2011年11月17日

MooneyでArizonaへひとっ飛び

今回のフライトは、トレーニングなのか通常のXCなのか、判断に迷います。Mooneyで、Arizona州のKingman空港までフライトしてきました。フライト自体は、Mooneyの借り出しに必要な条件を満たすためのものです。基本的なフライトトレーニングはもう良いだろうということで、時間を一度に稼げるクロスカントリーとなりました。ただし、スピードが速い機体なので、ある程度遠くに目的地を設定しないといけません。インストラクターのMikeからは行き先は任せるからと言われていましたが、なかなか決められずに前日の晩になってKingmanを思いつきました。
砂漠の中を飛行中
初めての州越えフライトです。PhoenixのSectional Chartをスクールで購入し、マーカーで経路に印を付けます。それほど高いわけではありませんが、3400feetの標高も今までの中では最高です。フライトプランをMikeに説明してから、プリフライトを行ないます。プランでは、帰りにLaughinでタッチアンドゴーを行なうつもりでしたが、機体の点検でStrobeが付かないことに気が付きました。Mikeがメカニックに聞きますが、部品を交換する必要があるとのこと。すぐの交換は無理なので、日没までには帰還することになり、この時点でKingmanへの単純往復が決まりました。最近は5時前に日没を迎えます。

Mooneyでの初めてのFlight Followingとなります。Groundにタクシー許可と同時にKingmanまでのFollowingを要請します。最近ATISでClearance Deliveryの案内が流れていましたが、今日はなし。もしかしたら、試験的に運用していたのかもしれません。Groundから、タクシー中に連絡が入ります。内容は通常通りの「Remain clear of Class C airspace until 2way communication establish with Socal Departure, Departure frequency will be 125.7」というもの。 IFRのクリアランスは「Are you ready to copy?」と聞いてくれますが、これくらいならば、聞くまでもないということでしょう。
帰路、州境のコロラド川の上空
離陸後、左旋回してSocal Depにコンタクト。9500feetへの上昇が認められます。Throttle、Propを上昇設定のManifold Pressure 24inches、 2400RPMの「24square」となるように設定します。Mooneyの上昇速度(Xy)は96mphと早くはありませんが、その分上昇率は1000fpm前後を維持します。7000feetを超える辺りから徐々に上昇率が下がってきましたが、レベルオフするまで500fpmを下回ることはありませんでした。上昇にしたがって、シリンダーヘッドの温度がグリーンアークに入るように、Cowl Flapを閉じて行きます。水平飛行ではThrottleとPropを23.5squareに設定します。速度がじわじわと上昇し、135-140mphで落ち着きます。
Kingman空港
Palm SpringsのVORTAC(PSP)を通過し、Twentynine Palms VORTAC(TNP)に向けて変針します。今日のフライトプランはIFRを選択肢に入れていたため、Victorway(低高度航空路)を飛行します。眼下には壮大な砂漠が見渡す限り広がります。15分ほどでTNPを通過した後、Needles VORTAC(EED)をに向けて進みます。さすがに140mphでのフライトは早く75nm程の距離が30分ほどです。この辺りでMikeと着陸に向けてのBriefingを行ないます。ASOSで天候を聞き、Rwy21を着陸滑走路に想定します。降下開始をFlight Followingを受けているLos Angeles Centerに告げると、Followingが終わりました。20nmほどに近付いてUNICOMでTraffic Advisoryを問い合わせますが、反応なし。そのままRwy21への着陸をアナウンスします。Downwindに入り、GUMPSを実施します。Cowl Flapも、忘れずに開けておきます。Base、Finalと回り込みます。ATCはMikeが担当してくれるとのことで、フライトだけに集中します。問題の無い着陸でした。ブロックタイム1時間54分、フライトタイム1時間36分でした。
Kingman空港。ContinentalのEBRが大量にストック中
Transient Parkingに泊めて、FBOでトイレを借ります。FBOでは、ソファに物静かそうな若い東洋人のお兄さんが座って雑誌を読んでいました。Mikeが話しかけると、AmeriflightのCo-Pilotだそうで、Show Up待ちでした。Ameriflightは小型機によるカーゴ航空会社で、確かにRampにMetrolinerが駐機していました。通常は一人パイロットで運行されるそうですが、訓練で2名で飛んでいるとのこと。Stroboの点かないMooneyのため日没までに戻る必要があるので、少しソファで休んだだけで機体に戻り出発準備を行ないます。

