2011年10月26日

Complex機のMooneyデビュー

IFRレーティング取得から10日あまり。目標を失いました(笑)。久しぶりに週末にドライブに出かけたり(Death Valley国立公園へ。これはこれでとても面白かったです)していましたが、新たな目標を見つけました。それはComplex機である、Mooneyに乗ること。

Complex機とは、引き込み式のランディングギアとピッチコントロール式のプロペラを持つ機体のことを指します。これらの機体に乗るには、CFIからトレーニングを受けて、Complex機のEndorsementをもらう必要があります。メールでスクールのAnaに相談したところ、Endorsementを取るのは数回の練習でOKだが、保険会社の規定でレンタルで貸し出すには、
  • 150時間の飛行経験
  • 100時間のPICタイム
  • 25時間の引込脚機の飛行経験
  • 10時間の当該モデルでのトレーニング
が必要とのこと。Soloで借り出すには、なかなかハードルが高そうです。一番問題なのは25時間の引込脚機での飛行経験です。まあ、考えていても仕方が無いですし、まずは練習を始めることが必要ということで、スクールに出かけてきました。

Mikeに久しぶりに会いますが、元気そうです。Lou校長は車を購入して以来、その手入れに夢中になっており、今日もハンガーの片隅でいじっていました。Mikeに言わせると「彼はおもちゃを手に入れてしまった」そうです。それでもMikeとMooneyに乗り込んで出発準備をしていると、やって来て機内を覗き込んで注意事項を伝えて戻る、を繰り返します。スクールのMooneyは、Louが父親から引き継いだのだそうで、思いれのある機体で大事で仕方がないようです。曰く、Short Approach上で90mph、Runway Numberで80mphを守るように、ブレーキが強力なので強くかけ過ぎると簡単にパンクしかねないので十分注意するように、ギアの上げ下げはコツがいるから慣れるように、などなど教わりました。

Mooneyですが、乗り込んだ第一印象は「窮屈」です。横方向も狭いですが、さらに縦方向、頭の上の余裕がありません。170cm台後半の自分でそうなので、背の高い人はさらに圧迫感を感じそうです。着座位置としては、足をぐっと伸ばした形になります。それにもかかわらず、燃料タンクの切り替えレバーは、足元(ひざ下辺り)の床上にあります。操作には、きつい体勢を強いられそうです。いろいろ窮屈な感じで、外部点検などで機体に出入りするのが面倒に感じられます(笑)。Mikeは「奇妙な機体だろ」と言っていました。

Mikeも、Mooneyの経験はあまり無いようで、二人で必要な速度を確認し合いながらチェックを進めます。操縦桿やペダル部分の可動幅も小さく、スポーツカーのような印象を受けます。エンジンをかけ動き出して分かったのは、 スロットルも敏感な感じで、地上での取り回しには注意が必要そうです。それ以外は、特に問題なく滑走路へとタキシングします。天候はVisibilityが7SM BR(Haze)、Cloudsが1700SCT 、Ceiling 3700BKNとあまり良くなく、今回はトラフィックパターンのトレーニングだけの予定です。

ランナップも終わり、26LからLeft Closed Traffic。左周りで空港の周回経路(Traffic Pattern)を回ります。フルパワーにすると強い加速感と共にあっという間に離陸速度の80mphに達します。前輪のサスペンションの幅が小さいそうで、少し操縦桿を引き気味にして前輪に衝撃がいかないようします。すぐに飛び上がり、97mphのVyで上昇します。滑走路には戻れない位置まで来たら、すぐにギアを引き上げます。Mooneyの操作は全てロッド経由での人力で、ギアの引き上げにもかなりの力が必要です。最初は格納位置までバーを下ろす(ギアを上げる)事が出来ませんでした。テクニックとしては、少し機首を下げると上げやすいということで、それにしたがうと、なんとかギア上げが出来るようになりました。

上昇率は1000feet/分ほどで、Crosswindに入る頃には、もうTPAに達します。Pitch Controlの機体は、空中ではRPMでなくManifold Pressureでパワーを設定するとのことで、17に設定します。最初はパワーが強すぎる感じで、なかなかうまく設定が決まらず、機体はふらふら上下してしまいました。
Downwindに入るとすぐに着陸前チェックを実施します。GUMPSにしたがって、Gas、Undercarriage(ランディングギア)、Mixture、Propeller、Switiches & Seatbeltsをセット、確認します。上げるのも大変だったギアですが、下ろす方がさらに大変で、ロック位置までバーを持ち上げ、それをロックするのがどうしても出来ませんでした。利き手と逆なのも辛いですが、そもそも筋力不足かもしれません。毎回、Mikeに手伝ってもらってセットしました。

Runway Abeamを過ぎるとパワーを落とし、1 Notch Flap Downとします。Flapも人力で慣れるまではなかなか扱いづらい感じがしました。Base、Finalと回りFlapをもう1 Notch(下ろさない場合もあります)。パワーですが、落とすと高度が落ち過ぎ、落とさないと速度が出過ぎる感じで、遊びが少ない気がします。90mphを意識して進入しますがGround Effectが強いそうで、少し早めにパワーをアイドルにします。1回目の着陸はMikeにやってもらい、自分は操縦桿とペダルに軽く触れて操作感を確認します。かなりゆっくりと地上に近付いて行くのを待つようです。また座席姿勢と機体の形状も相まって、かなり地面に近付く感じになります。ソフトなランディングを心がけ、接地しても素部にブレーキをかけず、多少減速してからブレーキングします。

今回はタッチアンドゴーを繰り返し、接地したらFlap Up、Mixture、Propeller Full Forwardを確認してから、フルパワーで離陸に向けます。回るにつれて、だいぶ慣れてきました。安定感は全体的に低めで、特にヨーに関しての安定性が低いような気がしました。C150に超パワーアップしたエンジンを付けたような操作感と言えば良いでしょうか?安定感は低くても、操縦の追従性がとても高く、コントロール自体はそれほど難しいという感じでもありません。その分、パイロットに任されている感じがかなりします。そうした意味でも、スポーツカーに似ているのかもしれません。

タッチアンドゴーをするたびにMikeがきちんと回数をメモしてくれていました。結局12周も回り、今日のトレーニングは終了となりました。久しぶりに思う存分、着陸をすることが出来、何よりもフードを付けずに外の景色を見て操縦することの心地よさを味わえました。とりあえず、もう1度トレーニングの予約を入れてあり、次回は訓練空域でのエアワークなどをすることになっています。

帰りがけ、まだ車に夢中なLouに「Mooneyは、とても面白かった」と声をかけると、うれしそうに「そうだろう。もうCherokeeには戻れないな」と不敵な笑みを帰してきました。今のところ、まだ戻れそうで何よりです。

飛行実績:
飛行時間:1.6時間(累計140.9時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計49.9時間)
:Instrument 0.0時間(累計44.15時間)
:Instruction 0.0時間(累計52.6時間)
:夜間0.0時間(累計4.7時間)

着陸回数:12回(累計267回)
Simulator着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計11回)

0 件のコメント:

コメントを投稿