2011年8月28日

[IFR27]TEC RouteでCamarillo空港まで

今回も前回と負けず劣らずの猛暑。昼からのトレーニングなので暑さもひとしおです。飛行前点検を汗をかきかき行なってから、Mikeと飛行前の打ち合わせをしようとすると、教室が全て埋まっています。空いているシミュレータールームで打ち合わせをということになり、エアコンが良く効いているシミュレータールームに腰を落ち着けると、どうもMikeと目が合います。お互い思うことは同じでした。
猛暑のため、山の向こうの砂漠の上空は壮大な積乱雲が発達していました。

今日も実機ではなくシミュレーターにしないか。意見が一致したので、予定を変更します(笑)。次回からいよいよクロスカントリーの練習に入るとのことで、今回はクロスカントリーのルートをシミュレーターで飛んでみることにしました。ルートはCNO-CMA。Chino空港からCamarillo空港です。
SOCAL内のTEC Route図(AF/Dより)
LA周辺一帯のSOCAL Approach空域には、通常のIFR以外にTEC(Tower Enroute Control) RouteというIFRルートが設定されています。これは、SOCAL Approach内の各空港間のルート、飛行高度が予め設定されているものです。このルートを使う限りにおいては、IFRのフライトプランを出発30分前までにファイル(提出)する必要はなくなり、Clearance DeliveryもしくはGround等の管制官に直接申請するだけで、飛行許可が発出される事になっています(TEC Routeの設定がある区間では、通常のIFRは原則申請不可)。TECRouteは、IFRフライトの調整をSOCAL内でのみ行なうため、Clearanceの発出まで時間がかからないためパイロットにも、またルート・高度を指定して捌けるため管制官にもメリットのある制度です。TEC Routeの情報はAF/Dに掲載されており、事前に調べておくことが必要です。
CNOからCMAへはONTN14というルートが設定されている(AF/Dより)
Chino空港からCamarillo空港までのルートを調べたところ、「PDZ V186 FIM」と言うルートを飛行するONTN14というTEC Routeがありました。離陸後PDZまではText DPにしたがって飛行し(実際はレーダーベクターを受ける場合が殆ど)、その後はV186という航空路を通りFIM(Fillmore) VORまで向かいます。その後はレーダーベクターを受けて、アプローチコースに向かいます。巡航高度は6000feetで設定されています。

Camarillo空港へのアプローチはいくつか設定がありますが、殆どがGPS ApproachでVOR Approachは一つだけ(VOR RWY26)です。スクールの機材にGPSによるアプローチが出来る機材はありませんので、100%このアプローチが指示されることになります。
VOR RWY26アプローチ(TPPより)
この辺りの知識はWritten Test対策とMikeとのGround Schoolでやっているので、表面的には理解は出来ています。実際の運用がどのようになされているのかが、興味深いところです。

シミュレーターでは、Mikeが管制官役となり、許可を受けながら進めて行きます。SIMにはDMEが付いておりずいぶんと参考になりますが、訓練機にはついていないので、実機での飛行に備えて出来るだけ頼らないようにしてみます。エンルートはアプローチほど忙しくないので、比較的簡単でした。アプローチもだいぶ慣れて来て、大丈夫と思っていたのですが、そこに落とし穴がありました。

Missed Approachの際に、CMA VORのR265に乗って2200feetまで上昇し、左旋回してCMA VORに向かうとなっているのですが(上のVOR RWY22 Approachの画像参照)、2200に到達次第旋回を開始してしまったため、VORとの距離が足りずに、VORの周りをぐるぐるとまわることになってしまいました。こういうCourseの場合は、少なくとも1分(1.5NM)以上直進してから旋回しないとVORに戻ってこれないとの事でした。またこのようになってしまった場合は、どの方角でも1分程度VORからOutboundで飛んで旋回してVORに戻るとのこと。Chartからここまで読みとらないといけないとは、なかなか奥が深い世界です。

それ以外はほぼ完ぺきだったとのことで、次回の実機でのクロスカントリーが楽しみです。

プローチ合計(Simulator含む):
25回(ILS10回、LOC4回、VOR11回) 

飛行実績:
飛行時間:0.0時間(累計111.3時間)
Simulator:1.6時間(累計9.8時間)
:PIC時間0.0時間(累計42.2時間)
:Instrument 1.6時間(累計26.5時間)
:Instruction 1.6時間(累計32.3時間)
:夜間0.0(累計3.1時間)

着陸回数:0回(累計237回)
:シミュレータ着陸:1回(累計3回)
:夜間0回(累計10回)

グラウンドスクール
0.2時間(累計14.3時間)

4 件のコメント:

  1. ブログよく拝見させていただいてます。
    フライト、楽しそうですね。私もいつかアメリカ、カナダあたりでパイロットライセンスを取りたいと思っています。なので、主様がパイロットのライセンスを取得しようと思ってから実行に到るまでのプロセスや、訓練の進捗はとても参考になります。
    現在日本在住で日常に忙殺され中々実現できずにいますが、このブログを読んで目標を再確認しています。

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  2. この週末も本当に暑かったですね。ちょうど La Habra あたりからこの積乱雲を眺めていました。 上空はたいへんなことになっていたのでしょうね。 機内のエアコン装備はどうなっているのかとふと思いましたが。

    それにしても Chart の読取りの複雑なこと、、IFR 訓練はさすがにレベルが違うのだと思いつつ、いつも詳細な投稿内容に感嘆してます。 

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  3. Camarilloですか!自分はよくそこで離着陸の練習しています。

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  4. > Richard.Wさん
    ご覧いただき、ありがとうございます。最近は、いろいろな機会で興味がある人をフライトスクールにお連れして案内することが増えてきました。初めてきた時は、自分もこういうことが知りたかったんだよなあと、思い出されて懐かしい気分です。私は始めるまでは敷居がとても高く感じていましたが、始めてしまえば、ごく普通の世界の一つだと思えるようになっています。

    > miaさん
    驚異的な暑さでしたね。インストラクターのMikeも暑さが苦手な体質らしく、すんなりとシミュレーション訓練になったのは幸いでした。機内のエアコンは高級機種でないと無いようです。私は乗ったことはありません。送風機すらない機体が多く、地上にいるあいだは灼熱の世界です。

    > かずやさん
    Camarilloは好き嫌いが分かれる空港ですが、私は気に入っています。2度しか行ったことが無いのですが、あそこのカフェはとても気に入りました(笑)。海に近くて、涼しいのも良いポイントですね。

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