Mikeが「さっきのパイロットは日本人?」と聞くので、アクセントから、中国生まれの中国人だと思うと答えます。Mikeも「Ameriflightはいつも1人パイロットだから、彼は正規のパイロットではなくトレーニング生か研修ではないか」とのこと。機内でフライトプランの確認、エンジン始動を終えてタキシングを開始すると、Metrolinerに先ほどの東洋人パイロットが乗り込むところでした。軽く挙手をして挨拶します。Mikeによれば、あのようなCargoのパイロットは小さなカバン一つで、何日も飛びまわるそうです。「飛行機は高性能だけれど、一度家を出たら家族や子供に何日も会えないよ」とのことで、なかなか大変なようです。Mikeは会社ではなく、プライベートジェットのパイロットとして雇われたい気持ちがあるようです。
帰路、Arizona方向を振り返って
帰りは離陸すると、西向きに飛行します。この機体にはバイザーが無く、太陽が真正面でまぶしくて仕方ありません。Mikeと手でひさしを作ってしのぎます。Needles(EED)、Hector(HEC)、APLESと進むプランです。コロラド川を渡る頃、左手にはLake Havasu、右手にはLaughlinの町並みが見えました。Mikeによれば、夜にみるLaughlinのは光の帯が空中に伸びてとてもきれいとのこと。コロラド川を渡ってしまえば、後はひたすら砂漠の中を太陽に向けて飛んで行きます。NeedlesからはFlight Followingを依頼し、LA Center、Joshua Approachと続きます。Mikeに多めに操縦もお願いし、こちらは写真を撮ったりGPSのプランを確認したりします。二人パイロットの便利さを実感します。APLESポイントを通過して、Kajon Passから降りる準備を始めますが、下界は濃いHazeが広がっています。
帰路は太陽の後を追うように飛びました
ChinoもVisibilityが6SM程で、まるで雲の中に降りて行く感じです。Mikeにこんな場合はどうしたら良いか尋ねると、「Flight FollowingでATCの降下指示にしたがえば良い」とのこと。下手に降下開始を告げてFollowingを終えられてしまうより、このままFollowingにしたがった方が良いという訳です。やがて、Joshua Appから4500feetまでの降下許可とSocal Appへの移管を指示されます。Socalにコンタクトすると、降下制限がキャンセルされました。NAV1にRwy26RのILSをセットし、視界が悪い中でNAVを参考に進んでいきます。Chinoタワーにコンタクトすると、Rwy26Rへストレートインの指示が出ました。夕日と靄で見にくい視界の中、ILSに乗って降下していきます。風も穏やかで順調かと思われましたが、最後の最後でフレアが少し高すぎ、着地まで時間がかかってしまいました。そろそろ低翼機の着地を安定したものとしていきたいと強く感じます。ブロックタイム2時間6分、フライトタイム1時間48分でした。

今回は穏やかな晩秋の中、Mooneyの俊足ぶりを堪能するフライトとなりました。また、自分の操縦する機体で初めてカリフォルニアを越える事も出来ました。以前、Kingmanは車で通り抜けたことがありますが、Los Angelesからかなり時間のかかる場所でした。それが、Mooneyだと2時間以内でたどり着くとは、あらためて飛行機の早さを実感します。今回で、Mooneyのフライトタイムも9時間になりました。あと6時間、飛行時間を積む予定にしており、もう1,2回どこかにクロスカントリー行くことになりそうです。

飛行実績:
飛行時間:4.0時間(累計150.2時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計49.9時間)
:Instrument 0.0時間(累計44.15時間)

:夜間0.0時間(累計4.7時間)

着陸回数:2回(累計281回)
Simulator着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計11回)

[PIC26]友人を連れて海まで散歩に

友人らを乗せて、セスナ172を4人乗りでフライトしました。考えてみれば、定員いっぱいで飛ぶのは、今回が初めてかもしれません。

プリフライトをすべて終えて、全員が乗り込みます。出発前にお客さんにブリーフィング。「緊急時には、不時着直前にドアを開けて下さい。ドアの開け方を試しておいて下さい」。そこで、乗客から、「ドアが開かない」との申し出が。やっても確かに開きません。反対側のドアから出て外から開けると大丈夫です。メカニックを呼んで確認したところ、ドア内部のロッドが壊れているとのこと。

機体を交換して出発する事として、再びプリフライトを全てやりなおして出発します。今度の機体は問題なく、出発。行き先は、しっかりと考えていなかったのですが、最初の目的地はフレンチバレー。途中Lake Mathews上空で旋回しながらの上昇をしました。3周ほどまわったのですが、初めてのセスナ搭乗の友人たちは、気持ちが良くなかったようでした。この辺りは良く注意しないといけないと反省します。フレンチバレーはOver the TopからRwy18のLeft Downwindに入ります。先行機がずいぶんと大きなパターンを描くので、ダウンウインドを延長して対応します。風も穏やかで、初フライトの人たちを怖がらせることもなく着陸。フレンチバレーでは、カフェで食事。機体の変更で出発が遅くなったので、お腹が空いていました。

ゆっくりと食事をした後は、海まで散歩。French Valley空港を出発したらLake Elsinoreの北側を通過して、Dana Pointへ向かいます。Flight Followingは頼みませんが、Socal Appをモニターして、状況を確認します。下にはOrtega Highwayが山肌を縫って走っています。高度を6500feetとし、Dana Point上空で北に鋭角に旋回します。先ほどの反省から、標準旋回程度のバンクとします。

El ToroVORを参考としながら、Lake Irvineを超え、John Wayne空港の管制圏の上を通り過ぎてから降下開始。急な降下は怖がらせるかと思い、500feetの降下率を維持します。そのため、直接CoronaのRwy26のLeft Downwindの45に入ることが出来ず、そのまま空港南側を東進します。Freeway215の手前で左に180度旋回して西に向かう頃、Coronaからの出発機があり、干渉しそうな位置関係に。こちらが後ろに回り込むことを伝え、見失わないように注意しながら出発機の後ろに入ります。その後は、順調に着陸までたどり着きました。

