2011年9月19日

[PIC24]メキシコ国境のBrown Field空港までクロスカントリー

そろそろIFR訓練も先が見えつつあるというのに、XC PIC時間が足りていません。XC PICとはクロスカントリー(XC)を機長(Pilot In Command)として飛んだ時間のことで、IFRのレーティングを取るには50時間が必要条件になっています。現在、38.1時間と言うことで12時間ほども不足しています。IFRのインストラクターとトレーニングで飛ぶクロスカントリーも計算に含めて良いとのこと(FAAルールの場合。JCABルールではPICとDualの併算は不可)ですが、それでもあと1回のロングクロスカントリーを入れても50時間には到達しません。ということで、時間を稼ごうとVFRのXCフライトを計画しました。
San Diego国際空港の真上を通過中
時間稼ぎが目的なので、むしろ足が遅い飛行機の方が良いだろうということで、C150でのフライトです。XCでは、出来れば何か新しい要素を毎回取り入れたいと思っています。ということで、目的地は行ったことのないサンディエゴの南にあるBrown Field空港にしました。この空港は、すぐ南がメキシコ国境になっていて、5キロ程のところにはメキシコ側のTijuana国際空港があります。まさに国境の飛行場です。

さらに、この空港にたどり着くには、サンディエゴのMilamar空軍基地、San Diego国際空港の2つの到着ルートのための空域をくぐり抜けて行く必要があります。 行きは西側でそれらの空域の下をくぐる計画とし、帰りは海側に設定されたVFR Corridor(VFR機のための回廊)を通って行くことにします。出発地はCorona空港、久しぶりのFly Coronaの機体です。

最近、C150で離陸するたびに思うのは、「力が無い」ということです。ふわふわと漂うような感じで上昇していきます。力強さはなく、風に任せているという感じがします。速度は85mphで向い風もあり、高速道路の車の方が速く走っています。3000feetを超えた辺り、Lake Mathews横でSOCAL APPにFlight Followingを依頼します。問題なく受理され、5500feetまで上昇しながら進みます。自分のプランではRamona空港上空からSan DiegoのClass B空域の東のヘリをくぐり抜ける予定でしたが、SOCALからはClass B空域通過の許可とBrown Field空港のすぐ近くにあるPoggi VORまで直行せよとの指示が。自力では初めてのClass B入域になります。ずいぶん時間も短縮されると喜びましたが、話はそうはうまくいきませんでした。
帰路、Oceansideに向けて海上を飛行中
Milamarのアプローチ空域をそのままの高度で突っ切っている途中にSOCALから3500feetまでの降下指示が出ます。これはBrown Field空港に向けて降りる必要があるため問題ありません。そろそろ4500feetというところで次の周波数に移管されます。新しい管制官にコンタクトを取ると、Class B空域に入らないように自力でVFR飛行を続けるようにと言ってきました。ちょうどMilamar基地とSan Diego国際空港のアプローチ空域の間のClass B空域の下限が4800feetの空域を飛行中でした。そのまま真っすぐPoggi VORに向けて行けると思っていたので、ずいぶんとコースを変更しないといけません。そのまま進むとClass Bの下限は1800feet、左にそれると3000feet、さらに左に進むと3500feetが下限です。SOCALに3000までのVFR降下許可を取って左に針路を変更します。
オレンジが飛行計画経路。赤が実際の経路。
SOCALからは「Class Bに入らない限り、そちらの判断で」とそっけない返事。San Diego国際空港のアプローチのエアライナーの処理で忙しく、小型機など構っていられないという感じです。さらに、そのまま「Radar Service Terminated, Frequency Change Approved」と言われてFlight Followingが終わりました。そこで、そのまま2500feetまで降下してBrownに向けて進みます。Lower Otay Lake上空でタワーにコンタクト。Prison上空でレポートせよとの返信。Prisonと言われてもなあと思いましたが、TACチャートにしっかりとPrisonが出ていました。湖の南に、いかにもそれらしい建物を発見。上空でレポートすると、Right Baseからの着陸許可が出ました。

