2011年10月5日

[PIC25]海沿いの古都Santa Barbaraまでクロスカントリー

クロスカントリーのPICタイムが足りないということ、また試験に合わせてトレーニング機にIFRだけでなくVFRでも慣れておく、ということでトレーニング機を半日予約していました。ただし、ロングクロスカントリーをもう1回やることになっているので、実際はこれ以上のクロスカントリーは不要となっています。それでも、やはりトレーニング機に目かくし無しで乗れるのは貴重な機会ということで、気楽なVFRでのクロスカントリーに出かけることにしました。行き先は、IFRのロングクロスカントリーの行き先、Santa Barbaraにしました。下見も兼ねる予定です。
強い日差しの中、ロサンゼルスのダウンタウンが左手に見ます
AOPAのフライトプランナーで作成したプランでは、行き115nm、1:07、帰り115nm、1:02となりました。ほど良いフライトタイムです。行きのルートはCNO-SBAのTECルートに準じてPDZ V186 DEANO V27 KWANG、巡航高度6500feetとしました。Flight Followingを入れて飛び立ちます。気流は安定しており、順調に上昇します。上昇中は5500feet、6000feetまでの上昇制限がかかりますが、それぞれすぐに解除されます。これらはLAXのClass B空域の下をくぐり抜けるためのもののようです。
ロサンゼルス市街の北側を飛行します
VFRでのフライトですが、出来る限りIFRのルールを使用して飛行します。はじめはV186に乗って、Van Nuys VOR、Filmore VORと通過していきます。航空路上なので他の航空機も飛ぶ事が予想されるため、特に高度のDebiation(ずれ)には注意します。今日はLAのダウンタウン周辺までは交通量も少なめでATCもゆっくりとした口調で管制の指示を出してきます。ダウンタウン周辺を超えた辺りから、徐々にトラフィックが増え始め、Point Mugu APPの管制官はだいぶ早口でした。Cherokeeの機が多く、コールサインで「Cherokee~」と管制官が言うたびに自分かと構えます。
Universal Studio(撮影スタジオ)上空
一度は対向して来たKingair機とのSeparationのため、340度に変針するように言われましたがすぐに視認でき、Resume Normal Navigationに。DEANOインターセクションまで進むつもりでいましたが、Mugu APPからSanta Monica APPに移管されてすぐに、「Expect Rwy15L, Follow Freeqay 101 and enter left base Rwy15L」とのこと。本当は、Practical Instrument Approach(練習としてのIFRアプローチの実施)を要求しようかとも思っていましたが、そのまま指示に従います。Towerに移管してコンタクトすると、2milesでレポートとの指示。その後、左手の沖合をジェットライナーが追い抜くように降下。地上についた後確認したところ、Republic航空のEnbraer190機のようです。あちらはRwy25にそのまま着陸。こちらは2milesでレポートして、Short Baseから着陸許可。指示に従いRwy15L Finalに入ます。
Burbank空港上空
先に降りたEnbraerはこちらの着陸滑走路手前で待機させられるかと思いきや、そのまま横切って行きます。こちらは着陸直前なのですが、思い切ったものです。そんな状況に慌てた部分もあったのか、着陸は2度ほどバウンドする良くない形に。もう一度バウンドするようならゴーアラウンドしようとスロットルに手をかけていましたが、何とか落ち着いたのでそのまま着陸を続行しました。横前風が強かったのもありましたが、接地速度が少し高かったので、もう少し注意しないといけません。
右手にサンタバーバラが見えてきました
着陸後、Transientへのタクシーをグラウンドに要求すると、南と北の2つあるとのこと。AOPAのサイト(AOPA Airport)の利用者のコメントで、南のTransient ParkingのFBO(地上支援会社)であるAtlantic Aviationの方が感じが良い(もう一方は、手数料価格も高く感じが悪いとのこと)で、Southを希望して進みます。Atlanticのスタッフが無線で聞いていたようでカートが飛び出して来て、駐機場を教えてくれます。駐機するとすかさずタイダウンをしてくれ、さらにカートに乗せてFBOの建物まで運んでくれます。ほんの150mほどの距離なのですが。このフライトはブロックタイム1.8時間、フライトタイム1.5時間でした。
着陸直前、Base Leg
Santa Barbaraは公共のTransient Parkingが無いとのことで、一時的にせよ駐機する場合はFBOのパーキングに留めることとなり、手数料(Landing Fee)を支払わなければなりません(燃料を一定以上入れれば手数料はサービスになります)。手数料は$25とのことで、初めて駐機料を支払いました。燃料を入れた方が得だったかもしれません。有料なだけあり、FBOのターミナルは豪華で、ソファや休憩設備、コーヒーなど飲み物コーナーがあったりします。ただこの中にいても仕方が無いので、これもあらかじめ調べておいたAtlantic Aviationから徒歩10分のOceanview Bar & Cafeに向かいます。ここはBeachの中にある完全に海に面したCafeで歩いてくる価値は十分にありました。10月というのに夏に逆戻りしたような陽気と周りの人の中で、遅くなった昼食を取ります。これまで目的地の空港で取った食事の中で、一番リゾート度の強い時間を過ごすことが出来ました。
Santa Barbara空港の近くにあるBeachside Bar & Cafe
Cafeの周りはこんなビーチです
1時間半ほど滞在した後で、帰路につきます。帰りはCamarillo VORへ進み、そこからマリブビーチの北側を通過して、Hollywoodサイン、グリフィス天文台の上空を通ってV186を通ってParadise VOR(実際はその手前でChino空港へアプローチ)の計画、高度は5500feetです。Santa Barbara空港は出発機は全てDeliberyにコンタクトをしてSquawk Codeをもらって出発しなければなりません。Chino空港までVFRと告げてもらった指示は、「Expect Rwy25, Right Downwind Departure, Follow Freeway101, Climb & Maintain 3000」というものでした。Squawkも指示され、その後Ground、Towerへとつないでいきます。
離陸直後、Right Downwindにて
タクシーを始めた途端、GroundにUS AirwaysのCRJ900がプッシュバックのクリアランスを取っています。こちらがランナップで手間取ると、先を越されそうです。Rwy25脇のランナップエリアで速やかに離陸前チェックリストを実施します。出発準備が完了してTowerにコンタクトを取ると「Lineup and Wait」(滑走路に入って待機)との指示。この指示を出されたのは初めてです。滑走路にはタッチアンドゴーのセスナ、後ろからはCRJが迫ってきます。追い立てられるように離陸許可が出て離陸します。前のセスナとの距離はかなり短く、先行機が右に旋回してRight Crosswindに入る時は、特に近く感じます。こちらはもう少しだけDeparture Legを延ばしてから右旋回。その直前には、US Airwaysに離陸許可が出され、本当に詰まった間隔で出発していきます。さすがClass Cの空港です。思えば、Class C空港に降りたのも初めての経験でした。
サンタバーバラ港の沖合にはクルーズ客船が停泊していました
離陸後Towerから、「Follow Freeway101 until harbor, after harbor resume own navigation, altimeter restriction canceled」との指示が。harborとはサンタバーバラ港のことで、そこまではFreewayをなぞるように上昇していきます。harborの辺りでVentura VORに向けて直進開始。洋上飛行となるので、万が一に備え、最寄りの陸地で緊急着陸できそうな空き地を目で追いながら飛行を続けます。海を超えて再び陸地上空に入り、左手奥にCamarillo空港、真下にOxnard空港を通過してVentura VORに向かいます。Ventura VORは小高い山の上にあり、簡単に視認できました。

