2011年2月21日

[PIC]風雨の中でのフライト

今日は久しぶりのフライト。しかし、前日から前線通過に伴う、雨、風の悪天候が予報されていました。ただ、Coronaをはじめとした周辺空港のMETARは悪くありません。ということで、空港に出かけてから最終判断をするということにして、出かけました。空港に着くと、空港上空は雲底5000feet、Broken。スクールのCarlosに相談しても、Localなら大丈夫じゃないか、とのこと。ただし、雲底が低くなるのには十分注意した方が良いとの事。
視界・雲底は良かったのですが
もともと、今日はローカルでの練習日のつもりだったので、助言にしたがうことにします。普段よりは風が強く、パターンをまわる飛行機も多少ふらつきながら降りてきます。隣のスポットに戻ってきたパイロットに聞くと、パターン上はバンピーだけどそれほどきつくなかったとの事。また30度ほど左からのクロスウインドだが、風向風速は安定していたとの事。それらを参考にしながら、注意して出発することにします。
離陸は問題なし。エアボーン後に左からの風を受けますが、風上に機首を振って滑走路延長線を保ちます。ダウンウインドまで回って、最初の練習場所であるLake Mathewsへ。Position Callをすると、Piperが1機、湖の南3500feetで練習中とのレスポンスが。こちらは3000feetに抑えた上で位置もずらし、Steep Turnの練習。この辺りの気流は安定していて、マヌーバには全く影響なし。

一通り練習した後、RiversideのATISを聞いてから、Lake Mathewsからの離脱をCallし、引き続いてRiverside Towerにコンタクト。Left Base Rwy27、空港3マイルで報告の指示を受けて空域に入ります。風は、こちらも左からのクロスウインド。指定された位置でタワーに報告、着陸許可を得てベース、ファイナルとまわります。ファイナルが少し短めになりましたが、クラブ、デクラブ、ウイングローと自分的には問題なく進入。風上になる左のメインギアから降りました。Elianから習っていたクロスウインドでの着陸を実践する良い練習となりました。今後の課題としては、もっとウインググローを取って機軸をしっかりと滑走路に合わせるようにしたいと思います。
この先の天候が悪そうなので引き返します
タクシーバックして再びRwy27から離陸。次はRedlandsまで行こうと思いましたが、Riverside空港の空域を抜けたあたりで、Redlands方向は雲底が低くもやっているのが見えました。これは近寄らない方が良いと思い、180度旋回して引き返すことにします。GPSでRiversideの空域、Marchの空域に入らないよう確認しながら、2つの空域の隙間を抜けていきます。再度、Lake Mathewsの上を2500feetで通り、Coronaへ帰還しようとすると、Coronaの西側からも、雲のようなHazeが雲の下に垂れ下がるように伸びて来ています。どうやら雨が降っているようです。Corona TrafficにPositionを伝えると、同じスクールの機体が2miles on Finalとのレスポンス。ストレートインのようです。こちらは45からダウンウインドに入るつもりでしたが、45に入る山のふもと辺りはかなり視程が低そうです。他のトラフィックがいない事をラジオと目視で確認して、直接ベースに入ることにします。この辺りで雨が降り始めました。視程が落ち始めます。
ところどころ、雲底が落ちています
直接ベースに入った頃、先行機からClear of Activeのコールがありました。引き続いて降りようと思しますが、急に風が強くなってきました。フラップは20度で止め、10mphほど速めのアプローチを心がけます。右からの風が急に強くなり、アプローチコースの左へ流されました。修正しようとした時、風向が急に変わり今度は右へ。風に翻弄されている感じです。地面までもう少しのところまで降りていましたが、これはいけないと直観的に判断し、即座にゴーアラウンド。その直後、今度は風速が急に弱まり、速度が乗りません。低空のまま滑走路上空を飛び、さらにコロコロ変わる風向に流されます。さすがに、あまり良い感じがしません。ようやく速度をつき、ようやく十分な上昇体制へ。しかし空港の西側は視程が悪くなっており、その中に入っていく気がしません。なので、少し早めにクロスウインドへ。騒音上は、十分な高度が付く前にクロスウインドに入ることは勧められていませんが、安全第一なので、やむを得ないこととします。

ダウンウインド上で、今後の対策を考えます。気持ちとしては、Coronaに降りてしまいたいのですが、次のアプローチで風が同じような状況であればRiversideに退避して天候の回復を待つことを決めます。最悪、Riversideで機体を乗り捨てても、スクールの教官に任せれば良い話です。とにかく安全第一を自分で再確認して、再度アプローチへ。

今度は、意識的にファイナルを長くなるようにとって、滑走路の延長線に機体を合わせます。時々ラジオをASOSに合わせて最新の風向を取るようにします。前回よりGustがおさまっています。操縦している感覚としても安定しています。この風が続けばいける、と感じながらアプローチを継続します。それでも、いつでもゴーアラウンド出来るようフラップは20度、速度も10mphきっちり速めにします。ASOSからは250度13ノットとの情報が。ガストなし、風向は真正面です。

向い風のため、フレアが少し大きめに出ましたが、がまんして無事に着陸出来ました。スリップに注意して十分に減速してから滑走路を離脱して駐機場へ。この頃、再びガストが強くなり、雨も激しくなりました。駐機場に着いても、雨が一層激しく降り続けます。雨が多少落ち着くのを待ってから、飛行機を降りて、スポットへトーバーで押し入れます。スクールの社長のMikeと名前を知らないラインマンの2名が外に出て来ていて、駐機を手伝ってくれます。無線をモニターしていたようで、ゴーアラウンドも見ていたようでした。Mikeが、「ゴーアラウンドはナイスデシジョンだった。パイロットはデシジョンが全てだよ」とのこと。「笑顔で降りて来たのも良かった。やり直しの着陸はパーフェクトだったしね」。私は、「機体も壊さずに、サバイブしました」と答えましたが、どうしてなかなか心配されていたようです。

スクール内にいたCarlosはのんびりしたもので、「ずいぶん早く戻って来たねえ」と言われました。こんな天候では、これ以上は無理でしょう。精算をすませて、「次は良い天気の中を飛びたいものです」と言いながら帰途に着きました。スクールを出ると雨も止み、視程も上がり風も穏やかになっていまいた。天候はコロコロと変化し続けているようです。

今日は、今までで一番気象条件がシビアな中でのフライトでした。その場その場の意思決定は、悪くはなかったと思いますが、もっと大きな視点で判断するための、良い経験をたくさん積むことが出来た気がします。1度のアプローチでさっさとRiversideに行っても良かったかもしれませんし、そもそも視程が悪化しつつある時に、アプローチを試みる必要すらなかったかもしれません。さらに言えば、今日のフライト自体、キャンセルしても良かったのかもしれません。なにせ、私はフライト自体を楽しむ、単なるプライベートパイロットなのですから。まあ、こういう天気の時に飛んでみるという経験を積めたことは、意味があったと思っています。天候と戦うのではなく、上手に付き合うパイロットになりたいと思います。まだ総フライト時間50時間未満の新米パイロット、いろいろな経験を積む必要がありそうです。

飛行時間:1.0(累計48.9時間)
:PIC時間1.0時間(累計4.5時間)
:夜間0.0(累計3.6時間)
着陸回数:2回(累計151回)
:夜間0回(累計10回)

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