今回の教訓は、飛行機に慣れていない人と一緒の場合には、とにかくソフトなフライトを心がけること、ということでしょうか。CFIやライセンシーばかりと飛んでいたので、そうした事に気が付く良い機会となりました。プロのパイロットは旋回一つに大変な気を使うと聞いたことがありますが、その気持ちが少しだけ分かった気がします。

飛行実績:
飛行時間:1.9時間(累計146.2時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計49.9時間)
:Instrument 0.0時間(累計44.15時間)

:夜間0.0時間(累計4.7時間)

着陸回数:2回(累計279回)
Simulator着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計11回)

2011年11月10日

Mooneyでストールを経験

今回はMooneyの練習第3回目。スクールでは、事務・教室棟移動の準備が進んでいました。聞くと、一つ隣のハンガーに来週をめどに移動するとのこと。隣のハンガーは道路と駐車場に面していて、外からも良く目に付きます。最初にスクールに来た時は、正直分かりにくく入りにくい気がしたのですが(来てしまえば、全く問題なかったのですが)、そちらに移ればそんな事もなくなりそうです。ハンガー内の事務・教室棟はコンテナハウスなので、移動作業もスムーズに進みそうです。
45度でのSteep Turn
まずはMikeと打ち合わせをします。Mikeは私の前に、別の学生とRamonaまで飛んで来ており、その時の様子では、今日はSanta Anaウインドがあり地表近くは多少揺れるものの、上空はとてもスムースとのこと。ただ、Santa Anaウインドに伴い、使用滑走路がいつもと逆になっています。打ち合わせの結果、今日の練習はStall、Slow Flight、Steep Turnなどのマヌーバ練習ということに。
左席側計器
いつもと逆の東向き滑走路から離陸し、そのまま練習空域のLake Mathewsに向かいます。出発前にMikeとPOHを見ていると、離陸後はスロットルを25inch(Manifold Pressure) 、プロペラを2500RPMになるように設定します。25squareが上昇時の設定とのこと。最大推力より落ちますが、それでも1000fpm程度で上昇していきます。2000feetでレベルオフ。クルーズでは、23squareが標準設定だそうで、再び設定を調整します。推力をさらに落としたものの、水平になったためぐんぐんと速度が伸び140mphほどに。さすがに早いです。Cruise Checklistを実施。さらに、6000feetまで上昇、再度25squareにして上昇します。
Mooney他のピッチコントロール機とはMixture、Propの配置が逆
6000feetに上昇すると、かなり低めの高度でB737が追い抜いていきました。8,000~10,000feet程でしょうか。この辺りで、こんなに低い高度を飛んでいるエアライナーを見るのは初めてです。心もち高度を下げて5500feetにして、Slow Flight、Power Off Stall、Power On Stall、Steep Turnと行ないます。クルーズだと140mph程度のところ、失速速度は60mph弱なので速度の増減幅がかなりあり、体勢を整えるまでに時間がかかります。その間、こまめにトリムを回して高度を維持します。どのエアワークも特に問題なくこなせました。ピッチが少し繊細な以外、とても飛ばしやすい機体です。
右席側計器
その後、Mikeから「Corona空港に降りてから、Chinoへ戻ろう」との提案があり、了解します。Santa Anaウインドの時はCoronaは大荒れになる傾向がありますが、Mikeがいるので良い練習になります。Mooneyは機体の抵抗が少ないせいか、降下率がなかなか大きくならず、また速いため、360度旋回を2度ほどしながら高度を下げてから、Coronaのトラフィックパターンに入ります。Rwy7のFinal上では揺れましたがそれほど酷いものではなく、無事に着陸。少しフレアが早いのが気に入りませんでした。タクシーバックして再び離陸。離陸後左旋回してChinoにコンタクトをし、Rwy8RのRight Trafficに入れとの指示。Optionをリクエストして、許可を得ます。
到着後の機体
2回Touch & Goを行なって、3回目にフルストップ。相変わらずギアを下ろすのには力がいりますが、両手でセットするのにも慣れてきました。ただし、今日はどうもラウンドアウトが高めの傾向になってしまいました。その分、降りるまで風にあおられながら我慢する時間が延びてしまいます。また、片手でもセットする事も出来、徐々にギアの扱いにも慣れて来ている気がします。着陸後にMikeから、「アプローチはとても良い」とのコメント。「ラウンドアウトが早めだった」と伝えると、 「もっと降りてから、グラウンドエフェクトを使うといい」。その通りですが、未だに地面が近付くことに恐怖心があるのかもしれません。

今日の1.6時間を合わせ、計5.0時間を飛んで、Mooneyにもだいぶ慣れてきました。Mikeからは、次回はクロスカントリーに出て飛行時間を稼ごうとの提案が。どこに行くかは任せると言いながら、突いた先でランチを食べようとのことで、空港にカフェがあるところを探す必要がありそうです。 

飛行実績:
飛行時間:1.6時間(累計144.3時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計49.9時間)
:Instrument 0.0時間(累計44.15時間)

:夜間0.0時間(累計4.1時間)

着陸回数:6回(累計277回)
Simulator着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計11回)

