2011年1月23日

ソロロングクロスカントリー+時間稼ぎ[フライトトレーニング26]

今日は、ソロでのロングクロスカントリー(通称ビックトライアングル)をしてきました。KAJO(Corona)-KRNM(Ramona)-KREI(Redlands)-KAJOという3角形をめぐるものです。これは、ライセンス取得の要件である、「150nm以上のクロスカントリーをソロで行い、内1レグは50nm以上あること」という条件を満たすものです。さらに、「ソロでのクロスカントリーを5時間以上」とも定められています。前回のソロクロスカントリーでは、KAJO-KRNM往復を行なって1.8時間のフライトタイムを記録しました。ということは、今回は3.2時間飛ばないといけない事になります。
最初のレグで左奥にDiamond Lakeを望む
ところが、今日のクロスカントリー全部のレグを足しても、単純計算では2.5時間にもなりません。Elianからは、「ゆっくり行くか、戻ってから離着陸をすることで3.2時間を満たして、もうクロスカントリーに出ないで済むようにしよう」と言われています。彼もなかなか無茶なことを言います。ただ自分としても、別の日を使ってクロスカントリーをするのは時間がもったいない気がするので、提案にしたがって何とか3.2時間を確保するようにしないといけません。

まず一つ目のレグ(KAJO-KRNM)から、90mphと少し遅めに飛ぶ事にして、少しでも所要時間を稼ぎます。作成したナブログよりも少しずつですが時間が多めにかかりました。5,500feetまで上昇し、距離もあることから、前回と同様にFlight FollowingをSOCAL APPに依頼します。担当するセクターが異なるため、途中2回ほど周波数の変更を指示され、その度に周波数を設定して、新たな管制官にコンタクトしていきます。今日は天気が良いためか、飛んでいる小型機が多く、Trafficの情報が良く入ってきます。なかなかTrafficの目視は難しく、いつも「Looking for the traffic」という返答になってしまいます。ルート自体は前回飛んだのと同じで、かつ視界も良いため、20マイル近く手前からAirportをInsightしました。その旨報告しますが、まだ周囲に他機がいるようで、Radar Serviceの終了は告げられません。また、レーダー管制上の降下高度が4000feetとのことで、それ以上の降下も止められました。特に断る理由もないので、そのままFlight Folowwingを受け続けます。空港の10マイル手前ほどで、「Radar service terminated, frequency change approved, contact Ramona」となりました。
Ramonaへ降下中。右には太平洋が

ATISを確認してからタワーにコンタクト。なぜかパイパーと勘違いされますが、前回と同様にright down wind for Rwy27への進入許可を得ました。ダウンウインドに入ったところで再度報告して、着陸許可をもらい、ベース、ファイナルとまわって着陸。ずいぶん左にずれての着地になってしまいましたが、何とか着陸。滑走路を出るところで、グランドにコンタクトの指示。もう1機しかトラフィックがいない中で、グランドに移管とは珍しい気がします。タワーは頻繁に女性、男性の管制官が入れ変わり、グランドもタワーで聞いた女性の声で、どうやら女性管制官の練習中のようです。

本来は、すぐに次のRedlandsへ出発するところですが、時間を稼がなければならないため、一度Touch and Goをしてから出発する事にしました。タクシーバックしたランウェイエンドには、クラシックな複葉機が2機ランナップ中。先に行っても良いものか悩みつつ、結局は先に滑走路手前まで進んで停止。グランドに「ready for departure」を告げると、再度タワーへ移管されました。タワーにTouch and Goをリクエストをすると、Left Closed Trafficを指示されました。離陸したころ、先ほどの2機が離陸許可を要請。どうやら編隊を組んで南に出発とのことで、セスナの後について出発と指示されていました。そのままトラフィックパターンをまわってダウンウインドで、「After touch and go, request north west departure」とお願いして承認。同じころ、2機が編隊を組んで飛びあがっていくのが見えました。

