2011年7月30日

[IFR15]シミュレーターと実機の違い

前回はILSのグライドスロープと、VORのラディアルの交点であるインターセクション(KAZBY)でのホールディング、そしてKAZBYから出発してのILSアプローチをシミュレーターで行いました。今回は、その内容をそのまま実機で行ないます。

まずはその前に、Gournd School。今日はアライバル(到着ルート)について学びます。IFRのフライトは、離陸、エンルート、アライバル、アプローチと大きく分ける(ポーションにする)ことができます。それぞれ、DP、Airway、STAR、IAPという手順が定められています。アライバルにおけるSTAR(Standard Traffic Approach Route)とは、離陸のDPにあるSID(Standard Instrument Departure)と同様に、IFRにおいて空港エリアの出発・到着時のルートをあらかじめ定めておくものです。これによって、1機ずつにコースや高度などを伝える手間を省く目的があります。パイロットの方は、これらが表示されているチャートを入手することで、これらのルートを知ることができます。このチャートは民間企業であるJeppssenが出しているものと、FAA(米国航空局)が出しているものの2種類があります。Jeppssenのものは定期運送用のパイロットなどが使うもので、バインダー式になっています。定期購読をして、28日周期で変更があったチャートが送られてくる仕組みだそうです。普段のIFRであれば、56日毎に発行されるFAA発行のチャート集で十分とのことで、これは各地域に分かれており、一冊$5~6程度と価格も安いものです。
FAA発行のSID、STAR、IAPチャート集(南カリフォルニア版)
SID、STARは管制官から言われたものを受け入れるだけでなく、こちらからリクエスト(フライトプランに記入)したり、もしくは利用を断る(フライトプランにNO SID、NO STARと記入)することもできます。受け入れる場合には、最低でもテキスト情報(グラフィックな情報を携行することが好ましい)を持っていることが必要になります。
STAR。Graphicalな説明STAR。Textualな説明
上記のチャート集の読み方を確認し、またその運用についても勉強します。ATCから、一度STARのコースから外れるヘディングを指示された場合、もしくはSTARと異なる高度指示を出された場合は、そのSTARをしたがう事はなくなり、後はベクター(管制官による誘導)になります。これらのことを学んで、今日のグラウンドは終了です。

いよいよ実機でのフライトです。機体は、前々回にMikeが不調に気がついたいつもの訓練機です。マグネトーを取り替えたそうで、しばらくは注意深く様子を見るとのこと。トレーニングは、毎度おなじみとなったRwy26Rからの離陸後PDZ VORへの直行からです。直行した後はその場でホールディングします。VORでのホールディングやILS Intersectionでのホールディングがあるので、タワーに出発前にMikeが打ち合わせをして指示をもらってくれました。最初のPDZでのVORホールディングですが、Mikeは打ち合わせをしたと思い込んでいますが、実際はしていなく、どの方角でホールディングするかを確認します。自分のホールディングへの進入方向によってエントリー方式が決まるので、急いで頭の中で確認し、Mikeに伝えます(チャートや紙に書いて確認してもOKです)。2週ほど回って、風による影響も調整ができ、まあまあのホールディングとなりました。
ILS26R-CNOアプローチ
次は、ILS IntersectionであるCAZBYに向かいます。ここはティアドロップでのエントリーが良いとのことで、ヘディングやVOR Indicatorにそれらの設定を行います。5Tと言うことで、Turn、Time、Twist(VOR Indicatorのコースセット)、Throttle、Talkの順序にしたがって処理をしていきますが、時々順序がおかしくなり、指摘を受けます。さらにチェックリストやATIS取得も指示されますが、それらの合間に高度が下がってしまったり、ヘディングがずれたりもします。このあたり、全体の完成度をまだまだ高めねばなりません。

そして、いよいよCAZBYからILSコースに乗って滑走路までアプローチします。ILSはローカライザーと呼ばれる水平コース、グライドスロープと呼ばれる垂直コースがVOR Indicatorに指示されるので、縦と横のそれぞれのバーが真ん中に来るように、すなわち十字になるようにして飛行します。風の影響なども考慮して方位、スロットル、ピッチなどを調節します。さらに、インターセクションでの高度の確認、さらにFAF(Final Approach Fix:最後のインターセクション)から滑走路に到達するまではタイマーをセットし、万が一のグライドスロープ受信不能にも備えます。本当に頭の処理能力をフルに使う感じです。

このアプローチのDecision Altitude(最低降下可能高度)は886feetとチャートに記載されており、この高さまでに滑走路が目視できなければ、着陸復航となります。ここでMikeが「Look Ahead」と言います。これも打ち合わせが不十分で、フードを外して滑走路を目で見て着陸して、という意味だったのですが、ひたすら頑張って計器を見つめていました。おかしいと思い「フードを取っていいか」と聞いたところ、もちろんとのこと。慌ててかなぐり捨ててPAPIを参考にコースをたどります。目視後もILSアプローチである限り、同じ進入角を示すPAPIを参考に降りていく、とのこと。ただし、着陸直前までそのまま近づいたので、エンジンアイドル、レベルオフから接地までずいぶんと距離がかかってしまいました。後で聞くと、滑走路端でエンジンをアイドルにして、後は通常通りで接地帯を目指せば良いとのこと。

着陸後は、気持ちを張っていた反動で、軽い放心状態のよう。離陸時のタキシングではいろいろ世間話をしていましたが、帰り道は黙って進みます。到着後、エンジンを切ってすぐにMikeを質問攻め。タイマーのカウントをスタートさせるタイミング、VOR出発後Bearingに乗せる際の操作順序、上のILSでのフレアのタイミング、Look Aheadの意図など、疑問を聞き出します。実際に操作をすると疑問がわき、また知識がつくと操作が余裕を持って出来るようになってきます。なかなかやりきったという満足感を得ることは出来ませんが、前よりは上達しているかな、という感覚は持つことが出来ました。

スクールでは、次のフライト予定のKudjoさんが来ていて、話をしたところ、数日後にチェックライドとのこと。自信の程を聞いたところ、Oralが心配だけど、操縦に関しては問題ないだろう、とのことでした。毎日練習している人とはずいぶんと差が開いていますが、後に続いていきたいと思います。

飛行実績:
飛行時間:1.2時間(累計102.7時間)
Simulator:0.0 時間(累計1.8時間)
:PIC時間0.0時間(累計39.8時間)
:Instrument 0.9時間(累計13.8時間)
:Instruction 1.2時間(累計18.1時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:1回(累計229回)
シミュレータ着陸:0回(累計1回)
:夜間0回(累計10回) 

グラウンドスクール:
内容:テキストChapter6 SectionA、B
:Arrival Charts、Arrival Procedres
1.2時間(累計7.9時間)

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