2011年11月2日

Mooneyの速いこと

Mooney練習の2回目。はじめにグラウンドでコンスタントスピードプロペラ(ピッチコントロールプロペラ)について、おさらいをします。分かったような分からないようなプロペラのピッチコントロールについて、Mikeに確認をしていきます。
Mooneyの操縦席
ピッチコントロールは、簡単に言えば車のギアチェンジ(特に無段階制御)のようなもので、各速度域で適切なトルクを得るためにプロペラのピッチ(羽根の取り付け角度)を調整するようなものと理解しました。離陸時や着陸時(復航に備えて)には、低速で最大のトルクを得られるようにフルフォワード(正面からみて羽根の面積が最も大きくなる状態)にします。これによって、プロペラの回転にかかる抵抗が最も少ない状態となります。一方、巡航時にはピッチ角度を適切に増やす(正面からみて羽根の面積が減少させる)ことによって、高速航行に適したトルク域を得られるようにします。
中央の棒がランディングギアレバー、その右がフラップレバー
分かりにくかったのは、ガバナという部品が自動的に推力の変更(スロットルの操作による)に合わせてピッチをコントロールしてRPMを一定にするという話です。自動的にコントロールしてくれるの出れば、手動でピッチをコントロールする必要はないのでは、と考えてしまうのですが、つまりはピッチコントロールはガバナの動作にオーバーライドして(重ねて)、ピッチを設定すると考えれば良いのではと理解しました。これは、その後のトレーニング時、着陸前にプロペラをフルフォワードに設定した際、機体がグッと力強く加速する動きをみせたことで実感できました。また、ガバナがRPMを調整してしまうので、スロットルの設定はManifold Pressureを参考とし、プロペラの設定はRPMを参考とします。
燃料タンク(切り替えレバーは床上に)
30分ほどのグラウンドに続いて実機でのトレーニングになります。2度目のフライトになると1回目ほどの機体への違和感を感じなくなるのは面白いものです。逆に言うと、どの機体でも1回目の感覚は新鮮ということですが。操作感としては、機体が固めな気がします。その分、遊びが少なく反応が即座に得られる感覚です。これは地上でのタキシングでも同様です。
飛行前点検のためにフラップを下ろしたところ
離陸時の力強さはさすがです。Left Turn Tendencyも強いので、右ラダーをしっかりと使います。離陸するとあっという間にTPAに達します。ChinoではRunway End先の道路(Euclid)を超えてからクロスウインドに入るのが良いとされており、またTPAが700AGL程度なので、クロスウインドに入る頃にはTPAまで100feetに達してしまいます。思い切ってスロットルを絞らないと、あっという間にTPAを超えてしまいます。
燃料タンク(自作木製棒で残量を測ります) 燃料タンクにはカバーが付き、フラットに
離陸後はLake Mathewsの訓練空域へ。Mooneyは上昇速度は90mph弱ですが、2500feetでレベルに入り、スロットル、プロペラをレベルフライトの設定にすると、ぐんぐん速度が上がっていきます。あっという間に140mphほどに。気流も良く、滑るように進んでいきます。さすがに速度を実感します。その後、6000feetに上昇し、Lake Mathews空域を超えていきます。あっという間にFrench Valley空港上空まで達してしまいました。Louの言った「一度Mooneyに乗ると、遅い機体には戻れないぞ」という言葉の意味が少し分かった気がしました。
翼下(引込脚はこんな感じ)

その後、Turnや上昇下降などの操作と、それに応じたスロットル、プロペラの設定などを教わってChinoに戻ります。速度があるので、降下プランをしっかり考えないといけないようです。ChinoタワーにコンタクトしてLeft Baseから進入します。懸案の手動でのランディングギアのセットですが、相変わらず重くて仕方ありません。今回は何とかセットに成功。Mikeによれば、ギアダウン時は80mph程度まで速度を落とした方がセットしやすいとのこと。フラップをセットして90mphでファイナル、ランウェイナンバーを80mphでラウンドアウト。
Mooneyの特徴的な部分である尾翼(トリムで全体が動きます)
地上でのグランドエフェクトとフレアの操作はとても素直な感じで、Cherokeeよりも分かりやすい気がしました。その後、5回のタッチアンドゴーを行ない、結局6回の着陸となりました。フラップもノーフラップ、1ノッチ、2ノッチと各種の設定を試しましたが、どの設定でも素直な操縦特性で、着陸はむしろやりやすいように感じました。問題は、やはりギアダウンのセットで、渾身の力でセットしますが、なかなか自力で成功せず。それでも両手で押し込む練習をして、何とか一人でセット出来るようになり始めました。右腕の筋力を鍛えることが必要そうです。
スクールではCherokeeが委託販売中です
ソロでの借り出しまでは10時間のフライトタイムが必要で(さらに引込脚の25時間の経験も)、2回のフライトで3.4時間なので、まだまだタイムが必要です。今後は、クロスカントリーなども行って時間を足していく予定にしています(実はマルチの取得も少し考え始めています)。

飛行実績:
飛行時間:1.8時間(累計142.7時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計49.9時間)
:Instrument 0.0時間(累計44.15時間)

:夜間0.0時間(累計4.7時間)