今回も着陸は左へずれて行きます。この左に流れる癖をどうにかしないとまずい気がします。気を取り直してフラップを引っ込め、新しいNavlogをセットして離陸。Departure Legから右へ変針してNavlog通りの針路をセットします。5マイルを過ぎるころタワーから周波数変更の許可が出ました。タワーの管制官によって、この周波数変更の許可を出す人と出さない人(無言)の人がいます。Elianによれば、言われなければ自分で周波数を勝手に変えて良いとのこと。問い直しは余計な交信になるので不要ということでした。
第2レグでRamona離陸後、Wild Animal Park上空を通過
今度のSOCAL APPはかなり忙しいようで、隙を見て「Socal Approach, Cessna11630 request」と言っても軽く無視されます。しばらくおいてもう一度、「Socall Approach, Cessna 11630, student pilot, request」とお願いしたところ反応がありました。それでも忙しいようで、Squawk Codeをセットしてもレーダーコンタクトのお知らせは無し。若干不安でしたが、やがて周波数移管の指示が来ました。次の管制官は女性で、とても細かくアドバイスをくれました。Trafficの情報も何度ももらい、その度にきょろきょろと見まわしますが、まだまだ他機を見つけるのは難しいものです。それだけに、絶えず周りに対する注意を怠ってはいけないと強く感じます。Less than a mileのTraffic情報と同時に、ようやく下を斜めに横切る機体を発見。高度差は十分ありましたが、特に自分より低い高度の機体は、地面に紛れて見えにくい感じです。

さらに、針路と高度維持も指示されました。どこまでこの針路で進むのかと気にしていたら、しばらくしてから「resume own navigation, descent at pilot's discretion」と言われました。 何だかIFRのような気分です(あとでGPSで確認したら、Marchのタワー空域に入らないための指示のようでした)。途中、何回か日本人パイロットの交信を耳にしながら、Redlandsへ向かいます。Redlandsも視界が良いことと3度目の飛来のため、かなり遠くから空港を視認できました。やはり3度目になると、かなり地理空間を認識できるようになる気がします。

Redlandsはノンタワーなので、早めに、繰り返し、位置通報を行います。ここは、空港の北と東に山が迫っています。にもかかわらずトラフィックパターンは空港の北側です。さらに、空港自体が山の裾野に位置するため斜度があり、狭苦しい印象です。その上、空港の西1マイルにはSan Bernardino空港のClassDが広がっているなど、いろいろと気を使う空港です。Rwy26に降りる場合は、出来るだけRwy8のエンドに近いところを通過してからRight Cross Windに入ります。空港の真上で「Redlands Traffic, Cessna630, Over the top, entering Right Crosswind for Rwy26」とアナウンスをしてパターンに入りました。山が迫ってくるため高さの感覚がつかめず、1回目はファイナルをまわった時点で笑ってしまうほど高すぎ、早々に「Go Around」を宣言しました。再度トラフィックパターンをまわり、今度は注意深く高度を下げつつ着陸。
第2レグ、Temecula付近を飛行中
ここでも時間調整のために何度かトラフィックパターンをまわることにしました。滑走路の長さが十分とは思えないので、Touch and Goはせずに毎回タクシーバックをして、全部で5回の着陸をしました。さすがにRedlandsの特徴もつかめ、ダウンウインド、ベースの目標も見つけられました。それでもRwy26はかなりの下り坂になっているので、気を使うことには変わりありません。ファイナルは少し低めと思うくらいがちょうど良いようです。

まだまだ時間稼ぎが足りませんが、そろそろ残り燃料も気になり始めました。最も燃料を消費するトラフィックパターンを繰り返しているのは、良くない気がします。そこでいよいよ最後のレグに出発する事にしました。3.2時間を満たすためには40分ほどかけなければいけないのですが、このレグはNavlog上では20分弱の道のりです。最後はCoronaでトラフィックパターンをまわるかと思いながら離陸、すぐにSan Bernardino Towerにコンタクトし、Transitionの許可を得ます。San Bernardinoではパターン上に1機と南からの到着機がいるようで、注意喚起を受けました。ダウンウインドの機体はすぐに見つけられたものの、南からの到着機が見つけられず。管制官がこちらが2500feetで飛んでいるとあちらに説明しているので、とにかく2500feetを維持することにします。やがてプラン通りに南に変針し、Riverside空港方向へ。視界は良いですが、とにかく周りに注意をして進みます。やがてRiverside TowerにTransitionのコンタクト。こちらもすぐに許可され、Freeway215から91沿いに進んでいきます。

