2011年7月13日

[IFR07]再び夕方のトレーニング

今回も、晩に仕事が終わってからのトレーニングです。8時過ぎまで明るいので、晩と言っても夕方の感じですが。Mikeは、前回は暑さとレッスンで疲れていたので心配でしたが、今回は夕涼みに最適な風が吹いています。前回より、ずいぶん元気そうです。

まずは、グラウンドから。メールでナブログや自身のフライト記録用に作成したExcelのファイルを送っておいたので、その説明から。Mikeはなかなかパソコンが好きなようで、喜んで機能の説明を聞いてくれました。他の学生にも渡して勧めるとのこと。お役に立てれば良いのですが。

グラウンドの内容は、予習してきた内容の確認程度。IFRのフライトプラン提出について、VFR on TOP、Climb to VFR on TOPの違いについて、詳しく解説を受けました。前者は、出発30分前までの提出、出発時間から1時間はプランが保持されるが、それ以上経っても出発しない場合は、プランは取り消される、とのこと。後者については、VFR on TOPはLevel Off後もそのままIFRが維持され、アプローチなどもIFRとなるが、Climb to VFR on TOPは、上昇時だけ雲などを突っ切りたいような場合に依頼し、原則Level Off後はVFRに切り替える、とのこと。なかなかややこしいですが、要は、IFRとしての許可が出る範囲(目的地までか、上昇に必要な通過地点までか)の違い、ということのようです。

 IFRに必要な知識ですが、ルールがかなり細かくあり、しかも常識で判断できないような内容も多いので、独学だけでは理解がなかなか進みません。Mikeの説明を受けて、一つずつ合点が行くという感じで、逆に言うととても勉強している気にさせられます。 テキストを読み進めていますが、次回はGroundはお休みにして、Flight Trainingの内容をHoldingまで進めてから、再開しようとのこと。

Flight Trainingは、Partial Panelに入りました。これは、パネル故障に備え、パネルを隠して飛ぶ訓練のことです。今回は、Vacuumの故障を想定して、Attitude Indicator、Heading Indicatorを隠します。離陸してフードをつけると、Mikeが吸盤が付いたパネル隠し器のようなものを、それぞれの計器にペタッと貼り付けました。その状態で、これまでと同じように、上昇、下降と旋回の組み合わせを何度も行います。

Attitudeはともかく、Headingはコンパスがあるから大して困らないだろうと思っていましたが大違いで、コンパスのLead、Delayがここまでとは思っていませんでした。コンパスを見て、翼をレベルにすると、するするとコンパスが進んで回ったり、逆に戻ったり。酷いときは20-30度も目標ヘディングとずれてしまいます。Mikeがにやりとして、「だからTimed Turnが必要なんだ」とのこと。コンパスは水平飛行している時しか当てにならないと考え、旋回角度は時間で測るのが重要とのこと。IFRでは旋回は原則としてStandard Rate Turnなので、1秒間に3度で旋回します。これで必要な秒数を計算して、その時間だけ旋回することが重要ということです。

Timed Turnの練習で、はじめは「1秒、2秒、・・・」と口に出して数えましたが、Mikeからは「数えるのがゆっくり過ぎる」との指摘。声に出して数えるのではなく、タイマーを使うべきということでした。タイマーが訓練機には付いていなかったのですが、代わりに秒針付きの時計が付いていたので、その秒針を頼りに旋回します。旋回率も出来る限り標準にしないと角度がずれてきます。また旋回を終える時も、もたつくと旋回角度に差が出てしまうので、気をつける必要があります。精度は+-10度とのことで、頑張って合わせるように気をつけます。この旋回に合わせての上昇、下降、さらに上昇は80mph、下降は90mph、500fpmと条件が付くので、必死でそれぞれの数字に合うように操縦します。風が穏やかなので良いですが、これで気流が乱れていたら、合わせるのは至難の業になりそうです。

Chinoに戻る時は、再び2000feetに降下、PDZ VORインバウンドトラッキング、チェックリスト実施、ATIS受信、PDZ上空でタワーにコンタクト、そこでMikeがVOR IndicatorをILS Rwy26Rに
変更し、 HDG維持の後インターセプトという、これまで通りの流れとなりました。「Small Correction」と言われますが、なかなか戻らない針についヘディングを大きめに変えてしまいます。それでもフードを外した時、これまでよりは良い位置にいました。安全を考えてか、MikeからGlideslopeは追わずに高めに降りるよう指示が出されているので、ダイブするような形で滑走路に降りて行きます。

いつもここからの速度処理が難しく、ダイブのせいで速めとなりバルーニングを起こしやすいので、フレアを引きすぎないようじっと我慢します。今回は、何んとかましな着地になりました。到着後のデブリーフィングではMikeから、
・必要な周波数はリストにして控えておくこと
・チェックリストは言われなくても実施すること
という、極めて当たり前の内容でした。これがまだまだ出来ていないということで、しっかり準備をしておかなければと思います。

IFRのトレーニングは、VFRと違って出来たという達成感(単にまだ下手だからだと思いますが)や爽快感(常に目隠しされているので飛んだという感じがしません)がなく、変に気疲れするといった印象です。自由に大空の下を飛びたいと思いますが、この少し辛いようなトレーニングを乗り越えることで、より安全に飛ぶことができ、また技術も身に付くのだと考えて頑張りたいと思います。いくつかのブログで、プライベートのトレーニングの記録は詳細に書かれていても、IFRのトレーニングの記録があまり無いのが分かるような気がします。IFRは地味で、変わり映えがしなく、ある意味ストレスフルなものです(笑)。

飛行実績
飛行時間:1.1(累計89.3時間)
:PIC時間0.0時間(累計34.6時間)
:Instrument 0.8時間(累計5.7時間)
:Instruction 1.1時間(累計8.1時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)
着陸回数:1回(累計218回)
:夜間0回(累計10回) 

グラウンドスクール:
内容:テキストChapter3 Section B、C
:Instruments、VOR、Airspace
0.7時間(累計3.9時間)

2 件のコメント:

  1. 初歩的な質問かもしれませんがVFRとIFRは何が違うんですか?今自分はVFRをやってると思うんですがなんだかわかりませんヽ(´Д`;)ノ

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  2. IFRは計器飛行方式、VFRは有視界飛行方式ですね。プライベートはVFRです。IFRを取ると、ATCの指示にしたがって雲の中を飛んだり、ILSにしたがってアプローチすることも可能になります。

    そのための訓練は、全てフードをかぶって外の景色を一切見ないで計器だけで飛行する、さらに計器の一部が故障したことを想定して、計器も一部隠して飛ぶ、というトレーニングが必要なわけです。これが、現在私が受けているトレーニングです。

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