で行いました。誰かが答えると、「他の皆も彼の意見に同意か」、3人「I agree」という感じで進んでいきます。後で、スクールに戻って他のスタッフらにも聞いたところ、やはりずいぶんとイレギュラーなオーラル試験だったようです。
ビジネスジェットの並ぶ格納庫 |
ところが、いざ実技試験という準備がととなったところで、みんなで最新の天候を取ると、かなり悪化して雨まで降り出しています。皆で外に出てみますが、当たり前ですが、気象通報と同じです。MVFR状態ということで、順番にトラフィックパターンでノーマル、ショートフィールド、ソフトフィールドの離着陸をChino空港で行いつつ天候の回復具合を見て、その後を判断しようということになりました。
「最初に飛ぶのはどっちだ」とMarkが聞くと、Gabrielがすかさず、「僕が」。ということで私は2番手となりました。「戻ってきたらすぐに飛ぶから。すぐ行けるようにシートベルトもして待っておくように(笑)」。そう言って、MarkとGabrielが出発していきました。私は雨の中、飛行前点検を行ない、言われたとおりにシートベルトをして座り、手順を頭の中でおさらいしました。また、すぐに出発できるよう、自前のエアバンドでATISを流し続け、最新のものを記録しておきます。雨と視界はさらに落ちていきます。先発機は思ったより長いこと飛んでいるようです。30分ほどした頃、ようやく帰ってきました。
整備中のビジネスジェット(チャレンジャー) |
雨の中での離陸は初めてでしたが、特に問題は無し。気温が低いせいか、2人乗っていても、上昇能力はなかなかあります。パターンをまわって、ダウンウインドでCleared for Optionの許可が。復唱した後で、Markにショートフィールドか尋ねると、「最初はノーマル。いつもノーマルから始めるのが良い」とのこと。多少低めのアプローチとなり、ショートファイナルでRPMを高めにしましたが、問題なく着地。スムースとまでは行きませんが、まあOKでしょう。
そのまま滑走路上で一度停止して、ショートフィールドテイクオフとの指示。これは問題なくこなします。次はショートフィールドでの着陸。あまり得意ではないのですが、今日は意外と落ち着いており、何よりも雨のせいかサーマルが無いため、気持ちの良いくらい操縦の反応が分かります。最後少し着地が伸びてしまいましたが、これもOKな範囲。そのままソフトフィールドとのことで、フラップ10度でウィリー、離陸、ノーズダウン、速度上昇、ノーズアップ、上昇と問題なくこなせました。
最後は、ソフトフィールドランディングです。これも苦手(つまり着陸全般が苦手)ですが、狙っていきます。最後の最後でMarkが「スロットル」とコール。Elianとの時はやっていなかったのですが、着陸直前に若干パワーを入れて、ソフトに降りるべきようです。また着地後もしばらくパワーを残して、ウィリーをしたまま、じわじわと減速。「ソフトフィールドは滑走路の制約はないのだから、好きなだけ距離を使ってゆっくりと降りるべき」とのこと。
滑走路を出た後は、タクシー中に「寿司は好きか」から始まる世間話をしばし。今日のテーマにしたがおうと思い、最後にソフトフィールドでのパワーの入れ方について、タイミングとパワーの量を質問してみました。着陸直前に200rpmほど入れると良いとのこと。
こうした話をしているうちに、駐機場へ。「なかなか良かった」とのコメントをもらいました。会社の会議室に戻ると、Elianが買い出しに行っていたハンバーガーがありました。Markと私以外は食べ終わっていたので、2人だけ食べながら、また世間話。食べ終わった頃にMarkが、「先ほどのコメントを」。基本的には、2人とも良かったが、Gabrielはチェックリストをしっかり使うこと、ホールドショートラインは余裕を持って手前で停止すること。私に対しては、
- 離陸許可が出た時も、周囲のトラフィックに十分に注意を払うこと。管制官を信頼しすぎないこと。
- Soft Fieldは滑走路をどれだけ使っても良いので、出来る限りソフトに
天候は、さらに悪くIFR状態になってしまいました。チェックライドを続けることは出来ません。天候の回復次第で、明日に続きをしようということになりました。その後、またひとしきり雑談となりましたが、終わる気配がありません。理由をLorneに聞くと、IFR状態なので現時点ではCoronaに飛べないとのこと。C172はIFRの装備がありますが、それでも厳しい状況とのこと。Coronaが計器進入の条件を下回っているそうです。1時間ほど待ったところであきらめ、スクールに迎えの車を依頼。さらに30分ほど待って迎えが到着。ElianはまだMarkらと話をするのでChinoに残るとのことで、彼を除く3人で、Coronaに帰還となりました。
悪化する天候 |
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