着陸回数:12回(累計267回)
Simulator着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計11回)

2011年10月26日

Complex機のMooneyデビュー

IFRレーティング取得から10日あまり。目標を失いました(笑)。久しぶりに週末にドライブに出かけたり(Death Valley国立公園へ。これはこれでとても面白かったです)していましたが、新たな目標を見つけました。それはComplex機である、Mooneyに乗ること。

Complex機とは、引き込み式のランディングギアとピッチコントロール式のプロペラを持つ機体のことを指します。これらの機体に乗るには、CFIからトレーニングを受けて、Complex機のEndorsementをもらう必要があります。メールでスクールのAnaに相談したところ、Endorsementを取るのは数回の練習でOKだが、保険会社の規定でレンタルで貸し出すには、
  • 150時間の飛行経験
  • 100時間のPICタイム
  • 25時間の引込脚機の飛行経験
  • 10時間の当該モデルでのトレーニング
が必要とのこと。Soloで借り出すには、なかなかハードルが高そうです。一番問題なのは25時間の引込脚機での飛行経験です。まあ、考えていても仕方が無いですし、まずは練習を始めることが必要ということで、スクールに出かけてきました。

Mikeに久しぶりに会いますが、元気そうです。Lou校長は車を購入して以来、その手入れに夢中になっており、今日もハンガーの片隅でいじっていました。Mikeに言わせると「彼はおもちゃを手に入れてしまった」そうです。それでもMikeとMooneyに乗り込んで出発準備をしていると、やって来て機内を覗き込んで注意事項を伝えて戻る、を繰り返します。スクールのMooneyは、Louが父親から引き継いだのだそうで、思いれのある機体で大事で仕方がないようです。曰く、Short Approach上で90mph、Runway Numberで80mphを守るように、ブレーキが強力なので強くかけ過ぎると簡単にパンクしかねないので十分注意するように、ギアの上げ下げはコツがいるから慣れるように、などなど教わりました。

Mooneyですが、乗り込んだ第一印象は「窮屈」です。横方向も狭いですが、さらに縦方向、頭の上の余裕がありません。170cm台後半の自分でそうなので、背の高い人はさらに圧迫感を感じそうです。着座位置としては、足をぐっと伸ばした形になります。それにもかかわらず、燃料タンクの切り替えレバーは、足元(ひざ下辺り)の床上にあります。操作には、きつい体勢を強いられそうです。いろいろ窮屈な感じで、外部点検などで機体に出入りするのが面倒に感じられます(笑)。Mikeは「奇妙な機体だろ」と言っていました。

Mikeも、Mooneyの経験はあまり無いようで、二人で必要な速度を確認し合いながらチェックを進めます。操縦桿やペダル部分の可動幅も小さく、スポーツカーのような印象を受けます。エンジンをかけ動き出して分かったのは、 スロットルも敏感な感じで、地上での取り回しには注意が必要そうです。それ以外は、特に問題なく滑走路へとタキシングします。天候はVisibilityが7SM BR(Haze)、Cloudsが1700SCT 、Ceiling 3700BKNとあまり良くなく、今回はトラフィックパターンのトレーニングだけの予定です。

ランナップも終わり、26LからLeft Closed Traffic。左周りで空港の周回経路(Traffic Pattern)を回ります。フルパワーにすると強い加速感と共にあっという間に離陸速度の80mphに達します。前輪のサスペンションの幅が小さいそうで、少し操縦桿を引き気味にして前輪に衝撃がいかないようします。すぐに飛び上がり、97mphのVyで上昇します。滑走路には戻れない位置まで来たら、すぐにギアを引き上げます。Mooneyの操作は全てロッド経由での人力で、ギアの引き上げにもかなりの力が必要です。最初は格納位置までバーを下ろす(ギアを上げる)事が出来ませんでした。テクニックとしては、少し機首を下げると上げやすいということで、それにしたがうと、なんとかギア上げが出来るようになりました。

上昇率は1000feet/分ほどで、Crosswindに入る頃には、もうTPAに達します。Pitch Controlの機体は、空中ではRPMでなくManifold Pressureでパワーを設定するとのことで、17に設定します。最初はパワーが強すぎる感じで、なかなかうまく設定が決まらず、機体はふらふら上下してしまいました。
Downwindに入るとすぐに着陸前チェックを実施します。GUMPSにしたがって、Gas、Undercarriage(ランディングギア)、Mixture、Propeller、Switiches & Seatbeltsをセット、確認します。上げるのも大変だったギアですが、下ろす方がさらに大変で、ロック位置までバーを持ち上げ、それをロックするのがどうしても出来ませんでした。利き手と逆なのも辛いですが、そもそも筋力不足かもしれません。毎回、Mikeに手伝ってもらってセットしました。

Runway Abeamを過ぎるとパワーを落とし、1 Notch Flap Downとします。Flapも人力で慣れるまではなかなか扱いづらい感じがしました。Base、Finalと回りFlapをもう1 Notch(下ろさない場合もあります)。パワーですが、落とすと高度が落ち過ぎ、落とさないと速度が出過ぎる感じで、遊びが少ない気がします。90mphを意識して進入しますがGround Effectが強いそうで、少し早めにパワーをアイドルにします。1回目の着陸はMikeにやってもらい、自分は操縦桿とペダルに軽く触れて操作感を確認します。かなりゆっくりと地上に近付いて行くのを待つようです。また座席姿勢と機体の形状も相まって、かなり地面に近付く感じになります。ソフトなランディングを心がけ、接地しても素部にブレーキをかけず、多少減速してからブレーキングします。