Ventura VORを出発後は、Radial076で進みます。このRadialで進むと、Holleywoodサイン、Glifith天文台上空に到達します。ただし、この航路のすぐ南はLAXのClass Bになっており、ATCからも「How is your plan with Class B Airspace?」と尋ねてきます。「We'll fly north edge of Class B」と返答します。VORの計器とGPSを細かくチェックし、Class B空域に入らないように注意します。右手下にはMaribの海岸線が広がります。やがて右手前方にSanta Monicaの町並みが見え、その奥にBeverlly Hillsも視界に入ります。まもなくHollywoodサイン上空です。
サンタモニカの北側を通過します
目を凝らすと、電波塔が並ぶ山の南側にサインが見えてきました。その先には天文台の建物も見えます。ただし、Class Bに入らないよう細心の注意を払っていたので、写真は殆ど撮れませんでした。5500feetでこれらの真上上空から観察するのは、少し無理があったようです。この辺りを過ぎると、やがて航空路V186に合流します。航空路に乗って、Paradise VORに向かいます。やがて前方左手にOntario空港が見え、正面にChino空港が見えてきました。空港視認を告げ、VFR降下許可を得て降下します。すぐにChino Towerへのコンタクト指示が出ました。予め取っておいたATISのInformationを告げてChino空港へ着陸許可を求めます。
Hollywoodサイン
この時、大きな間違いをしてしまいました。自機の位置を12nm Northwestというべきところを12nm Norheastと言ってしまい、Modified Straight Inを指示されます。おかしいと気がつき、位置報告を修正、今度は「Right Traffic Rwy26R, Report Downwind」を指示されました。ダウンウインドでレポートしたところ、あっさりと「Extend Downwind」の指示。速度を落として進みますが、なかなかTurn Baseの指示がなく、こちらから「Please call my base」と言います。Freeway15を超えてしまうのでは(少し大げさですが)と思った頃にTurining Base Approvedと着陸許可。早速指示にしたがってBase、Finalとまわります。せっかくなのでILSをセットし、ILSのコースに乗ってアプローチします。PAPIの赤赤白白を維持してShort Finalまで進み、そこでフラップを1つ足して2ノッチにします。Santa Barbaraでの反省に基づき十分に減速して接地。今回はきれいな着陸となりました。ブロックタイムは1.5時間、フライトタイムは1.3時間でした。
帰りはダウンタウンの近くを通過しました
今回は、初めてのClass C空域であるサンタバーバラ空港への着陸・出発、LAXのClass B空域のすぐ近くを通過など、初めての経験をいくつもすることが出来ました。最近HazeやFogの日が多いですが、今日は空気の澄んでおり見通しも良く、VFRの眺めを思う存分楽しむことが出来ました。次回は、IFRで飛ぶことになりますが、イメージトレーニングとして良い練習になったと思います。

プローチ合計(Simulator含む):
33回(ILS14回、LOC5回、VOR14回) 

飛行実績:
飛行時間:3.3時間(累計129.5時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 3.3時間(累計48.3時間)
:Instrument 0.0時間(累計36.6時間)
:Instruction 0.0時間(累計44.3時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:2回(累計248回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計10回)

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