やがて、RiversideのClassDを過ぎるころ、ふとLake Mathewsで時間稼ぎという考えが浮かびました。燃料の時間も大丈夫です。ということで、東南に向けて飛んでいたところ、西南に大きく左旋回してLake Mathewsへ。空域の周波数(123.5)に合わせてこちらの位置、高度、意図を通信します。どうやら誰もいないようで、反応は無し。そのまま湖上空でTurn over the Point(360度旋回)、S Turnを行ないました。機体のTacho Meterを見ながら、時間調整をします。これをクロスカントリーの時間に入れて良いのか、とは思いますが。20分ほど経過したところで、帰途へ。途中ヘリコプターが下を横切っていくのが見えたので、自機の位置・高度を通報しましたが反応なし。空域の周波数に合わせていないとしたら、危ないことです。

Corona空港も数機がいるようで、しっかりと自機の位置を報告しながら、45、Downwind、Baseとまわります。すると、すぐ後ろにCessna630と略した機番が全く同じ機体が同じくEntering Baseと通報してきました。声からして日本人パイロットのようです。後ろを見ても姿は見えません。Finalに入るとやはり後続機も同じくFinalを通報。こちらに気が付いていないと大変なことになるので、「Cessna11630、On Final」と念を押すと、「We are No.2」と報告が。こちらを認識していることが分かり安心します。風も穏やかで今日最後の着陸はきれいに決めようと思いましたが、ずいぶんと左にそれてしまいました。この癖はきちんと直さないといけません。

さすがに疲れたこともあり、また今日の目的であるフライトタイムは稼げたので、無理はせずに素直に駐機場へ帰ります。タクシー中にNo.2の機体が降りてくるのが見えました。どうも日本人のトレーニングのようでした。エンジン停止後、肝心のフライトタイムを確認すると3.3時間でした。

1日で3時間を超える時間を飛んだことも、これだけ長距離を1人で飛んだことも、さらには時間調整のためとはいえ、1人で様々な意思決定をしながら飛んだこともなかったので、本当に良い経験になりました。自分の力で自在に空を飛んでいるという実感や、大げさに言えば、飛んだ空域が自分の庭であるかのような感覚を持つことが出来ました。願わくば、さらに機体を自在に操ることが出来れば良いのですが。特に着陸に関しては、一度直ったと思っていた左にずれるという悪い癖が再発しているようで、しっかり退治しなければと思います。こんな状況でCheck Rideが近付いていると思うと、本当に大丈夫なのかなあと思うのですが、前向きに行きたいと思います。

今日の時点で、残りの赤色の部分のレッスンを残すのみとなりました(それ以外の時間は確保できました)。試験前の飛行条件についてはこちらを参照
40時間のフライトタイム(以下の条件を満たすこと)
  •  20時間以上のCFI(教官)とのフライト
  •  10時間以上のソロ(単独)フライト
また、以下の各条件をも満たすこと
  1. 3時間以上のクロスカントリー
  2. 3時間以上の夜間フライト
    1. その内、100nm以上のクロスカントリー
    2. 10回以上のフルストップでの離着陸(T/G不可)
  3. 3時間以上の計器フライト(フードを付けてのフライト)
  4. 3時間以上のCFIとの実技試験前の練習
  5. 10時間以上のソロフライト
    1. 5時間以上のクロスカントリー
    2. 150nm以上のクロスカントリー
      1. 3か所の空港をめぐること
      2. 1区間は50nm以上あること
    3. タワー空港での3回以上の離着陸
これまでの練習時間は以下の通りです

同乗教習:0.0時間(累計25.6時間)
:計器0.0時間(累計0.6時間)
:夜間0.0時間(0.6時間)
単独飛行:3.3時間(累計10.1時間)
総飛行時間:35.7時間
着陸回数:4回(累計118回)
:夜間0回(累計5回)
地上教習:0.0時間(累計19.0時間) 

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