今回はタッチアンドゴーを繰り返し、接地したらFlap Up、Mixture、Propeller Full Forwardを確認してから、フルパワーで離陸に向けます。回るにつれて、だいぶ慣れてきました。安定感は全体的に低めで、特にヨーに関しての安定性が低いような気がしました。C150に超パワーアップしたエンジンを付けたような操作感と言えば良いでしょうか?安定感は低くても、操縦の追従性がとても高く、コントロール自体はそれほど難しいという感じでもありません。その分、パイロットに任されている感じがかなりします。そうした意味でも、スポーツカーに似ているのかもしれません。

タッチアンドゴーをするたびにMikeがきちんと回数をメモしてくれていました。結局12周も回り、今日のトレーニングは終了となりました。久しぶりに思う存分、着陸をすることが出来、何よりもフードを付けずに外の景色を見て操縦することの心地よさを味わえました。とりあえず、もう1度トレーニングの予約を入れてあり、次回は訓練空域でのエアワークなどをすることになっています。

帰りがけ、まだ車に夢中なLouに「Mooneyは、とても面白かった」と声をかけると、うれしそうに「そうだろう。もうCherokeeには戻れないな」と不敵な笑みを帰してきました。今のところ、まだ戻れそうで何よりです。

飛行実績:
飛行時間:1.6時間(累計140.9時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 0.0時間(累計49.9時間)
:Instrument 0.0時間(累計44.15時間)
:Instruction 0.0時間(累計52.6時間)
:夜間0.0時間(累計4.7時間)

着陸回数:12回(累計267回)
Simulator着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計11回)

2011年10月16日

IFRレーティング合格[チェックライド2]

午後3時過ぎからチェックライドのフライトが始まりました。プリフライトを行なってから、いつものトレーニング機に乗り込みます。ExaminerのKenは、「間違えに気が付いたら、確認して訂正すること。今日もいくつかの間違いがあるかもしれないが、それをしっかりと修正できるかが重要だ」とのこと。

エンジンをかけてグラウンドにクリアランスをもらってRunup Areaに向かいます。すぐ前を先日の日Du Boisに訪ねて来ていた日本人教官のセスナ機が進んでいきます。Runupで並ぶと、日本人らしい4人が乗っているのが見えました。こちらは、エンジンを2000RPMに上げて、Magnetoチェック。左Magnetoで経験したことのないRoughになりました。再度確認しても同じ。Kenが、「こういう時はどうする?」と聞くので、「もう1回確認して改善しなければ、そのままスクールに戻ります。」

「こういう時はこうするんだ」といってKenがMixtureをLeanにしてしばらく様子を見たり、Full Throttleにしたりします。その度にMagnetoをチェックしますが改善しません。「これは、どうしようもないな」とのことで、Groundにスクールまでのタクシーを要請します。これで今日の試験は終わりか。とりあえず、今日落ちることはなくなったな、などと考えていました。スクールに着いて念のため、再再度のチェック。校長のLouも出て来て様子をうかがっています。やはり調子が悪いのでエンジンを切りますが、Louが「プラグの交換ですぐに直してみせるから」と頼もしいことを言います。すぐに整備担当者が2人出て来て、問題のプラグを探し出します。熱々のエンジンにもかかわらず、すごいものです。「ここにクラックがある。リーンにし過ぎると、温度が高くなり過ぎてこうなることがある」とのこと。以前の亀裂が温度変化の拍子で、スパークしないまでに進行したのではないか、ということでした。エンジンを回してLouが確認すると、快調な状態に戻りました。結局20分ほどで修理が完了になりました。

気を取り直しての出発します。Kenは、ほぼ無言です。最初にRunupまで向かった時に質問したところ、「君がPICだから、すべて君が判断するんだ」と言われていたので、気にせずに手順を進めます。いつもはInstructorのMikeが困ると助け船を出してくれていましたが、今日は全て自力でこなす必要があります。離陸後は、まずLake Mathewsへ。ここからはKenの指示にしたがって操縦します。最初はPDZ VORに向かい、それから指示された高度、針路を維持します。すぐにUnusual Attitudeの試験になりますが、これは簡単に戻せました。2回行なって終了となり、RiversideへのVOR Approachのセットアップ、SOCALへのコンタクトを指示されます。

準備が出来るまでは操縦してくれるとのことで、それを利用(活用)してApproach Briefingまでしてしまいました(笑)。SOCALはかなり忙しそうで、なかなか返事をしてくれませんが、3度目の語りかけで返答あり。Practice Approachが了承され、PDZでのHolding Patternを利用したProcedure Turnに向かいます。「どのエントリーをするつもりだ?」とKenに聞かれ、「Teardropです」と答えましたが、大間違いでした。位置関係からDirect以外あり得ない角度で、「本当にTeardropか?」と聞かれて、「Directの間違いでした」と訂正します。他にも、試験を通して針路でも2度ほどKenは助け船(指摘)を出してくれました。