着陸は、少しショックはあったものの、まあまあの出来。風は向かいから3ノットほど。到着後は親切なグラウンドに丁寧に道案内してもらい(とても簡単なのですが)、Transient Parking(一時駐機場)でエンジン停止。ブロックタイム1時間30分、飛行時間1時間18分でした。向い風が予想よりも強かったこと、最後に予想外の迂回をしたことで15分ほど予定よりかかりました。空港ターミナルを抜けて、空港の南の道路を渡ってガソリンスタンド併設のSubwayへ。昼ご飯を食べてから帰途につきます。
赤が飛行経路。ピンクがVFR CORRIDOR空域(3300feet以上、4700feet以下)
帰りはVFR CORRIDORを通り、San Diego国際空港の真上を通過します。出発前にルート上の空域の高度制限を良く確認します。間違えたらClass B空域の不許可進入となり、かなりのペナルティを覚悟しないといけません。巡航高度を4500feetとし、Corridorに入るまでに3500feetに達する計画とします。Brownでは出発で5分ほど待ちましたが、IFRでの20分待ちに比べれば、全く問題ありません。再びC150の非力さを実感しながら、Vxで上昇していきます。かなりギリギリでしたが何とか空域
のルールを守って上昇出来ました。ここではすぐにFlight Followingを要求せずに、Corridorの通信用周波数126.05に合わせて飛んで行きます。位置通報をしましたが、他機の反応も位置通報もなし。全く静かでした。GPSを大いに参考にして空域違反をしないよう注意しながら進みます。やがてSan Diego国際空港が見えてきました。空港の東を通過。到着機が滑走路上を走っているのが見えます。こんな大きな空港の真上を許可も得ずに通過できるのは、ある意味すごいことです。
San Diego国際空港
Corridorを越えたところでFlight Followingを依頼。そのまま4500feetで進みます。Oceanside VORへ直行としたため、海上を飛行。しかし海はマリンレイヤー(海上の低層雲)がべったりと発達しており、雲上飛行になります。VORへのトラッキングはIFRで培った経験がものをいう感じで、以前は下が見えないと安心できませんでしたが、もう平気になりました(笑)。Oceansideを越えた辺りでSOCALからCoronaへ直進しないのかと聞かれました。DANAH、El Toro VOR経由で向かうと返信。El Toro VORは閉鎖された空港(基地)の上にあり、最初この空港をJohn Wayne空港と勘違いして近付いて良いのか迷いました。地図に閉鎖空港のマークはあったものの、かなり大きな空港跡で、滑走などもそのままの状態でした。
Camp Pendeletonの軍事地帯。この辺りには原発もあります。
その後は、Santa Ana山岳地域の西の縁を回り込むように飛び、SOCALのいかにも仕事を楽しんでいるという感じの年配管制官にFlight Followingの終了を告げて、Corona空港へと降りて行きました。風は10ノットと弱くはありませんでしたが、Brownよりもうまく着陸できました。どうも風がある方が、上手く出来るのかもしれません(笑)。帰路のブロックタイムは1時間18分、フライトタイムは1時間06分でした。
マリンレイヤの端はこんな感じです
さて、往復のブロックタイムは合計で2.8時間となりました。前回のIFRでのMongtomeryで3時間かかったので、それより遠いBrown往復は3時間は超えるかと思っていたのですが、順調にフライトが進みました。逆に言えば、天候さえ良ければVFRの方がIFRに比べて効率的なフライトが出来るということのようです。現在のXC PICは40.9時間。IFRトレーニング以外でも、あと6時間ほど飛ばないと合計50時間の壁を超えない感じです。 

飛行実績:
飛行時間:2.8時間(累計121.1時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 2.8時間(累計45.0時間)
:Instrument 0.0時間(累計32.1時間)
:Instruction 0.0時間(累計39.2時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:2回(累計244回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計10回)

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