Coronaのアプローチは順調に進み、その後のMissed Approachの手順もスムーズ。すぐにRiversideのアプローチの準備を始めます。ATISを取り、Altimeterの設定を変更し、Localizerの周波数のセット、モールス信号確認、コースセット、VOR2もPDZを使用したクロスチェック用に同様に設定します。また、RiversideのTower周波数もCOMにスタンバイさせ、すべての設定をブリーフィングで最終確認します。そこで、KenがAttitudeとHeadingにカバーを付けてPartial Panelに。レーダーベクターされており、針路を指示されるたびに、ハラハラしながら変針しますが、多少のずれはあったものの、大きくは外れることなくLocalizerに乗ることが出来ました。90Knotsを維持するよう、細かくピッチとスロットルを調整しながら進みます。相槌さえ打ってくれませんが、一人で「Needle moving, cross EXPAM at 2500 and start timer when crossing」「Speed 90knots, slightly left of course, correcting」「100 to minimum」などと声を上げ続けて、Kenにコントロール出来ていることをアピールします。しばらくMinimumで飛んだ後で、「Execute missed approach」とKenからコールがありました。

その後、SOCALに戻りHDG260を指示されますが、最後のChinoへのILSアプローチを依頼しますが、マシンガントークが続いているSOCALからはなかなか反応がありません。仕方が無いので、Approach Briefingを行ない全ての設定を完了して待っていると、「Say your request again」。ようやくLocalizerへの誘導が始まり、左に180度の変針。どうやらChino空港を通り過ぎる辺りまで来ていたようです。そのため、時間的余裕がたっぷりと生まれ、Briefing内容を再度確認し、余裕を持ってApproachの準備をすることが出来ました。これが功を奏したのか、Partial LOCの後のILSのせいなのか、全く問題なく自信を持ってアプローチ出来ました。Minimumでフードを外すと、ぴったりの場所に。そこから12knots G17knotsの風に煽られ気味になりましたが、なんとかPAPIに乗ってTargetに。着地直前に再び煽られ少し右にずれましたが、そのまま着陸。引き続いてスクールへタクシー。

Kenはその間も無言で、気まずい空気が流れます。良い部分もあったけど、明らかな失敗も2度ほどあったからなあ、と考えながらエンジンシャットオフ。Kenは「Good job! See you inside」と言い残してさっさと降りてしまいました。荷物の整理、Hobbの記録などをすませてから飛行機を降りると、Louが「Congratulation!」とやってきました。「まだ結果を聞いていないんだけど」と言うと、「自分が聞いておいたから(笑)」。それでも信用できず、「どうだった?」と他の人に聞かれても、「まだファイナルアンサーを聞いていない」と答え、Kenの待つ教室に向かいます。

教室ではKenがパソコンに向かっていますが、沈黙のままです。耐えきれなくなり、「結果は?」と尋ねると、「合格だよ」。「本当ですか?」というと、「気に入らないなら、まだ変えられるけど」とKenが初めてにやりと笑いました。ここで初めて、合格が確信できました。そのままペーパーワークに入り、Kenの持ち込んだ小型プリンターでテンポラリーライセンスを発行し、これまでのプラスチックのライセンスには穴開け機で穴を開けます。こうした必要な小物を全て持ち込んでいるのは、すごいと思います。フライトのコメントを聞きましたが、「特にないよ。良く出来ていたよ」とのことで、何だか拍子抜けしつつ、盛り上がらない時間が続きます。

そんな時、Kenの携帯に電話が。光った待ち受け画面には、柴犬の姿が。電話の後でKenに「それは、もしかして柴犬ですか?」と尋ねると、「日本ではありふれた犬だろ」と笑います。聞くと、柴犬を飼っているそうで、南カリフォルニア柴犬クラブの会員でもあるそうです。「彼女は写真に撮られるのがとっても好きなんだ」と言って、何枚も写真を見せてくれました。すっかり相好を崩しています。先週は柴犬クラブの集まりで、30匹の柴犬と飼い主が集まってピクニックをしたそうです。

その後、スクール恒例の飛行機の前でのExaminerとの写真撮影をして、ひと段落しました。まずはMikeのところに向かい、合格の報告とこれまでの感謝の念を伝えます。「素晴らしいインストラクターに出会えて本当に幸運だった。そのおかげで合格できた」と言うと、Mikeも「良い生徒に出会えてよかったよ。生徒だけでなく、友人としても良い人間に出会えた。」と、すごいことを言ってくれます。「その言葉をそのままお返しします」と伝え、一緒に記念写真を取ってもらうように頼みました。4ヶ月間ずっと励まし続けて面倒を見てくれたMikeとの写真は、ぜひ撮りたいと思っていました。

他のスタッフや居合わせた学生の皆さんにもおめでとう、おめでとうと口々に言われ、ようやくスクールを後にしました。Louは早速、「次はCommercialを取らないか?Instrumentに比べて、Commercialは楽しいぞ」と早速営業に入っていましたが(笑)。全て終わったのが6時過ぎ。朝10時にスクールに来てから、長い1日でした。

アプローチ合計(Simulator含む):
49回(ILS19回、LOC10回、VOR20回) 

飛行実績:
飛行時間:1.6時間(累計139.3時間)
Simulator: 0.0時間(累計9.8時間)
:PIC時間 1.6時間(累計49.9時間)
:Instrument 1.25時間(累計44.15時間)
:Instruction 0.0時間(累計52.6時間)
:夜間1.0(累計4.1時間)

着陸回数:1回(累計255回)
:シミュレータ着陸:0回(累計3回)
:夜間0回(累計11回)

グラウンドスクール:
3.0時間(累計21.9時間)

IFRレーティング合格[チェックライド1]

前日、試験の準備で午前3時過ぎに寝ました。今日は昼の12時半に試験開始なので、時間的余裕はあります。Mikeと最後の打ち合わせがありますが、10時半という話にしてありました。そんな訳でゆったりとした気持ちで朝にシャワーに入っていると、Mikeから電話が。「午前にも一人試験を受ける学生がいるが、天候が悪過ぎて飛べないので、ExaminerがOralを二人分午前中にしてしまいたいと言っている」とのこと。そんな勝手な話とは思いましたが、とりあえず急いでスクールに向かいます。10時ちょうどに空港に着くと、天候が回復しつつありExaminerは予定通りフライト試験に向かうとのこと。完全な空振りでした。

ExaminerのKenさんは、現役のエアラインパイロット。Mikeから気難しそうだが良い人だと聞いていましたが、見るからに気難しそうです(笑)。フライト試験に向かうKenとまずは挨拶だけして、その後、スクールで自宅でプリントアウトするつもりだった最新の天候チェックなどを行ない、教室で最後の悪あがきで気象の勉強をします。しばらく勉強していると、Kenと学生が帰ってきました。結果は合格とのこと。何となくプレッシャーを感じます。

Mikeは他の学生のGround Schoolをしているのですが、ちょくちょくとやって来ては「先の学生に、どんな質問が出たか聞いた方が良い」とか、「アプローチの試験はCorona、Riverside、Chinoだったぞ!」といろいろな情報を教えてくれます。さらに「Examinerは昼食に行くと思うから、その間に先の学生にいろいろ聞けるぞ」とも。ところが、Kenは自分で昼食を持参しており、「キミが構わなければ私の食事をしながら試験を始めよう」。嫌という理由もないので、早速試験が始まります。まずは、書類の点検から。Mikeも同席し、IACRA上で書類をチェックします。「so far, so good」と言うことで、Mikeは退席。その後、ログブックなども細かく確認しますが、特に問題はありません。昨晩、しっかりと全ての数字を確認した甲斐がありました。

ようやく初めての問題。「用意したフライトプランに関して、天候のブリーフィングをしてくれ」。この日は、Marine Layerrが発達しており、海岸沿いのSanta Barbara(SBA)空港は視程6milesながらCeilingは1000feetほど。ILSなら降りれますが、VORでは厳しいところです。また、当然Alternateが必要なのですが、海岸近くのOxnard、Camarillo共に、SBA同様の天候です。Approach PlateでMinimumをチェックすると規定は満足しているのですが、確実性を考えVan NuysをAlternateに設定した事を、各空港の天候状況を説明しながら話しました。

Kenはうなずいて話を聞いた後に、「今日のような天候でSBAには行けるか?」との質問。「規定上は満足しているが、Ceilingが1000なので、私の飛行経験から考えて、行かなくてすむなら行かない事を選ぶ」と返答しました。ところが、この答えはKenを満足させるものではなかったようで、「ではなぜInstrumentを取ろうとするのか?Ceiling 1000ならVFRでも飛べるぞ」とのこと。Kenとしては、使える資源(資格も含めて)を活用して飛ぶことを求めていたようで、見当違いの話に持っていってしまったようです。

さらに、試験は悪天候の際の話に進みます。「IFRパイロットとして最も注意しなければならない天候は何か?」「Thunderstorm以外に、危険な天候は?」「Icingに直面したらどうするか?」「Thunderstormの注意点は?」などの質問がでます。一つの答えが次の質問が重ねられ、徐々に細かな点を突かれてくるので、答えるのに苦労します。答えに詰まると気まずい沈黙が訪れます。

またApproach及びDepartureの話になり、「Circlingの際、どのような条件でMDAより降下できるか?」「Alternateの空港にInstrument Approachが無い場合、Weather Minimumはどうなるか?」「離陸後何フィートでRunway方向から変針を始めるか、またその理由は?」等の質問が出ました。満足できる答えを返すと「Good Job!」そうでないと沈黙といった感じで、試験は進んでいきます。

何度か詰まったり、「それは概念を勘違いしている」、さらに「質問を控えておいて、後で自分で調べるように」とも言われました。正直、ここでもう終わったかなと思いましたが、「いくつか間違いはあったが、全体としては良く出来ていた。さあ飛びに行こう」との予想外の言葉。フライトの手順は、Lake MathewsでUnusual Attitude、CoronaへのFull ProcedureでのVOR、RiversideへのPartial PanelでのLOC、ChinoへのILSとのことで、Mikeの情報通りでした。情報通りだからと言って、上手く行く保証は全くないのですが(笑)。Oralは、全部で1時間半ほどでした。

続く